00:00
第137回アシカガキャスト
AIでよみがえるミソラヒバリというNHKスペシャルの番組を見ました。
ミソラヒバリをAI技術でよみがえらせて、新曲を歌わせるというプロジェクトを追ったドキュメントです。
ミソラヒバリをよみがえらせるのに2つの要素があって、1つは歌声ですね。
歌声はヤマハのボーカロイド、初音ミクとかのこのボーカロイドの技術をベースに作り上げていきます。
もう一つは姿、動きですが、これは3DCGで作っていました。
今回タイトルに入っているAIというのは歌声を作り上げる部分ですね。
ミソラヒバリのこれまでの歌っている音源をたくさんコンピューターに取り込んで、機械学習というのをさせて、
人間がこういうパターンはこうで、こういうパターンはこうですよということを覚えさせるんではなくて、
機械が自分で学習していって、ミソラヒバリの歌を歌う時のパターンや癖などを学習していって、
その結果として歌声を作り上げるんですね。
で、この番組を見ての感想なんですが、AIのことを知ってもらう教材として非常によくできている番組だと思いました。
AIが人間の仕事を奪うとか、人間を支配していくような漠然とAIを怖いものだと思っている人が結構いると思うんですけども、
そういう人がこの番組を見れば、AIの良い面がわかってもらえるような作りになっていました。
あくまでも人間の思いがあって、技術はそれを実現するためのサポート役になっていたんですね。
同じようなことをこのミソラヒバリの新曲をプロデュースした秋元康氏も言っていました。
人間の思いを科学がサポートしていると言っていて、さすがに言語化がうまいなと思いました。
人の思いというものを具現化するために、今後AIの技術がどんどん活かされていくのが楽しみになる、いろんな可能性を感じさせる番組でした。
ミソラヒバリの歌声を再現するために機械学習で、AIで歌声を作り上げていたわけなんですが、
ただAIが作ったものだけではダメで、人間の手を入れてそれをチューニングしていたんですね。
03:04
やっぱり人の感情を動かすものというのを作るには、それをジャッジするのにやっぱり人間が必要なんだなということを改めて感じました。
例えば今後デザインの分野でもAIを活かして、いろんなパターンのデザインとかを作るというのは機械が得意とするんだけども、
それを人間がジャッジしていく、そういう使い方でものづくりが楽になっていくというか、短い時間でいいものが作れるようになっていくのは楽しみだなと思います。
AIの力を借りて蘇ったミソラヒバリのクオリティについてですが、ネットでも賛否両論あるみたいですが、その不完全な感じがいいんじゃないかなと私は感じました。
最後に蘇ったミソラヒバリが歌を披露するところで、関係者もミソラヒバリファンの観客の人も結構感動して泣いてる人とかいたんですけども、あまりによくできすぎていたら逆に気持ち悪くて感動できなかったかもしれないなとも思いました。
ミソラヒバリが復活したというよりも、よくできたミソラヒバリロボットが完成したというふうにも感じまして、そのミソラヒバリロボットにミソラヒバリの面影を投影して重ねて感動するのもいいですし、
よくできてるねと興味本位で見るのもいいし、あまりあれをこう深刻化しない方がいいかなと思いました。
あと歌の最後に語りを入れたというのが秋元康さすがだなと。
歌声を再現と言ってるのに語りなんか入れるなよと、そんな簡単に言うなよと技術者の人は思ったはずなんですが、そういう無理難題に燃えるのも技術者なので、そこで技術者魂に火をつける意味でも良かったと思いますし、
最後の語りでお客さんの感情も動かしてましたし、語りを作り上げていくエピソードも良かったですね。
全く別な企画としてAI技術によって手塚治虫が新作漫画を書くというのもあるらしいので、そっちも期待したいと思います。