金子 剛士
皆さん、こんにちは。
このアップデートステージでは、スタートアップ業界のM&Aの現在地というタイトルで、これからセッションを始めさせていただければと思います。よろしくお願いします。
非常に昨今、スタートアップ界隈ではM&Aという単語が飛び交っておりまして、
花房香那
もう一つ、M&Aの隠れた真実みたいなものを、この登壇のお三方含めて、いろいろと紐解いていければなと思います。
金子 剛士
じゃあ、お一人ずつ自己紹介していただけますでしょうか。
花房香那
皆さん、はじめまして。私は、トリコ株式会社という会社の代表取締役社長の花下香菜と申します。
簡単な経歴としましては、書いてある通りなんですが、
本当にまさしくスタートアップに憧れて起業して、2社目で今はポーラーオルビスホールディングスという化粧品の会社にM&Aをして、
21年にグループ入りをして、今は子会社の社長として勤めております。よろしくお願いいたします。
金子 剛士
花下さんには企業家側の立場から、エグジット経験者としてのリアルなお話をお伺いできればなと思っております。
花房香那
よろしくお願いします。
金子 剛士
竹林さんですか。
竹葉 聖
皆さん、こんにちは。日本M&Aセンターの竹村です。
私、日本M&Aセンターに入って8年目となっておりまして、前職監査法人で東松というところで監査をしておりまして、
2016年からずっとM&Aで、M&Aセンターの中でもIT業種に特化した部署のM&Aをずっとやっております。
その流れで2019年頃からスタートアップのM&Aを主にエグジットの方でご支援させていただいてまして、
私、結構YouTubeとか出てて、YouTuberと間違えられるんですけど、基本的にバリバリの営業でやっておりまして、
日々月50件ぐらいお客さんと商談をしているというようなところになっておりますので、現場から見たリアルな実情をお伝えできればと思います。よろしくお願いします。
金子 剛士
よろしくお願いします。
村上 誠典
初めまして。シニフィアンの村上孝文と申します。今日はよろしくお願いいたします。
今、シニフィアンという会社でポストIPO、スタートアップとかグロース、グロースキャピタルからリード投資を数多くさせていただいておりまして、
今年はIPOでもアストロスケールとかタイミン、あと先日発表させましたスマートHRさんとか、上場している会社ですと、
投資しているわけではないんですが、シフトという会社の社外取りもやらせていただいておりまして、
どちらかというと金子さんがやられているシード期というよりはですね、グロースから上場後というところで普段活動しているんですけれども、
意外とこういったイベントでお話しするときそういうテーマばかりで、M&Aというのは実はあまりお話をする機会がなかったんですけれども、
実は個人的には全職ゴールドマン作成とかも含めまして、20年ぐらいですね、M&Aというのはずっと関わっています。
私は今日お話しできるとすると、大企業のM&Aシーンということと、ある程度成長してきたような会社の売り手買い手のM&Aというところはですね、
いろんな立場から関わってきていますので、そういったところから何か今日お話しできたらなというふうに思っています。よろしくお願いいたします。
金子 剛士
よろしくお願いします。
最後に私ですね、イーストベンチャーズの金子と申します。
SEEDに特化したベンチャーキャピタルをですね、運営しておりまして、創業直後の作ったばかりの会社に投資をするというようなコンセプトの活動を普段しております。
村上さんが今お話いただいたような会社とは多分対極に位置するような、比較的若い年代のですね、創業3年未満ぐらいのスタートアップのM&Aについてはかなりの事例を普段目にしておりますので、
ちょっとその辺り今日、表に出ていない情報も含めてお話しできればなというふうに思っております。よろしくお願いします。
最初にここからはですね、竹場さんの方からスライドを用意していただきまして、簡単にM&Aの概略、概要みたいなところを5分ぐらいお話しいただければなと思っております。よろしくお願いします。
竹葉 聖
まず企業におけるエグジットの方法は大きく4つありまして、IPをですね、年間100社ぐらい上場しているんですけども、いわゆる設立10年未満のスタートアップに分類される企業で60社ぐらい、60社から50社ぐらいですね。
それに対して上場を狙っている上場予備群というのは3000社から4000社いると言われていますので、非常に出口として企業数が増えているのに出口が限られているというので名が増えています。
というのは下のM&A合併買収ということになります。
M&Aなんですけども、合併自体は1%もなくて基本的に株式の取得ですね。
竹葉 聖
これ合併しちゃうと消滅会社の株主残ったままになっちゃうんで、基本的に株式で取得してその後2,3年経って合併みたいな形が多いですというところ。
あとはですね、今セカンダリというところでスタートアップに投資しているVCの召喚金額で10年を迎えるところで株の受け渡しが行われている。
あとはエグジットと言って正しいか分からないんですけども、解散生産というところがあるというところになっています。
金子 剛士
村上さん、直近IPOの方が当初の方針によって特にその時価総額定位の会社を上場させないみたいな方針が出るとか出ないとかっていう話もありますけれども、
こういったレイターのスタートアップにとってのエグジット戦略みたいなところで、今後考えられている流れとかどういう風になっていったらいいなみたいな希望とかってあったりされますか。
村上 誠典
そうですね。希望という意味では、今結構成功していると言われてスタートアップにおかけされて関わらせていただいているんですけども、
端的に言って全然まだリソース足りないですし、仕組みとか経緯力ってまだまだ足りないなって実感なんですよね。
私、シニフィアンを作った8年前ぐらいですけど、当時から思っていたんだけど、当時あんまり声を大きく言っていなかったのが1つエマンドへの話なんです。
なぜかというと当時エマンドへと言っても誰もピンと来ないんですよ。
なんだけど当時から思っていたのは、やっぱりリソースが分散していることの無駄なんですよね。
やっぱり勝ち切るためには勝てるところのリソース集中しなきゃいけない。
でも勝てるところにリソースが実は足りてないっていう状態があるなと思っているので、
やっぱりエコシステム全体のバリューを上げていくっていう観点でいくと、
やっぱりこの良いリソースを勝てる戦略のところにいかに集約させるかっていう意味では、
IPO以外の選択肢がどんどん主流というか増えていくことは、
私の立場からすると望ましい未来なのかなというふうに思っています。
金子 剛士
ちょっと話の角度が変わるんですけれども、私の関与しているようなシードのスタートアップの皆さんというのは、
今非常に資金調達環境が良くですね、多くの会社がシードの1千万から3千万円ぐらいの資金調達を、
割と昔に比べると難易度低くできているという状況があると思います。
一方でですね、昔だったら多分このAさんとBさんは共同創業してただろうなっていうような会社も、
Aさんも独自にファイナンスとして、Bさんも独自にファイナンスとして、
リソースがまさに分散しているなと、資金調達環境が良くなる一つの弊害として、
リソースの分散というのが一定あるのかなというのは、今ちょっとお話聞いてて思ったところです。
続きまして竹場さんお願いします。
竹葉 聖
はい、ここはIPOになった場合の上場企業の分類なんですけど、今4,000社上場してまして、
今当初の方向性としては、プライム、スタンダード、グロースというところを三角形に戻そうとしてますというところになっています。
なので、プライムとスタンダードに上がる基準というのがどんどん高くなってきているというところになっています。
4,000社のうち、時価総額300億未満の会社が今6割ぐらいになっておりまして、
やっぱ上場したはいいんだけれども、時価総額300億の壁を抜けられない企業さんが多くなっているところが、
金子 剛士
いわゆる上場ゴールみたいなところが最近言われているところなんですけど。
またちょっと村上さんに振ってしまうんですけど、グローバルで見ると日本の証券市場というのは、
特にスタートアップにとっては上場の難易度がどちらかというと低くて、
それはそれで日本の良さの一つなのかなと思う側面もあるんですけど、
今後この流れというのはさらにどちらかというと絞っていく傾向にあるというふうには聞いているんですけど、
どうあるべきだというふうにお考えですか。
村上 誠典
これは私、直近経産省から出た研究会のレポートでもすごい発信しているんですけども、
これ私のすごい考え方としては、まずそもそもね、
村上 誠典
お上に決められた形でそんな決められちゃっていいんですかって言っているんですよ。
つまり、上場を意気地にするかとか、IPをするかしないかっていうめちゃくちゃ大事な問題を、
上場のルールっていうもので決められていることに対して、
エコシステムな企業家やVCの方はそれでいいんですかって思ってまして、
あるべき姿っていうのは極論ですよ。ルールいらない。
その上で上場市場の意味をちゃんと会社側が理解して活用するっていうのが多分理想郷なんですよね。
ただそれがあまりにもできてないんで、
ちょっとルールでしばっとかんと変な輩が出てくるかもしらんなというのが今の現状なのかなというふうには思っています。
金子 剛士
なるほど、ありがとうございます。
あれ、動かない。
竹葉 聖
はい、ここですかね。
これよく見る図だとは思うんですけども、日本とUSのIPOとM&の比較なんですけども、
日本がエグジットの手段としてMAが3割から2割ぐらいで、7割がIPOと、
USは9割以上がMAというところになってますと、
日本でスタートアップMAが少ない理由としては、買い手がいないっていうことと、
あと大手企業が財務数値を基にしたバリエーションしかできないっていうところが大きな傾向としてあるのかなと思いますと。
あとその仕込みが変わったエピソードで言うと、
私が2016年に入って、MA世代に入って、2019年に初めて売上4千万の会社で、
純資産数百万の会社が一桁多く後半で譲渡されたというのがあった。
この時はDCFをしっかり作って、売り手さんのバリエーションの目線に合わせていったっていうところがあったんですけど、
そういったバリエーションの仕方っていうのが2019年から出てき始めて、
今徐々にそういうケースが溜まってきて、財務数値以外の非財務情報で株価を構成するみたいな考え方が徐々に広まってるかなっていうのが、
昨今のトレンドかなと思います。
金子 剛士
ありがとうございます。今ちょっとバリエーションのお話出たので、
花沢さんに、公開されてますよね、売却金額というのは。
花房香那
はい、されてます。
金子 剛士
おいくらなんでしたっけ。
花房香那
私の場合は38億円でMAをしております。
金子 剛士
創業3年くらいですか。
花房香那
3年ですね。2018年創業で2021年にグループ入りという形なので、
そうですね、約3年半弱くらいです。
金子 剛士
その時のバリエーションっていうのは、どんな指標を捉えて決めたというのは、記憶にありますか。
花房香那
ないですね。
金子 剛士
ないですか。
それは花沢さんの方から書いてる方に提示したのか。
そうですね。
花房香那
ラウンドで言うと、私だと2018年にシードラウンドで、2019年にプレAで、
シリーズAに行くかどうかのタイミングで、もともとCVCとしてポーラーオルビスホールディングスという化粧品をメインとしている会社に、
もともとプレAラウンドで入っていただいていたので、シリーズAに行くタイミングでお話をいただいて、
シリーズAで進もうとしていたバリエーションで提示をしたという形になっています。
金子 剛士
ある意味既存株主がラウンドを始めるタイミングで提案をしてくれたという感じなんですね。
花房香那
そうですね。
竹葉 聖
直近MFGにグループに行った幹部さんも、IPOのバリエーションを目線に交渉したというのは。
花房香那
あってますか。そういうやり方もあります。
金子 剛士
デュアルトラックとかって言い方をIPOの場合はされると思いますけど、村上さん。
村上 誠典
今のはシリーズAのバリエーションと38億円はほぼぴったりだったというふうに考えていますか。
花房香那
多少本当にそのタイミング2020年後半ぐらいから話し始めて、
実際にグループ入りしたのが約半年から9ヶ月で入り終えて、MFGまで行ったんですけど、
その間にずっとシリーズAで回っていて、本当に毎月の成長が150%から200%みたいな形でどんどん売り上げが上がっていたので、
本当に交渉するタイミングでも値がどんどん直前まで上がっていたというのが状況になりますね。
村上 誠典
なるほど。じゃあ話し始めた時より上がっていたけど、シリーズAのバリエーションも決着していない中では、
ほぼほぼ同じような期待値では合意できたということですね。
花房香那
はい、そうです。
村上 誠典
なるほど。
金子 剛士
素晴らしいですね。
鈴木さんお願いします。
竹葉 聖
日米のMAの比較として、やっぱり金額株価というのが大きく離れていますと、
MA時の買収価格だと、USだと大体80億から70億ぐらいで100%上とできますけれども、
日本だと4.7億とか、一桁多く前半。
2019年、2002年ぐらい前に私がお手伝いしたバーチャルレストランと優先産の事例だと、
ここも結構、これ公表されていないかもしれない。
そこは2桁多くとか言っていたんですけど、
MAセンターでお手伝いしている事例だと、スタートアップ、いわゆる設立15年未満で、
いわゆる情報通信業でEXITしているスタートアップのMA事例だと、
20億いかないぐらいが今マックス値になっていまして、
去年多かったのが、30億とか50億のバリエーションで調達しています。
あと数ヶ月でバーンしそうですみたいな。
その株価で売れないですかっていう相談が多かったんですけど、
やっぱりMA株価とVCさんから調達した時の企業価値全体のバリエーションで、
全然理論が違うので、結構そこが勘違いされている方が多かったかなというのは現場からの。
村上 誠典
私もその理解をまさに竹場さんがおっしゃった理解をしていたもんだから、
さっきわざわざ細かく花鋏さんに聞いたわけなんですけど、
それで買ってくださったっていうのが、本来ステークホルダーごとにバリエーションの考え方で、
当然優先株の設計を含めていろいろ複雑ですから、
そこの目線を揃えることが難しさの一つの要因かなと思ってたところでいくと、
花鋏さんのケースはそこが一番売り手にとって気持ちよく合意しやすいプライスを出してくださったケースなんだなというのが、
結構特筆すべき点かなと思って聞いてました。
金子 剛士
この右上にロゴが載っているGoogleとYouTubeのケースも多分近くて、
確か19ビリオンくらいだったと思うんですけど当時の価格で。
今YouTubeの時価総額を正確に算定することは難しいんですが、
もう何十兆円の多分価値があると思いますと。
一方で当時のYouTubeに対する評価というのは非常に低いものがあり、
本当質の低いコンテンツしか載っていないプラットフォームをなぜ2000億を超えるような値段で買うんだという批判がすごく当時あったらしいんですが、
ある意味スタートアップ投資のような感覚でGoogleはYouTubeを買収したというような話だったのかもしれないですね。
竹葉 聖
日米主要企業のM&A件数として、ガーファイムとか深くして、
買う件数が全然違うと。年間100件300件買っていると。
考え方として10社に1社当たればいいという考え方で買っている。
日本の企業の場合は1社必ず減損せず買い切ってPMIするみたいな。
そもそも考え方が違う。R&D投資的な感じでM&Aを活動しているのがUSですと。
金子 剛士
日本の場合はまだそういった流れがないというところであってます。
竹葉 聖
投資者企業のEXIT比較として、
日本のMIっていった場合、1990年からM&Aの件数自体が増えてきて、
製造業のM&Aが中心だったんですよね。
BS厚い、純資産を元にしたバリエーションしかできなかった。
そのケースしかなかったんですけど、近年スタートアップにおいてはBSが薄いわけですよね。資産もないわけ。
財務数値以外のバリエーションをしなければいけない。
財務数値以外で考慮されるのがこの要素。
経営チームだったり、テックの要素を持っていたり。
製造資本はあまりないですけど。
あとデータ。これデータですね。ユーザー数。
要は足元、黒字ではないんだけれども、
普通にいつでも黒字にできる状態の費用の使い方をしていて、
ある程度2、3年後にはキャッシュフロー黒字になるよねみたいなところで、
エイヤーって買う企業さんが増えてきたの。
花房香那
そのケースが増えてきたのが一番大きなところかなと思います。
村上 誠典
はい、ここは大丈夫です。
で、こちら金子さんが。
金子 剛士
僕もこれ5回読んでですね、帯にしていただいたんですけれども、
M&Aセンターの創業者であるわけばやすさんという方が出版されている、
仕組み経営で勝つという本がありまして、非常にいい本ですので、皆さんよければ。
あ、配ってるんですよね、今日。
竹葉 聖
横の横で配ってますんで、無料で配ってますので、水と一緒に受け取っていただければ。
これちょっと参考にしていただきたいのが、
M&Aセンター自体もBSってないんですよね。
基本的に人の集団なんで、
労働集約的なビジネスっていうのを32年前に始めて、
その仕組みの作り方みたいな、今のスタートアップ的な経営に出るっていうのをね、
金子さんがすごく参考にしていただいたので、ぜひお読みいただければと思います。
金子 剛士
余談ですけど、結構M&Aセンターさん成り立ちも面白くて、
50社同時に設立してるんですよね。
創業時に名古屋M&Aセンター、北海道M&Aセンター、大阪M&Aセンターみたいな50個同時に設立をして、
各地域の会計士さんから出資をしてもらって、
で、ディールソースを集めたみたいな、そういう立ち上げ方をしていて。
竹葉 聖
設立当初に日本経済新聞に、あなたの会社の後継者っていうものじゃなくて、
会社の者にして探しますっていう広告を91年に出したら、
1日で400件ぐらい問い合わせが来たという。
あとは、MAっていう言葉を使わずに、資本提携、事業承継っていう言葉で、
MAイコール乗っ取りみたいなところをイメージ変えて、ずっと広告してMAを増やしてきたみたいなのが書いてます。
金子 剛士
今日はセッションを聞きに来ていただいている方は、何かしらM&Aに興味のある方だと思いますけれども、
日本で最もM&Aという単語を広めた方の一人だと思いますので、
よろしければ本をもらいに行ってください。
この竹場さんお願いします。
竹葉 聖
はい、Shiftさん。
Shiftさん自体もいろいろ案件をご紹介させていただいて、
Shiftさんが2年ぐらい前に出してたIRなんですけど、
MAの年間検討件数、年間180件のMAが持ち込まれていて、
条件提示まで行ったのが34社で、
協合してクロージングまで行けたのが9件。
180分の9っていうところで、
そもそもShiftグループに入るの難しいよねっていうのがここで分かるのと、
あとそもそも年間180件で毎日案件が来る。
この情報ネットワークすごいよねっていうのがあるんですけど、
やっぱりこれがShiftさんが出し始めて、
クラウドワークさんとかジェンダーさんとか結構、
MAを実行するんじゃなくて、
実行するまでの検討のフローをしっかりしてますよっていう会場を出し始めたのが、
近年、2,3年だと思うんですけど。
金子 剛士
村上さん多数の会社で、
金子 剛士
買い手側のM&Aにも関わられてると思うんですけれども、
案件数でいうとどれぐらい検討して実際のディールに至ってるみたいなイメージってありますか?
村上 誠典
はい、その答えの前に一つすごく課題感、
買い手側の課題感として言っておくと、
私からするとM&Aって本当に結婚みたいなもんだと思うんですよね。
すごく重要なパートナー選びなんです。
多分皆さんがスタートアップを創業するときに、
創業メンバーを選んだり初期の10人のメンバーを選ぶときに、
すごく慎重に選ぶじゃないですか。
できる限りいい人を選んでいこうと。
そのためにありとあらゆる情報をレバレッジして、
とにかくいろんな人をくどきながら来てもらうってやると思うんですけど、
多くのM&A初心者の買い手、スタートアップですけれども、
たまたま目の前に来た人、
なんか前合コンであった子が可愛かったから結婚したいねみたいなノリ。
要は1分の1で、しかもたまたま相手がちょっと気を見せてくれたから、
真面目に検討しようみたいな。
このパターンで検討するのがものすごく多いんですね。
これってすごく良くないんですよ。
本来は一生のパートナーを選ぶときに、
たまたま相手から来たから、
それフィッシングメールかもしれへんでってやつもあるわけですよ。
だから本来は件数を増やすってことはもちろん大事なんですけど、
こちらから真剣にパートナー選びをするという視線で選んでいかないといけないのに、
たまたま上がってきた候補を1分の1で検討するのが最悪なんですね。
例えばこのシフトのケースでも180件ありますけど、
たぶんその中にはたまたま上がってきたものもあるんです。
でもたまたま上がってきたものだけも良くないし、
自分たちで探しに行くもの、
かつ件数が多くて厳選する、
この2つの要素がすごく大事だとすると、
他の会社さんで結構今まで検討している会社があるんですけど、
やっぱり一番の課題は検討数が増えるんですよ。
それこそ竹橋さんのところに紹介していただいている検討数が増えるんですね。
ただ合コンの数を増やして、
たまたま声がかかる先を増やすみたいなアプローチが多いと、
どうしてもクオリティが上がらないんですよ。
それって人材採用の時に、
なんとなく来てくれた人全員採用している状況に近いんで、
これはやっぱり私一つ課題だなと思ってはおります。
金子 剛士
なるほど。
村上 誠典
数の話だけに注目するんじゃなくて矢印の方向、
これも大事かなと思っています。
金子 剛士
ありがとうございます。
一方で、直近我々が関与しているような若い企業家の中で、
M&Aを前提に、どこかのタイミングで売却することを前提に、
企業をスタートするというようなケースもありまして、
創業時から明確にこの会社に売りますと、
いうようなことをおっしゃっている方もいらっしゃるんですね。
なので、こっちからの矢印、
企業家側からの矢印という側面も、
一つ論点としてあるのかなと今聞いていると思います。
村上 誠典
今の金子さんのケース、僕すごくいいことだなと思っていて、
私も前職のゴールドマンサックスにいた時に、
やっぱりアメリカの企業家と一番違いを感じていたのは、
もうシスコに売ろう、グーグルに売ろう、マイクロソフトに売ろうと、
マイクロソフト出身、シスコ出身、グーグルの出身の人が企業をして、
短期間で売却するというケースがものすごいデータに入っているわけですよね。
これが日本ほとんどなかったので、
今の金子さんのご支援されている企業家って、
私からすると健全だなというふうに聞こえました。
ありがとうございます。
金子 剛士
花咲さんの場合は、狙ってポーラー・オルビスさんを
プレシリーズエラウンドの投資家に招いたわけではないんですか?
たまたまですか?
花房香那
狙いとしては半々かなと思っていて、
シードラウンドの時は全く考えていない。
本当に企業をしたいという思いが私自身はすごく学生の頃から強くて、
事業内容がというよりかは企業から走ってしまったんですけど、
シードラウンドの時は何も考えていなかったものの、
プレーぐらいからは徐々に、
今のビジネスモデルだと、
上場したっていったタイミングでもなかなかつきにくいよねっていうことだったりとか、
私としても会社経験として、
経歴先ほどちょっと省略してしまったんですけれども、
新卒1年目で上場会社の子会社の社長で、
100%自分の資本を使わずに1回企業を経験して、
その後に2社目、今の会社を自己資本で立ち上げたという形なので、
自分としては徐々にステップを上げていって、
長い企業人生の中で経験を積んでいきたいなという思いがあったので、
2回目の企業に関しては、
プレーぐらいから、
IPOの出口がなくなった時のことも考えて、
資本構成を組み始めてたという感じです。
金子 剛士
すごい戦略家ですね。
一方でちょっとお聞きしたいんですけど、
特に村上さんとか竹林さんにお聞きしたいんですが、
ある意味M&Aの交渉相手になる方を、
早いラウンドで投資家として招くってことは、
手の内が全部奪われるわけじゃないですか。
こういう資本政策について何かご意見あったりしますか。
例えば投資先からそういう相談を受けた時に、
どんなアドバイスをされますか。
村上 誠典
まず基本的には、
私、花鶴さんが捉えた戦略って、
いいなと思ってます。
リコメンドできるかなと思っていて、
どちらかというと、