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ミモレ真夜中の読書会 おしゃべりな図書室へようこそ
こんばんは、KODANSHAウェブマガジン ミモレ編集部のバタやんこと河童です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜に、
「ほっとできて明日が楽しみになる」をテーマに、
皆様からのお便りを元に、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
さて、第88夜を迎えました。
今夜は毎年恒例となりました年末年始に読みたい本一挙公開をお届けします 私が最近読んで年末年始の時間のある時にぜひ一気読みしてほしいと激推しの小説と
それから私自身もこの年末年始に読みたいなと思って大切にとってある小説を一気に ご紹介していきたいと思います
まず一冊目は藍坂東雅さんの 同志少女よ敵を打てという長編小説です
こちら本年度のアガサクリスティ大賞を選考委員満場一致の満点で受賞したという話題 作なんですけれども
なんとこれがデビュー作にして新人にして今年の直木賞候補作にも選ばれているという ね
皆が私の周りの編集者の人だったり 作家さんとかがすごく面白かったっていうふうにつぶやいていたんで
この小説を読んでいただきたいなと思っております 次の小説を読んでいただきたいなと思っております
次の小説を読んでいただきたいなと思っております 次の小説を読んでいただきたいなと思っております
次の小説を読んでいただきたいなと思っております 次の小説を読んでいただきたいなと思っております
次の小説を読んでいただきたいなと思っております 次の小説を読んでいただきたいなと思っております
次の小説を読んでいただきたいなと思っております 次の小説を読んでいただきたいなと思っております
大ヒット漫画みたいな力強いストーリー展開と キャラクターのパワーがあって
ぐんぐん読んでしまう小説でした どういう話かというと モスクワにお母さんと母親と暮らしている18歳のセラフィマという少女が主人公なんですけれども
ナチスドイツの襲撃を受けて母親も村人も皆殺しに されてしまうんですね
彼女だけが生き残って助けに来た援軍のソビエト関軍の女性戦士 の地に共感となるイリーナに誘われて狙撃兵を目指すことになるんです
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そこに集められた戦争小児の少女たち 厳しい訓練を受けて一級のスナイパーとして腕を磨いていくんですね
実際にソビエト軍には女性だけのスナイパー 舞台がいたらしいんですよね
これはヒットする漫画のストーリーテリングの鉄則みたいなものを この作家の方は相当研究されたんじゃないかなと勝手に想像したりしながら読んだんですけれども
というのはスラムダンクとか ドラゴンボールとか明日の女王とかガラスの仮面とか多くの人が心を動かされる
王道漫画の鉄則みたいなものがこの小説には散りばめられてるなぁって思ったんですよ 王道漫画のストーリー展開の
あるあるポイントっていうか3つのポイントを私の勝手な解釈ですけれども
今日は紹介してみたいなと思います ヒットする漫画多くの人の心をつかむ漫画の共通する3つのポイントなんですけれども
これは私が勝手に思う3つなんですが 1つ目はダイヤの原石を予感させる主人公の素質ですね
2つ目は反発しながらも尊敬する先生師匠の魅力です 3つ目は主人公を突き動かす強い原動力かなと思っています
一つ目はダイヤの原石を予感させる主人公の素質なんですけど 明日の女王も桜木花道も北島アマヤちゃんも荒削りだけどもともと能力があるじゃないですか
身体能力が高いとか喧嘩が強いとか一瞬で記憶ができるとか この子は素質があるんじゃないかっていうのがまずあってそれに気づく人がいて
プロに荒削りな部分が磨かれていくっていうねストーリーがやっぱりこう 最初からポンコツな主人公っていうのもありますけれどもある程度
おやこいつはただもんじゃねえぞっていうところが まあ初っ端からねあるとグッと引きつけられますよね
セラフィマは良樹あの鹿とかを山で打つ腕前はもともとあってそこを見込まれて 一流のスナイパーへと
成長していくわけなんですけれども 2つ目の反発しながらも尊敬する師匠の魅力はまさにこのセラフィマ
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の先生イリーナ教官ですね セラフィマは家族も村人も皆殺しにされちゃった時に
イリーナ 教官に助けてもらう一方で
家族をその時にお母さんを 焼かれちゃうんですね
遺体に火をつけたっていうことでイリーナにとってはまあちょっと母親の敵 みたいな部分もあって反発もしながらスナイパーの訓練部隊に入ることになるわけ
なんですが このイリーナ教官はまためちゃめちゃかっこいいわけですよ
この主人公を育てていく先生側の魅力がやっぱりこの物語の
突き動かしていると思いますね そのさっき言ったように助けてもらった一方で親の敵でもあるっていうところもあって
絶対許さないっていう強い気持ちと イリーナ先生からは絶対死ぬなよっていう殺されないためのスキルを
叩き込まれていくわけです この3つ目の主人公を突き動かす強い原動力っていうのは戦争背景にした
小説だけあって親をドイツ軍に殺されたっていう強い復讐の気持ちと イリーナ、焼かれたイリーナ
ルース交じっていう強い気持ちで主人公は強くなっていくっていうわけなんですね 厳しい訓練の様子
狙撃兵ってこういう訓練の仕方するんだなぁとかも興味深いんですけれども 他の
狙撃兵 スナイパーを目指す少女たちとの交流もあってシスターフット的なというふうに書かれていましたけれども
オビなんかには 反発したり裏切られたりしながらも女の子たちが心を開いて心を通わせ合う
シーンなんかもあってでもこれがね仲良くなればなるほど この中の誰かは絶対死ぬんだろうなっていうのを予感させられて
いやもう辛い 仲良くならないで辛いみたいな気持ちで読んでいました 今ね超話題作なんで本屋さんにもドドンと積み上がっているんじゃないでしょうか
戦争ものかと思ってちょっと敬遠されていた方も気になっていた方はぜひ 読んでみてほしい一冊です
一冊目の紹介からすごく長くなってしまいましたが 2冊目まいります
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さて2冊目は綾瀬丸さんの新しい星です 綾瀬丸さんの小説はまだ暖かい鍋を炊いてお休みとか
あの人は雲を潰せないとか不在とかご紹介してきましたかねこのポッドキャストでも 来年
綾瀬丸さんのやがて海へと届くという小説が映画化されるんですけれども この小説は震災で友達を失ってしまった女の子を描く作品なんですね
綾瀬丸さんってこう身近な人を失った喪失とどう向き合うか どう再生していくか立ち直っていくのかっていうのを大きなテーマにしていらっしゃるのかなぁと
思ったりして新しい星も娘を失った女の人のお話なんですね そしてこちらも直木賞候補作です
まあちょっとこの冬じっくり向き合いたい1冊かなと思います すごく美しい表紙なんですよねこの
夕日が当たっている お家のような
大切にいっぺんいっぺん読みたい1冊です 続いて3冊目いきます3冊目は柚木悠子さんの見返るの鼓動です
柚木さんの作品もこちらのポッドキャストでも何回かご紹介しているかな 古老の地とか月下の桜など
まず逆座ものだったり警察ものもあり男社会を描いたり男社会に生きる女性 景観なんかを描いたりしている作品が多いですが今回柚木さんが挑んだのは
医療ものなんですね 柚木さんが描く医療ものなら面白くなくないわけないじゃんっていう感じで
大してあらすじも見ずにポチッとしたら結構な分厚さで届いてびっくりしたんですけれども 1日半ぐらいで一気に読んでしまいました
どんなお話かというと手術支援ロボットを使った心臓手術を行うスター下界とちょっと影のある腕は確かなドイツ
帰りの天才医師がある少年の手術をめぐって対立するんですね 大学病院の人気を牽引するスター下界は二宮和成くんとかかなぁ
ドイツ帰りの寡黙な天才医師は誰がいいかなぁとか 今だと松下くんとかなのかなぁ
なんてまっすぐキャスティングを考えたくなっちゃうような小説でした 難しい話はそんなになくて
これは組織的な隠蔽の話なんですね 大好物ですそういうやつ
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池井戸純先生とか横山秀夫先生とかね あるでしょあの工場の不良品とかね
そういうのに近いんですけどあれちょっとおかしいぞって気づいちゃった時に 人はどうするべきなのかという話ですね
大きな組織にいてなんか変だぞって思って自分だけが気づいてしまったのか あるいは上の人たちは不具合に気づいててそれを隠そうとしているのか
そうだとしたらどうしたらいいんだろうっていうやつなんですよ こちらもなんと直木賞候補作に選ばれております
迷うなぁ 皆さんもぜひこの3冊とも読んでいただいて一緒に迷ってください
4冊目ご紹介します 4冊目はジェーンスーさんの最新エッセイひとまず上出来です
これはあまり説明がいらない感じなんですけれども ジェーンスーさんのポッドキャストオーバーザさんも聞いてますっていう方がこの
ポッドキャストのリスナーさんにも大変多いのでこれは教科書のようにぜひ一冊 求めいただいて損はないでしょうという一冊ですね
さすがの面白さなんで 買ったらすぐ読んじゃいそうだからちょっと私は
2編ぐらい読んで止めてあります 年末年始の楽しみに読もうと思っています
5冊目はイチホミチさんのパラソルでパラシュートです イチホミチさんは今年スモールワールズで上木の直木賞候補になりまして
しかし残念ながら賞は逃してしまったんですけれども 賞を逃した次の長編って結構いい傑作なことが多いと思っていて
パラソルでパラシュートはそんな予感をさせる長編小説です スモールワールズは短編集でしたから短編集の良さもありますけれども
こちらの長編はまたショーレースあるいは映像館への道へと話題になりそうな予感がします 芸人さんを題材にしているのも今っぽくてすごくいいなって思いました
のっけから引き込まれるんですけど 主人公は大阪の一流企業の受付でお仕事をしている契約社員の
ミューちゃん29歳 ライブに来てるんですね冒頭のシーンめっちゃいい席なんだけど足が痛そうなの
パンプスで靴ずれが起きちゃってるのか たまたま友達から譲ってもらって最前列になってしまったみたいな感じで
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状況的にノリノリにしてないと悪いかなって思ったりする 冷静な頭もあったりするんだけどまあとにかく足が痛そうで可哀想でしょ
そこからコンサート会場の整理のバイトをしているお兄さんに 晩足をもらってって言って話が展開していくんですけどね
いいですねこう映像が目に浮かぶような冒頭のシーンです 単純にこの29歳の主人公とお兄さんが恋に落ちるっていう話でもなさそうなところも
またいいです 一方一山は今年の最大の大きな発見というか楽しみな作家さんとの出会いの一つでもありました
さて以上5冊を紹介したんですけれども皆さんの冬休みの楽しみは何でしょうか 気になるものが今日の中からもあったら嬉しいです
今年も今日も最後までお付き合いいただいてありがとうございます今年もう1回来週の放送があります 次回は2021年のベストブックを発表する予定です
ぜひお楽しみになさってください さてそろそろお時間になってしまいました
真夜中の読書会おしゃべりな図書室は皆様からのお便りをもとにいろいろなテーマでお話し したり本を紹介したりしております
みもれのサイトからお便り募集していますのでぜひご投稿ください また水曜日の夜にお会いしましょう
おやすみなさい おやすみ