はい、こんばんは、石田衣良です。
こんばんは、吉水沼です。
こんばんは、岡井亜佑です。
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さあ、ということで、第今日は216回です。
今、世間で大炎上している【セクシー田中さん】問題を考えるという回なんですけど、難しいね、これ。
難しいですね。いろんな角度、いろんなね、ありますもんね。
でもやっぱり、今回ね、衣良さんが前回は、最近ちょっと巷を逃げ出してたことといえば、松本ひとしさん問題というのがね、
そこからさらに、ほぼ同時にずれてこういう問題が起きて、
今回この【セクシー田中さん】まさにね、問題考えるを提起した理由っていうのはどんな背景があるんですかね。
やっぱりね、みんな、特に最近そうなんだけど、原作がもう最高で、それ以外は認めないっていうふうになっちゃってるじゃない。
そこがね、なんか実際にはそうじゃないんだよなっていう感じかな。
僕がこれ原作提供したやつなんだけど、数えてみたら、ドラマが11本で映画が2本で、舞台が3つで、漫画が5本あったの。
で、正直その中で脚本家にあったのはね、2回だけだよ。
あと会ってない?
うん。これ考えればわかると思うんだけど、一番会うのはプロデューサーね。
で、プロデューサーは原作者と脚本家がいるじゃない。
で、その両方に自分でやってほしいことを、自分がよく思われることを伝えるわけさ。
ドラマにするには、やっぱりドラマ的なテンポだったり、この人といらないとかで削ったりするじゃない。
そういうのに関しては、バンバン原作を手を入れてほしいっていうふうに言うわけ。
ドラマとしていいものを作りたいっていうのが彼らの考え。
で、原作者には、なるべく自律に頑張って作ってますんでっていうと。
でも、どう考えても、小説とか漫画をそのまま映像にはならないんだよね、絶対。
だから、みんなこの県で演じをしてるナイーベな人は、脚本家は原作通りに書けばいいんだ。
セクシー田中さんの場合は足原さんに、原作に自律にドラマを作るって約束しただろうって言うんだけど、
どんなに自律にやってもできないの。
そもそも媒体が違いますもんね。
そう、媒体が違うから。だから、みんなも、僕よく言うんだけど、
タイのお刺身の美味しいのって最高に美味しいじゃん。
で、ステーキの美味しいのって美味しいじゃない。
だから、タイのお刺身とステーキなんだよ。
原作は繊細で、味わい割と深くて多角的なタイのお刺身で、
映像はもうこってり。ステーキじゃないな。シチューとかかな。
いろんなものでこってこって煮込んで、濃くしていかないといけないっていうね。
今の例えがまさしく真髄だと思うんですけど、ちょっと違うかもしれないですけど、
原作は本当に文字通りエッセンスというか薄めてないもので、
そういうエンタメ化したものは、もうちょっと大衆買っていっちゃいけないんですけど、
そういう一面もあるんですか?
あるし、昔からその脚本家は、ある原作の一番にエッセンスを抜いて、
その血だけで描くっていう人もいるんだよね。
逆にね。
橋本忍がいるじゃない。
福岡の。
あの人なんかは、砂の器の時に、抜き去ったのはあれ一個よ。
海辺を父親と子供が、ものすごい寒い海辺を永遠と歩いていくあのシーン、
あれが作品の肝だっていう風にしちゃうからね。
もう全然違うので。
そう考えるとね、なんかまいびすぎるかな。
原作通り作れる。
みんながこれ素晴らしいって言っている、進撃の巨人、呪術回戦、鬼滅の刃は、
3本とも原作よりアニメ化されてる作品の方が質が高いからね。
で、良くなっている部分に関しては誰も脚本家だったり演出家を褒めないで、
原作通りだっていう風に言って、
ちょっとトラブルが起きると、
いやこれは原作を全然再現できてないって思うんだけど、
いやそうじゃないんだよなっていう気がするかな。
あれですよね、今回の僕、セクシー田中さんね。
原作もドラマも見てないんですよ。
もちろんこういう情報が入っちゃってるからバイアスあるけど、
例えば、物によっては当然原作じゃなくてアニメから見るとか、
ドラマから見るっていう作品もあるわけじゃないですか。
だからそういうバイアスで、バイアスなしに見たら、
なんかここまで炎上しないようなものもあるかもしれないですよね。
ちょっと上手く伝わったかな、今。
でもまあ、どっちかだけ見ればそれで満足できるんだよね。
ただ両方見ちゃうっていうのがなかなか難しいかな。
正直言って小説の映画家で小説よりいい映画って滅多にないじゃん。
実際に小説の方が面白いから。
小説の映画家は本当に難しいですよね。
だからそこかな。
で、みんなが言うので僕が一番気になってるのは、
脚本家は原作を使わせてもらってるんだからっていうので、
脚本家を一段下に置いてるんだよね。
逆にね。
それがみんなの勘違いだよって言いたい。
脚本家も自分の仕事をしてプロフェッショナルとしていいドラマを作るわけだからね。
なのに原作通りに作らないとかなんとかっていうことで文句言われるのは気の毒だなって思う。
それと脚本家って死ぬほど大変な仕事なんだよ。
大変な仕事なんだよ。
だってプロデューサーがここ直してとか言うじゃん。思いつきで。
で、当然作家がここ嫌だって言ったら直さないといけないし。
で、事務所の方からいや、うちのスターにはそんなセリフ言わせられませんみたいな感じで直させられるし。
最終的に脚本になるまでに5回、10回、15回の直しが来てるわけよ。
それでようやくフィックスしたのが、僕のとこに送られてくるのは撮影開始の1週間前とかなの。
1週から撮りが始まります。で、これ叩いて、全部のオーソライズされたものなんですよって言われて、
そこでさ、さあじゃあ赤字入れるぞってならないでしょ?
なかなかならないですね、確かに。
それでも小説家の場合はまだ扱いがいいんだけどね。
ほら、海猿の人なんかはさ、佐藤忠夫さんか、ひどい扱いじゃない?
あんなに原作で映画にしてやってるんだ、ドラマにしてやってるんだみたいな上から目線でいたら、
そりゃあみんな怒られるよね。
なんか漫画、今回このセクシー田中さんの件がツイッターですごく炎上して、
いろんな一般人の方とか、漫画の原作者さんとかがすごく声明を出したりとかしてたと思うんですけど、
漫画原作の方揃ってみんな扱いがなんか良くない印象があるんですけど、
それとなんか業界によってやっぱ違うんですかね?
それはね、業界の悪い習慣で、やっぱり漫画の方を一段下に見てると思うんだよね。
小説で文学賞とか取っているようなものだと、なんか扱いが丁寧だから全然。
でも変な話、本編の方が話あるかもしれないですけど、
いわゆるね、いつもジャンプの流星の話もそうですけど、
お金だけをあえて生み出してるっていう意味ではね、むしろ普通の小説とかも圧倒的に漫画の方かなわけですよね。
そうだね。
だからその辺の裏腹のところがね。
いやだから結局そこで原作として映画やドラマになったら原作も売れるんだからいいじゃないっていうところで話は落ちるんだけどね。
実際売れるんだよ。
三岡の場合はドラマになる前になってから30万部とか40万部売れたから、
本当に3000万くらい入るわけ。
そうなんだ。
でもそうなるとなかなか大きいじゃん。
だから僕テレビ版の最終話に関してはちょっと甘いな、この感じで終わるんだな、
ちょっとがっかりしたけどしょうがないよな。
主人公の男の子が認知症にもう亡くなっちゃう、
要するに心もボロボロになっちゃってる子を殺して終わるのね、小説は。
でもテレビ版ではそこのシーンはできないから。
本当はね、林健太くんが髪の毛を真っ赤に染めて、
吉田がゆり子ちゃんを枕で窒息させるっていうのの最終回だったら、
めちゃめちゃ伝説のドラマになったんだけどね。
それはできないと。
でも今回はこのセクシー田中さん問題、これを軸に今回本編で話していきます。
やっぱり今の話が上がってても、
イラさん自身のこれだけの原作から他の映画とかドラマになった事例と考え、
あと今回オトラジで取り上げたからには、
すでに何か作品を描いてる人とか、クリエイターになりたいっていう人も多いと思うので、
一般的な受け取る読者目線というよりも、
それもあっていいんですけど、
そういうクリエイター目線として、僕らどう考えていったらいいのかなんていう話もね、
本編でいろいろみんなで展開していきたいなと思っています。
ということで、ここで番組のお便り、質問お願いします。
はい、ではまずお便りからです。
角田由美子さん、40代の女性から頂いています。
はじめまして、大学図書館の師匠、角田と申します。
礼いただきました。
お礼を申し上げたくてご連絡しました。
1月末に、読書が苦手だった師匠が教える、世界一簡単な図書館の使い方という本を初出版しました。
スパイと図書館の隠された関係をテーマに、情報収集のコツを紹介した内容です。
実は、その原稿を書いている途中、筆が全く進まない時期がありました。
毎晩書けない自分を責め、大げさですが死にそうな心境でパソコンの前で泣いていました。
そんな時、偶然拝見したのが大人の放課後ラジオ、シャープ168、書けない時どうするか、です。
石田さんが仰った、書けないことによって書くものが一段レベルが上がる、とりあえずひどい文章を書いちゃう、の言葉に救われました。
思い切って大阪の自宅を離れ、好きな足の子で集中して書くことにしたのです。
森を散歩したり、湖を眺めるうちに考えが整理され、再び書き始めることができました。
もし番組に出会っていなければ、完成は難しかったと思います。
無事に出版できたのは、石田イラさん、早川陽平さん、吉水野和さんの温かいお力添えがあったからこそです。
誠にありがとうございました。
でも辛いなぁ、パソコンの画面の前で泣いてるって。
今日も出版されてますね。
読者が苦手だった、師匠が教える、世界一簡単な図書館の使い方。
でもいいタイトルだね。
いいタイトルですね。
スパイと図書館の隠された関係ってなんだか気になりますね。
こういう切り口の方が今まであんまり、図書館の使い方あってもこういう柔らかい感じはなかったので。
面白そうだったですね。
ちょっと読んでみようか。
次質問いきますね。
森森さん20代、男性からいただいています。
ドラマ化をめぐるトラブルで、漫画セクシー田中さんの原作者が自殺した件について皆さんの意見を聞きたいです。
今ネットではテレビ局側や脚本家がかなり批判されています。
もちろん原作者の方がお亡くなりになったのは悲しいことだと思いますが、原作の改編は問題ないのではないかと個人的には思います。
例えばジブリの宮崎駿監督が制作した魔女の宅急便は、門野英子さんの原作とは全く異なる話ではありますが、
今では魔女の宅急便を聞くと門野英子さんよりも宮崎駿さんを思い浮かべる人の方が多いと思います。
イラさんはご自身の作品が数多く映像化されていますが、今回の騒動について何か感想があれば教えてほしいです。
本当にこれだよね。
まさにですね。
でもしょうがない。この後リアルな現場話を延々とすることになるんだけど、本当に難しいかな。
ただ本当に一つ大きな不足だったのは、足原さんが自分の新しい代表作としてすごく力が入っていた。
映像化に関してもすごく力を入れていたっていうところが、このトラブルの元になっちゃった気がするんだよね。