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Satoruと岡田悠の「旅のラジオ」
岡田さん。
何ですか、Satoruさん。
小説家の内田百家ってご存知ですか?
はい、もちろん知ってますよ。
ですよね。夏目漱石の弟子筋の人で。
あの人の代表作の一つに、あのアホ列車っていうシリーズがありますよね。
ありますね。僕も積んでますね。
積んでる。たくさんありますよね、あのシリーズね。
ありますね。エッセイですよね。
エッセイでもあり、気候文というか、あの人が初めてあのジャンルを開拓したっていうか、今、乗り鉄っていう言葉があるじゃないですか。
何にも用事がないんだけども、電車に、鉄道に乗るために乗るみたいな。
あれの考えたら走りみたいな、もう草分け的な存在ですよね。
なんか弟子と電車に乗って、旅に出るみたいなやつですよね。
そうそう、いろんな会話をね、繰り返してね。
だから時々鉄道とかも全然関係なくなっちゃったりとか、そういう面白さがあるんですけども。
でもあれ考えてみたら、あれを書かれた頃って、昭和の初期ぐらいですかね、1950年とかそのぐらい。
あの時期って鉄道自体が生まれたのは、もっと昔ですけれども、長距離の旅客鉄道が一般市民が乗れるようになったのって、確かあの頃ぐらいなので。
だから考えたら鉄道に乗る旅情って僕ら当たり前のように享受してますけれども、
内田百軒さんのああいう頃に初めてああいうのが生まれた、ああいう概念としての旅情って言うんですかね。
鉄道に乗る旅情、あれが生まれたんじゃないかなって思って読み直してみるとですね、すごい新しい発見があるなと思ったんですよ。
確かにな。すごい新しい乗り物って、なんか旅情生まれないですもんね。
新しさというか、不思議。学校先に来ちゃって、のんびりというか、ゆったりするっていうのがないんで、
そういうふうに旅情を見出すっていうのは新しかったかもしれないですね、当時としては。
そうするとノスタルジアみたいなものは多分ないわけですよ。
思うともう少し時代が下ると20世紀後半になると、旅客機って言うんですかね、飛行機に。
またこれも飛行機に乗るために乗る人っていうのがいらっしゃって、内田百軒さんよりはちょっとマイナーって言ったら失礼ですけれども、
イカロス出版とかですね、飛行機好きの人が講読する雑誌っていうのがあってですね、
その中でパラダイス山本さんとかですね、チャーリーフルショーさんとか、僕は大好きなんですよ。
ああいう陸上にいるよりも空にいるほうが長いっていうね、ちょっと変わった人がいて、そういうエッセイもね、なかなか味わいがあって。
それもそのぐらい一般的にみんなが飛行機に乗れるようになったから、新しく生まれたジャンルというかですね、そういうのがあるなって思って。
見るとですね、もう21世紀始まって20年ぐらい経ちますけれども、そういう意味での新しい領域というか新しい乗り物みたいなのってあんまり生まれてないなってね、思ったりするんですよね。
どう思います?どう思います?なんて言っても難しいから。
つまりこれからもし21世紀あと80年ぐらいありますけれども、残りの間で内田百軒の時代の鉄道みたいな感じで新しい乗り物が生まれて、
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それに伴う新しい旅場みたいなのが生まれるとしたら、今いろんな技術自体はね、いろんな乗り物の新しいアイデアが生まれてますけど、そういう旅場付きのものってのはなんかあるんですかねってことを最近ふと思ったんですよね。
たしかに新幹線も別にそんな新しくないですもんね。
そうですね、新幹線も鉄道の一つっていう意味では、ある意味ではイノベイティブではあるけれども、それ自体が新しいというのはないですよね。
だから一つ宇宙旅行なんていうのがあるかもしれないけど、たぶん21世紀の後半ぐらいですよね。
無重力ゆえの隣の人とぶつかっちゃうとかそういうのって、たぶんもう少し我々が死ぬギリギリぐらいまでならないといけないと思うんですよね。
それぐらいなかなかありそうでないかなってね。
たしかにな。なんかイスラエルに行った時に電動のスクーターとかがかなり多くて、普通にみんなバンバン乗ってて、すごいスピードで去っていくのがあれはなんか新鮮でしたね。
いいですね。
結構もう日常みたいになってて、それは。だから日本でも最近ちょっとずつ始まってますけど。
そうですね。
ラストワンマイル的な中距離の移動の手段みたいなのは増えそうですけどね。
あれ実はウィンにも結構ああいう電動スクーター結構あってですね。
私ウィン帰る前に最後デイリーポータルで記事書こうとしたんですよ。あれに乗って隣の国まで行ったらどうだろうなっていうね。
いいですね。
あれって時速10キロか20キロぐらい早くてそんなにしか出ないんですよね。やっぱり安全面があるから。
ウィンってオーストリアの中でも東の端っこにあって、隣の国のスロバキアって国の首都、ブラチスロバってのは西の端っこにあるんですよ。
だから一定70キロか80キロぐらいしか距離がないんですよね。
そうすると半日ぐらいかければゆっくり田園風景みたいなのが繋がってるところがあってですね。
確かに。
そういうところ行けばいいんじゃないかなと思うんだけどよく考えると多分規約違反で市内を回ることを考えてやってるから。
だから一回その業者にちょっと交渉してですね。
宣伝にもなるから日本の市場に進出したい多分スクーター会社だからお願いできないかって交渉してたらコロナが始まっちゃったし、
私が日本に帰る時期になっちゃったから残念ながらボツになっちゃったっていうのがあるんですよね。
でも10年後の水曜どうでしょうはなんか電動スクーターで株の代わりに電動スクーターで縦断してるかもしれないですね。
サイコロ振ってどっちに行くか決めるかって。
AIに全部任せるとかね。
自動運転とかはいろいろありそうですね。
自動運転とかさっきのスクーターも一人乗りだからなかなかあれですよね。
私が前半でお話しした鉄道も旅客機も100人200人ぐらいたくさんの人を運ぶ。
そこになんか食堂車とか隣の人との攻め合いというか駆け引きというかそういうのがあったりするから。
結構一人の自動運転の小さなところでずっと乗っていくとかそういうのがなかなか生まれないのかなってちょっと思ったりするんですよね。
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たとえばインドのツクツクが全部自動運転になって。
それもツクツクって呼ぶんですかね。
もう駅降りた瞬間に無人のツクツクがバーって駆け引いてきて。
怖いな。足だけのロボットか何か。
つかんでくる脚引きのところのロボットがやってくる。
脚引きのロボットがやってくる。
結構怖いな。
交渉がこうね。
AIとの交渉が始まる。
AIだから手強いですよね。
51円ならダメだけど50.05円ならOKとか非常に細かい。
ツッ掛けるとか全然ね。
ツッ掛けも難しいですよね。
会話のバグを、会話のセキュリティーフォールみたいなの狙っていくから。
今日の天気はいつですか、今日の天気はどうですかっていうのを10回くらい質問するとバグって無理を出させてくれるとか。
10台くらい寄ってきた中で一度バグってるやつがいて。
バグってるやつ。
それを素早く見つけ出して。
21世紀の内田百験。内田百験とかもひねくれた人だからそうやって機械なんかふざけるなとか言って。
それはでも面白いな。
確かに単に合理性だけ突き詰めると多分モビリティっていうか移動の手段だけがあればいいかもしれないけど。
さっきミジグも話しあったように脚引きとか。
本来別にそれを無理に技術化する必要がないところをあえて残していくってところに何か味わいがインドだけはあるとか。
そういうのが出てくるのかもしれないですね。
確かに我々があちこち旅行してやっぱり乗り物、いろんな乗り物あるねっていう面白さがあって。
人力車とか乗り合いタクシーとか乗り合いバスとかね。
ああいうのやっぱり楽しいなって思いますからね。
確かにな。
ウズベキスタン行った時にびっくりしたのがいわゆる白宅みたいな非公式のタクシーがめっちゃ多いんですけど。
街ごとに普通の地元のおっちゃんとかが副業でやってるんですよね。
みんなそれをすごいカジュアルに利用してて、スーパー行くのとか駅まで行くのに乗せてくれみたいな感じで手を挙げたら車がバーっていっぱい停まって。
そのおっちゃんも駅に行く途中みたいな。
ヒッチハイク、有料版ヒッチハイクみたいな文化があって結構合理的だと思って。
Uberよりも先に行ってるわけですよね。
そうなんです。全然もう5年以上前なんですけど。
地元のおっちゃんの方がむしろ道詳しいし、小遣い稼ぎなんで安いし、信用できるしみたいな感じで、すごくコミュニティとして機能してて面白かったですね。
ああいうのはトルコベニスタンでもほぼ同じ文化があったから、同じスタン国でやっぱりなんかあるんですかね。
アジアの文化。
あれは確かにAIとかでは代替されにくいでしょうね。
新しく生まれる旅場っていうのは何でしょうね。
でも難しいですね。鉄道に匹敵するような新しい予想なんてのはやっぱりもうないのかなってね。
なんかそういう見たことないのが新しく勃興していく、その乗り物になんかとりあえず乗ってみようかみたいな。
そういう体験をしてみたいと思ってもなかなか叶わないんですかね。
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そうですね。ある程度暇でそこそこつまんないみたいな条件が揃わないとこう。
退屈だね。
そうですね。
そうね。
会話しようとかそこになんか。
今ね早く移動しようとかね。便利に行くっていう動きはありますけどね。
ハイパーループって言ってなんかあのチューブの中にこうビャーって入って1000キロぐらい出るやつとかあるけど。
ゆっくりお茶飲む暇もなくあっという間にパリからローマとか着いちゃう。
ゆるゆるとやるやつってのはなかなかないんだろうな。難しいよな。
僕からもちょっと喋ってもいいですか。
石川さんどうぞ。
はい、編集部の石川ですけども。
さっきやっぱ早いと旅場がないんじゃないかっていう話で。
例えばそのテレポートで旅行に行くようになったらそこに旅場はあるのかなっていうことをね、考えていて。
なるほどテレポートね。その発想はなかったな。
もうゼロ秒じゃないですか。
そうですね。
その時に生まれる旅場って何なのかなと思って。
例えば。
例えばあのどこでもドア的なものがあったとするじゃないですか。
どこでもドアガチャッと開けて台湾の市場に行ってきました。
まあなんか飲み食いしてガチャッと開けて戻ってくると。
今までの旅行になかった体験としては空間が繋がるわけじゃないですか。
その家と市場のね。
そうするとなんか市場の匂いとかが家に入ってくると思うんですよね。
なるほど。
ドリアンとかなんか臭いわ。
でもそこでガチャッてドア閉めて、どこでもドア閉まった後に、家の中がなんとなく発覚臭いみたいなのが。
それがもしかしたら便所になるのかなと。
いいですね。
確かに。
いいですね。
いいですね。
間違って共同便所とかに繋がっちゃったりしたら。
あれ?
臭いとか言って。
臭いとか言って落ちないなこれとか言って。
でもこのクソの匂いいいなみたいな。
多分なんない。
さすが天才的な発想ですね。
それはなんか藤子藤男さんも及ばなかったってあるかもしれない。
確かにね。
奥さんが部屋ガチャッと入ってきて、あんたまた台湾行ってきたのに。
バレるって。
このクンカクンカ、このウンコの匂いはパッとしたのねまた。
少しゲルベも混じってるわって。
慌てて隠りに行くみたいな。
奥さんに隠れて行くってこんなんですか?
もう0秒で行けるならもうね、隠れてどっか行ってくるみたいなのもね。
そうですね。
隠れてね。
暇時間に。
テレポートでも奥さんが追いかけてきちゃいますね。
そうですね。
そうですね。
なんでそんなに逃げなくちゃ。
やまちいことはそんなにしてないんじゃないかな。
よくないお店に行ったらね、釣られるかもしれないけど。
でもそれはいいな。
匂いか。
なるほどね。
テレポートもちょっとお金がかかるかもしれないじゃないですか。
ああ、確かに確かに。
あとはなんか変頭痛とかになっちゃうかもしれないですね。
いろいろ肉体に負荷かけるから。
乗り物酔いとかね。
乗り物酔いとかあれもなんか嫌なもんだけども、
まあ乗り物に乗ってガタガタ揺れるああいう感じを愛する人っているじゃないですか。
そうしたら昔のガタガタガタっていう列車のああいうのが好きだっていう。
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ただテレポートも初期の頃は。
テレポート酔いがあるかもしれない。
たぶん前頭痛とかに負荷がかかってる。
なんか記憶がなくなっちゃって。
確かに。
俺の名前なんだっけって。
あれやりぱったなって。
俺あのためにテレポート行ってたんだよって。
演出者みたいなやつが言って。
記憶をなくすためにテレポート行ってたんだけど、
最近は記憶なくならないからなとか言って。
最近のテレポートはダメだって。
そういうのあるかもしれないですね。
悪い条件がね、味わいっていうふうに捉えるっていうのは。
これは結構人間のある種の成功としてね。
たぶん自己正当化みたいな。
たぶんそれはあるんですけども。
昔の不便だったあの頃はとかね。
それはあるかもしれないですね。
でもテレポートするとあれですよね。
商売上がったりになっちゃいますよね。
その鉄道とか旅客機の。
なかなか住み分けしていくんですかね。
急いでるやつはテレポートで。
なんか円溜めになるじゃないですか。
もうそれこそ。
豪華客船みたいなああいう。
ポジションですよね。
確かにね。
鉄道の中にテレポートしちゃうやつがいたら
着せるようになっちゃいますよね。
着せられちゃうじゃないですか。
パッてくるやついたら。
鉄道の中テレポートするとなんか吹っ飛ぶんじゃないですか。
どういうことどういうこと。
鉄道はもうすごいスピードで動いてるじゃないですか。
自分は加速度ゼロの状態で急に吹ってくるから
鉄道の中。
確かに。
後退的に後ろの方向に。
ペチャって潰れちゃうんですよ脳漿が。
それは結構グロいな。
確かにね。
テレポートはおやめくださいっていう感じに
アナウンスが流れてくるんですかね。
その許可のないテレポートが。
鉄道にテレポートする意味がないですからね。
迷惑行為やテレポート行為。
テレポート行為は。
贅沢な行為。
だから豪華客船は死なないと同じように。
やっぱり行き残ると思うんですよね。
その列車がね。
逆にどんどん高価になってくるかもしれないですよね。
そうしないとお金取れないから。
確かにな。
そういう意味ではやっぱり乗り物の領所っていうのは
ある程度他の人がいて
何らかの苦痛を伴うっていう。
確かにね。
マイナスなものがあったほうがいいんですよね。
偉い時間がかかるとか、偉い不便とかね。
偉い待たされるとかね。
むしろどんどん便利になっていった
領場エンタメみたいなのが生まれて
もうめちゃくちゃ苦痛で超遅いなんか。
それはなんだろうな。
それはある。
奴隷船みたいななんか。
奴隷船。
奴隷船体験みたいなね。
それがすごい高い値段で販売される。
じゃあ21世紀は奴隷船のブームがまた来る。
俺はわかんないですけど。
旅のラジオ第21回この辺でお別れしたいと思います。
本日はヨルバゴでおだぼう。
ヨルバゴって西アフリカの?
西アフリカの。
いいですね。