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2024-12-28 10:00

heldio #161. dog の形容詞形は、予想できない canine

#英語史 #英語学習 #英語教育 #形容詞 #ラテン語 #3層構造
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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、dog の形容詞形は、全く予想できない canine、
という話題ですね。
動物や生き物の名前ですね。これ名詞としてあるわけなんですが、この形容詞形を作ろうとするとですね、
急にわけがわからないほど難しい単語になってしまうっていう例が英語には非常に多いんですね。
これはどういうことかというと、名詞それ自体、動物名それ自体はだいたい本来の英語なんです。
ゲルマン系の英語本来の単語ということですね。それに対して形容詞形はですね、ゲルマン語ではなくてラテン語から来ていることが多いんですね。
同じ生き物の話なのに、名前それ自体はゲルマン系の英語本来の形で、それに対して形容詞形というのはラテン語から入ってきた、
もう少し難しい名前になるということですね。この両者がですね、だいぶずれていることが多いので、これ別途覚えなければいけないっていうような厄介な状況になっています。
犬というのはドーク、英語なわけですけれども、これをですね犬のとか犬かのという形容詞形にしたい場合は、
ケイナインというですね、全く重ならないような、新たに覚えなければいけないような単語になるということなんですね。
もちろんですね、ドッグをベースとした形容詞形の作り方もないではありません。一番簡単なのは、likeと付けると何々のようなっていう形容詞になります。
つまり、ドッグだったらドッグライクですし、スクウェーローだったらスクウェーローライク、リスのようにとか、これ何でも作れるといえば作れます。
他にもですね、これは何でもというわけではないですが、ishとか、yですね、これを設備字ですが付けることによって、そのまま形容詞形するというのもないではありません。
例えば、サル、エイプに対してエイピッシュというのがあります。シープ、シーピッシュというのがあります。
ただこれはですね、いわゆる客観的にサルのとか羊のという意味ではなく、少し評価がこもっちゃうんですね。
どういうことかというと、エイピッシュというと純粋にサルのという意味よりは、サルのように愚かなであるとか、シーピッシュもただ羊のではなくて、羊のように臆病な、打ち気なというような意味になることがわかると思うんですね。
どっちかというと、下げすんだ、少し下に見るような意味になることが多いです。
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他にYの例では、ラウスですね。これLで始まるラウスの方ですが、これシラミですよね。
ラウゼィと、Yを付けると濁りますがラウゼィというと、悪い厄介な、つまりシラミのようなという、ただシラミのではなくて、シラミのように厄介なという意味になったりします。
だからスネイクに対してスネイチも、純粋に蛇のという意味にはならずに、蛇のように陰厳なという評価のこもったと言いますかね、比喩的な意味になることが多くて、いわゆる純粋な単純な形容詞を作るにはですね、
この本来の英語のlikeとかishとかですね、いというYで表されるこのいなんていうのは、そういう意味では使われる、評価のこもった意味では使われるんですが、純粋に形容詞形にすると、客観的に中立的に形容詞形にするにはあまり使われないということですね。
そのような場合には、むしろラテン系のですね、語感からして全く異なる形態を使うということです。
dogであればラテン語の犬を表すカニスですね、これに由来するラテン語の形容詞であるcanineという難しい形容詞を使うことになっています。
例えば狂犬病なんていうのはcanine madnessなんて言いますし、それから犬のような忠実さという時にcanine loyaltyなんて言ったりしますね。
これもですね純粋な犬のというだけでなく犬のようなっていうやや比喩的な意味もラテン語バージョンでもですね、出てきはするんですけれども、基本的に中立の客観的な意味からスタートしています。
dogに対してcanineですから、これはもう完全に覚えるしかないですよね。全く重ならないということですから。
ラテン語ではこのdog canineのcanineのようにainという語尾ですね、つづり字で言うとine、これが付くことが多いです。
そしてその前にいわゆるラテン語での動物、生き物の名前の名詞に相当するものが大体来るっていうことなんですね。いくつか挙げてみたいと思いますね。
熊からいきましょう。英語ではもちろんbearということです。この形容詞形はラテン語のursine、ursine、ursineというふうに言いますね。
次、オウシのbullですが、これはラテン語のtaurine、taurine、t-a-u-r-i-n-e、で、全く異なる形になっちゃいますね。
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それからcat、猫はどうでしょうか。これはラテン語のfelineというのが形容詞形になります。
それからcow、目牛ですね。これはラテン語ではbovine、bovine。次にカラス、crowですが、ラテン語ではcorvine、corvineとなります。
それから鹿、英語ではdeerですが、これの形容詞形はラテン語のservine、servineとなります。
そしてfox、犬です。これはvalpine、valpineという形を使います。
horse、馬です。これはequine、equineというのがラテン語の形容詞です。
豚、pig、これはどうでしょうか。これはporcine、porcine、p-o-r-c-i-n-eということで、これ最初の4文字分、p-o-r-c、これporkですよね。そういう関係なんです。pigに対してporcineとなります。
それからwasp、これは昆虫ですけれども、スズメワチ、wasp、これがvespine、vespineという風になります。
それからwolf、狼ですね。これはlupine、lupineという風になります。
このようにだいぶ変わってしまうんですね。言語が変わってしまうわけですから、当然名詞の方は普通の英語、ゲルマン系の英語なわけですが、形容詞圏の方は全く異なる語派であるラテン語からとってきている。
要するに釈用語がこの形容詞のスロットに入り込んでいるということなんですね。
ですが名詞と形容詞、全く違うということではあるんですけれども、中にはですね、そこそこ似てるかもしれないなっていうペアがあったことにも気づいたかもしれません。
例えばですね、カラスはcrowに対して、カラスのはcorvainとありましたが、crowとcorvain、なんとなく似てるわけですよ。
これ大元のインドヨーロッパ祖国のレベルでは、実は一つだった、同じ語根だったということでそこそこ似てるわけです。
他にはwaspに対してvespine、waspに対してvespineということで、なんとなく似てるってのはわかりますよね。
これ語根が大元は一緒だということです。
他には、これはあまり気づかないかもしれませんがwolfに対してlupine、wolf、lupineというのも大元の語根は一致しています。
それからこれ信じ難いかもしれませんがcowに対してbovineですね。
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cow、bovineということで全く似ても似つかないように思えるかもしれませんが、これ引用祖語のレベルまで遡ると、実は全く同一の語根ということなんですね。
その後の英語につながる路線とラテン語につながる路線とでだいぶ音が変わってしまったために、英語とラテン語を比べるとですね、
つまり英語における名詞と形容詞形を比べてもそんなに似てないなと思われるかもしれませんが、大元としては同じだというものも実はいくつか含まれているということなんですね。
英語の語彙を覚えることの難しさはですね、このようにセットになっているのに型や名詞では本来の英語、そして形容詞形ではラテン語という全く別の言語が由来になっていたりするからなんですね。
それではまた。
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