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2024-04-12 18:41

読書ラジオ『中国行きのスロウ・ボート』村上春樹

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中国行きのスロウ・ボート (単行本) https://amzn.asia/d/55N59BH
(配信の冒頭部分は本の説明文・あらすじを読み上げています。)

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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は、村上春樹さんの中国行きのスロウ・ボートについて話してみようと思います。
これはですね、1983年に刊行された本が、今年かな、去年の末ぐらいに
復刻版として単行本が発売されましたので、それを買ってみました。
村上春樹の最初の短編小説集、夏の芝生雨の午後、その手触りは決して色あせることがないということで、
これは1970年後半、80年に村上春樹さんがデビュー作である、風の歌を聴け!から三部作の羊を巡る冒険まで、長編を書きながらしたためていた短編集。
短編を収録した短編集になります。
想定はですね、この本は記念すべき安西水丸さんとの初仕事ということで、安西水丸さんが想定を書かれていて、復刻版でもその想定がそのまま、当時の想定のまま復刻されています。
素敵な絵ですね。あの、水色のテーブルの上にお皿があって養なしが2つ載っているという、こういうシンプルなイラストをすごい好きですね、私。
この本そのまま部屋に飾っておいても素敵なインテリアになりそうだなという感じの想定でございます。
中身はですね、フィオ大作にもなっている中国域のスローボード、貧乏なおばさんの話、ニューヨーク炭鉱の悲劇、カンガルー通信、午後の最後の芝生、土の中の彼女の小さな犬、シドニーのグリーンストリートという7編が入っています。
復刻版はですね、中国域のスローボード、炭鉱本の復刊に寄せてということで、はるきさんのコメントがですね、序文で載っているというところですね。ここにはですね、
えーっと、この本は自分が自ら、あんた水丸さんにお願いをして、あの想定を書いてもらったということが書いてありますね。
僕は水丸さんの絵が個人的に大好きだった。そのセンスの良さに感心していた。この人ならきっと本越を入れていいものを書いてくれるはずだという確信を持っていた。
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当時、安西水丸さんは、勤めていた会社を辞めてイラストレーターとして独立したばかり。
で、多分文芸書の表紙を書くのもこれが初めてだったんじゃないかと。
で、はるきさんもね、デビューしたてのホヤホヤ作家で、最初の短編集だったということで、そんな良いマッチングがあったんですね。
あれは美しい本だった。内容にもよく合っていたと今でも思う。って書いてありますね。
で、当時ですね、1983年に刊行された本からちょいちょい手直しが入っているそうなんですね。復刻版までにはね。
なので、その当時の内容とは結構違うようになっているのかもしれないですね。そこの比較が私にはできないんですけれども。
まあ今年刊行された復刻版を読みましたということで、表題作になっている中国域のスローボートがまず最初に載っているんですけれども、これはあの古い歌からタイトルを取っているんですね。
中国域のスローボートになんとかあなたを乗せたいな、船は貸し切り二人きりという歌があるそうです。
最初の中国人に出会ったのはいつのことだったろうという書き出しで始まるんですけれども、この短編はですね、僕はという主人公なので、やっぱりここも春木さんを投影している主人公なのかなというふうに、長編と同じような感覚を読んでいる側に与えますね。
で、印象的なセリフとしては、大丈夫、埃さえ払えばまだ食べられる。僕は小さい時に経験したこのセリフが出てきた、ある経験があるんですけれども、それが20年経った今でも時々この文句が頭の中で浮かんできて、それを転がしてみる。
で、その言葉を頭に留めながら、僕は僕という一人の人間の存在と、僕という一人の人間がたどらねばならぬ道について考えてみる。そうすると、そういう思考の先には当然ある一点があるわけですね。それは死なわけです。
そして、死について考えることは、なぜか僕にとっては、その死はなぜか僕に中国人のことを思い出させるということで、なぜかここでね、中国人のことが唐突に出てくるわけです。
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次の章から、港町の山手にある中国人死典のための小学校を訪れることになったという、小さい時の話、思い出が始まるんですね。
で、これがね、たぶん言いたいことはこういうことなんだろうなっていうのは、なんとなくわかるんですけれども、この1970年とか80年、もしくはその以前にあった日本人が抱く中国という国だったり、中国人に対する意識、印象みたいなものが、
わりとね、広く投影されているような気がしていて、言いたいことはこういうことなのかなというのがわかるようでもあり、その、私は3世代ぐらい、2世代か、2世代ぐらい後の私としては、ちょっとね、なかなか難しいところがあるなというふうに思います。
やっぱりね、戦後に、戦後とかね、戦時中に生まれた世代の人たちの、幼少期の話なので、やっぱりあの、戦争のね、当時の、まだ影が引きずっていただろうし、
その時の、国と国との対立意識というかね、そういうものが、日本人と中国人という個人同士のものにも、投影されていたような気がしますよね。
で、中国人の先生が出てきて、中国人を尊敬できますか、みたいなことをね、僕に、小さい時に僕に聞いたりするわけです。
だから、まあそんなことって、今のあの、小学校とかでは、言わないセリフですよね。私も小さい時そんなこと言われたことないなと思う。
主備中国人という大きな一つのね、外国の国民すべてを指して、こんな言葉を言ったことがないので、やっぱりそういう時代だったのかなぁなんて、ちょっと思いながらね。
なので、この短編については、かなり感想を話すのが難しいなという印象です。
読む人にとって、ちょっと変わるでしょうし、年代によってもね、結構変わるのかなと思います。
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だからこそ価値があるのかなと思う本なので、やっぱり意表対策になっているこの短編は、一度読んでみてほしいなと思います。
最後はですね、「友よ、友よ、中国はあまりにも遠い。」という言葉で終わっていて、そこに出てくるまでに、最後にたどり着くまでに僕が出会った3人の中国人の話が書いてある、そんな短編になります。
私がですね、すごく好きだった短編の話もしてみようかと思いますが、2つありまして、最後の2つですね。
土の中の彼女の小さな犬という話。これはね、割とロマンチックで、少しね、怪談めいてもあり、不思議なお話でもありましたね。
僕は長期滞在しているホテルで、ある女性と出会うんですね。
そこで、暇を持て余していた僕は、女性に話しかけて、あるゲームを始めるわけです。
で、そのゲームというのはですね、「あなたのことは当てていいですか?」というゲームですね。
どこから来ただとか、何をしているだとか、そういうこと。で、よくある男女のね、仲良くなる手口の一つですよね。
例えば、「あなたはずっと前に東京に住んでいたでしょう?」だとか、「ピアノしてましたね?」だとか、「独身ですね?」みたいなこと。
あの、見た目から想像して、こうだろうなと予測をね、どんどん言っていくと、意外と当たっていくっていうね。
で、女性も最初は警戒しながら、で、僕が当てていることに、それを見たらすぐわかるだろうみたいなツッコミを入れつつ、
でも、なんか面白い人だな、おかしなことを言う人だな、なんでわかるんだろうみたいな、僕にどんどん興味を持っていく様子が、すごくね、細かい描写で見てとれて、
すごく前半はね、引き込まれるんです。で、僕がですね、「あなたは、あなたが住んでいた家には広い庭があったでしょう?」と、そういうことを言うんですね。
で、「庭について何か思い出があるでしょう?」っていう風に僕が言うと、彼女は沈黙してしまったと。
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で、「まあ、ここまでにしておきましょう。」と言って、2人は部屋に戻ったんですけれども、
その後、彼女からもう一度話したいということで、なぜわかったの?というところから、彼女がその庭に対する思い出、こういうことがあったというのを、僕に話していくというのが後半。
これがですね、すごく、なんというか、人ってその、見た目からわかることと、想像もできない、わからないもの、どちらもあると思うんですよね。
で、外見からわからない、想像もつかないようなことが、その人そのものの本質であり、そこが人を知るということの醍醐味でもあると思うんですよね。
で、まあすごい、なんというか、切ない悲しい物語が彼女から語られるんですよね。
で、それが、なんというか、どこか自分にも思い当たらないでもない、そんな思い出のようでもあり、ちょっとその得意な部分もあったりする。
かなりぼんやり話しちゃいますけども。
で、それに対して僕がね、最後、その彼女の思い出をね、埋葬するかのようにとった行動っていうのが、少しロマンチックなんだけど、まあやっぱそこは村上春樹さんなんで、まあやっぱ変わってるなという。
その最後のオチがね、すごい面白いというか、素敵というか、この短編はすごくそういうところがいいなと思いますね。
で、最後もう一つ、シドニーのグリーンストリート、これはですね、シドニーのグリーンストリートというところで、探偵をしている僕のお話なんですね。
で、これはね、これは本当に短編として面白い。
そして、羊男が出てきます。
この2つだけですごく面白い、興味深いと思ってもらえるんじゃないかと思います。
僕はシドニーのグリーンストリートで、私立探偵事務所を開いている。
ただ、僕にはたくさんの資産があり、使えないほどの資産があり、お金には困ってない。
だけど、それをみんなに内緒にして、まあ貧乏っぽくね、貧乏人っぽく事務所を構えて、私立探偵をしている。
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ただ、お金には困ってないので、仕事は選ぶ。
私立探偵、安く引き受けます。
ただし、面白い事件に限ります。
で、ここに出てくるのが羊男なんですね。
もうそれだけで面白いと思うので、この短編読んでみてほしいなと思います。
あの、中国劇のスローボートっていう単行本はですね、結構私長い期間読み切れずにいて、
短編なんだけど、すごく読むのに時間がかかった本でしたね。
それは冒頭に言った、この春樹さんが青年時代だった頃の時代背景っていうものを、
私が教科書の知識ぐらいしか持ってないので、なかなかその書いてあることを直感的に理解することができなかったという点が一番大きいのかなと思います。
ただ、まあそういう、なんていうか、事実だとか、新聞の記事だとか教科書だとか、そういったものからは、
一個人の認識だとか見解みたいなことって、なかなか読み取れない。
で、それがメインで書いてあるものからは強く受け取りすぎてしまう。
主観が強く、その人の主観が強く受け取りすぎてしまうんですけど、
春樹さんの短編、小説から、当時の人はこういうことを思ってたんじゃないかなぐらいに淡く理解していく。
その淡さ加減が、なんていうか、逆に深く考えさせられることになる。
学面通り受け取ることができないので、こういうことだったのかなとか、
そんなふうに、自分から探りに行くというかですね、
そんな読み方、アプローチの仕方をしている部分もあって、なかなかそういったことをする本ってないと思うんですよね。
単的にとわかりやすさがない分、より深い思考だったり、考えとか理解しようという姿勢で読める本だったのかなと思います。
それは人にとっては難しいということにつながったりもするのかなと、そんなふうに思います。
ネタバレしないようにと思うと、かなりふんわりとした説明になっていたと思いますが、
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はるきさん、好きな人だったらね、この単行本絶対面白いと思うので、
ぜひ復刻版、安西水丸さんの想定のものを手に取って読んでみていただければと思います。
ということで今日は、村上はるきさんの中国域のスローボートについて話してみました。
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励みになります。今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。
ではでは。
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