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中川 浩孝
コミュニケーション力を極めるゴールデン・トライアングル、仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
コミュニケーションの修羅場を人生のチャンスと思い込んでいる田中シンです。よろしくお願いいたします。
高木 恵子
SEからPRに転職して早四半世紀、高木恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住、中川浩孝です。
一週間空いちゃいましたが。
ジャニーズの成果買い問題
田中 愼一
そうですね。今、話題になっているのがジャニーズの性加害問題。
中川 浩孝
いやー、もうすごいじゃないですか。大ニュースですよね。
田中 愼一
大ニュースですね。もう、あれは結構ね、やっぱり大きな問題だと思うんですよね。
どうもグローバルの発想と、それから日本国内でのこの問題に対する取り上げ方っていうのが、やっぱりちょっとかなり違うかなっていう感じがしてて。
これからその企業っていうのはですね、ある意味その有事365日っていう時代に突入していくわけですね。
つまり、有事っていうのがもうほぼ24時間365日ね、企業を取り巻くっていう時代が入ってて、これからはもうピンチしか来ないっていうね。
で、それをどうチャンスにしていくのかっていうのが一つの企業のチャレンジっていうかね、環境変化だと思うんですね。
で、今回のジャニーズのその発表ってまさに有事ですよね。クライシスですよね。
で、その時に一番やはり試されるのはその企業の対話力なんですね。
で、企業っていうのは日頃はステークホルダーと一生懸命対話してるんですけども、こういうクライシスが起こるとステークホルダーの先にある世論とかね。
えー、まあ難しい言葉で言うと非市場っていう言葉があるんですけど、市場の枠を超えた相手、人たち。
で、まあマスコミなんかも当然そうですし、まあいろんな方々と向き合わなくちゃいけなくなる。
で、その向き合い方、つまり対話の仕方、そことどう対話していけるかっていうのがですね、基本的にはその下手すると企業の命運をもう分けちゃうっていう。
そういう時代に今なっている中で、今まですごい成功モデルの最先端でエンターテインメントをほぼ独占していたって言ってもいいぐらいのね、ジャニーズビジネスモデルっていうのが、ある意味今すごい危機に瀕してて。
そこで、ジャニーズっていう会社がどう世間様と対話するのかっていうのは、やっぱりね、あの、えーと、素材としてね、考える価値っていうのはものすごくあるかなと。
中川 浩孝
いや、そうですね。ビジネスケースとして非常にユニークですよね。
田中 愼一
これは、エンターテインメントが好きな人たちだけじゃなくてね、ビジネスに関わる人たちもやっぱりジャニーズの今回の問題っていうのは少しいろいろな視点で分析するべきじゃないかなと思いますね。
中川 浩孝
そうですね。
マスコミの反応と対話力
田中 愼一
どうですか、皆さん。
中川 浩孝
いや、私としてはですね、というか、まあ先ほどもちょっとあのね、これが始まる前に会話をちょっとしてましたけど、最初やっぱりBBCが取り上げて、なんかこう、そこからなんていうんですか、外圧的にというか黒船がやってきて、それでこう、なんていうんですか、最終的にはこう、認めざるを得なくなったみたいな、なんかそういう感じだったので、
ちょっとそこからしてこう、マイナスっていうかなんか人から言われたから、発表しなくてはいけなくなったみたいな感じがまずすごくネガティブに捉えられがちですよね、まず。
そこがちょっと残念だったなっていうのがありますよね。
まあみんなこれってもう、しかもこう、公然の秘密的にみんなちょっと知っていたというか、知らないけれど、詳細は知らないけれど、なんとなくそういう話があるっていうのはみんな知ってた話じゃないですか、実は。
なので。
高木 恵子
あとやっぱり文春とかね、昔は結構報道してましたよね、オンラインの文春とか他のところはね。
田中 愼一
だからそこに対してなかったことにしようっていうね。
これはある意味で言うとマスコミ、今回の第三者委員会、その前の週かな、前の週に第三者委員会がね、いわゆるジャニーズが実際作った第三者委員会なんだけども、この第三者委員会が発表した内容って実はすごく内容が濃くて。
あれに対してマスコミはびっくりしたんですよね。
ここまで糾弾するんだっていう。
で、そこでね、非常におおっていう形の、今まで多分マスコミの期待値っていうのはどうせまあ、なんていうかあやぴあにして出てくるんじゃないかなっていうふうに思ってたのが、突然あれだけ厳しい、その解体的出直しが必要だっていうようなね。
で、しかもさらにマスコミを批判したわけですよね、マスコミがこれを報道しなかったっていう。
あれはかなり衝撃的な発信で。
で、実はジャニーズ側からすれば、ある意味、あれをどう分析するかっていうのをやっぱりもっと考えるべきだったんじゃないかなと。
あれだけ厳しいものを出されたら、やはり企業ということで、もし存続を考えるのであれば、それに少なくともそれに沿ったあるいはそれ以上の厳しさで、
ジャニーズ側が発信するっていうのが多分ね、もう少し対話力を上げたんじゃないかなって気がしますけどね。
だからそこが実際見ると、オーナーの方が100%まだ持ち続けるとか、それから社長になったのが、実は経営のプロとか改革のプロの経営者というよりは、
いわゆるアイドルのヒットを入れたっていうこと自身が、多分グローバルから考えるとあんまり考えられないっていうか、
いわゆるこれガバナンスの問題なんで。
要するに、今起こったっていうのは、第三者委員会で、犠牲者、被害者は何人っていう話になってますけど、
それはもうそこで本当にいいの?他にいないの?とかね。今現在進行形してるものはないの?とかね。
そういうとこっていうのをしっかり抑えながら、しかもやっぱり犠牲者っていうのは別に本当に被害あった方々だけじゃなくて、今所属してるアイドルの人たち、
これから所属するであろう人たちに対する再発防止っていう発想も必要なわけですよね。
そうするとね、ガバナンスっていうのは鍵になるわけですよ。じゃあどういうガバナンスをこれから引いていくのか。
その時に内容だと、本当に企業を変えられるだけの経営者が入ってないですよね。
中川 浩孝
そうですね、確かに。
田中 愼一
それからあとオーナーが100%キープするっていうのは、何か聞いてるとオーナーの方の発言聞いてると、
ガバナンスの問題と日本的発想
田中 愼一
100%持ってるからもっとより支援ができるっていうニュアンスで説明されてるんだけども、
それは逆に言うと、そのオーナーの方に対して性善説で接してるわけですよ。
つまりあの人がいい人だから必ずそういうふうに自分の持っている100%を使って払ってくれるだろうという予想だけど、
グローバルでは性悪説を取るんですよ。
つまりあの人はやってくれないだろうという視点からガバナンスを抑えていかなきゃいけないのに、
あの人はやってくれるだろうという視点で100%保有を許すっていうかね。
こういう発想っていうのはやっぱりグローバル的な発想と日本的な発想じゃすごい効く違いがあって。
中川 浩孝
そうですよね。やっぱりでもそれを証明するためには、今の社長さん、
ジュリーさんが社長になった時にまずそこをクリアにして始めなくてはダメだったんでしょうね。
だって今の状態っていうか、今のオーナーが、
性善説というか今まで隠してたことは隠してたわけですから。
田中 愼一
隠してたわけだから。
よくないわけですよね。
だから信用するっていう根拠がないですよ。
だから性善説を考えるっていうのが全然ない。
性悪で考えなきゃいけないのを性善で考えてる。
これはマスコミも含めて、いろんな反応を見てるとみんな性善説で物事を扱ってる。日本の国内では。
中川 浩孝
確かにそうかもしれない。
田中 愼一
でもグローバルからしたらそんな話はなくて。
やっぱり性善説(注:性悪説、の間違いですね)でスタートすべきなんですよ。
それほど厳しく、人は信用しないという立場からガバナンスを作っていくのが基本ですから。
それをビルトイン今回の発表ではなかったんですよね。
でもあれが人によっては現実的だっていう人もいるわけですよ。
なるほど。日本の環境からすると現実的になるかもしれない。
中川 浩孝
それ日本的ですよね。
田中 愼一
日本的です。
だからもしかしたらジャニーズオーナーの方は反省していただいてね。
それでその100%を持っていることをレバレッジしながら救済に向けるってことはもちろん現実的に可能だし。
そういう形で日本の世論はある程度受け入れる可能性はあると思います。
ただポイントはですね、今日本のすべての企業は、国民もそうですが、これがグローバライゼーションという洗礼を受けるわけですよ。
そうするとさっき言ったガバナンスを作り込むのに性善説を取るっていう発想はグローバルにはないですから。
中川 浩孝
ないですね。
田中 愼一
僕の場合はお客さんが企業だから、企業にどんどんグローバルに出ていく中で、どんどんそういう目でガバナンスを作っていかないと企業が持たない。
だからこういう有事になった時にどうやって対話していくのか、企業がしっかりと。
それによってちゃんとガバナンスをしっかりと認めてもらって、企業の事業活動に支障がない環境を作るっていう。
それは企業の対話力にかかってくるわけですよね。
有事に際して。
そういうのがこれからすごく逆に考えさせられる事案かなと思いますね。
中川 浩孝
でもこういう問題って、もちろんガバナンスっていうのはガバナンスってもちろんあるんですけど、とはいえジャニーズって非公開株式会社じゃないですか。
なのでやっぱりこういう会社って実はたくさんあるわけじゃないですか。
家族経営的な、なあなあでやっているかもしれない、わからないですけど、そういう企業もたくさんある中で、
やっぱり非公開、ここまで大きくなったのに非公開っていうのがどうかとか、またそういう議論も他にあると思うんですけど、
ちゃんと株式会社ではありながらも、やっぱり非公開の株式会社ってやっぱりガバナンス甘いよねっていうか、それはちょっと思いましたね。
田中 愼一
まあそうでしょうね。やっぱりしっかりしてるところはしっかりしてしっかりやってますけどね。
中川 浩孝
もちろんもちろん。
田中 愼一
でも基本的には原理原則から言うと、非公開の方がガバナンスは甘くなるっていうのは一つの傾向値としてあると思います。
高木 恵子
私が思うのは、家族経営とか同族経営って、別に私それは悪いとは思わないんですよ。
それでうまくやってるとこもあるし、ある程度オーナー企業で、だから故に成功してるビジネスモデルとかもあるかもしれないから、
別にそれ自体は私、丸か×かっていう判断ってなかなかできないと思うんだけど、今回の問題って人権の話じゃないですか。
だからその虐待とかアビューズっていうことを、これが悪いことだって、やっぱり家族周りにいた人たちがそれを感じないその感覚。
日本の社会と安全性の関係
高木 恵子
これが虐待なんだ、これがその人的なこの被害の元になっているものだっていうのを、なんていうんだろう、感じてなかったってことが、そもそものやっぱり一番、だからその日本人なのか日本の社会なのかわからないけど、やっぱりすごい安全な国なんだなっていう、
私はすごいそれが第一印象で、だって他の国に行けば人身売買されちゃったり、本当にだから戦争があったり、なんかいろんなすごい犯罪がこう、なんか日常茶飯事にあるような国っていっぱいあって、だから余計みんなしっかり、まあガバナンスじゃないけど、そういう人権を守ってこうとかっていう動きって、もうすごい昔、昔というか、今なんか絶対当たり前のようにされてるけど、
やっぱり日本ってあんまりそういうことでの犯罪っていうことが、まあやっぱり少ない国だから、それがいけないことだっていうふうに誰も思ってなかった。
田中 愼一
たぶん、安全っていう、そうですな、日本っていうのはすごくそういう意味では、そういう特殊っていうか特別な世界でもあるので、その中で児童虐待みたいな話っていうのが、あの深刻さで受け止められない、逆に安全なだけにね、っていうのはあるかもしれないですね。
高木 恵子
だからそれは、同族経営だから悪かったっていうよりも、そこのやっぱり日本の社会としての我々の本当、感じ方ですよね。まあそれがそういう世の中、日本っていう世の中だからあんまり感じにくいっていうところは、私個人としてはすごいだから、再認識をしちゃったって感じですよ。
田中 愼一
そうですね。だからわかんない。今回のジャニーズの問題っていうのは、もしかしたら記者会見どおりね、より救済をしっかりできるっていうのが100%オーナーとして持つことっていうのが、本当に実現する可能性ありますよ。
やっぱりそれだけの資金力を持ってる会社なんでね、多分。だからそれはね、やると思うしそうなるかもしれない。ただ、やはりそれが今後ね、ああいうやり方でずっといいのかと。
言ったときに、やはりこれからだんだんいろいろな人が、あるいは企業がですね、チャレンジを受けるようになるでしょうと。やっぱりグローバライゼーションっていうのは、今どんどん日本の国内に浸透し始めてきてる。
当然ながらその価値観とか、ガバナンスに対する考え方とか、そういうものっていうのは、もうどんどん日本の中で変わってきちゃうんでね。
だからそういう意味で言うと、リーダーとか企業とか、その周りのいろんなステークホルダーだけじゃなくて、そのさらに先にいるパブリックっていうか、世間様ですね。
と対話をしていくっていう人たちっていうのは、よほどやっぱり今後そういう意味では気をつけなきゃいけない。しっかりと対話できる。グローバルスタンダードで対話できる。
っていうことを身につけざるを得なくなってくるんでしょうね。
中川 浩孝
でもただね、ジャニーさんがただの、そういうことを行っていたっていうことだけじゃなくて、その人たちがこのジャニーズの稼いでいる人たちというか、所属しているタレントであって、
なんか複雑さがちょっと、さらにレベルがちょっと上なんですよね。これってただの被害者だけじゃなくて、彼らがこの中で儲けている人たちでもあるということ、働いている人たちでもあるということで。
田中 愼一
それはセクハラとか、いろんな問題が何層にも重なっている感じがあるので、これはなかなか。
高木 恵子
すごい複雑ですよね。
中川 浩孝
本当、被害者でもあるけれど、利益を得ている部分もあるし、そういう見方をされちゃう部分もあるじゃないですか。
でも、アイドルとして成功してるんでしょ?みたいな見方をする人もいたりするから、すごいかわいそうで、本当に難しいですよね、これ。
ジャニーズ問題の背後にある課題
田中 愼一
日本の国内だけで考えるのであれば、ある程度、今までクライシス見てると、ほとぼりが冷めるっていうのはあるんで。
高木 恵子
ああ、そうですよね。
田中 愼一
だから、案外これでそれなりにっていうね。確かに今一時的にスポンサーがどんどん下りちゃってるけども。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
そこあたりですね、結構日本の社会ってほとぼりが冷めるのが、他の国とかグローバルから比べたら早いような印象があるんでね。
だから、人によってさっきも言いましたけど、いやこれが現実的なやり方だったんじゃないっていう人は、それはそれでまた一理あると思います。
日本国内ということに限定した場合はね。
中川 浩孝
そう、国内という意味ではそうですよね。
田中 愼一
ただ、グローバルにこれから出ていかざらを得なくなるっていうのも実態なんでね。
そうなった時にやっぱり考え方変えなきゃいけないんだろうなと。
中川 浩孝
まだまだだから、そうですよ。これからどうなるかですよね。
田中 愼一
これからが大事ですよね。
高木 恵子
これからですよね。
田中 愼一
本当にね、行動という形で表現できるかどうかですよね。
ジャニーズ事務所がしっかりと行動を取ってるって、実際行動を取ってる。
高木 恵子
やっぱり、被害者に対する救済って、被害者の数分救済の方法とか、救済の考え方ってきっとあるわけじゃないですか。
田中 愼一
違いますよね。
高木 恵子
だから、これをどう本当にまとめるのかって、大変ですよね、きっとね。
全員が納得できるソリューションっていうのが。
田中 愼一
多分納得って絶対できないと思うんですね。
だから、いずれにしても被害は消せないんで。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
あくまで保証って言うけども、基本的には消せないんですよ、被害って一環。
やっぱり被害者はそれをね、一生ね、いわゆる持ち続けて生きていくしかないわけですよね。
だから、本当に保証なんて絶対できないんだけども、でも少なくとも、
ある程度のやっぱり金銭的な、あるいはいろんなね、縛りとかそういうのを外すっていうのはすごく重要なところなんでしょうね。
いずれにしても非常に難しい問題を抱えてますよね。
高木 恵子
この件であれですかね、日本の企業が、より一層ガバナンスを頑張ろうっていう方向に動きますかね。
田中 愼一
多分ね、今言ったような視点で見てないですよね。
やっぱりエンターテインメントでの芸能界の一つのスキャンダルだっていうふうに思ってるでしょうから。
高木 恵子
あーそうですか。
田中 愼一
でも見方によるとこれは非常に一つの企業の対話っていうもののあり方をですね、やっぱりしっかり見てて。
多分グローバルでの発想でこの件に接してたら、多分かなり厳しい発表を先週してたはず。
そうでしょうね。
資本をまず解体しますよ。
高木 恵子
あー確かに。
田中 愼一
解体してね、社長の職にはプロをつけますよね。
だからそういう発想、なぜかというと基本的には第三者委員会での発表の内容が非常に厳しかったっていうことは、逆に言うとチャンスなんですね、見方によるとジャニーズにとって。
高木 恵子
あーいつも田中さんが言ってるピンチはチャンスですね。
田中 愼一
そう、やっぱりあれをピンチというよりもチャンスに見て、じゃあもうこの際ね、解体的な出直しをね、ゼロからやるぞ、やるっていう一つの非常にあれは評価されてた発表だったって、マスコミから。
それを受けて真摯にやるぞって言ったらもう少しまた違ったね、図柄が見えたんじゃないかと思いますけどね。
多分グローバル的な発想だったらそういう方向に行くと思います。
中川 浩孝
私だったら多分受け皿の会社みたいな事務所を作って、そこに移籍するっていう形をとって、別会社にまずするっていうのが普通なのかなって私も考えて、そういう意味ではそこの結果というか決着が甘かったですよね。
田中 愼一
逆に言うとね、100%解消するために他のエンターテインメントでしっかりしてる会社から出資してもらえばいいわけじゃないですか。
で、それをやって、あと名前もね。
名前もね、グローバルスタンダード化したら当然変えるべきですよ。
中川 浩孝
そうですよね。犯罪者の名前がついてることになっちゃいますからね。
田中 愼一
ヒトラーをブランドにする商品ってないですからね。
中川 浩孝
本当そういうことですよね。
田中 愼一
だからそこあたりの感覚がやっぱり違う。
企業のガバナンスと対話力の重要性
高木 恵子
実はジャニーズのこの問題にちょっとニュースが隠れてるけど、実はそのビッグモーターとかも同じですよね。
田中 愼一
ある意味そうですね。ビッグモーターもそうですね。
高木 恵子
あっちはもう完全パワハラの、それもね、ビジネスとして全然コンプライアンスを守ってないビジネスのやり方をしちゃってて、それに一緒に加担してる損保ジャパンみたいな、こっちもすごいような気がするんですけどね。
中川 浩孝
そうですね。大きな問題、そっちの方が問題かもしれないくらいですよね。
まあでもやっぱりどちらの例も、やっぱり経営者とかある一部の人によって会社の経営とか決定権が握られてしまっていて、
その人たちの意見が全く聞かれないとか、その人たちがそういうことを反対すると辞めさせられちゃうとか、
やっぱりそれこそガバナンスじゃない。
一人一人がもう権力を大きく握っちゃってるっていうことの問題点の浮き彫りになった例ですよね、両方ともだから。
田中 愼一
だから、くしくもそういうビッグモーターの件とね、このジャニーズ性加害って繋がってないようだけど、実はコミュニケーションという視点では対話力という視点では繋がってて、時代の流れの一つの象徴ですよね。
高木 恵子
そうですよね。
田中 愼一
だからこれから企業はやっぱりこれを単にスキャンダルだというだけじゃなくて、そこから学び取る姿勢ってすごく重要だと思うんですけどね。
中川 浩孝
そうですね。
高木 恵子
会社の中でこの例を、会社の中のそれこそエグゼクティブたちが、マネジメントチームが議論してもいいですよね。
田中 愼一
いいぐらいですよ。
今週土日はグロービスの2日間集中、戦略コミュニケーションの発想特別講座やりますので、2日連チャンで。
当然この話はしようと思ってます。
みんなの意見聞いてね。35人ぐらい参加するんですよ。
みんな聞いてどういうふうにみんな思ったかっていう。
やっぱりいい素材なんですよ。
高木 恵子
そうですよね。
田中 愼一
考える意味で、企業の対話力とかリーダーの対話力っていうのを考えると非常にいい素材なんで、こういうのをやっぱり少し素材としてみんなで共有して議論しようかなと思ってます。
高木 恵子
そうですよね。やっぱりここで他の日本企業がちゃんと自分たちの足元も見てっていうのが実は必要かもしれないですよね。
田中 愼一
そうですね。今、日本の企業ってたくさん大きい企業がたくさんあってグローバルに展開してるところもたくさんあるんですけど、一般的に言うとやはり体制がグローバルじゃないんですよ。
事業オペレーションはすごいグローバルなんだけど、体制がグローバルじゃないってことと、あともっと違うのは発想がグローバルじゃない。
高木 恵子
発想ですよね。
田中 愼一
だからここをまず乗り越えないと、真の意味で日本の企業がグローバル企業になるかならないかっていうのは、もうそこあたりのところから考えなきゃいけない時代にもうすぐ来てますから。
これはもう本当にね、ここ半年でいろいろなお客さんと話してるともうひしひしとね、特に日本の企業、オペレーションはグローバルなんだけど、どうしても体制がまだグローバルじゃなく、もっと言うのは発想がグローバルじゃない。
グローバルコミュニケーションと発想のグローバライズ
高木 恵子
なんか今ちょっと思っちゃいましたけど、メディトレの他に発想トレーニングっていうのをやってもいいんじゃないですか。
田中 愼一
今ね一つもうやり始めてるのが、コミュニケーションをグローバルにするっていうグローバルコミュニケーションセッションみたいなやつで、いわゆる体制をどうグローバルするのかっていう議論と、さらにはその根底にある発想をどうグローバライズしていくのかっていうのはセッションでね、始まってますね。
もう一回、二回ぐらいやってるかな。だからもうそれはもうサービスとして提供できる感じですかね。
それがね今すごく大きくなってますね。
高木 恵子
そうですよね。こうマネージメントの人のももちろんね、メディアトレーニングっていうそのコミュニケーションのスキルのトレーニングも必要かもしれないけど、そもそもそのだから発想ですよね。
田中 愼一
発想変えるっていうのはものすごく重要。
高木 恵子
多分変えなきゃいけない。
田中 愼一
発想変えるとね、体制も変わるんですよ。
高木 恵子
そうですよね。だからなんかそこって実は全然トレーニングっていうか、そこのなんか何もアクションがないですよね、日本ってね多分。
田中 愼一
ないです。だからある意味そういうなんて言うんですかね、僕流で言うとワイガヤ。ワイワイガヤガヤね。
ワイガヤガヤしながらそういう発想をどんどん生んでいく。やっぱりこの体制古いんじゃない?なんで?って言ったら発想が違うんじゃない?って話して。
これを議論していくうちに徐々に新たなそのグローバル発想って何なのか。それも日本企業が持つグローバル発想って何なのか。
やっぱりアメリカの企業が持つグローバル発想と日本の企業が持つグローバル発想は違うんで。やっぱりグローバルになっていくっていうのはやっぱり日本だったら日本の強みを生かさなきゃいけないんで。
日本の強みをベースにしたグローバル発想って何なのかとかね。それによって作る体制ってどうあるべきなのか。それが今もうすでにグローバルになっているオペレーションというものを支えていくようにするにはどうすればいいか。
ここあたりの議論っていうのは本来はトップのトップマネジメントがしなきゃいけない。我々はファシリテーターとして入るっていう第三者が入っていくっていうのは絶対必要だと思うんですよ。
中川 浩孝
面白いですね。でもグローバル発想ってわかるんですけれど、私アメリカのずっと会社、アメリカだけじゃないですけど、日本以外の会社でほとんど働いてきたので。
でもその会社を見てくると、じゃあこれがグローバルなのかっていうとどうなんだろうって私は思うところが大変あって。やっぱりアメリカの会社はアメリカセントリックだし、イギリスの会社はイギリスセントリック。
そこで、いろんなグローバルのレベルというかいろんなレベルがあると思うので、違ういろんなところがあると思うんですけど、私はどっちかっていうとその問題っていうのはなぜ起こるかっていうと、新しい位置がやっぱり日本の会社は入ってきにくいからなのかなって。
私は思っていて。やっぱりアメリカだと、あともう一つはやめさせられるのもやめさせられるじゃないですか、ある意味簡単に。なので新しい位置を入れた上で、この人はやっぱりこの会社ではダメで、うちの会社ではちょっと合わないっていうときにはお別れすることもできるわけじゃないですか。
でもやっぱり日本の会社では今までそれが比較的しにくかった。もちろん今変わってきてると思いますけれども。なんかそれによってやっぱりドラスティックな変化がしにくいっていう環境はあるのかなっていうのは思ったりはしますね。
田中 愼一
それはあるでしょうね。やっぱり基本的には発想とか技術とかイノベーションというものは人と人との交流から入ってきますから、移転しますからね。だからものづくりもそうですよ。やっぱり人に全部技術が落ちるから、技術というのは必ず最後に発想がありますよね。
だから技術移転するっていうのは、やっぱりその発想も移転させないとダメなんですよ。だからものづくりで、ホンダで80年代ものづくりっていうことでアメリカでものを作ったときっていうのは、まず600人くらいの人間が技術者がアメリカに張り付いて、アメリカ人の相棒と一緒になって仕事して、
その中で10年20年経って技術の発想っていうのが受け継がれて技術が定着し、そこにアメリカ的な要素も入ってこうなっていくっていう傾向なんで、これはもう多分一般的にそうなんでしょうね。
だからやっぱり今ヒロちゃんが言った、人が入ってこない、新しい人が入ってこないっていうのは、やっぱり一つ日本にとってなかなか発想が変えられない、体制が変わらないっていう一つの大きな要素なんでしょうね。それはよく僕も感じますね。