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2021-10-18 11:07

Playback:自分の感覚を大切にする|石田衣良さん(作家)(#4:2010年4月)

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【石田衣良さんへのインタビュー一覧】
Talk.1|40代の歩き方
Talk.2|本の力
Talk.3|夢のある仕事
Talk.4|自分の感覚を大切にする

『池袋ウエストゲートパーク』『娼年』シリーズなどで知られる直木賞作家・石田衣良さんへのインタビュー。
第1回は『40 翼ふたたび』についてお話をうかがいました。
(Podcast『人生を変える一冊』2010年4月配信分より再配信)

『40 翼ふたたび(講談社)』https://amzn.to/3ykvy8M

▼10/29(金)「月末LIVE」開催
[URLは後日確定、お楽しみに♪]
Q&A、フリートークスペシャルをお届けします

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(いただいた質問は、毎月月末のYoutube Liveでお答えいたします!)
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【聞き手・早川洋平プロフィール】はやかわ・ようへい/新聞記者等を経て2008年キクタス株式会社設立。羽生結弦、髙田賢三ら各界のトップランナーから市井の人々まで広くインタビュー。近年は欧州を中心に海外取材を本格化するいっぽうで、戦争体験者の肉声を発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。公共機関・企業・作家などのメディアプロデュースも手がけ、キクタス配信全番組のダウンロード数は毎月約200万回。累計は3億回を数える。『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』『横浜美術館「ラジオ美術館」』などプロデュース多数。 近年はユニクロやP&GなどのCMのインタビュアーとしても活動している。
https://linktr.ee/yoh.haya

#会う力
#石田衣良
#40翼ふたたび

Editor : 中江公大

00:00
──石田さん、ご自身の、今の、普段の座右の目ってないと思うんですけど──
──今の、この取材、今日時点の何か、ご自身を表す指針になるような言葉ってありますか?
──何でしょうね。今だとね、これ古い相場格言なんですけど──
──もうはまだなり、まだはもうなりって言うんですよ。それがやっぱりちょっと近いかもしれませんね。
──もうはまだなり、まだはもうなり。
──もう大丈夫だと思った時には危なくなっているし、まだまだいけるって言う時には、もうそのブーマは終わっている。
──だから、そこら辺のところはいつもそういう感じがしますね。生きていて。
──なんか、やはりそうやって、ご自身を非常に客観的に、もう一人後ろから見ているっていう、石田さんのイメージあるんですけども──
──そういったものは元々持ってらっしゃるんですか?自分を客観視にできる。
──ああ、そういう癖はあったみたいですね。でもそれはやっぱり小説家にとってはいいことでもあって悪いことでもあるんですよ。
──ああ、そうなんですね。
──この前、ちょっと前ですけど、北方健都さんと話をしていて、同じ雑誌にエッセイを書いたんですよ。
──それは自分の好きだった小説家を語るっていうエッセイなんですけど、僕が書いたエッセイの北方さんが言ってましたもんね。
──石田、お前評論界だよな。
──そうやって冷静に論理で何かを分析し合うっていうのは、やっぱり作家としては良くないところもあるんです。
──それよりもっとその当時の主観であったり感情であったりね、心が動くっていうことも大事なので。
──今、石田さんご自身の冷静に見られる部分とか、上手く評論できる部分という話がありましたけども、
──やはり全般的にいろんな作品を読ませていただくと、どうしたらこんなに爽やかな人を引き込む文章を書けるのかなって。
──何でしょうね。
──才能なんでしょうけどね。
──いやー、これは分からないですね。要するにそれは文章がどうのっていうよりは、作中に現れる作者の個性だと思うんですよね。
──なんで柴さんがね、龍馬が行くでああいう爽やかな、誰もが好きになってしまうような坂本龍馬っていう像を作るじゃないですか。
──あれはやっぱり柴さんのキャラクターなんだよね。キャラクターに関しては、生きることができても作ることはできないんですよ。
──要するにキャラクター造形はこうすればいいっていうような、いろんなテクニックがたくさんあるんだけど、それを全部やったとしても、
──元から持っている自分の手持ちのキャラクターの中にない人物っていうのは作り出せないし、全部やっても成功するキャラクターなんてそう簡単に作れないんですよね。
──この部分に関してはやはりみんな天性なんじゃないですかね。意地悪な人は意地悪な人物を作るし、爽やかな人は爽やかな人を作ってしまうと思います。
──それは天性のものであると同時にその人の限界でもあるんですよね。それは柴さんの小説が全て精神小説であるって言われるのと同じでね。
──実際今回の40なんかもそうだと思うんですけども、作品が変わっても、いろんな作品が変わっても、小説を通して石田さんの本を読ませていただいていると、
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──暗い世の中に少しだけエロを送っているみたいなメッセージは受けるんですけども。
──それは意識してやっている部分はないんですよね。意識せずにやっていて、正直言ってもちろん今の時代ですから大変なこと悪いこといっぱいありますよ。
──でも少なくとも僕の周りで頑張っている奴はそんなに不幸そうではないし、そこそこ楽しそうにみんな人生を送っているよっていうのはちゃんと言いたいですね。
──小説ですから社会の中にある悪の部分だけを作って書くっていう手もあるんだけど、でもそれはやっぱり今の世界を見てみたらバランスとしてはちょっとずれているんじゃないかという気がします。
──やっぱりここまで来ていても日本はやっぱりとっても豊かですし、このポッドキャストのビジネスではないけれど、新しいビジネスのチャンスはちゃんとありますよね。
──医者さんご自身がずっと大切にしてきていることとか物っていうのはちょっと抽象的なんですけどありますか。
──やっぱり自分自身の感覚を大切にするってことじゃないですかね。自分が感じてそれはいいなとかこれは嫌だなっていう。そこの部分で嘘をつくとやはり後で大変なことになりますから。
──例えば小説なんかはそれで書き始めてしまって1年2年ってかかるわけですからね、終わりまで。
──だからそう考えるとやはり自分の中にあるセンスだったり判断基準みたいなのを揺らしてはいけないなと思いますね。
──それは当然小説家でなくても今生きる私たちもそこの部分はやっぱり揺らがない方がいいんじゃないか。
──日本人の場合は結局どんなに逆立ちしてもお金貯めだけで仕事ができる人っていないんですよね。
──これは例えば銀座で日本一美人が集まっているクラブとか行きますね。そういうクラブの女の子も基本的にはお金では付き合わないですよ。
──もちろんものすごくお金出してくれる人もいるんだけど、そういうときにお金だけでいける人っていうのは本当に何十人しかいない。
──それは男性も女性もそうで、そういうときに何が基準になってるかっていうと自分の好き嫌いだったり、自分はこういう人間ではないなっていう思いだったりしますから、
──そこの部分はあんまり負けなくていいんじゃないですかね。
──結構いろんな最近ビジネスショーとか評論家の方の話聞いてても、こういう厳しい時代だからこそ逆に今石田さんおっしゃったような自分の好きなこととか大事にしてやっていっても十分チャンスがある時代なんじゃないかなっていう声もあるんですけど、石田さんご自身はどうお考えですか。
──逆に今はそういうものしかチャンスがない時代になりましたね。
──だからその流通の組織を全く作り変えてしまって、それこそジーパン一本500円とか1000円で売っていいようなことができないのであれば、逆に個人としてできるのは本当に自分の好きなこと。
──それはおもちゃの収集だったり、世界中のキットだったりでも何でもいいんですけど、そういうものの方がビジネスのチャンスは近いですよね。
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──だから小さなネットワークビジネスみたいなものがいいんじゃないですかね、個人でやるとしたら。あとはさっき言った適正とか才能がある人は資産をきちんと覚えること。
──そうですね、雪だるまですね。ありがとうございます。最後になんですけども、石田さんご自身、今年40歳について聞きましたが、50歳と50歳になりますが、どんな50歳というかしたいですかというか。
──50代は、実はうちの母親が亡くなった母親なんですけど、占いが大好きで、全部やられたんですよ。星占いと手相と、市中睡眠と気学と、眼相とかね、そういうの。
──あれやこれやって、出た答えがですね、僕の人生のピーカーが50代になるって言われたんで、そうか、じゃあこれから10年でやっぱり本当に自分の仕事をしないといけないなって思いますね。
──さすがに60代70代になると小説ってだんだん書けなくなりますから、やっぱり次の10年が勝負になりますかね。
──なんか具体的にさっきの経済小説じゃないんですけど、こんなのにチャレンジしてみたいとかっていうのは。
──いやー、よくわかんないんですよね。昔は簡単にそういうの言えたんですけど、時代小説やろうかなみたいなこと言えたんですけど、やんないかもしんないしな時代小説とかって思って、どうしましょうかね。
──結構その本っていうのは、石田さんの場合は、やっぱりさっきの出版社さんがこういうのを書いてくれないかっていうものなのか、もちろんその出版社さん、編集者との話の中で、僕こんなの書いてみたいんだよねっていう。
──基本的にこういうのを書いてくれるという依頼で来ることはほとんどないんですよね。
──そうなんですか。
──で、編集者さんと出版社さんもあんまりしないもんなんで、ほぼお任せ状態になってきてましたから、ただそこをちょっと考えた方がいいのかなと思いました。
──実はこの前ちょっと成長さんの本を読んでいたら、成長さんは本当に編集者の使い方が上手くて、それぞれ資料を探すのが上手い人、人を見つけてくれるのが上手い人っていう編集者、それぞれになかなかきついハードルを与えたりするんですよ。
──それで集まってきた情報のエキスの各の部分でそれぞれ作ったりするんで、ああなるほどなあ、そうかそうかっていうふうには思いましたね。
──作家といえば小説家の方もそういう今の成長さんみたいな、ある意味経営者みたいな部分が。
──だからね、それをやるのがいいのか、それをやらないのがいいのかっていうのもあるんですよね。
──それはやっぱりちょっとある種、昔の人たちの書き方でもあるので、ただね、なかなかね、これから題材がどんどん広くなっていくと、なかなか一人では探れないところが出てきますからね。
──なるほど、じゃあ50代また、自分でもわからない部分も。
──いや全然わからないですよ。でもわかったらつまんないですね。これをやれば安全っていうのが10年間でわかったら、それも面白くないですけど。
──なるほど、この番組のリスナーもやはり40代が多くて、今日の4Tとも重なってるんですけども、最後にその40代特にの人たちに向かってエールというかアドバイスみたいなものがあればいただきたいんですけどね。
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──今まで普通にちゃんと働いてきた人だったら、仕事の上で何をやればいいかっていうのはもうわかってると思うんですよね。なのでその仕事はきちんと頑張ってくださいっていうのが一つと、
──あとはもし独身の人がいたら、今がチャンスなので恋愛をして結婚しておいた方が、リスクエッジになります。一人で年を取るの大変ですから。
──それをやった上で、趣味であったり、お金をきちんと資産を作るというようなことをやっておくこと。あとは40代ってすごくいい年代なので、何か新しいことを始めていいんじゃないですかね。
──例えば楽器でも絵描いでもいいし、蕎麦打ちでも、盆栽でも、創作でもいいです。
──これからまたさらに60代まで20年間でいろいろそれも発展しそうですよね。
──年を取るとうんと暇ができますから、趣味をたくさん作っておけばいいと思いますよ。やっぱりそれは楽しいのでね、暇つぶしになりますから。どうせ人生長い暇つぶしですから。
──石田さんご自身も、例えば60、70になって小説書くのがきついっておっしゃってましたけど、引退っていう言葉じゃないですか。
──引退は基本的にできないんですよね。小説の仕事なんかだったりすると70、75になってもやる仕事っていうのはあるので、その時には小説はそんなに書けなくなっているでしょうけど、ペッセだったりあちこちで向いたりみたいなことはありますから。
──それをやっているのが健康法の一つなので、まあいいかなとは思いますけどね。
今後も10年、20年といろいろご活躍を。
──どうなるんでしょうね。20年後にピンクのシャツを着てるでしょうか。
──今日は少しピンク色のシャツを着ていらっしゃいますが。
──石田さん今日はどうもありがとうございました。
──ありがとうございました。
──今日は高段車文庫から発売中のフォーティ・翼ふたたび著者で、小説家の石田寛さんをお迎えしてお話を伺いました。どうもありがとうございました。
──ありがとうございました。
11:07

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