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みもれ真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンみもれ編集部のバタやんこと川端です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて、明日が楽しみになる、をテーマに、
皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
さて、第42夜となりました今夜のお便りをご紹介します。
長野県にお住まいのユーキャンさんからいただきました。
現在遠距離介護をしておりますが、今年はコロナ禍により帰れません。
さらに実家の18年も元気だった犬がいってしまい、余計に両親が心配です。
現実に目を背けたいわけではないけれど、笑ってしまうような本があったら教えていただきたいです。
病院や施設のお見舞いも訪問もなかなか制限されていてできないですもんね。
実家に帰るのもちょっとはばかられるという、生きることがなかなかないけれど心配という方もきっと多いですよね。
どんな優しいユーキャンさんにくすっと笑えるエッセイをということなので、
今夜の勝手に貸し出しカードは、朝倉香美さんのエッセイ、
全然大変じゃないです。をご紹介したいと思います。
なぜこれにしたかというと、ユーキャンさんの私宛てのメッセージ欄に
バタヤンさんと身長がほぼ同じですって書いてあったので、
私151cmなんですけど、小柄さん仲間ですね。
この全然大変じゃないですを書いた小説家の朝倉香美さんは身長が145cmということで、
私たちよりさらに小柄さんでいらっしゃるんですが、
ちびでも全然大変じゃないですっていう話なんですよ。
共感しかないっていうね。
こちらのエッセイはアイラネットに連載されていたもので、
身長の話ばっかりしているわけではないので、
小さくない人が読んでも面白いです。
朝倉さんは北海道在住でいらして、
雪国と東京の感覚の違いみたいなのがこのエッセイにもチラッと出てきたりするんですけど、
もしかしたら長野在住のユーキャンさんにはわかる、
共感できることがあったりするのかもしれないなと勝手に思いました。
朝倉さんは北海道のチェーンのスーパーで事務職で働いていらして、
39歳で結婚して、その後小説家デビューされたっていうことなので、
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このエッセイは50歳だけど新人作家っていう肩書きで書かれているんですよ。
40歳で作家デビューして、
木も焼けるという小説で小説現代新人賞を取り、
田村尚貴という小説で吉川英二文学新人賞を取られて、
そしてつい最近平場の月が直木賞候補になったというね、
すごいですよね、夢があるなと思って、
39歳で6歳年下の彼と結婚されて、
すごく仲が良さそうな様子がこのエッセイの中にもちょいちょい出てくるんですけど、
それも含めて夢があるなと思います。
大きな文学賞の候補になって、
その選考のね、結果の電話を担当編集者たちと待つっていう様子も、
エッセイに出てくるんですけど、
身漏れの読者の皆さんも、また本好きなこのポッドキャストのリスナーの皆さんも、
人生のこれから先に作家デビューして、
直木賞受賞の電話を担当編集たちと待つみたいな未来があるとしたら、
これから可能性としてね、あるかもしれないと思うと、
すごく良くないですか、いいなと思いました。
もちろん元々の才能とすごい努力と迷いとか、
決断への不安があったとは思うんですけれども、
そういう私たちからの想像も含めて、
全然大変じゃないんですっていうタイトルが見事ですよね。
さて、後半はちびの話をしましょうか。
ご自身がちびっていうタイトルで書かれていて、
読んだだけで私がちびオバワリしたわけじゃないんですけど、
ちびじゃない方も後半もお付き合いくださいませ。
では、ちびという章を少しだけ読みますね。
身長145センチだ。
物心がついて以来、ちびとして生きてきた。
ちょっと嘘だ。
客観的に見てちびであるなぁとは気づいていたが、それだけだった。
というのもちょっと嘘で、気がついたら相当ちびだったという具合。
未熟児すれすれで生まれてからずっと小さかったので、
自分の中ではこんなものと理解していた。
とあります。
わかるなぁと思ってちょっと笑ってしまいましたけど、
小さいことによるコンプレックスとか劣等感とかは私もあまりなくて、
ただ自分の中ではこんなものと思っていたけど、
人から見て、そうか小さいのかって思うことはあったっていう感じですかね。
この後朝倉さんは小学校2年生の時に、
1年生の子より自分が小さいってことに気づいて、
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他人の先生が、かすみちゃんは体が1年生より小さいけれど、
心が大きいんですよって慰めるというか、
心の大きさという新しい軸を提示してくれたっていう話が出てくるんですが、
これはすごいいい話なんだけど、
私はちょっともやっとしたというか、
小さいことは悪いことだとは別に自分は思ってなかったのに、
他を褒められることによってやっぱり小さいことはダメなのかなって思わされちゃうというか、
私もよく小さい時は、
家ちゃんは小さいけど賢いからとか言われたりして、
賢いことと小さいことはトレードオフなのかっていう、
トレードオフってことは子供の頃は知らなかったけど、
それとそれは別問題じゃねって思ってましたよね。
ルックスの話はルックスの話で完結してほしいっていうかね、
小さいけど顔も小さいとか褒めてくれればいいのにとか思ってました。
ちょっと話がそれちゃいましたが、
このちびという章の朝倉さんのまとめの言葉が素晴らしくて、
座右の銘にしたいと思っています。
全国の150センチ未満のちびのみなさん、
だからだいたい大丈夫。
もしも大丈夫じゃない時には、
私がいることを思い出してくださいね。
心はそんなに大きくないけど、
朗らかなちびがここにいます。
あと老婆死んながら、
ちびを可愛いと言い換えられても、
勘違いしない方がいいのではないかと申し添えます。
ちびはちびのまま受け入れたい。
心はそんなに大きくないけれど、
朗らかなちびでいたいっていうのは名言だなと思ってまして、
一生ね、そんなおばあさんになっても。
この先、背が高いおばあさんになれる可能性はゼロだから、
小さいおばあさんしかありえないわけですけど、
心はそんなに大きくないけど、
朗らかな小さいおばあさんではいたいですね。
小さくない人にもご紹介したい紙フレーズもご紹介して、
今日は終わりたいと思います。
妻として、嫁として、娘として、
いかがなものかという状況になりつつある。
昨日も一昨日もお風呂に入らなかった。
人としてもいかがなものか。
だからといって作家として格段の実力がついたわけでもなく、
どうなるんだ私、と明け方につぶやきたくなるが、
でも全然大変じゃないです。
いや本当に、祝連載10回、書いたものが掲載されるのはとてもうれしい。
これは朝倉さんが作家として忙しくなりつつあり、
すっかり出前の人と顔見知りになっちゃって、
家のことはできていないし、実家にも顔を出せていない。
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それがいかがなものかという話の流れなんですが、
すごいわかるっていうね。
私も最近はずっとわりと家で集合とする生活が続いていて、
皆さんもそういう方もいらっしゃるかもなんですけど、
人と会う予定がなければ化粧もせず、ずっと同じスウェットを着ているんですよ。
オンライン会議に映らない場所にある椅子の上には、
いつ着ていつ脱いだかわかんないスウェットが置きっぱなしになっていて、
今日こそはあれをしまうか選択するか決断しなくてはと思って、
早3日みたいなね、なってるんですよ。
パソコンに向かっていると気づいたら夜の7時ぐらいで、
もうお店も閉まっちゃう、ラストオーダーになっちゃうし、
夫も帰ってきちゃうし、どうしようみたいな。
今日も奪いつでいいかって、そんな感じで、
妻として、嫁として、娘としていかがなものかって感じですけれども、
今日も工量に間に合ったっていう、
今日も生きているこの真夜中の読書会も、
今日も間に合った毎週配信しています。
でもすごい大変でしょって言われると、
全然大変じゃないんですと言ってしまいたくなるつい、
ゆうきゃんさんにこの本をお送りして、
ぜひ全然大変じゃないんですってつぶやいてもらえたらと思ったんですけど、
この本ね、後から言うなって話ですけど、
2010年に刊行された本で、
10年前か、文庫にもなっておらず、
全然本屋さんに売ってなくて、
結構探したんですけど、ネットも売り切れで、
私の本はすっかり日に焼けてしまっているので、
まあまあ状態の良い古本を探してお送りするか、
朝倉香水さんの直木賞候補となった最新の作品、
イラバの月をお送りしたいと思っています。
こちらは同級生との再会、
アラフィフの恋のお話で、
ちょっと泣けるような感じなんですけど、
これもすごくいいですし、
木も焼けるも、田村あまだかも、
じわじわといい小説、面白い小説なので、
もし朝倉さんを読まれたことがないようでしたら、
ぜひ合わせて読んでみていただけたらと思います。
ゆうきゃんさん、リクエストありがとうございました。
皆さんも今夜も最後までお付き合いいただき、
ありがとうございます。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会、おしゃべりなと出出は、
こんな感じで皆さんからのお便りを基にしながら、
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いろいろなテーマでお話ししたり、
本を紹介したりしています。
みもれのサイトからお便り募集しているので、
ぜひご投稿ください。
また来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。