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2024-01-03 12:04

ドイツの宮部みゆき!? 女刑事ものの海外ミステリにハマる

今夜の勝手に貸出カードは、シャルロッテ・リンク著、浅井晶子訳『誘拐犯』です。

こんな地味なヒロインになぜしたの? ハズさない海外ミステリーを見つけるコツとは?

<紹介したシリーズ海外小説>

パトリシア・コーンウェル著、相原真理子訳『検屍官

ジェフリー・ディーヴァー著、池田真紀子訳『ボーン・コレクター


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真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室〜へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと川端です。
真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室では、
水曜日の夜にホッとできて、明日が楽しみになる、
をテーマに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
さて、今年最初のリクエストお便りをご紹介します。
ニックネームnysさんからいただきました。
バタやんさん、こんにちは。
真夜中の読書会も、インスタの投稿も毎回楽しみにしています。
バタやんさんのおすすめの本の中で、
気になったインスタ投稿はすべて保存して、
図書館で一斉に予約しています。
ありがとうございます。
さて、私は海外文学が好きで、
その中でもじゅんぱらひりさんの小説が大好きです。
有名なのは、定伝の夜にだと思いますが、
彼女がイタリアに移住して初めて、
イタリア語で出版した別の言葉でも、
とても綺麗な繊細な文章で大好きです。
バタやんさんが最近読まれた海外文学があれば、
ぜひ教えてください。
ちなみにバタやんさんのインスタのおすすめで、
終わらない週末、レモン、同志少女よ敵を打て、
そしてサナトリウムは読みました。
とても面白かったです。
本への興味の幅を広げていただき感謝しています。
これからも楽しみにしています。といただきました。
ありがとうございます。
たくさん読んでくださって嬉しいです。
終わらない週末、ついにネットフリックスで
ドラマが配信されましたね。
面白かったですよ。
ジュリア・ロバーツの、ぜひよかったら見てみてください。
さてさて、そんなNYSさんへ
おすすめの海外小説として、
今夜選んだ勝手に貸し出しカードは、
シャル・ロッテ・リンクさんの
誘拐犯にしました。
海外小説の中で、私は特に海外ミステリーが好きなんですね。
翻訳もののミステリー小説でなるべく外さない。
絶対とは言い切れないのでなるべくと言いますが、
ヒット率の高い本の探し方にはコツが一つあります。
とにかくですね、シリーズになっていることで探します。
シリーズ化されていて、翻訳されているということは、
本国でも相当なヒットシリーズだということなんですよね。
面白さ、多くの人の心をつかむポイントがあることは、
ある程度保証されていると思っています。
古くはシャーロック・ホームズとか、
アガサ・クリスティの名探偵ポアロとかが、
私の海外ミステリー読書体験の原点なんですけれども、
その後はパトリシア・コンウェルの
03:00
『検事官 ドクター・ケイス・カーペッタシリーズ』とかですかね。
あと、ジェフリー・リーバーの
林間ライムシリーズとかも好きですね。
というのは、一つ読んではまれば、
はい次、はい次と読める楽しみが広がるじゃないですか。
あと何冊も楽しめるなって。
日本でも人気になっていれば、
新作もちゃんと翻訳されるだろうという
期待も持ってますし、結構途中で
翻訳されずに終わってしまうシリーズも
なくはないんですけどね。
私は帯に大人気なんとかかんとか警部シリーズ第5弾、
シリーズ最大のピンチとか、
宿敵何々とついに対決とか書いてあるやつを買うんです。
第5弾から買って、面白かったら第1弾、
1作目に戻ればいいやって思って、
1作目から順番に読まなくても面白いっていうのが、
面白いシリーズものの秘訣でもある気がするので、
今一番点灯に並んでいるやつから読んで
遡るっていうのでも大丈夫だと思ってます。
それで今回ご紹介するシャル・ロッテ・リンクの
誘拐犯はですね、ロンドン刑事署、
つまりスコットランドヤードの女刑事、
ケイト・リンビルのシリーズで、
本国では4作出ているそうです。
日本語訳版としては、
裏切り、失踪者、誘拐犯と3作品出版されているようですね。
著者のシャル・ロッテ・リンクという女性をググってみると、
ドイツの作家で現在60歳、
ドイツの現代文学で最も売れている、
成功している国民的作家であると、
ドイツミステリーの助手などと言われているみたいです。
役者のアサイ・ショウコさんが、
ドイツのミヤベ・ミユキと証言されていて、
なるほど、と読んで画点が行きました。
確かにドイツのミヤベ・ミユキに違いありません。
さて、そんなドイツのミヤベ・ミユキと言われる
シャル・ロッテ・リンクの誘拐犯はどんな小説か、
ご紹介していきたいと思います。
誘拐犯は何人かの少女が連れ去られ、いなくなってしまう。
複数の未解決事件が同時進行で、
バラバラの視点で描かれて、
その間に犯人らしき人物の日記、
というか独白みたいなものが挟まっていまして、
それらが繋がっているのか繋がっていないのか、
同じ犯人なのかそうじゃないのか、
分からないままどんどん進んでいくという、
少々トリッキーなプロットになっています。
そしてそれらを繋がるのが、
この、女の子のブラックライターのケイト・ケイジです。
さっきドイツで最も成功している作家と言ったんですけれども、
舞台はイギリスなんですね。
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それもちょっと面白いですよね。
宮部美由紀さんが台湾を舞台に人気シリーズを描く、
みたいなことでしょうか。
独立すべきはこのヒロインケイト・ケイジなんですけれどもね、
ものすごく地味なヒロインなんですね。
小柄で痩せっぷっちで影が薄い、
美人でもないがすごく不細工というわけでもなさそうで、特に描くべきところ、特筆すべきところがないっていう感じなんですよ。
人付き合いが悪くて、引っ込み事案で、同僚からいじめられているってほどではないが、のみに誘われるっていうタイプでもないみたいな、
そんな描写が続いていて、40歳ぐらいなんですがやっと純才になったみたいな、
あまり出世もできておらず、全然キレ者ってタイプじゃないんですね。
最初、なんでこんな人をヒロインにしたんだろうって思ったんですよ。
だって、さっき言ったパトリシア・コーンベルの「検事官・ドクター・ケイズ・カーペッタ」とかは、花があるヒロインじゃないですか。
美人でキレ者で、ちょっとロマンスもあったりなかったりみたいな。
刑事者とか医療者のヒロインとか主人公っていうのは、そういうちょっと花がある人を惹きつけるタイプの人か、
人付き合いが悪くてすごい変わり者なんだけど、めちゃくちゃキレ者とか、手術の腕はピカイチとかね、そういう人が多いですよね。
地味で人付き合いも悪くて、キレ者でもないんかいってなったんですが、ここがポイントと言いますか、
ケイト・ケイジはシングルで全然モテない感じなんですよ。
マッチングアプリでも振られたり、途中で帰っちゃったりとかされてしまうようなんですけど、
そのデート慣れしてない、男性と軽口を叩いたりする感じに慣れてないっていうところが、この物語の後半で効いてくるんですね。
ポイントになってきます。
最初なんでこんな人をヒロインにしたんだろうって思ったと言ったんですが、
この人のポンコツぶりっていうか、ちょっと嘘がバレたりヘマしたり、そんなとこホイホイついていったら危ないよってドキドキするっていうところが、
だんだんこのヒロインを見届けなくてはという気持ちにさせてくるんですね。
だからヒロインって共感できるとか、惹かれる、魅力あるっていうタイプと、
この大丈夫かなってなって見届けなくちゃ、私がこの人を見届けなくてはっていう気持ちにさせるヒロインというタイプも、
大事だなっていうかありだなというふうに思いました。
この誘拐犯という長編小説は少女たちがいなくなっちゃう話なので、少女たちの安否が心配なんですけど、
出てくる少女の方がよっぽどしっかりしてそうっていう、ケイトの方が心配だわってなりながら見ていくわけです。
文庫で上下感あるので、なかなかボリューミーな小説なんですけれども、
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途中離脱せずに読ませるこの小説の最大の魅力は、このケイトの人物造形であり、
それ以外の登場人物も一人一人の人物造形、キャラ設計がしっかりしているところにあると思いました。
だからいなくなっちゃう4人の女の子たちには、それぞれ親がいるんですけれども、それがごちゃごちゃにならないんですよね。
翻訳者を離脱しちゃう私の一番の原因は、登場人物の名前が覚えられなくなって、
誰が誰で誰の誰なのかがわからなくなっちゃうというところにあるんですけど、それがないと。
シャル・ロッテ・リンクの描写がお見事なのは、被害者家族とか犯人等が疑わしき人たちだけじゃなくて、
聞き込みされた近所のおばさんとか、そういう覇役というんですかね、一回きりしか出てこない人も含めて、
キャラがしっかりしている、生き生きしているんですね。
では、この誘拐犯から今日は紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
君もだ。それを忘れないでくれ。君は賢明で、決断力があって強い。あとは自分でそう思えるようになるだけだ。
というセリフがあります。ケイトも自分自身をダメダメだと思っているし、
それは裏を返せば、読んでいる読者の私もケイトのことをダメだと決めつけていたわけなんですね。
そうじゃないよっていうのがこのお話の肝だったというところなんですが、
ちょっと犯人はネタバレをせれずにおきますが、下官の中盤ぐらいで一つ事件が意外な結末を迎えまして、
あれまだあとこんなにページ数残っているのにもう解決しちゃいそうじゃない、どうするのって、
あと残りケイトの婚活話でも続くのかしらと思ったら、そこからが怒涛のどんでん返しと言いますか、
予想という名の私、読者のアンコンシャツバイアスをついてくるような展開が見事なので、
ぜひ最後まで見届けてください。さて今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
さて今夜もお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、レスナーの皆さんからのお便りをもとにおすすめの本や漫画を紹介します。
メッセージはインスタグラムのバタヨムから受け付けておりますので、ぜひお送りください。
それではまた来週水曜日の夜にお会いしましょう。おやすみなさい。おやすみー。
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