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2024-05-19 15:54

夫が書いた「弘法大師の道koboトレイル2018レポート」を朗読しました②

若き日の弘法大師が歩いたとされる吉野山から高野山までの山道を駆け抜けるレースkoboトレイルは今年で9回目、5月19日に開催されます。距離50キロ以上、獲得標高4000メートル(富士山より高い!?)
2018年に参加、完走した際になお氏が書いたレポート『弘法大師の道-Kobo Trail 2018』を音声でお届けします。🏃⛰️🧘
※鏑木毅さんのお名前たけしではなく「つよし」です。申し訳ありません🙇

【スタートから感動のゴールまで】

その1はこちら👇
https://stand.fm/episodes/66485627517f580809c497c4

koboトレイル2024レポートはこちら👇
https://stand.fm/episodes/664aa16ffe7d655ceb18e0fb

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00:07
おはようございます、ジュリーです。 今日は弘法大師の道-Koboトレイル
2018その2です。 本日9回目の弘法トレイルレースの日です。
夫が6年ぶりで参加するべく現地入りしています。 天気も悪いようなのでどうなることでしょうか。
ちょっと心配です。 では、レポートの続き、その6年前に参加した時のレポートの続きを放送していきます。
お聞きください。 6時になる。まもなくスタートだ。
それではこちらがスタートラインになりますので、ここに並んでください。と指示。 130人しかいないので混乱なく整列。
長いレースになる。 僕はほぼ最高尾に位置を取った。
パンという乾いた音が響いた。 高野山、壇上がらん、根本台東を目指す55キロ。
獲得標高4,000メートル。 制限時間14時間の旅が始まった。
5月20日午前6時。 パンという乾いた豪放とともにレースが始まった。
僕は最高尾についてゆっくりと歩を進めた。 昨日のブリーフィングの後、ゲストランナーの株楽竹志さんが語った言葉を思い出す。
一般的にトレイルランのタイムは早い人で10キロ1時間くらいと言われています。 今回は55キロのレースです。
したがって完走タイムは5時間半くらいと見るべきなんですが、 このレースは8時間くらいかかるんです。
それがどういうことかわかりますか? 会場が苦笑に包まれる。
どういうことか言わないでもわかりますよね。 明日はそういうコースを走ることになります。
決して無理をしないで、でも諦めないでゴールを目指しましょう。 レースの3分の2からが勝負です。
ここで自身のフィジカルとメンタルの両方が試されます。 ただこのコースに救われるような部分もあって、
終盤はいつも軽い瞑想状態に入って人生や家族のことを考えながら走ります。 その体験は他に変え難いものです。
繰り返しになりますがレース3分の2以降が勝負です。 ここを強い気持ちでしっかり走り通しましょう。
続いて今朝のペーサーのコメントを思い出す。 コースの標高グラフを見ますと、
03:00
前半の大天井がたけをピークに、残りは下り基調に見えます。 が、それはそう見えるだけです。
座横堂前の広場がやや緊張ぶくみの笑いに包まれる。 実際には大天井がたけを越えても、これでもかこれでもかと登り下りが続きます。
第一チェックポイントの切り抜き峠ぐらいまでは、ウォーミングアップだと思って決して無理をせず、くれぐれも前半飛ばすことのないようにしてください。
そんなことを聞かされたら、ゆっくりスタートするしかないよな。 平坦なところとゆるい登り、下りはジョグ。
きつい登りは決して走らずにゆっくりと歩みを進める。 まずは大天井がたけの登頂を目指そう。
人はなぜ荒野を目指すのか。 山ほど理由があるのだろう。
自分はなぜ荒野を目指すのか。 工房大師空海に興味があるからだ。
彼が築き上げた天空の宗教都市を見てみたいという思いがあったからだ。 神言密教の修善の地として、
1200年間、時の権力者から庶民までを魅了してきた荒野山。 どんな場所なのか。
また四国88ヶ所の巡礼を終えた後、 荒野山奥野院を訪ねる習わしもあるという。
5月に四国88ヶ所を決断した自分は、 その資格ありとその御作法に沿って堂々と荒野を目指すのだ。
少し違うな。 荒野山に行く日程が先に決まってしまい、大慌てで血がんに向け、
残り15ほどのお寺を強行スケジュールで巡り、今に至るのだ。 しかし巡礼って何だろう。
私はそんなに信心深い方ではない。 深い何かを願って88ヶ所を巡っていたわけでもない。
月日は白帯の価格にして、雪買う年もまた旅人なり。 中学生の頃松尾芭蕉が好きだった。
というか憧れていた。 芭蕉でなくても良かったのかもしれない。
旅人そのものに深い憧れがあった。 人生が旅なのであれば、わざわざ物理的な移動をしなくても、
旅は生逸しそうだが、旅からしか得られない刺激を日常にフィードバックすることで生活を成り立たせているのかもしれない。
旅からしか得られない自問自答や新たな発見、 精神的な成長、
06:02
それを巡礼と呼ぶのであれば、わざわざ宗教的施設をめぐらずとも、
旅に付随する肉体や精神の高まりのようなものを巡礼と呼んでも良いような気がする。
レースに出て走ったりしているのもその一環だろう。 最近では旅乱などという言葉に乗っかって、
すます、旅、巡礼のようなものを正当化しつつある。 四国88ヶ所の巡礼のお作法はいくつかあるが、
本堂と大師堂で般若心経を唱えるのもルールの一つだ。 お寺には本堂と大師堂その他にもいろいろな建物があるが、
その本堂と大師堂の2カ所では般若心経を唱える。 すなわち一つのお寺で2回唱えるわけだ。
88ヶ所巡るということは176回唱えた計算になる。 さすがに暗唱できるようになった。
僕はこの般若心経の教えや世界観が好きだ。 荒野を目指す高ぶりからトレイルの途中何度も何度も般若心経を唱えた。
不思議ときつい上り道にマッチした。 主言道の行者になった気分だ。
さすがに声に出すと周囲が気味が悪かろうと思い自粛した。 気づくと大天井がたけを越えていた。
相変わらずこれでもか、これでもかというアップダウンの繰り返しが続く。 にもかかわらず淡々と歩みを進められている。
体力を温存しながら相当に抑えて進んでいる性格かもしれない。 暑くもなく寒くもなく気候も良い。
第一チェックポイント切り抜き峠を通過してだいぶ経つ。 スタートから26キロ地点。
レースのおよそ半分の地点。 藤上の江戸に到着した。
時刻は1時15分。 関門時刻は
2時だ。 さすがに歩みがゆっくりすぎやしないかと心配をしていたが関門にはそこそこ余裕があった。
次のチェックポイントは35キロ地点天津寺峠だ。 昨日のブリーフィングの際、
ここの関門時間は3時45分だが過去の実績から3時には出発しないと間奏は厳しいとの注意喚起があった。
このペースで行ったらギリギリだとわかった。 少しペースを上げよう。
レースの幸運は相当に間延びしているようでチェックポイントや江戸では選手に合うものの、トレイルでは周囲に自分一人しかいない状態になることが増えた。
09:09
大自然の中に一人。 これが実に心地よい。
もちろんレースという安全地帯にいるからこその気持ちの良さだ。 本当に一人だったら不安でたまらないだろう。
歩いたり走ったりすること以外にやることもないので、当たり前か。 取り留めのない空想をしたり、いろいろな思い出を呼び起こしたり、
楽しい思い出だったり、ひどい目にあった思い出だったり、そんなものだ。 般若心経を唱えたりした。
もう数百回は唱えたか。なんという贅沢な時間か。 眼下に人の気配がした。
天辻峠到着した。 時刻は2時50分。ここではつゆだくのそうめんが振る舞われた。
おかわり何杯でもどうぞと言われ、調子に乗って3杯もいただいた。 塩分が体に染み渡る。
トイレもあったので、二度目の雇用を足す。 辛いでしょうが頑張って、とボランティアの方。
正直この恵まれた天候と気温で換装できなかったらバチ当たりですよ、 と戦士の誰かが答える。
確かにその通りだと思う。こんなに恵まれた気候はそうないだろう。 昨年は酷暑だったと聞く。
3時5分に出発。 換装ギリギリタイムと言われる時間を5分ほど経過してしまった。
許容範囲だろう。 ついに最終チェックポイント天狗峠に到着した。
48キロ地点だ。 関門時間は7時。時刻は6時15分になろうとしていた。
マップを見ると以降ゴールまでは下り基調だ。 ゴールの制限時間は8時。
足も残っているのでここで換装を確信した。 ロングのレースではこのように換装を確信するタイミングがある。
レースの時間の中で何とも言えない嬉しい瞬間だ。 当然すぐに気を引き締めるのだが。
エイドにパンが用意されていたので2つほどいただき、 コップ1杯分のコーラで流し込んだ。
コースは下り基調なのでストックをしまい、お賽銭を用意し、 ゴールと同時にお参りをするらしい。
出発した。 あと7キロ下るだけだ。
温存の効果で足は動く。 下り坂をどんどん駆ける。日が落ちる。
フィナーレにふさわしい美しい光景だなと思う。 写真撮っておけばと後悔したが、一刻も早くゴールしたいという気持ちがあった。
12:01
下り基調も終わり街に入った。 日はすでに落ち、あたりは薄暗く、ところどころに街灯の火が灯っている。
荒野の街だ。 日帰りの観光客はもう帰っている時間か。
すれ違う人々は外国人ばかりだ。 今夜は宿泊にでも泊まるのだろうか。
薄暗い道をひた走る自分に何事だろうという好奇の眼差しを寄せてくる。
いやぁ、今朝吉野の金布仙寿を出発して55キロ、間もなくゴールなんですよ。 など走りながら説明もできないので淡々とすれ違うことになる。
しんとした街並みの中で、一瞬、 歓声が上がる場所がある。
あそこがゴールか。 懐中電灯をつけたスタッフとおごしき人が三道歩行へと誘導してくれる。
薄暗い一本道のようなところをひた走る。 突如ライトアップされた塔が立ちはだかる。
根本大塔だ。 赤と白のコントラストがまばゆく光り輝いている。
こちらへどうぞと誘導される。 階段を上ったらゴールです。塔の前の数段の階段の前にゴールテープがある。
こんなゴール初めてだよ。 階段を数段駆け上がる。ゴールテープを切る。
あ、お賽銭だ。 ごそごそとポケットをいじる。
100円を入れる。 夢にまで見た感動的なシーンもやってしまえばあっという間の出来事だ。
スタッフに祝福をされる。 ああどうもどうもみたいな感じで記録書を手渡され、
あちらでカツサンド召し上がれますよと促され、 気づいたらカツサンドを頬張ってコーラを飲んでいた。
感傷は後で浸ることにしよう。 乾燥タイムは13時間29分、制限時間の31分前にゴールができた。
この日の最低気温は13度、最高気温は27度、 平均気温は19度と大変恵まれた気候で乾燥率も
昨年の68%から飛躍的アップして88.7%だったそうだ。 僕は2リットルのハイドレを用意し、途中エイドで追加をして
合計3リットルほどの水分を補給した。 それ以外にエイドで数杯のお水と数杯のコーラを飲んだ。
ショッツやメダリスト、粉飴、スポーツ洋館などの補給食を傾向したが、一切手をつけなかった。
補給はエイドで提供された柿の葉寿司やそうめん、パンで十分まかなえた。 補給の傾向は最低限で良いかもしれない。
15:04
宿泊は天徳院の宿房だ。 寺の一室、ちゃんとした和室に寝ることに差したる特別感もないのだが、
なんというか今夜に限っては荒野の街に包まれて体を休めるという安らぎがあった。
こうして長いレポートも締めくくりに入るのだが、 今帰っていても貴重なレースに参加させてもらったという思いがある。
ちょっと思い返すだけであの特別な雰囲気を再現することができる。 素晴らしい体験をさせていただきました。
どうもありがとうございました。 工房トレイル、ちょっと癖になるレースです。
15:54

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