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2025-01-23 34:20

小説「蝿」の1ページ目だけで30分語る【超旅ラジオ #193】

年に1ページだけ読む読書。横光利一の「蝿」を1ページ目だけ読みますが、最初の6行しかありません。少ない情報をもとに深読みしまくる30分。

日輪・春は馬車に乗って 他八篇 ⁠⁠https://www.amazon.co.jp/dp/4003107519?tag=chotabiradio-22⁠

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サマリー

このエピソードで、岡田さんとSatoruさんは宮沢昭夫の短編「ハエ」の1ページ目を読み、その内容と文体について深く考察しています。また、横光リッチの作品における文体やテーマにも触れ、文学作品の読み方に関する新しいアプローチを提案しています。小説「ハエ」の冒頭から探求し、登場人物や描写について自由に解釈しています。特に、主人公の視点と環境の変化、作品のユーモラスな要素が際立っており、文学的なテーマが取り上げられています。このエピソードでは、小説「ハエ」の冒頭部分を詳細に分析し、登場人物やテーマについて考察が行われています。特に、主人公である青年の視点や心理描写、そしてハエとの奇妙な関係が物語の中心に位置しています。このエピソードは、小説「ハエ」の1ページ目について深く語り、主人公の青年の人生の終息とその後の意識の状態を描写しています。主人公が最後に思い出すハエの存在は、人生の不思議さと記憶の重要性を示唆しています。

新しい読み方の模索
岡田さん。何ですか、Satoruさん。我々は、今までいろんな本の読み方を模索してきたじゃないですか。そうですね。上巻と下巻をお互い別々読むとか、27人で一つの本を分けて読むとか。
そういうことをやってきて、次はどんなことやろうねみたいなことを、この間岡田さんとお酒飲んだ時の電車の帰り道かなんかで、酔った頭で私が記憶しているのは、岡田さんがおっしゃってたのは、確か一つの本をゆっくりゆっくりのろのろと読むのはどうだろうみたいな。
そうですね。確かそんな話をされてましたよね。で、私が返したのは、それは実は宮沢明夫さんという演劇の有名な方が横道理一の「機械」という短編を11年ぐらいかな、確かかけて読むっていうのをやって、それ時代の本がめちゃくちゃ面白くて、確か文学賞、有名な文学賞まで受賞してるんですよ。
その、ゆっくり読むという。ゆっくり読んだ。心身が、そうですね。だからやっぱり先人たちの素晴らしさというかですね、そういうことをやってる。でも我々もなんかそういうことを一つやってみたいねみたいなことをですね、話して。一つ思いついたのが、まあ短編ですね。
短いお話小説を、最初の1ページ目だけを読んで、残りのページは読まないと。読むとしても半年後とか1年後とか、かなり時間を置いて読もうみたいな。そういうことをちょっとやってみようということでですね、今回はちょっとそういう1ページ目だけを読むというですね、試みをやってみたいと思います。
同じ本の1ページ目を2人とも読むと。
そうですね。
さとると岡田勇、超旅ラジオ。
今回選ぶのは、宮沢昭夫さんの心身に敬意を表するという意味合いもあるんですけれども、横光リッチさんというですね、私正直その横光リッチの機会だけは読んだことあるんですけれども、全然記憶に残ってないです。
なるほど。
それ以外は全然読んだことがないので、私は正直横光リッチさんの作風とかもあんまりわからない。
僕は全く読んだことないです。
岡田さんもそう。
はい。
その横光リッチさんの岩波文庫のですね、緑の岩波文庫の日輪春は馬車に乗ってのですね、本に収録されているハエというですね、10ページで終わる短い小編。
そうなんだ。
なるほど。
その情報を初めて。
その情報をちょっと共有しましょうか。
いくつか情報を共有すると、そのハエというその10ページの。
10ページなんですね。
10ページ分の1ですね。
とともに、じゃあこの岩波文庫って表紙に数行ですね、著者の作品の特徴とか書かれてたりするので、そこだけもちょっと読んでみましょうか。
新感覚派の行省として勇ましい省を中心となる人物として登場した横光リッチ。横光リッチさんは1898年生まれで1947年に亡くなられた方。
結構49歳ぐらいで。
まあ今にしてみれば若くして亡くなられた方なのかな。
次々と新しい小説形式に挑戦したが、戦争によって不幸にも挫折した。
だが現在の文学状況の中で横光の試みは今もなお課題たり得る多くのものを含んでいる。
という。
なんかドキドキするような紹介のされ方ですよね。
というページの中ほど29ページのですね。
いわのみ文庫の29ページの端絵の1ページ目はですね。
1ページと言いながら6行しかですね、書かれていない。
というのはこの段組で前半のそのページを割って右半分はタイトルの端絵しか書かれていないので。
しかもこれがなんだろうこれは本当に私1ページ目しか読んでないからこの後どうなるか全くわかんないんだけども。
1、2とかに小組、節、パッセージごとのっていうのかなに組が1、2っていうのが1ページ目になるから。
実際に文字が書かれているところが非常に少ないんですよね。
6行をね。
ということでこの6行を手がかりにどんなお話なのかと残りの展開はどうなのかということを全部読み終わるのは来年にしましょうか。
今撮っているのが2025年の1月なんで。
読み進めることの意義
ああじゃあゆっくり読む企画でもあると。
ゆっくり読むそうね。ゆっくり読むというかだから今日1ページ目だけ読んで残りの9ページは来年読むと。
これをお聞きのリスナーの方ももしご関心があれば1ページ目だけを読んでしばらく封印してください。
来年2ページ目読みますか。
10年かけて。
持つかな。いいね。じゃあそれでもいい。
じゃあそれは来年の気分で決めます。
とりあえず今やることはこの1ページ目だけを読んで。
どうなるかということでじゃあまずですねこの1ページ目を読んでみましょうか。
なぜなら6行しかないから私が朗読するのも十分な時間の尺があると。
ハエ
1
真夏の宿場は空虚であった。
ただ目の大きな一匹のハエだけは薄暗い馬屋の隅の雲の巣に引っかかると
後足で網を跳ねつつしばらくブラブラと揺れていた。
と豆のようにポタリと落ちた。
そうして馬糞の重みに斜めに突き立っている藁の端から
裸体にされた馬の背中まで這い上がった。
2
馬は一筋の枯草を奥歯に引っ掛けたまま猫背の老いた御舎の姿を探している。
御舎は宿場の横のまんじゅう屋の店先で将棋を3番さして負け通した。
これで1ページ目が終わりますね。
岡田さんこれはどうですか。
これはでも本当僕このページしか見てない僕もね。
もうこれだから1と2があるから2節なのか2章なのか
結構細かくこの後3,4,5,6,7と続いていくのかなっていうのを。
そうですね。そんな気がしますね。1の場面でほぼ情景描写というか
ハエがポタリと落ちて馬の背中に這い上がるのが1位なんですね。
でもなんか少し特徴なのがそのクモの巣に引っかかったわけじゃないですか。
だから普通もう虫としては終わりですよね。死んじゃうというかクモに食べられるしかないけれども
ブラブラと揺れてたけどなんとか助かって
これなんか特徴的ですよね。馬糞の重みに斜めに突き立っている藁っていうのが。
だから多分馬屋っていうか馬を飼っている藁がいっぱいあるところに
その馬糞がビョンって置いてあって1本だけピョンって背で立って
それがずいぶん長いんでしょうね。それを這い上って馬の背中まで。
裸体にされた馬の背中っていうのか。そうですよね。馬って裸体じゃないですか。
でもこれはねやっぱり御舎で出てくるからその後にね。
だから多分その馬車を運転する人って人だから。
もうこの短い中で御舎の意味が分からなかったので普通に自主的に。
御舎はそうそうだから。馬に乗る人でそうですよね。
だからそういう。馬に乗るための器具みたいなシートみたいなやつが普段はついてて
それを剥がされた状態にいるから裸体にされた。
でも普通の馬車だったらそんなに裸に近いまま
馬と車を結びつけるようなものだけだから
衣装はそんなに特別な儀式じゃないとつけない気もするから
もしかしたらなんか結婚式とかそういう式のためにつけられた
そういう御舎なのかもしれないしただでも馬車とつなぐためだけのことを
それを取ったから裸体にされたって言い方にしてるのかもしれないし。
このわずか3,4行の中にいろんななんか含みというか世界観が出てるような感じがあって。
すごい身分の高い人を引く予定なのかもしれない。
もしかしたらそうなのかもしれないですよね。
だからなんかもう名作の予感がすごいしますよね。
でそのさっきの序章の情報だけ述べちゃうと1898年に生まれて1947年に亡くなられた方の
多分だから20代30代ぐらいに書かれた今の世界観からすると結構若い頃に書かれた
にもかかわらずすごいなんかかなり昔に書かれたにもかかわらず
今でも一応通じる文章ですよね。
難しい言葉はそれほどない。
ちょっと漢字の書き方とかは昔のあれかもしれないけれども
なんかすごい良いなという感じがありますね。
漁舎が人間がだから漁舎しか登場してないですね。
猫背の置いた漁舎の姿を馬が探してるっていうから
結構親しんだ馬と漁舎の間には少し信頼関係とまではないけれども
長くこの商売を漁舎をやってきているんだなという感じが
でも漁舎は今は仕事はしてなくて
まんじゅう屋の店先で商議を散々させて負け通したというのが
ちょっとユーモラスな感じもあって
誰とはやってるのかわからないけど
そういう家計商議なのかな
それとも普通のそういう軒先で商議をしているのどかな
街なのか
これはどこの場所の話なのか
いつの時代の話なのかがちょっと書かれてないので
わからないんだけれども
なんとなく想像はつくのかな
岡田さんどんな場所のどんな時代の話だと思いました
これはでもやっぱ
街中じゃないですか
街中に
どこの街
日本
日本かなやっぱり
江戸
江戸
東京
江戸時代
宿場
宿場なんですよね
確かに宿場っていう言い方は
わりと江戸時代っぽいですよね
でも
確か江戸時代には馬車はないはずですよ
江戸幕府は
確か馬を一般交通にすることを禁じていたので
日本にはあんまり馬車の文化は
幕末か明治かなんないと出てこなかったはずなんですよ
なぜかというと参勤交代とか
ゆっくりゆっくり地方大名から
リソースを絞り取ることが政策だったから
治安維持がとても大事にしてたじゃないですか
だから漁舎が出てくるっていうことは
わりと明治というか
つまり横光立さんの
この小説を書いたであろう時期と
結構同時代的な時期だったのかなというのは
私の推察ですね
宿場どうでもいいけど
宿場の最初に登場する一行目には振りが長くて
次の最後の6行目には送りが長い
これは横光立さんの作風というよりは
いわなみ文庫の人の
いわなみ書店の人の
仕業
ミス
過失
なのではないかなと思いますけど
でもそういうことって
昔の文学を読んでるとありますよね
あんまりここに深淵ないとはないような気がするけど
そういう感じですかね
美しくなかったのかもしれない
蝿の描写と環境
いきなり3文字目で4文字目で投票するのは
でも結構これ送りが長い
そういう意味で言うと横光立さんの意図とは
ちょっと違うかもしれないけど
ハエっていうのは普通に読むので
ハエっていうところもちゃんとありますよね
タイトルはやっぱり大事だな
そうねタイトルは大事ってことなのかな
そうねハエっていう漢字は
ハエ以外で読む言葉はあんまりないんですよね
わかんないけれども
私は結構この文章好きですよ
特に一時の節いいですね
何度かスルッといきなり読んで
スルッと情景描写が浮かばないんだけれども
何回か読んでるとこう味が出てくる
ちょっとコミカルですよね
そうそうなんかユーモラスな
ぷらぷら揺れてポトッと落ちて
上がっていくっていう場面って
ちょっとカートゥーンで想像できそうな
真夏の宿場だからうだるような感じで
でも宿場夏とかはね
宿場とか繁盛しそうなもんだけれども
まあここの宿場は
ちょっと寒酸としたところなんですかね
だって御社の人も仕事が何しろないわけだから
そうするとやっぱり宿場好きの
あれなんですかね
その宿場ってのは多分ホテルみたいなところだと思うから
旅の人が行くようなとこだから
そういう人が次の町に行くところの
その足運びを代わりに馬車でやりますよみたいな
そういう商売をしていたんだけれども
今はとにかく暇だから
商業させたら負けちゃったと
猫背の多いったら御社なんだから
わりと多分気力もあんまり乏しくて
あんまりもう楽しみがないのかもしれない
暑いしねもうね
っていう感じがちょっとこう見えてきますよね
でも馬はまあ
だから馬もはっきりとは書いてないけど
わりと多分歳がいってるというか
10歳ぐらいというか
そうですね 御社ともう長い付き合いだから
ドンキホーテとかね
そういうなんかおじいちゃんと
置いた馬みたいな
露子なんて人は違うかもしれないけれども
なんとなくそういう
対象がなんか浮かぶような
感じはなんかありますね
でも思うのは
主人公はこの御社なんですかね
これ主人公が
でもハエって書いてるんですよね
なんかこの後の展開なんですけど
どうなんですかね
これなんか
主人公はコロコロ変わっていくんじゃないかと思って
一瞬私も思いました
だからハエが見る世界よ
でも章ごとにしては短すぎませんか
1がまずハエから始まって
2は御社
馬から御社になって
でこっからどんどんどんどんなんか
10ぐらいまで
コロコロコロコロコロ
いろんな人の視点が入っていくんじゃないかなと思って
それで終わりみたいな
それでだから例えば
次は何だろうな
次は御社が出てきて
万寿屋が出てきて
万寿屋の主人とか
あーなるほどね
そう万寿屋の主人が
うんたらかんたらみたいな視点になるのかも
あるいはもう万寿かもしれない
万寿
万寿視点
でも確かに新しい小説
新しい小説形式に挑戦したって言ってるから
万寿が買われて客に
あー映画っぽいですね
そうですね
でその客が家に帰ってみたいな
その客が家に帰って
食った万寿を食って
それが
クソになって出てきて
クソになって出てきて
クソ視点になって
クソといえばハエだ
そうですね
そこにハエがたかるというので
ハエにまた戻ってくるという
クソにハエがたかるエンド
文学史上かなり伏線回線
下の方に伏線伏線
最後はハエ
視点の変化
いずれにしてもこう
ハエで閉まるんじゃないかなって
十ぐらいで
なるほどね
そこまでの展開がこう
描かれるんじゃないかってなんか
それが東京らへんの
そうですね
ある日の
ある江戸の
ある暑い夏の
物語みたいな
通して読むとなんかそういう
無情感とちょっとコミカルな感じ
そうですね
生物が循環してる感じ
循環していくという
最初に確かにバフンがね
最初にフンが出てくるから
最後はジンプン
フロムバフントゥジンプン
なるほどね
ハエ
だからハエ
いい話っすね
横水リッチなかなかいい作品描きますね
そういうこと
そういう
だから細かい章が分かれてるんです
そうかもしれないな
あと別の情報としては
もううっすらと文字が透けてるじゃないですか
1ページ目だけを読んでるんだけど
それずるくないっすか
それメタだな
こっからなんか
長い
分かることもあるんじゃないか
それありなんだ
でもそれも1ページ目を読んでることには変わりはない
なるほどね
確かにそう見ると
視覚情報としては
でも
文字まではあんまり
15、6行くらい続いて
次のページ結構文字がいっぱいありそう
そう
次のページ文字が結構意外とある
次のページいっぱい文字がある
なんかっぽいな
次のページいっぱい文字があるけど
最後の
でもかなり短いこれ
短編じゃないですか
だって岩上文庫の
この私が持ってる版が
これは新品で買ったから
すごい
2023年5月に出た
第42釣りですよ
すごい
なんかセリフみたいなのが多分ある
次のページに
かぎかっ
はてだとかぎかっこが見える気がする
見える気がする
うっすらとこの真ん中らへん
すごいな
だからなんか会話が繰り広げられるんじゃないかと
会話か
でやっぱこの
御舎
でも御舎とだから
万寿屋
クソの可能性も
クソの話をする
クソとハエが喋ってる
クソとハエが
クソとハエが喋ってる
あークソとハエが
2ページ目
2ページ目
御舎じゃなくて
御舎じゃなくて
クソとハエが話してる
すごいですね
誰かが会話を
決めるかもしれない
たとるさんはどうですか
次の展開
クソとハエが話してるすごいですね
藤枝静雄の詩小説で
そういうね
似たようなのありますけど
すごいね
私は
私はだから主人公がね
まだ登場していない説は僕も通りますね
やっぱこういう
何だろう
文学っていきなり
結論には行かないと
逆に本筋には行かないじゃないですか
でも10ページしかないから
主人公は次のページぐらいから出てくる説
はいはいはい
ですね
3
2のまま出てくる
2
でも確かにもうこれ
難しいなーでも
さっきのこれの馬が引くはずの人とかが主人公
御舎の息子とか
ちょっと斜め上で
あるいは将棋を指してる相手
とかちょっと視点のズレがあるんじゃないかなって気がしますね
でも確かにこう読みほぐしてみると
とても豊かさは確かに見えて
この6行で確かに今こうやって話した
なんとなく時代は
なんとなくもしかしたら幕末かもしれないけれども
江戸かもしれないけれども
私の読みだとこれは明治ぐらいの
明治ぐらいのあるいは大正ぐらいの
戦争は多分あんましてなくて
なんかうだるような
そうですね
明治時代の葛藤
なんとなく馬屋はちょっとあんまり
ちょっと寒散としてて
掃除されてない
だからローテーション
メンテされてない
ローテーションな感じの話だと思うんですよね
いきなりここからアップビートに
物語がスクリーボールみたいになるとは思いないし
一つの心理描写とまではいかないかもしれないけど
10ページぐらいでそういう
なんか情景が出てくるんじゃないかなって
もう一つのメタ的な読みかもしれないけれども
これ多分20代30代ぐらいに書かれた話だから
この時代の文学の一つのトレンドはやっぱり
自分の時代がものすごい変わっていく時期じゃないですか
そういう中での
もしかしたらこの主人公自身
小光立理一は男性だから
多分そういう
ちょっと無気力系の男性
そういう心を肺にも固くしながら
そういう主人公がね
なんか文学青年とまではないけれども
あんまり心もとない
生活力があんまりない青年が
主人公として出てきて
つまり御舎とこの饅頭屋が将棋をずっと指してるのを
ただ何もせずただ見ている
青年が2章後半からね
すっと出てくるんじゃないかなと
でその青年は
やっぱりちょっと
20代前半ぐらいかな
だから今で言うとまだまだモラトリアムだけれども
当時の明治時代は
特にもうね立派な社会の
一つの歯車というか戦力としては戦わなくちゃいけないんだけれども
この人は多分何かの事情で
就職はしたんだけどすぐ辞めちゃったとか
当時の学歴としては大学卒とかかなりいい学歴を持ってるんだけれども
ちょっと就職には合わなくて辞めちゃったとかですね
辞めちゃって
で多分恋人にもねちょっとね
捨てられちゃった感じはあるかもしれない
捨てられちゃって
いろいろくすぶり
くすぶってんのね
小説「蝿」のテーマと描写
いろいろくすぶってきちゃってる感じなんじゃないですかね
たしかになんか読み直してみるとこの
ハエだから
飛ぶ描写とかを入れたくなるじゃないですか
羽があるから
でもわざわざ
飛んでないですね
落ちた後に
藁の端から馬の背中まで這い上がったと
めちゃめちゃ時間かけてたぶん
じりじりじりじりこう
いいですよね
登っていったと
というのはなんかこう
飛ぶみたいな時間感覚ではなくて
なんかこうじりじりじりじりこう進んでいくような感じ
それもなんか夏のうだるような暑さと空虚さと
この人文章うまいですよね
ビキペディアでこの人の情報だけチラッと見たんですけど
なんか小説の神様って呼ばれてるらしいですね
小僧の神様じゃなくて小説の神様
小説の神様だから文章はうまいらしいですね
てんげつすぎるな
いやー
たしかにそうだな
飛ばないな
普通ね
ボンピャクの書き手だとね
ブーンと音を立てて飛んだみたいなね
たしかにそうだな
でもやっぱクモの巣に一回引っかかったら死ぬじゃないですか
それがポトッと落ちたのは何でか分かんないけれども
たまたま落ちて
それでちょっと汚めの馬糞に突き刺さってる藁から馬まで這い上がるみたいな
なんかこれがなかなかいいですね
でも這いはでも登場しないのかな
どんな話か分かんないな
もうここで終わり
してくれてここで馬に代わって
青年の心理描写
寄与者になってるから
だからこういう文学作品であり得る系はなんか
タイトルがそんなに本題の本質とは関係ない
一瞬だけしか出てこない系
っていうのがあるような
気はしますね
で私の予想が今2ページ目後半ぐらいまで今
私の読書は進んでて
空想の読書は進んでて
そこら辺でその青年のね
でも青年それは小説の神様だから
じゃあ多分あんまり青年の内省描写とか
セリフとかあんま出てこない
でもさっきかぎかっこが出てくる
さっきかっこはだから
寄与者のしょうもないセリフなんですよ
だから青年の心は感謝されないんだけど
まさにこのハエの打たれるような感じとか
負ける将棋とか
そういうものをこの青年が見て
救い取るわけじゃないですか
このハエを見てるのも多分青年なのかもしれないですね
神の視点かもしれないけど
どの視点かってことね
そうそうだから青年の視点っていう説を
じゃあ取ろうかな
そうすると青年の視点だって説を取ると
こんな蜘蛛の巣に引っかかったような
ポタッとなってまた登って
ずいぶん時間がかかるような
今岡田さんがおっしゃったような
そういうのもじっと見てる青年
20代前半ぐらいの青年って
多分社会的には結構成功できない感じじゃないですか
だけど知性とかは感情性もとてもあるから
敏感なものがあるから
だけどこの宿場の
アルバイトしてるのかそれとも
この宿場に泊まってる青年の方がいいかな
労働してない感じだなこの青年は
この青年は出てきてもないんだけど
この6行に出てこないんだけど
その青年はきっと
ただ一人だけのお客さんかもしれないですね
青年は出てきそうですね
青年は出てきそうじゃないですか
青年って出てきそう
青年は出てきて
青年は出てくんだけども
そこにもちょっとユーモラスな描写も
もう少しあって
例えばじゃあ青年は
暑いからうちは
でこう仰いでるんですよ
でも仰いでる手の方が
疲れちゃってもう暑いよみたいな感じで
もうなんというか
惰性のようにうちはを仰いでたり
そこに灰がピトッとくっついてたりして
とりあえず叩きつぶそうとするんだけども
うちはに灰がくっついてるから
叩きつぶじゃないな
ということをじっと考えていたりとかですね
なんかそういう
そんなことをねやってる青年なんですよ
青年はじゃあやっぱり
この宿屋の息子かな
息子ってことでしょうかな
まんじゅう屋の息子ってことでしょうかな
だから曲がりしてるんですよ
お金払わなくてもいいみたいなビブになってる
だっていちいち
この月決め日決めとかでお金払ったら
お金もったいないじゃないですか
だからあまりにも流行ってない宿場だから
隅っこの一室だけを
一番暗いその風光明媚な場所が全然見えない
一番ドマのなんか端っこの
なんか汚い虫がいっぱい出てくるような
しかもこの馬屋の隣ってことでしょうかな
この馬屋の隣の馬糞の匂いがするところで寝起きしている
そういう青年がいるんですよ
青年はなんかちょっとプライド高そうじゃないですか
青年プライド高い
そうですよね
大卒だから
プライド高くてこんなはずではないみたいなことを
思ってるはず
思ってるけど
思ってるけどでも社会変革とか
マルクス・レイニーとかまでいかなくて
連帯もできないんですよだから
記録もないし
行動力もない
行動力もないから肺を見てるし
負けてる将棋なんかを3番
へぼ将棋ですよきっとこれ
そういうのをずっと見てると
妊婦とかしてるのを気づくんだけど指摘はしないみたいなね
そういう描写は業界に隠れてるんですけども
そこら辺で3ページですかね
そんな感じで
でもなんか青年はやっぱり少しずつ
やっぱり心に変調を少し来たしているかもしれない
でも社会復帳
社会に復帰するような可能性も
少し残しているかもしれないみたいな
淡いみたいな
誰の人生にも訪れるような
そういうような心理的な描写が
必ずしも直接的じゃない感じで描写されてる
やっぱり小説の神様なんですよ
ハエとの関係
それが描写されてる感じが4ページぐらいまで続いて
で、ハエが
私はやっぱりあれかな
ハエはやっぱりね
青年に接近してくるんですよ
その内割りさっき言った
潰そうとしたら潰せないと
じゃあこのハエをちょっと飼ってみようと
あるいはこのハエと付き合ってみようと
青年は思い立つんですね
そうするとどうするかというと
もっと狭くてもいいかな
漫画道の
漫画道立つ必要ないな
2畳半ぐらいの狭い部屋
で、全部閉め切るんですよ
襖とかね
こういう時代は多分セーフティロックもないから
襖をピシッと閉めて
おかみさんって入ってこないでおくれとか言ってね
で、ちょっと僕は
僕だな
僕はこのハエを飼ってみようと思うんだ
とか言うんですよ
青年はちょっと
おかみさんも
よくわかんないけども
この青年とあんまり関わりたくないから
おかみさんは結構バカにしてるから
バカにしてるから
やっぱり大学でのインテリぼっちゃんは
わからないねえとか言って
ねえのえはカタカナなんですよ
みたいな感じで出てきて
で、ハエ
ブーンってこうハエがいて
最初叩きつぶそうとしてるけど
だんだん親しみが湧いてくるというか
だからどこまでこのハエと一緒に付き合えるのかと
という感じで
話しかけたりとかするんですよね
話しかけたりするかもしれない
で、そう言ってる中で
3日未晩
1週間ぐらいかな
ぐらいを過ごすんですね
それで5、6ページ目ぐらいですかね
という感じで
まあいて
じゃあこのハエはどこに行くのかなと
言ってたら
全部締め切ってちゃんと頑張ってたんだけど
いつの間にかハエがいなくなってしまう
たぶんそこまで
ハエはまだ一回もたぶん飛んでないと思います
ずっと歩いてる
じゃああれかな
こいつはだから哀れみというか
飛べないハエなのか
ハエだなと青年は思って
ちょっと
それいただきましょう
かけてやろうという
ちょっと羽がちぎれちゃってるハエかもしれないし
でも見たところ羽はあるほうが面白いな
あるのに飛ばないのか
飛ばないのか飛べないのか
わからないけれども
それをちょっと自分に重ねて
あーいいね
安易な重ねは文学としてあれかもしれない
でもいい
僕が守ってやるよみたいな
守ってんのか守られてるのか
だからハエの一種奇妙な
同棲生活が
そうですね
青年と
盛り上がってきた
始まるわけですね
これが6ページ目ぐらいかな
あと4ページか
でも私のね
目をつぶってみると見えてくるのは
横水一だったら
横水一のこと知らないんですけど
ハエはね
ふっといなくなっちゃう
本当は飛べるんですよハエは
あー
多分
でもそれは描写されないけど
あー
いなくなった青年だけが残されていると
青年だけが残されてハエはどこに行ったのかと
いう感じで
これでもう6か7ぐらいかな
さっきの関数字の小で
節で
で次8ぐらいまで行くんですね
そしたら
もう50年後ぐらいなんですよ
いきなり
私の予想はね
なってて
ダイナミックに
そうだから
1980年ぐらい
だからもう横水一さんのこの同時代的ではない
もう
未来を描いてる
青年の終息と火葬
いやでもね数行ぐらいある
3行ぐらいはあって
その青年は
やっぱりその
停滞の一時期には過ぎなくて
死腹の時には過ぎなくて
やっぱり最終的には
当時珍しかったやっぱり大学で
戦争もあったのかな
この頃
一時退戦とかの頃かな
戦争で軍需とかで結構景気が良くなって
一時的に
土作さんに紛れてやっぱり
その世代の人手が足りないとかで
結構いい
企業に
いや中小企業かな
小さい企業の親父さんに
それなりに気に入られて
だんだんメキメキと書生も身につけてきて
もうかなり成功するんですね
かなり成功とか
活服の良い服を頑張れば着られるぐらいまでは
いって
それで50年ぐらい経ってもう
この
青年というかもう中年
老年はですね
老人は
亡くなるんですね
亡くなってしまうと
亡くなってしまって
その老人は
官王権の中に入るわけですよ
木管みたいなね
木の木組みの箱の中に入れられて
これから燃やされると
火葬ですね
多分
結婚して子供ぐらい生まれてるかもしれないけれども
おじいちゃんはもう死んじゃったねみたいなこと言って
あれ俺は死んでるぞと
死んでるけれども意識だけが一瞬だけ残るような
状況っていうのがあるかもしれなくて
その状態にこの青年は
元青年はなってるわけですね
でもういよいよ燃やされるのかと
俺の人生まあ悪くはなかったなと
いうところで
そこでその木管の空間
閉鎖空間の中に
ブーンとこうなんか音が聞こえるんですよね
おっとこれはお前
あの時の
もしかしたらハエではないかと
いうことで
終わるんですね
音だけ聞こえる
音だけ聞こえるか分からないけれども
あの時のハエ
お前は飛べたんだなと
音だけ聞こえるのがいいかも
音だけ聞こえて
お前は飛べたのかと
いうことを
お前はあるのかないのか分からないけど
この主人公は思ったと
思っていて
それきり
すごく安心したと
安納な気持ちに急になったと
自分でも不思議な気持ちになったと
いうのが
10ページくらいかな
これですね
これがまあ
ハエなんじゃないかと
ハエと記憶
温かいハッピーエンド的な
ハッピーエンドみたいな
語りになっちゃったかな
ハッピーエンドというよりはなんか
まあまあちょっと一つの無情な話
のような気もするけど
たちまちのうちにこうなってしまう
全くその不遇だった頃のこと
人間って年取ると忘れちゃうじゃないですか
忘れちゃうんだけれども
最後の最後で密室のとこで
あの時亡くなったはずのハエがまた出てくることで
何か思い出した
あるいは人間というものは
自分で覚えようと思ってないことを
意外にふとしたことをずっと覚えてて
それが一番最後の大事な瞬間に出てくるのかもしれない
みたいな
ってことはやっぱちょっとタイトル回収になっちゃって
たぶん私のこの
ボンピャクなあれかもしれないですけどね
そうそこまでこうハエが
この後ハエが出てくるかどうか
出てこなくても面白いかもしれないですね
なんか出てこなそうな気もするけど
岡田さんはだから群像劇というか
しりとり的にいろんな場面の連なりで
でもそれも美しいですよね
だってこのぐらいなんかピシッとした
シャキッとした文章で書かれてたら
これ10ページでなんか
そういう周りが全部書かれてる
確かに小説はね
必ずしも物語が無くたっていうわけだから
それいいっすね
気になりますね
まあ文で始まって人文で終わる
いいですね
文から文へのリレーか
いいっすね
結構1ページ目だけで語れますね
じゃあまた来年
来年か
これもまあ
そうね
来年は2ページ目
はい
ということでじゃあ今日は
今回は横三里一の
短編ハエを1ページ目だけ
読み尽くして
その先を語ってみました
ありがとうございました
34:20

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