翔治良一さんの仕事経歴
こんにちは、ホストの翔太秀人です。
加賀市役所に勤めています。
こんにちは、アシスタントで学芸出版社編集部の松本雄馬です。
公務員リスキリングラジオは、
仕事で必要な新しい知識やスキルを身につけることを指すトレンドワード、
リスキリングをテーマに、
全国で活躍されている公務員の方々をゲストにお招きし、
キャリアや働き方についてお話をお伺いする番組です。
それでは早速、今日のゲストをご紹介します。
ゲストは元愛知県職員の翔治良一さんです。
翔治さん、こんにちは。
こんにちは、翔治です。よろしくお願いいたします。
ではまず簡単に翔治さんのプロフィールをご紹介します。
翔治良一さんは1992年生まれ、
2015年に愛知県庁に入庁されまして、
振興部地域政策課予算決算担当を経て、
2018年に東京事務所付で政策研究大学院大学へ研修派遣されました。
観光地域づくり法人DMOの効果的な運営方策に関する政策論文を執筆されまして、
公共政策趣旨MPPを修得した後、
2019年に観光コンベンション局観光振興課企画担当へ移動されています。
資格を活用して観光分野のマーケティング手法の導入を模索され、
宿泊ビッグデータによるeBPM実践を通じて知事表彰を受賞されたほか、
観光デジタルマーケティング事業の新規立案実行を実現されています。
2021年に愛知県庁を退職され、
都内の総合系コンサルティングファームの観光チームに参画されました。
観光分野のマーケティング手法の導入
主に観光地における戦略立案、マーケティング、データ分析に関するプロジェクトを主領域とし、
直近では中央省庁の観光領域の戦略戦術プロジェクトに多数参画したほか、
民間事業者の観光領域における新規事業立案支援などにも取り組んでおられます。
民間で今勤められているということなんですが、公務員から民間に転職されたということで、
公務員の時はどんな仕事をされていたんですかね?
はい、ありがとうございます。
最初の3年間は地方創生部門の予算を確保するというか、予算を編成するお仕事をしておりました。
これおそらく正田さんイメージされやすいかと思うんですけども、
あまり新卒で予算にいきなりやるっていうことはレアケースというかですね、
結構ある程度県庁の中だったり、公務員経験がある人が当てられることが多い仕事をですね、
いきなり震災でやれというところから始まりですね、本当に最初の3年間ハードワークをしていたんですけども、
その中で結構地方創生という仕事の面白さを予算という面から幅広に見ることができたところと、
あとはそうですね、庁内に非常に連絡調整をすることが多い仕事だったので、
ある程度最初の3年間で庁内のネットワークを築くということができたというところが非常にやりがいとしてもあったのかなと思っています。
そのあとちょっとそのあたりハードワークがかなり続いていたので、
それでよく頑張ったなということで、3年頑張ったご褒美だみたいな形で、
東京の大学院で1年勉強してこいという話がいただきまして、大学院に行かせていただいたんですね。
そこでちょっと何を勉強しようかというところで、最初の3年間で関わりの深かった地方創生の文脈で観光に関する研究をしてみようかなというところで、
観光に関して1年間勉強したところが非常に私にとっても天職だなというところを研究するうちに気づきまして、
その後ぜひ観光の仕事をやらせてくださいという希望を出して、観光の部署に戻ったというようなところで、
そこまでがちょっとそうですね最初の4年間程度になりますね。
その後ちょっと観光の仕事をやっていく中で、非常にやっぱり今までの公務員の観光施策って感とか経験とかに頼ったものが非常に多くて、
なんでこんな施策やってるんだろうっていうものも非常にあったんですね。
観光の専門家になるための学び
そういったところに課題感を持ちまして、もう少しデータとか証拠に基づいた施策をやっていかなきゃいけないよねというところで、
マーケティングをやっていこうという必要をちょっと感じたと。
ただちょっと私も素人だったので、そういったときに何か使えるものはないかなというところで、今回ちょっと書籍で紹介させていただいたマーケティングの検定というものを使わせていただいて、
実際自分が学びながら施策を考えていったというようなところを県庁時代にはやっていました。
簡単ではございますが、こんな形ですね。
ありがとうございます。在生から大学に行かれたということで、大学で観光を学べられたということなんですが、
その観光については大学時代などでは何か勉強とかされてたんですかね。
全く観光を勉強してたというわけではないんですけども、たまたま私が東北の方の大学に通ってまして、ちょうど2011年に入学してるんですよね。
東日本大震災に本当に当たってしまって、東北地方が結構暗い雰囲気にあった中、復興にあたって結構仙台宮城ディスティニーションキャンペーンだったり、
観光という面で人々が地域にもう一回人に来てもらうとか、原発で風評被害があった中で観光というものを使って復興していくというところを4年間ずっと大学生活に出たというところがあってですね、
それが結構公務員になってから観光というところに非常に興味を持ってやりたいなと思っていたきっかけではありました。
そこから観光を大学で学ばれて、観光の部署に行かれたということなんですが、学ばれた後、観光の部署に行きたいといった移動届なんかを出したりされたんですかね。
そうですね、大学院の方に関してはおっしゃる通りで、なんとなくこういう終始論文のテーマを書いていると、観光の研究をしているとその後観光の部署に戻してもらいやすいみたいな噂は聞いていたので、
ちょっとそれも実は私の意図としては観光をやりたかったので観光の論文を書こうかなという形で大学院では観光の論文を書きましたね。
すごい、なんか戦略的な感じで、まあそれこそマーケティングじゃないですけど、先を、ゴールを見据えてそこに戦略を打ってたというわけなんですね。
そうですね、ちょっとそこは狙い通りに行ってよかったというところではありました。
公務員のキャリアパス
なかなか公務員だと自分の行きたい部署とか学びたいことなんかをなかなか仕事で経験できないっていうことが多いと思うんですが、
しょうじさんの方はもうほぼ自分の思い通りみたいな感じで部署を経験されてたり、あとは学ばれてたりということをされてて、すごい羨ましいなというか、すごいなと思います。
実は全然そんなことはなくてですね、最初私は本当に事業科で事業がやりたかったんですけど、入ったところが本当に俗に言う主幹科と言われる部内の予算を取りまとめて財政に戦いに行ってお金をもらってくるっていう仕事だったので、
全く事業には関わることなくひたすら毎日Excelでお金を眺めてた仕事をしてたので、そういう意味では最初の3年間は本当に下積み修行をやってって感じではありましたね。
さっきご褒美のみたいな感じでっておっしゃってましたけど、政策研究大学院大学に行くっていうキャリアパスというか、そういう選択肢っていうのはしょうじさんが初めてではなかったっていうことなんですか?
あ、そうですね。毎年1人ですね、手上げというか一応その町内の選考があるんですけども、そういったその選考プロセスを経て1人派遣されるというところのシステムになってました。
大学院の方もですね、実際各中央省庁だったり各自治体から1人ぐらい派遣制で来ているというような大学院で、結構その公務員が集まるような東京の大学院なんですけども、そこで結構そうですね、各自治体で選考を受けて来た人が集まってくるというような大学院でした。
これ実際帰ってくるにあたっては当然そのどういう研究をしたかっていう成果っていうのがある意味求められるわけですよね。じゃあこのDMOっていうのはやっぱり帰ってきてから、さっき戻ってきてから観光の部署に配属されることを狙ってっておっしゃいましたけれども、実際そのDMOに具体的に携わることにはなったんですかね?
はい、おっしゃる通りですね。DMOっていうのがちょっとそもそも何なのかというところから簡単にご説明しますと、観光地においてマネジメントとマーケティングをやっていく組織っていう意味合いで、ディスティネーションマーケティングまたはディスティネーションマネジメントのオーガニゼーションなんですけど、そういったところを国としても各地域にそういった組織を増やしていって、観光地でちゃんとマーケティング科学的にやろうねって声掛けを今ずっとしてこの7年8年してきたんですけども、
なかなか実際そのマーケティングができている地域ってないよねというところが全国的な今実情でございまして、じゃあそのためにマーケティングを特に移動の多い公民がだったりとか地域の観光協会の方がやっていくにはどうしたらいいんだろうというのをですね、私は研究させていただいたわけですね。
それを実際じゃあお前がやれと、お前がちゃんと愛知県でやりなさいという話で移動させていただいたという経緯だったので、そうですね、そのある意味自分で書いたことを自分でやるという流れに持っていったというようなところですね。
じゃあこの観光コンベンション局っていうのが実質的に愛知県のDMOの役割を果たしてたっていうことは。
厳密にはですね、DMOは半官半民の組織でございまして県庁の外にあったんですね。
愛知県でいうと愛知県観光協会っていう県域の観光協会がDMOに認定されてまして、ただそのDMOが全然そのまだ科学的なマーケティングできてなかったので、県庁としてその支援の体制を考えるですとか、DMOを育成するという観点から私はそのサポート側の立場として仕事をしていったという感じですね。
マーケティング検定の活用
なるほど。ここで今回の本にもご紹介いただいた資格っていうのが出てくると思うんですけど、このあたり詳しく改めて教えていただけますか。
あ、承知いたしました。そうですね、実際そのDMOにマーケティングをしっかりこうしていただけるようにしていくというところで、県側のカウンターパートとなる我々の立場がですね、マーケティングを知らないと当然指導も一緒に協業もできないというところがあって、まず私はその自分が学ぶところから始めようかなというところで特化管理にしたのが今回のマーケティング検定というものなんですけども。
結構そのコンビニって製造業とかだとマーケティングなんて当たり前だろうっていう感覚なんですけど、マーケティングに関しての知識を持っている人って本当にいなくてですね、そういった意味でそれをまず特化管理として学べたというところはあるんですけども、とはいえ製造業みたいに民間企業がやってるマーケティングと観光地みたいに、例えばお土産屋さんもいれば宿泊業もいれば運輸業界もいればって本当にいろんな業界の人が関わってくる観光地だとそのままこうマーケティングの知識が使えるわけではないので、
学んだ資格の知識をベースに自分なりの観光地のマーケティングってどうあるべきなんだろうっていうのを考える上での素材としていったっていうのが今回のその資格の活用法だったのかなと自分では思ってます。
マーケティング関係って本当にいろいろな資格があると思うんですけども、やっぱりマーケティング検定って今回取られたものが一番自分の求めるものに合っているなっていう印象だったんですかね。
そうですね。私も書店の方に行ってマーケティングに関する書籍、資格の関係の書籍ですね。ざっと斜め読みというか全部読んでみたんですけども、結構そのネットマーケティング検定とか本当に幅広いんですよ。ただその外観的に本当にある意味初心者から学びやすくかつマーケティング関して広く学べる。
最初広く浅くって言うんですかね。学べるという意味でこの資格がすごく最適だったのでこの資格を選んだという感じですね。
具体的にどういうふうに時間を使ったとかって覚えていらっしゃいますか。
そうですね。大体本当に毎日1時間程度寝る前に勉強していたような形でして、大体1ヶ月2ヶ月ぐらいの勉強時間だったと記憶してるんですけども、私が取ったの3級って本当に一番最初の初歩の初歩のやつだったので、それはそれぐらいで取りました。
で今実際ちょっと2級取りませんかって今度また検定事務局の方から何回もメールいただいてるんですけど、ちょっと仕事が忙しく過ぎてですね、ちょっとそこは今少し様子見をしながらたまに勉強してるという状況になっちゃって。
なるほど。DMO、愛知県としてはかなり駆け出しのタイミングで最前線で携われたってことなんですけれども、その半官半民っていう組織体制ならではの学びみたいなのも、その民間の方との交流っていうのって具体的に何かエピソードがあれば教えていただきたいんですけれども。
はい、わかりました。そうですね、私がそのマーケティング検定使って仕事していく中で一番やっぱりギャップがあるなと思ったのは、そのDMOって半官半民組織なので、当然自治体からの派遣の人もいれば、中にプロパーの職員もいるんですけど、派遣できてる職員さんが結構一定数いらっしゃるんですよね。
で、旅行会社さんから来てたりとか運輸会社さんから来てたりするんですけど、やっぱりそういう人たちって定着しないというか、2、3年で親元に帰ってしまうんですよ。そうなってくるとやっぱりプロパーの人がしっかりこう知見をためれる人がちゃんといるっていうのが大事だなというふうに思っていて、それってやっぱり公務員もやっぱりそれって無理じゃないですか。
なのでそういう人たちがしっかり知見をためていけるような支援を、どうしても我々移動は避けられない公務員なので、そこの仕組みを作っていくっていうのが公務員に求められることかなっていうのはすごく仕事をしていて気づいたところではありましたね。
今おっしゃったプロパーっていうのはいわゆる観光協会の専任スタッフっていう。
おっしゃる通りです。観光協会に所属してずっとそこで働き続ける人ですね。
DMOと観光協会の違い
よくDMOの話、弊社もたくさん出していくつか本出してるんですけど、基本的にもともと観光協会だったところがそういうDMOっていう組織を担うようになっているってところがあると思うんですけれども、
いわゆる昔ながらの観光協会みたいなお仕事と、今のDMOっていうものになった時の観光協会のお仕事って具体的にどういうふうに変わってくるんですか?
ありがとうございます。もともとDMOっていうのが欧米から来てる概念なんですね。
日本の観光協会ってもともとお祭りやってたりイベントやってたりっていうことをやってきた組織がかなり多かったので、実質その国がDMOっていうことをやっていこうってなった時に、看板付け替えただけで実際イベントやってるだけのDMOとかが結構いたんですよ。
現地もまだいらっしゃる。これあまり言ってしまわないといけないですけど。
よく批判される点はそうですよね。
なので、あくまでDMOっていうのは地域の司令塔であって、直接イベントをやるのは別にDMOじゃなくてもいいんじゃないっていう発想が最近やっと日本の中で気づかれ始めてきたというか浸透してきたというところがあり、そもそもそれぞれそれって求められているものが違うよねっていうところは私も思ってたところなんですけども、
日本的にもこれからそこが意識されてきていると思いますし、それが今後そのDMOがしっかりDMOとしての役割を果たしていく上で必要になってくるところなのかなと思います。
直接的にマーケティングって利益を生み出すわけじゃないですか。利益を生み出しやすくなる仕組みづくりなので、
それに関するちょっと行政側の目線としても、マーケティングやれば儲かるんだよねみたいな、予算つければその金額ちゃんと返ってくるよねっていう短期的な目線ではなくて、長期的に見て利益を最大化する売り上げというか、お客さんが来てくれて地域がうるおう、
その効果を最大化する仕組みを作るんだよねっていうところの理解が進むと、少しそのDMOっていうのは動きやすくなるのかなっていうのは、ここ数年関わってきて思ったところでしたね。
先ご略歴の中で読み上げていただいた、宿泊ビッグデータによるEBPM実践を通じて知事表彰受賞っていうのがありましたけども、これちょっと興味深いんです。ぜひ教えていただきたい。
あ、承知しました。そうですね、現状私が愛知県に戻った時に、現状というか当時ですね、実際その時は愛知県のDMOですぐにデータマーケティングやりましょうって言っても、やれるノウハウもなければデータも持ってなかったというところがあるので、
県庁側で何かできないかということを色々調べた時に、まず安価に使えるデータというところで、日本観光振興協会さんっていう団体さんが持ってる宿泊ビッグデータの分析サイトがあるんですね。
それを自治体だと割引価格で月額5000円ぐらいで使えるっていうことがわかったので、まずこれ使わせてくださいっていうのを県庁内で調整をさせて、そのデータを購入というか登録したんですね。
登録というか反映登録させていただいて、データプラットフォームを使えるようにしたと。で、県庁側ってやっぱり広域自治体なので、我々だけがデータ持ってても意味がないというところで、そのデータを使ってレポーティング、レポートを作って市町村だったり地域の観光協会、県の中にある観光協会とかDMOにレポートを配布することは問題ないですかっていうのをそのデータの出典元に確認してですね。
それだったらいいですよというところで、我々があくまでデータを2次確保をちゃんとした上で、それを県域に展開するという仕組みを作りましたと。その仕組み自体によって、今まで全くよりどころとなるデータがなかった地域側がある程度こういうデータがあれば次の施策が考えられるよといういいフィードバックが来るようになってですね。
そのあたりを行政改革提案としてこんなことがありましたよというのを報告したら、知事表彰という形で表彰してもらったというようなことでございます。
この宿泊ビッグデータ、お答えできる範囲で結構なんですけども、これはどこからどういう人が来てるかみたいなそういうデータっていうことですか?
観光マーケティングの予測データと地域活性化
そうですね、地地域にどこから来てる、泊まりに来てるかも分かりますし、将来予測みたいなところもできるんですね。現状の予約状況で、多分3ヶ月後、こんぐらいの人が泊まりに来るだろうという予測データも出てたりするので、あくまで予測なんで、正確性はどこまでかという問題はありつつも一つの指標にはなるので、そういったものをうまく地域側に伝えたり、
地域側に伝えてあげて、この時期人来そうだからちゃんと準備した方がいいよとか、むしろこの時期人あまり来ないから、むしろここは休んじゃった方が効率いいかもとか、そういったことを伝えしていた感じですね。
ちなみに愛知県だと、こういうというか、観光で一番力を入れている地域ってどの辺りになるんですか?
そうですね、愛知県でいうとやっぱり三河地方と呼ばれる静岡側の、あんまりこう製造業が盛んではないところ、特に奥三河と呼ばれる、本当に静岡と接しているような地域ですとか、あとは南千田っていう、
愛知県も、千田半島ですね、蟹の形の左側の爪の部分ですね、あの辺りがやっぱり観光産業には力入れてますね。
なるほど、なるほど、でこれ多分コロナ禍直前ですよ、2019年だったら、2024年ぐらいからコロナが始まったっていうところ、この辺りはどうだったんでしょう?
あ、そうですね、コロナ禍において本当に、結局そのデータの出店元がおそらく某大手旅行代理店さんの予約実績データをベースにしてるっぽくてですね。
なので、その代理店さんの予約データ自体がガクッと予約が入らなくなって、データ集まらなくなってしまったので、その時期だけはデータが出ないっていう状況になってしまって、結構そこは苦労しましたね、実態としては。
なるほど、結構そうですね、この観光あったりって、まさにおっしゃるようにデータがないと、デジタルマーケティングと言っても何も施策が打てないみたいな状況で急に落ちてしまうみたいなところもあって、難しさは感じられたのかなと思うんですけれども。
その部分で言いますと、もう誘客できないのでどっちみち、だったら復活した時のためのコンテンツ開発とか、準備期間として捉えようよっていう動きはしてましたね。あくまで無理して人が来れないのに呼ぶんじゃなくて。
2021年に愛知県庁を退職されということですが、これはいつ頃決意されたんでしょうか。
それはですね、2020年の秋頃ですかね。やっぱりコロナ禍で先が見通せなかった中で、私の観光部局にいられる期間もあと最大1年程度になってしまったので、ちょっと末永く腰を落ち着けて観光をやりたいなと思った時に、少し現状の職業では難しいかなというところで。
そういった転職サイトみたいなところを見始めたっていうのがきっかけになります。
他の人に相談されたりとかはしたんですか。
全くですね。
こういう転職とか、多分このラジオのゲストの方で、普段に転職された方は1人か2人だと思うんで、あまりお話は伺い切れてないんですけれども、本当に転職サイトで探すっていう感じになるんですか。
そうですね、私の場合は某、R社というんですかね。
もう1人だけですけどね。
そうですね、エージェントの方です。
今、所属されている先には、完全に開いたところに対して応募したのか、割とマッチングみたいな感じになったのか、どういう感じだったんですか。
それでいうとですね、開いたところではあったと思います。
ただ結構、求めてるキャリアの条件が結構、逆に私以外応募できる人いるのかなっていうぐらい。
インポイントでは。
観光地において、マーケティングやってて、DMOに詳しくてみたいな感じだったので、これじゃあ私運命だなって思っちゃった感じですね、本当に。
最近公務員の方でも結構転職されるっていう方が、ここ最近本当に多いのかなと思ってて、特にふるさと納税を担当して実績上げてたり、あとはプロモーションなんかで関わってたりっていう人だったり、それこそマーケティングにちょっと関わってたりっていう人が本当に最近公務員でも転職される方多いなと思うんですが、
実際、民間に障子さん勤められているってことで、やっぱりそういった公務員から転職されているっていう方は周りにいらっしゃったりしますか。
そうですね。私の地域に九州の別の県庁から来ている人、来た人はいますね。
私のチームでいうと元公務員はその人と私だけなんですけども、会社全体で見ると中央省庁の元国家公務員だったり、そういう人は結構いますね。
多分私の想像なんですけども、あんまりネガティブな理由で転職するというよりも、公務員って非常に色んな職業、色んな職種経験できるじゃないですか、職業とか部署。
その中で自分の氏名を見つけちゃった人が転職するじゃないですか。
そうなんですよね。これだっていうのが見つかった人が、それを突き詰めたくなってしまう転職が多いのかなというのは勝手に推察しています。
転職先の決め方と公務員からのヘッドハンティング
実際どうなんですかね。障子さんみたいな登録してご自分から転職されるっていう方ももちろんいらっしゃると思うんですけど、
ヘッドハンティングみたいな形で、本当に何も希望していなかったのに声がかかるといった、そんなこともあったりするんですか。
あると思いますね。知り合いの会社さんだったりとか、仕事で関わっていることがある会社さんとか、
あとはSNSでウォンテッドリーとかあるじゃないですか、ヘッドハンティングがされるように。ああいったものを使われている方はもしかするとあるのかなとは。
今私が所属している会社でいうと一番多いのは中央省庁なんですけども、中央省庁を介して、例えば実証実験だったりとか、
自治体が手を挙げてくるような事業で自治体さんの伴奏させていただくっていうことは結構多くてですね。
あとはちょっと自治体さんと直でやらせていただく案件も少し増えるといいなと、私の個人の希望としては今思っているような状況ですね。
やっぱり経験を、立場を分かった上で提案できるみたいなところですかね。
そうですね。そこは非常に強みだと思いますね。おそらくその中での組織の動き方とか、
パワーバランスみたいな、誰が経験を持っているとか、何で詰まっちゃうとか、例えば担当はやらなきゃいけないと思っているのに上の理解が得られないとか、
もしそういうことがあったりすると、何となくどうすれば動くか、我々は自分の経験上知っているので、一緒に考えやすいっていうのは非常にあって、
多分その意味でお客さんに信頼してもらいやすい部分は出てくるのかなと思いますね。
最近、これは公開されている授業なのでいいかなと思うんですけども、国の観光庁さんのお仕事でDMO向けの観光地域のマーケティングのノウハウをしっかり体系化したいというお仕事があったので、
そちらでガイドブックの方を作成させていただいたり、またはその説明をするセミナーの講師として登壇したりという仕事をしたりはしてましたと。
あとはちょっとそうですね、これはちょっと本当にふわっとしか言えない話なんですけども、民間企業さんの新規事業でデジタルマーケティングを、これは観光関係の民間企業さんですけども、やりたいというところで、
どういう人たちをターゲットにして、どんなプロモーション施策だったりとか、売り方をしていけばいいんだろうねっていう、戦略の部分ですね、の構想作成をさせていただいたりとか、結構幅広にいろいろ取り組ませていただいてますね。
今のおっしゃったようなお仕事はこれからも多分続く、特にコロナ明け、もうアフターコロナみたいな状況になって、今度多分インバウンドとかのいろんな事業も今度展開してくると思うんですけれども、
今後も松治さんとしては、観光マーケティングっていう領域はずっと携わっていきたいなって思われてますか。
ありがとうございます。そうですね、観光マーケティングというのは自分の中で一つ軸になるかなと思ってますし、あんまり業界の中で大事だ大事だって言われてきた割に、まだしっかり整理されてない分野だったりするので、
やっぱりそこに関してはしっかり突き詰めて、地域の人と一緒に考えて、どうやってやっていくのがいいのかというところは、自分なりに解を持ってやっていきたいなと思ってます。
あとは少し、今後ちょっと幅広げていきたいなというのはあるので、やっぱり観光って観光だけで閉じちゃうと面白くないので、関係人口、二拠点生活だったり定住人口ってところとどう絡めて地域を元気にしていくだけの起爆剤にできるのかっていうところまで広げていけると、
より私としても興味関心を幅広に広げながら仕事としてだったりとか、お客さんだけじゃないいろんな人とのつながりができるかなと思うので、そういったところも挑戦していきたいなと思ってますね。
ちなみに、こういう事例面白いなって思ったとか、ここの地域の取り組みに注目しているみたいなそういうものってあったりしますか?
地域観光とデータマーケティング
なるほど、そうですね。私の本当に観光マーケティングの話になっちゃいますけど、結構、木の先温泉のエリアとかってすごくデータマーケティング的には面白くて、普通旅館さんって自分の旅館のお客さんのどれぐらい入っているかっていうデータって強豪に知られたくないじゃないですか。
どんな人が来てるのかとか、戦略考えなきゃいけないんで、温泉街同士では秘密にすると思うんですけど、あそこはもうむしろさらけ出しちゃって、全体でデータをガッチャンコというか合体させてですね、全員で共有してるんですよね。温泉地全体として、そこは出すものを出して、むしろ強豪すべきは仲じゃないよねっていう話で、しっかりみんなで活用していこうよっていう仕組みがあって、
それは非常に今後いろんなところでマーケティングやっていくにあたっても、観光地でマーケティングやろうと思ったらデータ自分たちだけで持っててもどうしてもしょうがないので、その発想を少し全国的にもみんなが共通意識として持てるとより進むのかなっていう意味で、一つ早い勉強になるなというか参考になるなと思ってます。
なるほど、面白いですね。あそこはね、温泉街を自分の泊まってる旅館だけじゃなくて、回っていくとか、多分リピートもしやすいような場所だし、そういうモチベーションがあるのかもしれないですね。結構ワーケーション的にとかもよく取り組んでるってよく聞く。
うちの市も温泉街、観光が温泉のメインであるんですけども、温泉っていうといろんな、全国でも温泉ってありますし、そこをどう差別化していけば、より観光客が集まるのかなっていうのが、いつも思ってるところでして、そういった。
すごく生のチーズ的な。
これもうあれですね、半分コーサルティングしちゃっていいのかもしれない。
そうですよね。多分それ、全国でどこでも悩んでるような気がしていて、多分そのお客さんへの提供する価値って何だろうっていうところを突き詰めるっていうのが本当にそれに尽きると思っていて、多分今までの一般的な昭和型の温泉旅館ってリフレッシュしてもらう弁当だったと思うんです。
なんでゆっくり温泉に使っておいしいご飯食べて休んでねっていうところが、それだけだと本当に全国どこでもそうなので、それに対してじゃあそのプラスアルファで楽しめる価値、お客さんに提供できる価値って何なのかっていうのを何を付け加えるか、もしくは今いらないものあるんじゃないかって減らしたり増やしたりっていう発想でやっていくと、同じターゲット層が変わってくるじゃないですか。
例えばリフレッシュしたいって言ったらほとんど日本全国全国の働いている人ってほとんどターゲットになっちゃうわけですけども、それって逆に言うと個性がないので誰にも刺さらないみたいなことになりかねなくて、ただその提供できる価値が尖ってくると明確なターゲット層でそのターゲット層の人たちにとってみたらすごく刺さるものになるかもしれないっていうところがありますよね。
例えばゲロ温泉とかすごいグリーンツーリズムって言ってるんですけど、ゲロ温泉のところって止まって帰ってしまうだけではなくて、しっかり温泉に使って一晩明けた次の日にSDGsじゃないですけど、グリーンな観光コンテンツをとことん楽しみ尽くせるようなコンテンツ開発に力を入れていて、
そうするとやっぱり環境負荷軽減とかそういったところに意識の高い、少しちょっとそこに意識を回せる余裕のある負荷価値の高いというか、お金を持ってる人が少し集まってきやすくなったりするので、そういった要素の減らしたり増やしたりっていうのが結構大事になってくるのかなと思いますね。
ありがとうございます。
減らすっていう発想とか視点が身内にあってた部分があって、確かにいろいろ増やせばいいっていうものは誰でも考えつくというか、ついそこに手を伸ばしつつあると思うんですけど、減らすっていうのも大事だなと改めて思いまして、
それはなんか自分自身のブランディングというか、自分自身の仕事のやり方だったりにも少し関係するのかなと思いまして、そういった意味ですごい勉強になりました。
ありがとうございます。
Blue Ocean戦略の重要性
そうですね。ちょっと今の話で補足すると、この後の告知のところに本当に被ってしまうんですけど、ちょっと私から一個皆さんにお勧めしたい書籍があって、マーケティングに興味がない人でもぜひ読んでほしいというのが、Blue Ocean戦略っていう書籍があるんですね。
Blue Oceanって言葉ってよく出てくるんですけど、Blue Ocean戦略って結局強豪だらけで血に染まった赤い海じゃなくて、全く強豪がいない爽やかな青い海で泳ごうよっていう意味で、そういったところを目指していく上では、やっぱりその価値を足して増やすだけではなく減らしたり削ったりすることがすごく重要だよっていうことが書いてあるので、
それのちょっと具体的にどうやって考えればいいのかっていうのが解説されている書籍になるので、これは非常に公務員にとって特に付け加えたり増やしたりすることしか考えないような風潮が私も感じてたので、非常に参考になるかなと思います。
今調べてるんですけど、ちゃんきむさんの本、書のやつですかね。
おっしゃる通りです。日本語版出てるので。
なるほどなるほど。
非常にそれはおすすめな本ですね。
ぜひ読んでみたいと思います。
今おすすめの書籍ご紹介いただきましたけれども、最後に何か告知というかメッセージあればお願いします。
ありがとうございます。
そうですね、私としてはもう一度公務員退職しちゃっている立場なので、偉そうに公務員としてどうこうって語ってしまうとちょっとどうかなっていうのも少し感じているところではあるんですけども、思いは引き続きですね、地域の活性化、ないしは皆さんがずっと住み続けたいと思える地域に住み続けられるようなお手伝いをどうしていけばいいかというのを常に考えていますので、
もし何かこうご一緒させていただける機会があったら嬉しいなと思っております。
もし何かありましたらFacebookでも何でもご連絡いただけると幸いです。
よろしくお願いします。
はい、ありがとうございます。
ではお時間になりましたので、今日のトークはここまでとさせていただきます。
本日のゲスト、庄司良一さんありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
次回も素敵なゲストをお招きしますのでお楽しみに。
それではさようなら。