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2023-03-08 20:12

「デキる女は嫌われる」は本当? ガラスの天井を破るには重厚なカーテンを

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今夜は #国際女性デー 特集! 勝手に貸出カードは、イリス・ボネットさん(著)池村千秋さん (訳)の『WORK DESIGN:行動経済学でジェンダー格差を克服する』をご紹介します。

女性活躍の声が上がるほどに進まないのはなぜ? 職場や学校でジェンダーバイアスを外すのがいかに難しいか……。理想論を語るより、行動をデザインせよと語るこの本の新提案とは。

毎日新聞さんのポッドキャスト番組「今夜、BluePostで」とコラボ配信! 

番組へのメッセージ、ご感想、本のリクエストは、インスタグラムのアカウント@batayomu のDMよりお送りください。お待ちしております!

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真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと川端です。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、
水曜日の夜にホッとデキて明日が楽しみになるをテーマに、
おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
第126夜を迎えました。
今日3月8日は国際女性デーということで、
お花屋さんの店頭がミモザのお花で黄色く彩られていますね。
ここ数日、ミモザのお花とともに、
この数年でグッド知名度が上がった記念日な気がします。
国際女性デーにちなんで、
今日は女性をエンパワーメントする本特集といたします。
先に一つお知らせがありまして、
この国際女性デーに合わせて、
毎日新聞さんのポッドキャスト、
今夜ブルーポストでという番組から、
真夜中の読書会とコラボ配信しませんかとお声掛けいただいたんです。
パチパチありがとうございます。
それでちょっと恐れ多くも、
今夜ブルーポストでさんの方にですね、
ゲスト出演させていただいたんです。
その収録の内容は、
今夜ブルーポストでの方で、
3月15日来週ですかね、
に配信される予定と聞いていますので、
ぜひそちらも聞いていただけたら嬉しいです。
その毎日新聞さんの今夜ブルーポストでっていう番組は、
曜日ごとにテーマが決まっていて、
水曜日はニュースをジェンダーの視点で読んでみるをテーマに、
デジタル報道センターの間の記者がお話しされているんですね。
あちらでは、
政治家の女性蔑視発言だったりとか、
me too 問題だったり、
そういったジェンダーのニュースにちなんだ、
おすすめの本を私の方から、
3冊、4冊ぐらいご紹介させていただきました。
それで今日こちらでは、
その時にご紹介しきれなかった、
国際女性デイにちなんだ、
女性のエンパワーメントを考える本を、
1冊ご紹介したいなと思っています。
今夜の勝手に貸し出しカードは、
イリス・ボネットさん著、
池村千明さん役の、
ワークデザイン、行動経済学でジェンダー格差を克服する、
という本にしました。
こちらはですね、
ハーバード大学の教授で、
行動経済学者のイリス・ボネットさんが、
なぜ職場や学校でジェンダー格差やバイアスが発生するのか、
それを解決するには、
行動デザイン、行動を設計する、
というような提案をされているんですけど、
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様々な企業の事例だったりとか、
あと実験結果、検証結果なんかを盛り込んだ上で、
行動をデザインするというのは、
どういうふうにしたらいいのか、
というのを解説した本になっています。
でもあまり堅苦しい本じゃなくて、
すごく読みやすい本だったので、
私もあまりちょっと固い真面目な話になりすぎないように、
少しクイズを出したりしながら、
柔らかく紹介していきたいと思っています。
なので今夜もゆるっと聞いてください。
さて、まず国際女性デーにちなんだ、
ここ数日のニュースの冒頭なんかで、
よく紹介されていたのが、
ジェンダーギャップ指数っていうやつなんですけど、
ジェンダーギャップ指数って何かというと、
経済、教育、健康、政治の4つの分野で、
男女比の偏りがないかっていうようなことを比べたものなんですね。
日本はこれが146カ国中の116位とすごい低くて、
ジェンダーギャップ指数が。
日本は特に政治への女性の参画とか、
経済面で遅れをとっているというふうに言われています。
男女間の賃金格差の方もですね、
加盟44カ国中ワースト4位なんですって。
男女の格差があるのは良くないし、
男女どっちも平等なチャンスがあった方がいいよねっていうのは、
頭ではわかるんだけど、
なんでこんなに進まないんだろうっていうことについて、
そう結果につながらないんだろうっていうことについて、
この本がある種の解決を教えてくれているんですね。
女性参画とかに関わるお仕事をされている方だったり、
何か選ばれたメンバーを見ると男ばっかりだなっていうことに、
がっかりすることがある方なんかは、
ぜひちょっと読んでみてほしいなと思う本で、
今日ご紹介しました。
この本では、そういう意識を変えるとか、
精神論っぽいことを言っているだけではダメで、
自動的に望ましい行動をとるように、
デザインすべきだっていう風に話が書かれてるんですね。
それが行動経済学で行動をデザインするっていう、
この本の提案のメインなんです。
具体的にどういうことかっていうと、
この本の冒頭に一つ例が挙げられているので、
ご紹介したいと思います。
アメリカの五大オーケストラでは、
1970年代には女性の演奏者は、
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わずか5%しかいなかったそうなんですけど、
それが今はなんと35%が女性であると、
7倍に増えてるんですよね。
それは何でか、どうしてそうなったと思いますか。
それはですね、オーディションのやり方をちょっと変えたっていう話なんですけど、
オーディションの際に、演奏者を決めるオーディションの際に、
カーテンを用意して、そのカーテンの向こうで演奏させて、
選抜する方式に変えたと。
つまり審査員がその人を見ちゃうと、
男の人が選ばれがちだったのが、
音だけ聞いて選抜したら、
女の人の割合が増えたってことなんですよね。
これへーって思ったけど、
私はちょっと意外だなって思いました。
っていうのは、コックさんとか寿司職人とか、
料理人は男性が多いイメージは分かるので、
料理対決とかさせたら、
男の人の方が点数が高くつきやすいかもなっていうのは、
ちょっとなんとなく想像がつくんですけど、
オーケストラの演奏者って、
そんなに男性が多いものなのかなって疑問に思って、
中高の吹奏楽部なんかだと、
女子の方が圧倒的に多かったから、
男の人の方が演奏がうまいっていう擦り込みがあるっていうこと自体が、
あまりちょっとピンとこなかったんですけど、
調べてみたら、
日本のオーケストラは女性が4割とか半分近くて、
それは逆に言うと珍しいそうでして、
ヨーロッパなんかからすると、
日本は女性が多いんだなってびっくりされるというか、
意外だそうです。
でもバイオリンとかね、
ビオラとか弦楽器は女性のイメージがありますよね。
確かに男性の指揮者っていうのは、
指揮者は男性しかあまり見たことがないかもしれないです。
ちょっと話がそれちゃいましたけれども、
演奏者を選抜する審査員の人たちも、
もちろんトップオブトップ演奏者なわけですから、
僕たちは、俺たちは、私たちは、
演奏の技術だけで判断できるぜって絶対思ってたはずじゃないですか。
だけど実際には資格から入る情報っていうのはかなり左右されると、
それは男女に限らずどんな服装かとかも含めて、
やっぱり点数に影響しちゃうものだっていうことなんだと思うんですけど、
そうやってブラインドテストに変えたら、
本当に技術が高い人から順番に選ばれたから、
結果としてそのオケのレベルが全体としてレベルアップしたっていうことが書かれていて、
それがすごくいいなって思ったんですよ。
っていうのは女性を優遇するっていうことが目的なんじゃなくて、
バイアスに左右されずに純粋に能力とか技術で選んだら、
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結果その組織にとってプラスだよっていう話じゃないですか。
でも今の女性活躍の文脈って、
割と女性比率を30%に上げようとかっていうのは目的化しやすいですよね。
目的化してしまいがちなんですけど、
比率を何パーセントかって数字が目的なのではなくて、
平等にチャンスがあった方が結果的に組織にとってプラスだよねっていう話なところがいいなと思ったのでした。
でもね私自身もそんなにバイアスはないと思っていたし、
カーテンなんか用意しなくったってちゃんと採点できますよって言っちゃうタイプの人だと自分も思うんですけど、
それはねなかなか擦り込まれたバイアスっていうのは難しいんだなと思った一つテストをしたいと思います。
短い文章を読み上げるので皆さんもちょっと頭の中で考えてみてください。
父親と息子が交通事故にあった。
父親は死亡、息子は重傷を負い救急車で病院に搬送された。
運び込まれた男の子を見た瞬間下界は思わず叫び声を上げた。
手術なんてできない、その子は私の息子だからと言ったと。
以上なんですけど、これを聞いてちょっと混乱した人とすって理解できた人がいると思います。
私は混乱しました。混乱したのはあれお父さんが2人って思ったからなんですけど、
それはですね下界って聞いて頭の中に男の人を想像したからなんですよね。
お父さんが2人、お父さんは亡くなったんじゃないのって思ったんですよ。
でもお母さんだったんですよね。その下界は女性だったんですよ。
こんな風にある職業の名前を聞いて、男の人が思い浮かぶ職業と女の人が思い浮かぶ職業っていうのがあって、
男の人が思い浮かびがちな職業に従事する女性は優秀であればあるほど好感度とトレードオフするケースが多い傾向にあるっていう話もこの本に出てきます。
これすごい面白い、面白いって言っちゃいけないけど確かになって納得したんですよね。
ここの本で出てくるエピソードをまた一つご紹介すると、あるシリコンバレーの起業家でベンチャーキャピタリストとして活躍した人の話が書かれていて、
その人はビルゲイツもスティーブジョブスも友達みたいな人で、この人の名前はハワードって聞くと、うーんそうなんだって思うし、
この実験ではそれを読んだ学生は有能な人で自分も一緒に仕事をしてみたいって大抵の子が思ったということなんですね。
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しかし実際にはハワードさんじゃなくてハーディーさんなんですって、つまりハーディーさん女性なんですねこの人。
ハーディーのバージョンで読んだ学生たちは同じ内容なのに有能だとは思うが一緒に仕事はしたくないっていう風に言った学生が多かったということは、
つまり感じが悪そうな女だなって勝手に想像したってことですよね。好感度を低く印象を持ったってことなんです。
面白いけどわかる気がするなーって思って、シリコンバレーで若くして成功したリーダー像っていうのを勝手に男の人を頭の中で想像するわけですよ。
ビルゲイツもジョブスも仲良しって聞いてもええそうなんだって感じだけど、それが女性となると嫌な女そうだなっていうか、
鼻持ちならない推しの強い女の人なのかなとかっていうことを無意識のうちに想像しちゃって一緒には働きたくないと思ったりするっていうのは正直女の私もちょっとそう思うなと。
で悲しいかな男の社会、男社会で女の人が下手に優秀だと好感度が下がりがちであるっていうことなんだなーって思ってます。それはそれは悲しいことですけど、
なぜかっていうと女の人の場合は能力だけじゃなくて感じよく優しく愛想よくみたいなものを期待されるからなんでしょうね。
愛想があまりなくて優能だと鉄の女みたいに言われちゃうっていうのは、男性だとそういうことがあまりないのになぁと思ったりしました。
そんな風にいろんな実験とか検証結果とか企業の事例が紹介されているのがとても面白い本なんです。
このイリス・ボネット先生の授業をハーバード大学で受けたら楽しそうだなって思わせる本でした。
さてこのワーク・デザインから今日は紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
このルールを守っていない人が何パーセントもいますという注意や警告をすることは多い。
しかしこれは逆効果でこのルールを守っている人がほとんどですというメッセージの方が効果的である。
これはこの本の解説、最後についている解説のところで出てくる文章なんですけど、
これにまつわるエピソードで一つ私がすごく好きなくだりがあって、
これはイギリスが企業の取締役会の女性比率を高めるっていうことが実現できたのはなぜかっていう話なんですけど、
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それまではイギリスの取締役会の女性比率を高めるのに大臣はFTSE100構成企業の取締役に占める割合は12.5%に過ぎませんっていう風に発言をしていたんですね。
こういう風に女性の割合が少ないですっていう警告をする方が注意喚起になると思いきや、これは逆効果であると行動経済学的には。
以降大臣の発言の仕方はFTSE100構成企業の94%、FTSE350構成企業の3分の2以上に女性取締役がいますっていう言い方に変えたらしいんですよ。
その結果かどうかははっきりはしないんですけど、結果的にイギリスは2015年までに女性取締役の比率の目標を達成して女性取締役の比率を増やしたっていうことらしいんですけど、
この何パーセントしかいませんっていう言い方をするのをやめて、何パーセントいるかどうかは別として、多くの企業には女性の取締役が一人はいるんだと、いる会社がほとんどだよっていうことを強調することによって自然と比率が上がっていったっていうのが面白いなって思いました。
もう一つの例として、納税を促す、税金を払ってない人に払えっていうメールを送る時も、払ってない人が何パーセントもいます、困りますっていうんじゃなくて、みんなは払ってますと9割の方が払っていて、あなたは残りの1割ですっていう言い方をした方が払ってくれた率が上がったっていうような例も上がっていて、
これはですね、なんていうか、最初に私も日本はこんなに遅れてて、こんなに女性の比率が低いんだっていう話をしちゃったんですけど、そういうことを強調するのは全然得策じゃないと、だってみんながそうなんだったらうちもそうなの当たり前じゃんっていう風に思っちゃうので、
その状況が当たり前だっていうイメージが生まれて、その状況が当然だよって思ってしまうと全然変えられないと、だけど逆に他の周りはこんなに変わっていて、そっちがマジョリティで、私たちがあなたがマイノリティというか少数派ですよっていうことを強調することによって、
おっとおっと変わらなくちゃって、やっとなるっていう話なのでした。これは結構私の中では新鮮な発見で言い回しをいろんなところで気をつけなきゃいけないなと思いましたし、女性活躍みたいな大きな話だけじゃなくて、人の行動を促す時にできてないっていうことをすごい強調して警告をするよりは、
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みんなできてて、最後の一人ですよっていうか、他のことはこんなにできてるから、これができないはずがないっていうか、できてることにフォーカスを当てた言い方をした方が行動を促せるってことなのかなって思ったりしました。
さて今日はそんなわけで国際女性デーにちなんだ一冊をご紹介させていただきましたが、毎日新聞さんのポッドキャスト、今夜ブルーポストデーは3月15日放送予定なので、そちらで紹介した本もぜひ皆さんにも読んでいただけたらなと思っているので聞いてみてください。
私もちょっとどんな感じになっているのか楽しみです。いつもこの真夜中の読書会は一人語りなので、どなたかと対談するっていうのはすごい緊張したんですけど、官の記者がとても話しやすい方だったんで、ちょっとしゃべりすぎちゃいましたが、はい、またあのこんな風にテーマに合わせて本をセレクトするっていうのも時々やりたいなと思いました。
さて今夜もお時間になってしまいました。真夜中の読書会おしゃべりな図書室はリスナーの方からのお便りをもとにおすすめの本や漫画をご紹介しています。
インスタグラムバタヨムからメッセージをお寄せください。
それではまた来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。
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