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2024-10-02 10:00

heldio#74. なぜ FLMNSX は「エ」で始まるの?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #アルファベット #摩擦音
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サマリー

FLMNSXが「エ」で始まる理由を考察しています。音声学的な観点から、アルファベットの発音や、英語におけるラテン語やフランス語の影響を探ります。

FLMNSXの由来
おはようございます。英語の歴史を研究しています、慶応義塾大学の堀田隆一です。 このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。 今回取り上げる素朴な疑問は、
なぜ FLMNSX は「エ」で始まるの、という素朴な疑問です。 これは実際に私に寄せられた素朴な疑問なんですね。これについて考えていきたいと思います。
アルファベット26文字でありますけれども、このそれぞれの名称といいますか、文字の名前ですね。 大きく分けて、詩音字に関する問題なんですけれども、大きく2つあります。
1つはですね、その問題の詩音の後に、「イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ
発音するってやつで、これがですね、表題に挙げたような、F、L、M、N、S、X
なんていうものがあるわけですよね。 他のパターンは、他の文字ではあるんですけれども、主要なこの2パターン
ということで言うと、後ろにイイイイをつけるタイプか、あるいは頭にエをつけるタイプかっていうふうに二分されるということですね。
これ、音声学的に言うとですね、破裂音といいますかね、これについては後ろにイイイイをつけるっていう傾向がある。
例外もあります。 摩擦音という系統の音にはですね、頭にエをつけるっていうことなんですね。
これも例外だったりするので、結局ですね、綺麗に説明することはできないんですけれども、確かにこの2つのパターンに分かれるっていうのはありますよね。
今回話題になっているのは、エで始まって、その次にシーンが来ると。 先ほどの類型で言うと校舎の方ですね。
摩擦音であることが多いっていうことなんですが、多いと言っても実はそうではなくて、例えばFとかSっていうのは、このフ、スの部分は摩擦音なんですね。
だけどそうではない。 音声学的には流音、流れる音ということで、L、M、Nの音なんかもそうなんですけれども、こういったものにエが頭につくというバージョンですね。
これが多いっていうことは分かるかと思うんですね。 この文字の名前について、音声学的なことはいろいろと言われています。
この破裂音といった最初の一つ目のパターンですね。 B、C、D、G、P、T、V、Zの多くが実は破裂音なんですが、
これは破裂音というのは、例えばTなんかが代表的なんですが、ツと言って止まるのは難しいけれども、必ずその後にやっぱり母音が入ってしまうっていうことなんですね。
なので、Tというふうに、今もともとはテーという発音ですね。 ヨーロッパの言語なんかでは大体テーだと思うんですが、英語では後の音声変化によってテーがTになってしまったんですね。
なので、TとかBとかDとかいうことなんですが、これは一つ理屈がある。 もう一つ、校舎の方で、いわゆる摩擦音に相当するものですね。
この摩擦音というのは、FとかSなんかが典型的なんですが、継続音とも言われまして、つまり続けられるんですよ。
Fの音を息が続く限り発音できますよね。Sも一緒で、息が続く限り継続することができるので、継続音って言うんですが、これは単に継続させると響かないので、最初に母音を添えて、FとかSとか言わないと、単にフ、スだけだとよくわからない。
ということがあったりするっていうことなんですね。
摩擦音というのは、ある意味隙があるっていうことですから、はっきりしない音っていうことですね。
それをはっきりさせるために、まず最初に合図すると。母音、Aなんていう無難な母音を添えることで、F、Sみたいにはっきりこの文字だよっていうことを知らしめるって言いますかね。
ある種の音声学的な理屈がないではないということではあるかと思うんですね。
ラテン語とフランス語の影響
このSというのを代表例として、つまりA足すシンジの発音をする、そういう名称を持つ文字として、Sを代表にとりたいと思うんですが、これ実はいろんなところで面白い現象がありまして、
ただSと言ってもよく聞き取れない。
なので母音を添えてSってするのが文字の名称としての起こりなんですが、文字の名称としてだけではなくて、単語レベルでもSで始まる単語っていうのはどうも安定感がないから、Aを頭につけてSとしてしまえという発想があるわけですね。
これSで始まる単語、もちろん英語本来語でもありますが、ラテン語の単語ですね、これに非常に多くあったりするんですね。
このラテン語でSで始まる、特にSTみたいな形で始まるものが多いんですが、ラテン語でそうだったとしても、実はその娘言語であるフランス語とかスペイン語では、このSっていうのがいきなり語頭でSで始まるのは言いにくいので、
語頭にAの音ですね、これを補ってSとするケースが非常に多いんです。
つまりラテン語では元々Sで始まっていたものが、フランス語とかスペイン語とかではSになってしまうということなんですね。
そしてこの両言語、つまりラテン語から直接ということと、あるいはフランス語が主ですが、フランス語から入ってきた英単語というのもあって、これが妙な感じで英語の中に共存しているというケースがあるんですね。
つまり直接ラテン語から入ってきたらすで始まるんだけれども、フランス語経由すると、あるいはスペイン語ですが、Sとなっているという例が非常にたくさんあります。
例えばですね、スペシャルに対してエスペシャルですね。福祉でもいいですが、スペシャリーに対してエスペシャリーですよね。
まあ似たような意味ですが、このSで始まるスペシャル、スペシャリーというのは基本的にラテン語から直接入ってきたと考えていいです。
それに対して誤答の数は言いにくいよというフランス語を経由して入ってきたものはSとなっています。
エスペシャル、エスペシャリーということですね。
他には例えばスピリットに対してフランス語のエスプリっていうのもありますね。
エスプリですね。
スパウス、エスパウス、スパイ、エスパイ、スクワイル、エスクワイルなんていうペアが英語に入ってきています。
フィリッシュの二重語というものですね。
由来が違う、直接ラテン語から来たものとフランス語を経由して入ってきたもの。
この校舎のフランス語を経由して入ってきたものにはエが付いてしまっている。
最も我々に関係が深い語としてですね、スタディ、ステューデントというのがありますが、これはですね、ラテン語から直接入ってきたということですね。
フランス語では今でもこのエスの始まりですね。
フランス語では面白いことにこのスが消えちゃうんですよ。
なのでエテュディ、エテュディエっていうのがスタディのことで、ステューデントに相当するのはエテュディオンですね、と言います。
他には英語のスターに対してフランス語ではエトワールっていうに、英語のエスに対してスの始まりに対して、
フランス語ではエスに由来する、そしてエス自体が消えてしまったエだけで始まるっていうですね、こう妙な関係になっています。
これは他にもいっぱいありますね。
例えばスポンジに対してフランス語でエポンジュって言うんですね。
ステージに対してエタージュ、エスタブリッシュに対してエタブリールなんて言いますけれども、
このような英語のスに対してフランス語のエ、これラテン語に遡るとマスということなんですが、こういう対応が見られるっていうことです。
他にステイトとエステイトなんていうのもそうですね。
このようにスだけで発音するっていうのはやりにくいので、フランス語とかスペイン語のようなラテン語から生まれた言語たちですね。
これで頭にエをつける傾向があったっていうことが背景にあるということです。
それではまた。
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