1. 気づくと変わる心理学 〜心のリスキリング〜
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2024-07-23 14:30

#20 心理的ゲーム-繰り返される、罠と弱みとその報酬。

今回は、『心理的ゲーム-繰り返される、罠と弱みとその報酬。』のお話です。


お伝えしている心理学ですが、

皆さまにとっての日常的で、身近な話題とも自然とつながっています。

その見方・活かし方を、ご紹介します。


今回は、心理的ゲーム-繰り返される、罠と弱みとその報酬。について。

心理的ゲームに気づくことで、いつも繰り返される嫌な人間関係から抜けだすきっかけをつかむことができます。


第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」

第8回目「承認欲求を満たし合う、コミュニケーション3つの法則。」

第19回目「本物の感情は、4つ。」

ともリンクするお話です。


まだ聞いた事がない方も、

何本か聞いて番組に興味を持ってくださった方も、

気づくと変わる、いつもと違う変化を味わってみませんか?

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こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学をポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマはこちら。
心理的ゲーム。繰り返される罠と弱みとその報酬。今回は、心理的ゲーム。繰り返される罠と弱みとその報酬のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも自然とつながっています。その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、心理的ゲーム。繰り返される罠と弱みとその報酬について。
心理的ゲームに気づくことで、いつも繰り返される嫌な人間関係から抜け出す、そんなきっかけをつかむことができます。
第1回目「承認欲求は、誰もが持っている原点。」
第8回目「承認欲求を満たし合う、コミュニケーション3つの報酬。」
第19回目「本物の感情は、4つ。」ともリンクするお話です。
「はぁ。」「うわぁ。」「どうしよう。」「うわぁ。」
そんな、ため息やら独り言やらのようなものを発する人が身近にいたら、皆様はどうされますか。
「どうしたの?」 「何か悩み事?」 「何かあれば言ってみて。」
などなど、そんなふうにサポートに乗り出す。それとも、「何かあれば本人が言ってくるはず。
言ってきたら対応しよう。」あるいは、「ああ、またかぁ。自分でなんとかできるでしょう。」
などなど、求められるまでは特に何もせず、適度な距離感を保つ。
実際のところ、いろいろな対応が考えられるかと思います。
ただ、「はぁ。」 「どうしよう。」 「うわぁ。」
これは、直接はっきりと相手に何かを求めているわけではありません。
とはいえ、こちらから気づくように表現していますから、強いて言えば、間接的に誘いをかけている。そんな状態かと思います。
それをキャッチして、「どうしたの?」 「何か悩み事?」 「何かあれば言ってみて。」とサポートに乗り出す人。
例えば、こんな場面。「はぁ。どうしよう。」と言いながら元気のないAさん。
どうしたの。と積極的に声をかけ、話を聞くBさん。
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Aさんから、「実は、仕事でこれこれこんなことがあって悩んでて。」と話が出たので、
Aさんと同じ仕事をしているわけでも、状況をよく知っているわけでもないけれど、Bさんは親身になって、あれこれ。
「それって、こうなんじゃない。」 「こうすればいいと思うよ。」 「それは周りの人も、そういうつもりじゃないでしょう。」
その都度Aさんからは、「そうかなぁ。」 「そうだねぇ。」 「なるほど。」 「うーん、でもそれはもう対応済みだし。」と鈍い反応。
何とかしたいと前のめりになるBさんと、だんだんうんざりしてくるAさん。
しまいにはAさんから、「いろいろありがとう。でももういいよ。わかるわけないよね。ごめんね。」と一言。
「いや、そんな。何ともしてあげられなかったな。」とがっくりくるBさん。
これがAさんにとって、そしてBさんにとって、意外でもなんでもない、おなじみで、繰り返し起こる、
最後に、嫌~な気持ちで終わるやりとりだった場合、それは心理的ゲームなのかもしれません。
身近な人との間でいつも繰り返される、嫌~な感じで終わるやりとり。それが心理的ゲームです。
そこには、ゲームの方程式、と呼ばれるものがあると言われています。
どんな方程式かと言いますと、罠+弱み=反応があり、そして→が出てきまして、切り替えが起こり、そしてまた→で混乱、→報酬。
英語でいきますと、罠はコン、CONのコン、そして弱みはGimmick、反応はResponse、切り替えはSwitch、混乱はCrossup、そして報酬はPayoffというふうな、そういった単語が使われています。
先ほどの元気のないAさん、表面上は、「ああ、どうしよう」と言っただけです。ただ、そこには「元気がなくて困っている人間がここにいます。私は助けられる人です。」そんな隠れたメッセージが込められている。これが「罠」です。
「どうしたの?」と積極的に声をかけ、話を聞くBさん。サポートしようと身を乗り出すBさんにとって、「困っている人がいたら助けなきゃ。私は助ける人。」そんな隠れたメッセージが込められている。これが「弱み」になります。
そんな「罠」と「弱み」を持つ人同士が引き合い、反応する。やりとりを繰り返していく。それがこの罠+弱み=反応になります。そして、助ける人と助けられる人が、違う役割へと切り替わる。
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なんとかしたいと、どんどん前のめりになるBさんと、だんだんうんざりしてくるAさん。しまいにはAさんから、「いろいろありがとう。でも、もういいよ、わかるわけないよね。ごめんね。」と一言。
助けられる人ではなく、どうにもできないじゃないと、Bさんを責める人になっています。「いやそんな、なんともしてあげられなかった。」とがっくりくるBさん。助ける人ではなく、助けられない人、助けられなかった人になっています。
この切り替わりで、しばし混乱。そして、お互いが嫌~な気持ちという報酬を確実に受け取れる。それが心理的ゲームの方程式での見方になります。
第8回目「承認欲求を満たし合う、コミュニケーション3つの法則。」で言えば、3つ目の法則。親・成人・子ども、表面上のやりとりの裏に、隠されたやりとりがあるもの。この場合、結果は裏の隠されたやりとりで決まる。
この隠されたやりとりというのが、今回の罠と弱みからくる反応のやりとり。そして、その結果が、役割の切り替わりと混乱。嫌~な気持ちという報酬、ということになります。
どうしてそんな嫌~な気持ちが報酬になるの?というふうに、疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。これは、第1回目「承認欲求は、誰もが持っている原点。」でお話しましたが、私たちは、原点であるこの承認欲求を満たすため、何にもないよりはネガティブでも何でもあったほうがまし。
承認欲求を満たす刺激、ストロークを必死で取りに行きます。心理的ゲームの最後に得られる嫌~な気持ちは、このネガティブなストローク。心理的ゲームは、報酬としてのネガティブなストロークを確実に受け取れる仕掛けです。
確実に受け取れるからこそ、なかなか離れがたい。子どもの頃に決めたもので「成人」の気づきはなく、自動的に再演しています。そして、この仕掛けの持ち主同士が引き合って、繰り返されてしまいます。
それほど深刻でないゲームレベルであれば、日常会話で愚痴をこぼしたり、笑い飛ばしたり、話のネタとしてあちこちで繰り広げられていますので、特に問題ないかもしれません。ただ、だんだんとエスカレートし、本当にシャレにならないレベルのゲームになってしまうこともあります。
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というわけで、ゲームの対処法について、いくつか挙げてみたいと思います。
基本はゲームの方程式から外れること。そのためには、まず、身近な人との間でいつも繰り返される、嫌~な感じで終わるやり取り。自分がハマりやすい心理的ゲームを見つけ、名付けてみてください。
罠プラス+弱み=反応。そこから切り替えが起き、混乱が起き、最後に報酬を受け取る。このゲームの方程式に当てはまるそのやり取りに名前を付けることで、最初の罠と弱みに気づきやすくなります。
あ、今罠にかかってしまった。あるいは、かけてしまった。ため息をつく人がいても、「あ、誘ってる。これがゲームの始まり。あっちに行って、始めないでおこう。」
途中からでも気づいたら抜け、反応を止める。おなじみのゲームの役割とは、違う役割になる。助ける人ではなく、信じて見守る人とか、助けられる人ではなく、自力で頑張る人とか。
もし無意識のうちに、気づいたらもう最後の報酬まで来てしまっていた。そんな場合も、こんな対処があります。ゲーム名を唱えつつ、「よし、このゲームに気づけた。これは進歩だね。」と、例えばそんなポジティブなストロークを自分に投げかけてみる。
この気づきを繰り返すことで、ネガティブな報酬からポジティブな報酬へと変わっていきます。そうすると、もうこのゲームの方程式の、最後に受け取る嫌~な気持ちという、これを目指してやっているわけなんですけれども、その報酬が変わってしまっていますので、心理的ゲームから次第に抜け出せるようになる、というわけです。
これ以外にも、とにかく基本は、方程式から外れること、はまらないことなので、例えば予想外の反応をしてみる。そんな方法も有効になります。
ため息をついて、「ふぅ、どうしよう。」と言っている人に、「ああ、ため息で私のおせっかいお助け気質を刺激してる?頼まれてもいないのに食いついちゃう、お節介とはさよならしましたので、どうぞよろしくお願いします。」とか、あるいは相手よりも大きなため息で、「ふぅ~!どうしよう!?」
とか、「あ、大丈夫です!」とかいかがでしょうか。ちょっと大げさに言ってみましたが、予想外になっていますでしょうか。こんな予想外の反応をしてみる、というのも有効な手段となっている。そんな例として挙げさせていただきました。
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ちなみに、これとは全く別の解決策もあります。というのも、心理的ゲームの最後の報酬、嫌~な感情は、ないよりはましなネガティブなストローク、ネガティブな感情です。前回、第19回「本物の感情は、4つ。」でお話しした、本物の感情とは、全くの別物ということになります。
本物の感情は、最強です。本物の感情を真に経験し、味わえれば、そもそも心理的ゲームは始まりません。始まっていても、たちまち終了してしまいます。それくらい、本当の意味で心が満たされるもの。だからです。
法定式と格闘するよりも、本物の感情に気づき、経験し、味わうのが一番かもしれません。さて、今回覚えていただきたいポイントは、「心理的ゲーム、繰り返される罠と弱みとその報酬。」まずは気づくこと、そしていつもと違う変化を味わってみませんか?
ここまで聞いていただき、ありがとうございます。最後に、番組からのお知らせです。気づくと変わる心理学をまた聞きたいと思った方は、お聞きのPodcastアプリで、番組フォローとレビューをお待ちしています。フォローしていただけると、最新話が更新された際、通知がきます。また、レビューしていただくことで、番組の改善につながりますので、できれば、★5評価をお待ちしています。
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