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2023-11-13 26:25

【INTERVIEW#212】世界で20年以上仕事を続けてこられたワケ│宮下洋一さん(ジャーナリスト/パリ在住)

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【世界で20年以上仕事を続けてこられたワケ】
20年以上欧州を拠点にジャーナリストとして活動する宮下洋一さんは、なぜ今年に入りパリに居を構えたのか。コロナ禍で何を観て何を感じたのか。 日本と欧州の両方の視点をもつ宮下さんが、考える死生観の違いについても語っていただきました。 (2023年9月パリにて取材)
【宮下洋一】みやした・よういち/パリ在住
1976年長野県生まれ。ウエスト・バージニア州立大学卒。バルセロナ大学大学院で国際論修士、ジャーナリズム修士。フランスとスペインを拠点としながら世界各地を取材。著書に『卵子探しています――世界の不妊・生殖医療現場を訪ねて』(小学館ノンフィクション大賞優秀賞)、『安楽死を遂げるまで』(講談社ノンフィクション賞)、『安楽死を遂げた日本人』(以上、すべて小学館)、『ルポ 外国人ぎらい』(PHP新書)などがある。
第一回 6カ国語を話すジャーナリストに聞く!言語習得の秘訣 https://youtu.be/-V0yKiWRV38
第二回 世界で20年以上仕事を続けてこられたワケ https://youtu.be/GCVF1j98xD4
(11/20公開)第三回 日本人が知らない日本人のリアルな評価 https://youtu.be/QuuNfWNxRQQ
(11/27公開)第四回 人生を変えたノンフィクション作品 https://youtu.be/ppKaf8igsxs
再生リスト | https://www.youtube.com/playlist?list=PLh7eiOWS7pygH7r67qdbp0hLl9WOIQj9N
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▼【聞き手・早川洋平プロフィール】 はやかわ・ようへい/1980年横浜生まれ。新聞記者等を経て2008年キクタス株式会社設立。羽生結弦、コシノジュンコ、髙田賢三など世界で活躍する著名人、経営者、スポーツ選手等ジャンルを超えて対談。13年からは「世界を生きる人」に現地インタビューするオーディオマガジン『コスモポリタン』を創刊。 海外での取材を本格化するいっぽうで、戦争体験者の肉声を世界へ発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。 公共機関・企業・作家などのパーソナルメディアのプロデュースも手がけ、キクタス配信全番組のダウンロード数は毎月約200万回。累計は3億回を超える。『We are Netflix Podcast@Tokyo』『横浜美術館「ラジオ美術館」』『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』などプロデュース多数。近年はユニクロやネスレ、P&GなどのCMのインタビュアーとしても活躍。 外国人から見た日本を聞く番組『What does Japan mean to you?』で英語での発信もしている。
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▼目次
現在の働き方
スペインでの記者生活
フランスで活動する理由
語学は才能?
パリで生活して感じること
日本から遠いスペイン
人生の指針
たった一つのテーマ
フランスにおける死について
日本から見た欧州を書く
欧州でジャーナリストを続けられている理由
メンバーシップ随時募集中

サマリー

宮下洋一さんは、ヨーロッパでの取材経験を生かして、日本人ジャーナリストの視点をヨーロッパのメディアに伝えています。彼は、多様性のある日本の文化や視点を伝えるために、フランスとスペインを拠点に活動しています。また、彼はパリでビジネスチャンスがあり、技術ブログを書いたり、ビジネスの誘いがあることを感じています。宮下洋一さんは、世界のさまざまな国で生活し、異文化や異なる価値観を知り、その普遍性に疑問を持っています。私たちは、パリ在住のジャーナリストである宮下洋一さんに、20年以上の仕事の経験について話を伺い、フランスの生活や働き方、日本人の性格などについてお話しいただきました。

ジャーナリストとしての生活
今の話だけでも、すぐ学びって言っちゃって、こうやって勉強にしたいのがあれですけど、やっぱりそうですね、喋んないとっていうのはあるかなと思うんですけど、
その中でまたちょっと話に戻るんですけど、海外生活が来年で30年、ジャーナリストとしてはもう20年っていうことだと思うんですけど、
今はパリにいらっしゃって、スペインとか他の海外も取材していらっしゃってっていうので、僕も死刑のある国で生きるだったり、
あとアンラクシーの本読ませていただいたり、一つのアウトプットとして、本の著者の宮下洋一っていうものを結構見てるんですけど、
普段って当然本を書いてるだけじゃなくて、日常の取材だったりいろんなことあると思うんですけど、いわゆるジャーナリストっていう言葉ってみんないろんなイメージだけど、本当人それぞれじゃないですか。
ましてや海外でやってる方って、これだけ長くやってる方って多分いらっしゃらないと思うんで、どんな感じに今、どんな仕事してどんな日常を送ってるのかなっていうと。
これはもう正直な話、本を書いてもう生きていくっていうことはもうそう簡単にはいかない。
やっぱりこれだけ人が本を読まなくなったり、新聞を読まなくなってきたり、雑誌っていう紙を買わなくなっていくと、
もう書く人間もそれなりの収入を得られないわけじゃないですか。それはすごい残念なことで、本を書き続けたいんだけれども、本を書き続けるためにはすごい時間がかかるし、
それはかかってもいいんですけど、やっぱりそれなりのリターンがないと続けられない。
だからすごい自分ではその情熱はあって、いろんな現場に行って必ず現場に行くことを主義にしてるから、そういう生き方をしてきたんですけど、
本と他の雑誌とかだけをやってても、1年間で生活するのギリギリっていうのが、今はたぶんジャーナリストの世界だから思うんですよ。
そうなってくると、どうしても他の仕事とかも手を出さないといけない。
日本で有名なジャーナリストの方とかっていうのは、テレビを活用してます。
テレビの場でいろんな発言をして、同時に本を書いて、講演してというようなサイクルができれば、生きていく上ではそれで回っていくのかもしれない。
だけど、僕はどちらかというと、テレビとかラジオとかで発言するということよりも、本の中でじっくり取材して、書いて伝えていきたいんですね。
ジャーナリストって僕みたいなタイプって、一般的にそうなんじゃないかなと僕は思うんですけど、話すことがあんまり得意じゃないんですね。
だからこそ、書くのかその逆か、一つのことに対して、例えばフェリエに関して話しても、これを5ページで書くっていうくらいの思考で考えるわけですよね。
だから、それだけの情報を自分で言いたいことはいっぱいあるんだけど、それをテレビとかだったら、端折って喋んなきゃいけない。
それって簡単なことじゃない。だから多分話すことがすごい苦手で、自分が見てきたいろんな世界を、例えば10秒で要約して喋るとかっていうのはやっぱりできない。
そういうのが苦手。だからどちらかというと、本を書いてじっくり伝えていきたいっていうのが自分のタイプだと思う。
ヨーロッパメディアとの取り組み
でもそれだけで生きていくっていうことが今の時代難しくなっちゃったから、これからどうやって生きていかなきゃいけないのかっていうことをいろんな試行錯誤をしながら、
他の選択肢も探りつつ、今フランスでは、例えばヨーロッパ全体的に日本人のジャーナリストっていう人たちがあんまりいないんですよ。
だけど、ヨーロッパのメディアっていうのは、アジアの視点とか日本人が考えてることとか知りたいんですよね。
その点に関して言うと、日本ってものすごい多様性があって、実は多様性ないって言われてますけど、あんなに昔からデイブ・スペクターがいて、ケント・デリカットがいて、ウィッキーさんもいたしね。
で、そういう人たちが、サンコンさんとかいて、すごい多様性があって、そういう人たちをテレビで見るほどに、日本人ってもう抵抗なかったですね。
だから、そういう需要が、アジア人に関してはヨーロッパないんですよ。全くないわけじゃないんですけど、
ヨーロッパの人たちの価値観っていうものに対して、自分が見てきた、アジアの育ってきた環境とかを、日本人の価値観っていうのをこっちの人たちにも伝えながら、いろんな見方があるっていうことも伝えていきたいなと思って。
こっちのメディアで仕事ができればいいかなって。
今ちょうど伺いたかったんですけど、今は基本は、こっちでいろんな取材されてて、僕はアウトプットを日本語で宮下さんの本だったり記事を拝見してるだけなんで、
なかなかこっちでの、今のお仕事のあえて割合で聞くとすると、日本人向けの何か記事を書くことが、やっぱりそれでも圧倒的に多いんですか?
そうですね。やっぱり書きってなると、バイリンガルで育ってないんで、地元の言語で書くっていうのはすごい難しい。それはだって、現地の人でさえも書くっていうことは難しいことだし、
日本人だってみんなが新聞の記事を書けるわけじゃないじゃないですか。だからそれはすごい難しいですけど、挑戦はしたいと思います。
リアルでありシビアな話を伺いましたが、最初にスペインのところで記者をやってらっしゃったという、それはでも本当にガッツリ記者っていう感じだったんですか?
そのまま続けるみたいな、そういうのはなかったんですか?
本当はそれが夢だったんです。スペインのバルセロナで、ラジオの番組とかもレギュラーで持つところまで行ったんですけど、
寸前になって、そのラジオ局のディレクターから電話を奪ってきて、あと1時間後にその番組始まるけど、その番組がなくなった。
マジですか?
その時すごいショックで、やっぱりこの人たちって、多様性、多様性とかって言ってる割には、そういうことに感じて、ちょっとやっぱ差別みたいなのがあったかなと思ったりとか思いましたね。
自信買う前はね。
そういう意味では日本って、すごい外国人に対して、日本語がそんなに上手じゃなくても、どんどんテレビで使うじゃないですか。
すごいと思いますね、これは。
そうか。ありがとうございます。
今、パリに住んでらっしゃいますけど、プロフィール的な感じで、ハイドクシもやっぱりスペインとフランスを拠点にしてるってずっと書かれてきてて、
宮下さんの中でスペインとフランスっていうのは何か意味があるんですか?スペインはスペイン語好きだからみたいな、そっからのイメージなんですけど、何でまたフランスも入ってる?
フランスに2003年から住んでて、2010年くらいまでずっと住んでたんですよ。
結構いらっしゃった。
そしたら、2拠点にして、「バルセロナにも住む?」みたいなことをしたんです。
その時に、あえてバルセロナとナーフツを拠点にしているっていうプロフィールにしたのは、日本のメディアの人たちに対して、「この人どっちなんだろう?」って思わせる。
フランスのルポをお願いしてもいいのかな?スペインでも行けるのかな?みたいな感じにしておいたほうが、フランスだけよりも注文が多く取れるかなって言った時に思ったのが、駆け出しの頃で。
そうしないと、本当に日本に行って持ち込み取材とか、全部自分の企画とかを、ありとあらゆるほぼ全出版社を回ったんですよ、その時。ほとんどモンゼンバルフだったんで。
だって無名だから、あと会社の看板ないし。
すごいわかる。
これはもうアーティストと同じ世界で、ミュージシャンと同じで、もう自分の名前が売れない限り注文は来ない。
だから、スペインとフランスみたいにしておいたほうが、まだ両方掛けるテーブルに重ねておいたほうがいいかなっていう戦術ではあった。
何年ぐらい前ですか?
日本人ジャーナリストの存在感
15年ぐらい前までそういう風にしてて、今ではその両方の国に結構詳しくなったから、どっちでも行けるし、言語もスペイン語とフランス語は同じくらい喋れるから、言語に入れたら問題もないし。
でもさっきね、言語の話、本当にいい話していただいて、僕も言い訳できないなと思ってたんですけど、語学を学ぶ、正直才能とか、そういうのって人によってあったりなかったりとかってあると思います?
僕はその才能って、これはぶっちゃけあると思います。
じゃあ、メッシャーさんはやっぱりある?
自分で言うのもあるんだけど、たぶんあったんだと思います。今は少し劣ってきてるけど、それはどういう時に思うかっていうと、これはもう実戦の上で同じタイミングでスタートしても伸びてくるスピードが全然違う。
これは1人アメリカ人の友達とスペインで学校一緒に入ってスタートした時に、僕がスペイン語をすごい早く覚えたんですよ。
でも彼は1年経っても喋れない。
でもこれっておかしくて、スペイン語はものすごい早く覚えた。
ちょっと想像つかないっすね。
英語とスペイン語って、日本人が英語を覚えた過程があるからこそ、外国語を学ぶっていうステップを知ってるわけですよね。
それがあったから、3カ国語ではすごい簡単に入れたし、文法のテクニックもわかったし、とにかく街に出て旅行して、いろんな人たちと喋るっていうことを繰り返してたら、本当に3ヶ月くらい喋るようになったんですけど、
その彼は初めての外国語なんですね。だから1年経ってもなかなか喋れないっていうのは、やばい耳だと思ってて。
でも彼は今弁護士なんですけど、そういう能力には長けてます。
そうか。面白いっすね。
その中で今フランスいてスペインいて、また今パリですけど、この2023年、取材させていただいた9月時点でですけど、いざパリのここに住むのは初めてじゃないですか。
実際住んでみて、前は南出に住んでた。パリじゃないわけですね。
いわゆる本当にパリに住んで、今実際今まで感じてなかったこの国とか、このパリの面白さとか、この現在進行形で感じてることってありますか。
ずっとバルセロナにも住んでたんですけど、コロナになった時に、もうちょっとバルセロナではビジネスはないなって思ったきっかけがあって、
日本のテレビとかを見てると、スペインで最初コロナがすごい爆発的に死者が出て、すごいニュース、国内ではニュース、ヨーロッパではニュースになってた。
だけど日本的にはスペインは存在しないから。
あんまニュースになってなかった。
やっぱイタリアでした。
そうそう、イタリアまで行って、イベリア半島っていうのは存在しないんですよね、ほぼ。
確かに。なんでだろう?
だから、いくらこっちは伝えたいことがあっても、コロナのニュースに関してはパリから初。
で、パリの住んでる人たちとか、パリの有名人多いじゃないですか。
そういう方たちがどんどん日本に、フランスはこんな大変なんだみたいなことを発信してるじゃないですか。
それを見た時に、自分がずっと伝えた社会的な現象とか、政治もそうだし、経済もそうなんだけど、
スペインとポルトガルというときには、スポーツと文化だけがあればいいっていう捉え方になってたんです。
確かにスポーツジャーナリストはいっぱいいる。スポーツライターはたくさんいますけど、
サッカーなんかもたくさんいるね。
そうそう。だからそういう意味では、この人たちにはビジネスはある。
僕みたいな生き方をしてる人にとったら、それ以上できることはないなって思ったんですね。
で、パリに来て、やっぱり日本人はパリ好きなんです。
パリでのビジネスチャンス
パリで発信するビジネスチャンスっていうのは、そっちの方がやっぱり多くほどあるなと思ってて、
実際こっちに来て3ヶ月で、ほんといろんな人と会ったし、
で、日本から来る客がやっぱり多いですよね、パリは。
そういう人たちの繋がりもあるし、現地の人たちも、
パリってすごいインテリな人たちがいっぱい集まってるから話してると、
ほんとにいろんなことが刺激があるし、ビジネスの誘いもあるし、
そういうのが出てくるから、やっぱり違うなって今すごい実感してますね。
なるほど。僕なんか、もともとそれこそサッカーライターになろうと思ってたぐらいなんで、
スペインとか大好きで、この後はポルトガル行ったりとかなんですけど、
でもここに来る前もアイスランド行ってたりとかで、
確かにみんなそういう、いわゆる日本から直行便で行ける、
例えばパリとかロンドンとか、そういうとこはもちろんその2つがメジャーっていうのもありますけど、
1個そっからさらに乗り換えると、途端に行かなくなるというか、今の話聞いてちょっと思ったんですよ。
スペインも今直行便ないですよね。昔確かあったんですよね。
一瞬あります。
やっぱり一瞬です。
それはやっぱり経済として機能してる国じゃないからなんですよ。
外国人が経済のために出張する場所っていうところが直行便がある。
それはそう、ちゃんと比例しないとなりたくないですよね。
あとは航空会社ってビジネスクラスで元が取れてるわけで、
経済金融系とかのビジネスマンが使わない限り、航空会社が持たなくなっちゃう。
だから直行便でスペインとかポルトガルに出しても、ビジネスが金融系とか強いわけじゃないから、
ビジネスクラスが売れないわけですよ。そういう現実もある。
話を聞かせて、面白いですね。昔のプロフィールのところで、ある意味ちょっと戦略的にっていう話があったりとか、
異文化や異なる価値観への疑問
僕からすると、もちろんね、食っていかなきゃいけない、生きていかなきゃいけないっていうから、
やりたいとか、いたいだけじゃ決められないとかあると思うんですけど、
バルセナからパリに移ってきたり、今みたいな事情があったり、
自分がこれをやりたい、ここに住みたいっていうものよりも、いわゆるニーズとかを、
でも、どっちかだけに偏っている感じはしない。
あとジャンルも、例えばサッカーしか書かないとかって感じ。
上、当然いろんなジャンル。
その辺がどういう感覚でやってらっしゃるんですか?
一番は何でも知りたがり屋だと。何でも知りたいし、いろんなことに挑戦したいっていうのもあるし。
だけどそれは、30代まではそういう感じだったんですけど、
さすがに40代になってきたら、増えなきゃダメなの。
安定は僕は求めてない。
安定した生活ほどつまらないことはないなっていうのは、昔から思ってきて、
自分の自由は必ず拡大する。
自由は本当にお金に変えられない。
すごいお金をもらえるよりは、自由をたくさんもらえる方がいい。好きで。
そういう人生をずっと歩んできたからこそ、全く稼げない時期もいっぱいあったし、
でもそれでもよかった。自分がやりたいことを優先的にやるということが一番目的ではあったわけです。
その中でも、今回僕も読ませていただいた「死刑のあり国で生きる」とか、
やっぱり孫玄師の本だったり、その本でアウトプットしてることだけは全てじゃないと思いますけど、
やっぱり僕個人的には宮下陽一といえば、人の死というか死生感とか、
そういうものに、特に最近ずっと語られてるイメージがあるんですけど、
何かそこのきっかけとかあるわけですかね?
自分が書いている作品のテーマっていうのは、実はメッセージは一つなんです。
安楽死のテーマに主力性を、死刑のテーマに主力性を、その前に不倫治療の話を。
やっぱりいろんな国で生活して、いろんな世界の人たちと交流するようになってきて思ったことが、
価値観って一つじゃない。いろんな形があって、いろんな人たちの普遍性っていうのが、
実は普遍ではないっていうふうに僕は思って。
人生は普遍ではない。
いわゆる人権とか、今世界でいろいろ騒がれていることが、
その欧米主流の価値観で世界を変えていくというか、
金庫の振りもこういう価値観を持って変えていかなきゃいけないっていうような、
その普遍的な価値観っていうものに対して、僕はそこにすごい疑問を持っているので、
価値観の変性っていうのは、実は欧米人派いう面性なんじゃないかな。
なぜかというと、30年、欧米人と付き合ってきて、
彼らの価値観についていけないところがいっぱいあるんです。
例えばどんなところ?
この人たちにとったら、そういうことが当たり前っていう。
例えば安楽死でいうと、その人が死にたいと思っているのであれば、
その人の個人の意思を尊重して、叶えてあげようという思い。
これは今、ヨーロッパで主流になっていて、
フランスもいよいよ安楽死を法制化するというところまで来ているんですよ。
そうなると、ヨーロッパほとんどの国が安楽死を認めているということになるんですけど、
その方法にある理由っていうのは、
その人が苦しんでて死にたいんだから、
その人の幸せのために叶えてあげようじゃないかっていう、
安楽死を叶えてあげたいっていう思いが共通しているんです。
それが、その人の個人の生き方に対する宣言、
それを尊重するという考え方。
これはもう当たり前なんだ。
だから、死にたい人は本当に苦しくて死にたいんだったら、
死なせてあげましょうっていう。
だけど、それが彼らの言う普遍性だとしたら、
日本人にとって、じゃあ、はい、どうぞって言えますか?
言えないです。
だから、日本人の価値観間違ってると思います。
分かるけど、死んでほしくないとか、
みんなで守ってあげたらとか、
そういう死に対する価値観っていうのは、
アジアと欧米諸国って全然違うんです。
だけど、それを死ぬ権利っていう欧米の価値観を
世界に広めようとするっていうことに対する
違和感があるな、あいまいです。
日常の生活でも、いろんな人たちで見て話をしてても、
30年経っても意見が合わないっていうところもあるから、
でも、この人たちにしてみると、
アジアの世界で生きてきてないじゃないですか。
アジアの価値観を知らないのに、
彼らの思想だとか、
普遍性というものを世界に広げようとするっていうことは、
ちょっと違うんじゃないかなっていう。
そういうことを、今まで自分の作品の中で提示してきて、
世界の流れに乗る前に、
ちょっと考えてみませんか?
日本文化に基づいて、
日本人の価値観に基づいて、
同じテーマだとしても、
安楽詩にしても、
試験にしても、
ちょっと日本の考え方で考えてみませんか?
っていうことを、
気づかせてあげたいっていうのが、
今まで自分がやってたジャーナリストの問題で、
だとは思います。
そのやってることがA面だとさっきおっしゃってた、
今後逆に、
裏表だと思うんですけど、
こっちの人は日本のこと、
アジアのこともよく、
やっぱりそういう意味ではまだ、
日本のことも宮下さんみたいなことを
視点からちゃんと伝えられるジャーナリストがいないから、
逆にそっちを伝えるのも今後やりたいと思うんですね。
例えば死刑の話で言うと、
つい最近、今年の夏へ、
暴動があったじゃないですか。
あの暴動があった背景ですっていうのは、
17歳の少年が警察に射殺されたわけです。
それで周りの若者たちが怒りまくって、
いろんな暴動を全国で起こして、
3500人が逮捕される、
というような事件が起きてるわけです。
警察の現場射殺っていう問題は、
この国では結構横行してて、
去年1年間だけでも12人が市場で、
警察の正当防衛ではない形で、
一般市民を殺してるっていうことは、
日本じゃ考えられない。
日本だと戦後に、
僕が知ってる関係では3件しかない。
戦後で3件。
こっちの国では1年間で12件、去年。
彼らは裁判で裁かれる前に、
もう疑いの段階で殺されてるわけじゃないですか。
それって、やっぱり形を変えた死刑なんじゃないの?
っていうことを取材してきたんです。
安楽死と死刑のテーマ
その子供が殺されたお父さんの話で聞いたら、
本人も出てきた。
そのお父さんは言ってたんですけど、
こんな形で息子が殺されるんだったら、
裁判で裁かれた上での死刑のほうが
よほど良かったって言うんです。
どっちのほうがマシだって。
そういうフランスが、
日本で死刑が執行されると、
必ず番号を最初に声を上げて、
いつまでこんな野蛮なことを
日本はしてるんだって言うんですよ。
フランスの現実をいろんな形で取材してみてみると、
こんなに秩序が荒れた、
毎日事件があって、
毎日人が殺されて、
麻薬とか売春とか、
そういうことで人が殺されてる。
毎日どんどん殺されてるのに、
日本が野蛮な国だって、
あなた達は言えるのか?
っていうことなんですよ。
だからフランス人の人権とか死ぬ権利とか、
そういう普遍性っていうのは、
世界中で認められた人権だし、
それが当たり前だと彼らは思ってるかもしれないけど、
でも日本で一回生活してみれば、
彼らにもわかると思うんですよ。
やっぱりなんか違うって。
日本はなんか違う。
そういうことを知らずして、
見た目だけで日本が野蛮な国っていうのはちょっと違う。
そういうことを日本人に気づいてもらいたいっていうのがあるんですよ。
やっぱり宮下さんの本は、
欧州のいろんな、
それが死刑だ、
安楽死だったり死刑だっていろいろテーマが変わってて、
欧州の各国を回って、
必ず最後日本もちゃんと入るじゃないですか。
日本は実際どうなるんだろう。
だからその辺はやっぱり対岸の舵じゃないですけど、
なんかヨーロッパだと、
ヨーロッパだからちょっと遠いからねっていうところじゃなくて、
必ず日本でもやっぱり取材するようにしてみれば、
そういうのもある。
やっぱり見てる人にも身近になるじゃないですか。
そうですね。
やっぱり日本のことを日本人が知らないっていうことが結構あると思ってるので、
日本人に気づきを与えたいっていうことが一番ですよね。
海外生活をずっとしてきて、
30年前に自分の思い描いていたヨーロッパと、
今のヨーロッパって全く違うんですよ。
パリ在住のジャーナリスト、宮下洋一さんの20年以上の仕事経験
どう違うんですかね。
一般的な日本人が見てるとわかると思うんですけど、
フランスのことはなんでも煌びやかで、
唯一大月国にはフランスです。
でもそれくらいフランス国ってすごい原の都だし、パリはね。
良いことしかないように、
そういうイメージを抱いているわけじゃないですか。
僕自身もそうだったんですよ、最初。
だけど何か違うと。
歌をかけて気づくのって10年じゃ足りないし、
20年かけてようやくバランス取れてよく見えてくるっていうのもあるけどね。
この中で最初のある意味宮下少年から、
根本は変わってないのかなっていう、そことも重なるかもしれないですけど、
30年近く、ジャーナリストじゃ20年近く、
途中で帰ったりしてる人もたぶんいっぱいいるわけじゃないですか。
職業変えちゃったり。
改めに何でここまでやってこられたと思います。
ずっと自分の頭の中には、
人と同じことをしたくないっていう思いがあって、
いろんな言語を喋れるようになってくると、
いろんな世界を見たくなってきちゃうんです。
知らないことだらけだっていうことが気づいてくると、
そういうことも深く知りたいなって思ってきちゃうんです。
なかなかそれで帰れなくなるっていうのもあるし、
あとは日本人の性質っていうか、
集団の中で生きる性質と、
個人の社会で生きていくっていうバランスが
すごい難しくって日本人からすると。
だけどその辺のバランスが長い間済んでくると、
自分でバランスを取って生きていくことができるんです。
これに関しては、
集団的な考え方のほうがうまくいけたらしいとか、
この場面では個人の思考のほうがうまくいけるとか、
そういうバランスを考えていくと、
住み心地が良くなってくるっていうのもあるし、
あとやっぱりフランスって
すっごいみんないい加減な人たちが多いし、
個人主義だから、
本当に社会の秩序は整ってないって思うんだけど、
だけど人に干渉しないし、
自由は保障されてる。
で、俺にとって何が一番生きてくれたらいいかっていうと、
自分の自由を確保してるってことだから、
それを考えるとフランスもそうだし、
ステイムもあるし、
自分に合ってるのかなっていうふうに思います。
フランスの生活や働き方、日本人の性格について
いつもインタビューをご視聴いただいてありがとうございます。
この度スタートしたメンバーシップでは、
各界のトップランナーから戦争体験者に至るまで、
2000人以上にインタビューしてきた僕が、
国内外の取材、
そして旅の中で見つけた
人生をアップデートするコンテンツをお届けしていきたいと思います。
ここでしか聞けない特別インタビューや、
基礎トークにもアクセスしていただけます。
随時、これは面白い、これはいいんじゃないかっていうコンテンツも
アップデートしていきますので、
そちらも含めてどうか、
今後の展開を楽しみにしていただけたらと思います。
なお、いただいた皆様からのメンバーシップのこの会費はですね、
インタビューシリーズの制作費だったり、
国内外のインタビューに伴う交通費、宿泊費、
その他取材の諸々の活動経費に使わせていただきたいと思っています。
最後になぜ僕が無料でインタビューを配信し続けるのか、
少しだけお話しさせてください。
この一番の理由はですね、
僕自身が人の話によって、
うつや幾度の困難から救われてきたからです。
そして何より、国内外のたくさんの視聴者の方から、
これまで人生が変わりました。
毎日済む勇気をもらいました。
救われましたという声をいただき続けてきたからには他になりません。
この声は、世界がコロナ禍に見舞われた2020年頃から
一層増えたように思います。
これは本当にありがたいことです。
ただ、同時にそれだけ心身ともに疲弊したり、
不安を抱えたりしている方が増えていることに関わらない、
その裏返しであると僕は強く感じています。
正直に言えば、各部、僕自身も15年以上前に起業して以来、
最大のピンチといっても過言ではない時期を、
この数年送り続けてきました。
でも、こんな時だからこそ森に入ることなく、
インスピレーションと学びにあふれる、
まだ見ぬインタビューを送り続けることが、
インタビュアーとしての自分の使命なのではないかと、
強く感じています。
世界がますます混迷を極め、先の見えない時代だからこそ、
僕はインタビューの力を信じています。
これまでのようにトップランナーや、
戦争体験者の方への取材はもちろん、
今後は僕たちと同じ姿勢の人、
普通の人の声に耳を傾けたり、
ややもすると内向きになってしまう、
今こそ海外でのインタビューに力を入れていきたいと思っています。
そして彼らの一つ一つの声を音声や映像だけでなく、
本としてもしっかりと残していきたいと考えています。
そんな思いを共感してくださる方が、
このメンバーシップの一員になってくださったら、
これほど心強く、そして嬉しいことはありません。
ぜひメンバーシップの方でも、
皆さまとお耳にかかれるのを楽しみにしています。
以上、早貝大平でした。
26:25

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