LISTEN to books #25
Listen to the voice of books.
Amazon
reference
【しゃべれるだけしゃべる】#0084 世界モデルと予測する脳と行為と知覚による誤差の修正と学ぶ人の話 from Radiotalk
#24 LISTEN to Perception-Action Loops!
『脳は世界をどう見ているのか』早川書房(2022) /A Thousand Brains: A New Theory of Intelligence(2021)
『脳は世界をどう見ているのか』〔本〕人|note
#17 LISTEN to abstract thinking!
『言語の本質』〔本〕人|note
Camp@Us presents
▷ Free Chatで雑談する
みんなのCamp@Us|会員制コミュニティPatreon
サマリー
『脳の本質』は、最新の脳科学や神経科学の成果を素人にも分かりやすく解説しています。この書籍では、脳の活動の中心にある予測と誤差修正の原理、特に自由エネルギー原理について詳しく掘り下げています。
脳科学の最新成果
LISTEN to books 25冊目になります。 中公新書から出た最新刊ですね。
『脳の本質』。乾敏郎さんと門脇加江子さんで書かれた本で、2024年11月25日発行ということですが、
今日11月23日ですが、11月22日に届いて、その日のうちに読んでしまった『脳の本質』ですね。
中公新書といえば、去年出た『言語の本質』がベストセラーになったんですけれども、それとも関連する本ですね。
特に今の脳科学、神経科学の到達点を簡単にというか、素人でも分かりやすく解説してくれたという、そういう本かなというふうに思っています。
やっぱり脳科学が特に今世紀に入ってですね、かなり飛躍的に進化してきた部分があって、そういった最新の成果を簡単に知るにはいい本じゃないかなと思います。
私はこの乾さんは、乾敏郎さんは、『能動的推論』という本を翻訳した方でもあって、
その能動的推論についてはすでに私読んで、このListen to Booksでも少し語っているんですけれども、これが2022年に出たんですね。
このフリストンさんという方の自由エネルギー原理というのが、脳の大統一理論と言われてまして、脳活動を統一的に説明して、認知活動、運動、そしてさらには言語、知識、意識、主体性、
そういったことについてもすべて、この自由エネルギー原理で説明できるという、そんな話になってきてるんですね。
これは、私はフリストンさんの本、能動的推論でだいぶそれなりに理解したつもりでいるんですけれども、
この本で、説明でも書いてあるんですけれども、結局、脳の本質は予測だ、そして常にズレを修正しているということなんですね。
常に脳は推論しているという、そういう話なんですね。
これについては、細かい話はいろいろあるんですけれども、未来予測をしながら、世界モデルを持っていて、脳はね、予測を常に行っている。
そして推論をし、誤差を常に修正する。
その誤差を修正する原理が、自由エネルギーの最小化という話になってきて、それで基本的には脳の活動というのは説明していけるんじゃないかという話なんですね。
常に世界モデルを修正していく、学び続けるということなんですね。
予測に誤差が生じたときに常にモデルを書き換えていく。
世界モデルは常に修正され更新されていく。
この時にさらに細かい話をすると、いろいろあるんですけれども、一番大きいのは知覚と運動ですね。
脳は頭蓋骨の中に入っているわけで、手足を持っていないわけですね。
ただ神経系でつながっているわけで、その神経系にはいろいろあるんですが、大きく言うと知覚神経と運動神経ですね。
脳はこれをうまく使っているというか動かしているというか。
知覚と運動の相互作用というか、それがうまく協働作業する中で、常に推論をし、例えばここにコップがあると、手を伸ばす。
これ知覚と運動が連動しているわけですね。
知覚と運動が常に連動して、実際にそれをつかむ。
そこで触覚でまた知覚するわけですよね。
持ち上げる。重みを感じるわけですよね。
その時には筋肉を使っているわけです。運動神経を今度は使っているわけですね。
この常に知覚と運動という神経系のやりとりをする中で、世界モデルを構築し、推論し、
例えば今、私の目の前にパソコンがあるんですけど、パソコンの裏側には確かペンがあったはずだと。
それに手を伸ばして取ろうとするわけですね。確かこの辺にあったはずだ。
そういったことをやるわけです。
あるいは何かが机の下に転がり込んでしまってよく見えないけども、手を伸ばして取って実際につかむ。
この知覚と運動というのが連動して動いているわけですけど、そこで見えないんだけれどもその陰にはこういったものがあって、あたかも見ているかのように手を動かす。
実際に物に触った瞬間に、知覚をし。
そもそもその前提として、ここにテーブルがあってテーブルの下には空間があってという、空間を構成しているわけですよね。脳はね。
そういった原理で動いている。
これはもっともっといろいろあるんですけど、記憶はそこにどう絡むのかという問題も含めて、
実際に脳はどういうふうにそういった仕組み、システムを作っているのかということもいろいろ書いてくれているわけですね。
言語とAIの影響
あまり説明になっていないかもしれませんが、このListen to Booksというのは私が人生の間で読んだ本、
これはやっぱり読んでおいた方がいいと思う本を紹介していくということで、本の詳しい解説とかをする番組ではないんですけどね。
とにかくこの脳の本質という本が出て、そこには今の脳科学の最新の情報がわかりやすく。わかりやすいかどうかわかりません、
こういうのを慣れてない人はわかりにくいかもしれませんが、かなり概説してくれているし。
おそらくこの予測と世界モデルとずれの修正というのを、神経系を動かすことで常に行っているんだ。
それを動かしている原理が自由エネルギー原理なんだという話はかなり説得力があるなと思ってまして、脳の大統一理論と言われているんですが。
今そこまで来たということなんですが、その上で私が一番興味あるのは、私は社会科学、政治学専門ですので、
そこでやっぱり抽象的な思考とか言語とかね、モチベーションはどう生まれるのかとかね、
そこで能動的な行動、ポジティブな行動をするしないとかね、
さらには人間の意識ですよね、あるいは意思決定とかね、そういったことっていうのはどういうふうに考えていったらいいんだろうということを考える出発点になるような
そんな話がいろいろ書いてある。
もう一個、重要なのは、実は脳科学がここまで進化した理由っていろいろあるんですけれども、
一つ、機械学習、人工知能ですね。
人工知能がここに来ていろんな成果を出しているっていうことが、やっぱりホモ・サピエンスの脳の解明にも示唆を与えている部分がかなりあるんですよね。
皆さんよく知っているところで言うと、チャットGPTとかAIがね、自然な言語を生成するようになったということですね。
そもそも、これは言語の本質っていう本でも出てくるんですが、人間はなぜ自然な言語を用いることができるのかっていうね、
あるいは言語をどうやって獲得するのかっていうことは、やっぱりこれまだまだ十分には解明されていないわけですけれども、
そういったことについても考えていく手がかりを出発点を与えてくれているというふうに言えるんじゃないかなと思ったりしています。
ということで、とりあえず脳の本質を読んだぞぐらいの話にしかなっていませんが、こんなことで、本の紹介ですね。
リンクも少し貼ってありますけれども、私が今までちょっと考えてきたような、脳についてね、この本読む前に考えてきたことっていうのは、
だいたいこの世界モデルと自由エネルギー原理の最小化、そして脳は予測をするんだと、推論するんだと、
そして常に修正するんだっていうね。そんな話はこれまでしてきたので、だいたいその方向でやっぱりいま理解が進んでるんだなということも再確認させてもらったということで、
そんな感じですね。知らないこともいくつかありましたけど、特に大きな新しい発見が私はあったわけじゃなくて、
これまでちょっといろいろ自分なりにいろいろと考えてきたこと、学んできたことの方向性は間違ってないなということを再確認させてもらった。
そんな本だということで、ここで紹介しておきたいと思います。
以上、脳の本質でした。ではまた。
11:26
スクロール