ゆみこ:こんにちは。チャコウェブラジオは、株式会社Cyber Catsが運営するチャコウェブのスタッフが、
ウェブアクセシビリティやSNS運用など、ウェブに関するテーマについて楽しくお話しするポートキャストです。
進行を担当するゆみこです。よろしくお願いします。
みあ:みあです。よろしくお願いします。
ゆみこ:本日のテーマは、WCAG 2.0 解説シリーズ Part1
「4つの原則・ガイドライン・達成基準の関係」です。
みあ:第17回で、WCAG 2.0の4つの原則について解説しました。
今回は、それを踏まえて、ガイドラインや達成基準との関係について見ていきます。
なお、ここからは、WCAG 2.0のことを、WCAGと呼びたいと思います。
ゆみこ:WCAGの4つの原則と、ガイドライン・達成基準には、何か関わりがあるのでしょうか?
みあ:はい。実は、とても深い関わりがあるんです。
この関わりは、ウェブアクセシビリティを向上させていく上で、
欠かせない概念となるので、しっかり解説していきたいと思います。
ということで、まずは復習からいきましょう。
WCAGの4つの原則はどんなものだったか、覚えていますか?
ゆみこ:はい。えーっと、確か、知覚可能、操作可能、理解可能、堅牢、この4つだったと思います。
みあ:はい、正解です。では、1つずつ聞いてみましょう。
知覚可能とは、どんなものだったか覚えているでしょうか?
ゆみこ:はい。知覚可能は、誰にとってもウェブコンテンツを認識できるようにする、という原則でしたよね。
みあ:はい、その通りです。具体的には、視覚や聴覚など、1つの感覚ではなく、
どの感覚で情報を得ている人にも伝わるように、
ウェブコンテンツの情報は様々な方法で提供する必要がある、という原則です。
では、操作可能はどうでしょうか?
ゆみこ:はい。操作可能は、ウェブコンテンツを誰にとっても使用できるようにする、という原則だったと思います。
マウスだけではなくて、キーボード操作をサポートすることが重要なんですよね。
みあ:はい、その通りです。
キーボード操作をサポートする他にも、ユーザーがウェブコンテンツを利用するのに十分な時間を提供することも含まれる、というお話もしました。
ゆみこ:はい、そうでしたね。
みあ:理解可能についてはどうでしょうか?
ゆみこ:理解可能は、ウェブコンテンツの内容や使い方を誰にでも分かりやすくする、という原則でしたね。
具体例として、ウェブサイトのヘッダーデザインを統一したり、フォームのエラーメッセージを分かりやすくしたりする、ということが挙げられていたと思います。
みあ:はい、その通りです。では、最後の堅牢についてはどうでしょうか?
ゆみこ:はい、堅牢は確か、どのようなデバイスや環境でもウェブコンテンツを正しく使えるようにする、という原則だったと思います。
みあ:その通りです。デバイスや環境が違っても、正しい情報や機能が利用できるように、標準に沿った技術を使ったり、それにより支援技術との互換性を持たせることが大切だ、というお話をしました。
ゆみこ:はい、この4つの原則は、WCAGの土台となる重要なものなんですよね。この原則とガイドラインや達成基準は、一体どのような関係があるのでしょうか?
みあ:WCAGの構成として、まずこの4つの原則があります。そして、その下にそれぞれの原則に対応するガイドラインが存在しているんです。その数は全部で12個で、このガイドラインは原則をより具体的に説明しているものになります。
ゆみこ:12個もあるんですね。例えば、視覚可能の原則の下には、どんなガイドラインがあるのでしょうか?
みあ:はい、視覚可能の下には、4つのガイドラインが存在します。
例として1つ挙げると、「ガイドライン1.1 すべての非テキストコンテンツには、拡大印刷、点字、音声、シンボル、平易な言葉などの利用者が必要とする形式に変換できるように、テキストによる代替を提供すること。」といった感じです。
ゆみこ:なるほど。ガイドラインは単語ではなくて文章になっているんですね。なんだか、こうやって聞くと難しそうです。
みあ:基本的にガイドラインは文章ですが、「テキストによる代替」という風に省略されることもあります。
突然ガイドラインを聞いても、何がなんだかという感じだと思いますが、今後詳しく解説していく予定ですので、ぜひそちらもチェックしてください。
ゆみこ:はい、わかりました。
みあ:次に達成基準ですが、これは各ガイドラインのさらに下に位置しています。
達成基準には、WCAGに適合するために何をしなければならないのかが具体的に記述されているんですね。
ゆみこ:上からだんだん詳細になっていく感じなんですね。
4つの原則は大まかにこうする必要があるということが書かれていて、ガイドラインには原則を守るために必要なことが書かれていますよね。
そして達成基準には、実際にどんなことをしなければならないのかが具体的に書かれているということですね。
みあ:はい、そうなんです。4つの原則、ガイドラインには方針や考え方が書かれています。
一方、達成基準の場合は具体的な対応方法などが書かれているので、ウェブアクセシビリティに適合しているかどうかの試験を行う際には、この達成基準を参照して適合か不適合かを判断するんですね。
ゆみこ:なるほど、そうなんですね。そういえば、達成基準にはそれぞれレベルがあると以前の回でお話ししていましたよね。
みあ:はい。達成基準にはA、AA、AAAの3つのレベルがあります。
ゆみこ:確か、目標としている適合レベルによって、どの達成基準を満たす必要があるのかが変わるんでしたよね。
みあ:はい、そうなんです。例えば、4つの原則の1つ目である、視覚可能の中には4つのガイドラインがあります。
そして、それらのガイドラインの下には、いくつもの達成基準が存在します。
AとAAに絞ると、その数は合計14個です。
ゆみこ:適合レベルAAを目指す場合、AとAAの達成基準をすべて満たす必要があるんですよね。
ということは、その14個の達成基準を全部満たす必要があるんですね。
みあ:はい、その通りです。一方、適合レベルをAにする場合、Aの9個の達成基準を満たせば良いことになります。
ゆみこ:うーん、なるほど。WCAGの構成が少しわかってきました。
みあ:お、それは良かったです。今回はWCAGの構成について全体像を把握していただきました。
各ガイドラインやA、AAの達成基準については、これから一つずつ詳しく解説していく予定です。
最初は難しく感じられるかもしれませんが、用語や考え方に段々慣れてくると思いますので、
ぜひ継続的に聞いていただきたいです。
ゆみこ:はい。本日のテーマは、WCAG 2.0 解説シリーズ Part 1
「4つの原則・ガイドライン・達成基準の関係」でした。
お聞きいただきありがとうございました。
感想をいただけるととっても嬉しいです。
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