2024-09-09 16:17

山中享 LOOVIC(株) 代表取締役

人がそばにいるような移動支援バーチャルサービス


2021年にスタートしたLOOVIC株式会社は、「移動」に課題を持つ人たちを支援するサービスを開発しています。

スマートフォンアプリ「LOOVIC」は、スマホのGPSと連動したナビゲーションサービスですが、ユーザーが自ら案内を作成できる機能があり、その場所その場所に応じた、注意喚起などが収録できます。こうした機能は高齢者や空間認知に課題を持つ子どもの外出を支えるだけでなく、レジャー施設での音声案内などにも活用されています。

ゆくゆくは蓄積された音声データが、様々な人たちの「外出」を支援する未来を目指しています。

2050年には3分の1が高齢者になるといわれる日本。そうした社会で必要とされる技術の開発について、お話しいただきました。

サマリー

LOOVIC株式会社の山中代表取締役は、移動支援技術の革新を目指し、特に外出が難しい方々に音声を利用したナビゲーションサービスを提供しています。この技術は空間認知の課題を解決し、すべての人が外出しやすい社会の実現を目指しています。また、山中氏が代表を務めるLOOVIC株式会社は、観光産業における位置情報データを活用した新しいサービスを開発しています。特に、ユーザーとコンテンツ提供者とのマッチングを通じて、高齢者支援などの社会的課題にも取り組んでいます。

LOOVICの紹介と技術の概要
Location Weekly Japanです。今週は、LOOVICの山中さんにお越しいただきました。山中さん、よろしくお願いします。
山中さん、よろしくお願いします。
では、早速会社紹介と自己紹介をお願いいたします。
LOOVIC株式会社山中と申します。我々は、人がそばにいるような移動支援技術をバーチャルで届けるような、そんなサービスになっています。
従来、移動するときには人が付き添わなければならなかったというふうな、そんな世界観があって、
世界観があって、何かあると誰かが突き沿わないといけない、そうじゃないと外に出れないというような、そういうふうな人たちがたくさんいらっしゃいますが、私たちはそれをDX化している、そんな技術開発をしております。
具体的に言うと、目が見えない人とかそういう感じになるんですかね。
我々は目が見えているにも関わらず、脳の萎縮、もしくは損傷によって外に出ることが難しくなっている方々を外出できる機会として増やし、ことを想定しております。
具体的にどうやってそれを実現されているんですか。
我々はスマートフォンのアプリケーションを開発しておりまして、皆さんがその人に対して声書きをして移動していく、そんな移動シーンがあるんですが、
例えばご高齢者の方が外出するときに誰かが突き沿って移動すると、そのときに、例えばそこ段差あるから危ないよって思ったときにご高齢者に言葉として伝えるシーンがあるとしましょうね。
それ実はDX化できるんです。それをスマートフォンに収録しておくんですね、その場所で。
そうすると、そのご高齢者に本当は寄り添って一緒に歩きたいんですけども、歩けない自分の分身を突き沿ってあげるような、そのことができていく、そんなサービスになっています。
音声データの収集と活用
もう少し詳しく教えてください。
例えば私のおばあちゃんがいましたと、なかなか歩くのもタドタドしいけど遠方に一人で住んでいるので、買い物とか行かなきゃいけませんよねと。
じゃあそれに対して、じゃあ私が先にそのスーパーマーケットまでの道のりを歩いて、危険ポイントみたいなのを録音しておくとかそういう感じなんですかね。
であったり、もしくはどこを曲がるかであったり、そのおばあちゃんの立場から見える景色を想定して、先回りして言葉を作っておいてあげるということです。
それはじゃあ同じアプリケーションでそれをやるんですかね。
はい、おっしゃる通りです。
どう考えてるんですかね。それは特定の、例えば私が自分のおばあちゃんのために録音しましたっていうものなのか、私がその特定の道順でここに段差あるよみたいなことを言っておくと、それが他の人たちも活用できるデータとなるとかそんなイメージなんですか。
はい、将来的にはその収録したデータっていうのは他の人たちも活用できるデータになります。
面白いですね。そうすると、そういった音声案内がコンテンツ化していくというか、POI化していくみたいな、そんなことを想定されていらっしゃるって感じですかね。
はい、おっしゃる通りです。
ちなみに山永さん、Lubicって立ち上げられたのはいつなんですか。
2021年に株式会社化しています。
なるほど、その経緯というか。
はい、もともと私の子供が空間認知に課題を持った当事者なんですね。
幼い頃から外出するときに誰かが付き添ってあげなければ外出できないというふうなことが一般の方々よりすごく顕著にそういった症状としてありまして、
その外出支援のためのトレーニングをやってきたことからこの技術が始まっています。
なるほど、それをじゃあお子さんのためにアプリ化しましょうというような、そんなご高校歴で起業されたんですか。
はい、おっしゃる通りです。
ターゲットユーザーと社会課題の解決
いやでも大変じゃないですか、これでビジネスを作っていくっていうのは。
実は広がりがすごく大きいんですね。私たち移動空間って空間の認知をしながら自然にやってる行為なんですが、
それには得意な方々もいらっしゃれば苦手な方々もたくさんいらっしゃるっていうことなんです。
そうすると結構こういったサービスがあることでその課題が解決される人たちというのか、
要はターゲットユーザーって結構いらっしゃるっていうことなんですかね。
そうなんです。実は移動が得意な方もいらっしゃれば苦手な方々もいらっしゃいます。
実はそこの裏側には個性というところで日の付いてるんですね。
例えば得意な人たちが移動するモチベーションっていうのは、
例えば街を歩くでもそうなんですけど、興味の持つ者ってその街の人であったり街の個性だったりするんですね。
そういうところがあるから移動するモチベーションになっていきます。
今度逆に移動が難しい人っていうのは移動が難しいっていう特性なんです。
そういった特性を技術で認めてあげるっていうことをやってます。
社会で安い仕組み自体をこの技術開発によって外出しやすく作り上げてるっていうことなんですね。
ヤマナカさんはそういった元々技術のバックグラウンドを持たれてる方なんですか?
元々は私はNTTとかAmazonウェブサービスで勤めていたというところ。
あとはロボティクスベンチャーなどもやっておりました。
これちょっと将来的なことは後でお聞きするとして、お金儲け難しいじゃないですか。
実は観光の話でいうとすごくいろんなところで使われてるシーンなどがあります。
例えばインバーナーですけど、その時にガイドがあったらいいなっていうシーンとか、もしくはなければならないとか、
そこを助けてくれると嬉しいなとか、こうちょっと案内欲しいんだけど、
その時に皆さん地図であったりとかアプリケーション見ますよね。
もう見ないでいいんです、これからは。
それが実は空間認知として課題があったんですね。
私たちの移動生活において。
これがあると周りの特徴であったり個性であったりっていうのを見失っている状態なんです、私たちは。
そうするとなんですかね、美術館とかで音声ガイドとか使いますけど、
あれがどこでも使えるっていうようなそんなイメージになるんですかね。
おっしゃる通りです。
それにナビゲーションを加えた形で提供していくそんな技術になっています。
そのナビゲーションを加えるっていうのはそのマップなんかと連携することで、
実際に次曲がってくださいなのか、
普通のあれですかね、道路のナビゲーションもしてくれつつっていう感じですか。
おっしゃる通りです。
とはいえ従来の大量のデータベースを用いた地図データベースは不要でして、
我々は属性データっていう一基点に作っていますので、
基本データは不要で作り上げていく全く新しいナビゲーションというものになります。
今じゃあ実際にこのアプリケーション、Rubikでよろしいですか。
おっしゃる通りです。
Rubikをお使いの方々っていうのはそういった空間認知が難しい方々および、
外国人とか観光客とかそういった方々に使っていただいているようなイメージですか。
現在は動物園植物園そういったレジャー施設などの使い方、
あとは移動ができない人たちに関してはどちらかというと、
我々は研究開発対象として取り組んでいるんですが、
そこを初期ターゲットとしては置いていないということですね。
なるほど。研究開発、でもそれはある意味その社会課題を解決するっていうようなそういった目的で、
その人たちに対して課金サービスをしているわけではないですかね。
おっしゃる通りです。
それは将来的にはやっていかない。
将来的にはやっていきます。
なるほど。
ですが、アーリーアダプターにならないんですね。
あまりにも特徴がありすぎてとかそういう感じですかね。
その方々って特徴を明確に出すことをあまり好まないんです。
例えばちょっと認知症っぽいなっていう人に対して、あなた認知症ですよねって言うと、
皆さん、
激行しますね。
激行しますよね。
認知症サービスですっていうような歌い方をしないんです。
皆さんが使えるサービスですけど、その方々も社会として認め合って使えるもののサービスにしていくんですということにしておけば、
自然と受け入れてくれる、そんなものになっていくというふうに考えております。
ただし、UXとしてはその方々も使えるように技術開発してるってことなんですね。
なるほど。
これはなかなか難しいというか、ストレートにはいかないですよね。
はい、そうなんです。
ゴルフ場でおじいちゃんたちがシニアティから打たないのと同じような。
おっしゃるとおりです。
ただ、使ってみたらそういった方々も使えるっていうような、そういった感じになるんですかね。
そうするとなんか、すみませんね、ビジネス話ばっかりになっちゃってあれですけど、
実際に最初のターゲットユーザーというか、アーリーアダプターっていうのはどういった方々を想定してらっしゃるんですかね。
先ほど申し上げたレジャー施設などの施設と一緒ともに作っていくっていうことをやっていまして、
それは位置情報と連携しながら、例えば今日ライオンさんの赤ちゃん生まれたよとか、こんな植物咲いたよっていうふうに自由に、
その施設の個性を発信して利用者に喜んでもらえるおもてなしをしていくっていうことからやっています。
なるほど。
で、それを皆さんのスマートフォンにアプリケーションとしてインストールしていただく。
今度は皆さん自身が自分で誰かを助けたいって思ったときに、それを自分で先ほど申し上げたように、
ナビゲーションとか、私たちナビ概要って呼んでるんですけども、自分で作っていただくっていうことを、
例えばご高齢者もあれば、お子さんであったりとかご友人であったり、カップルももちろんあるでしょうというふうな、そんなシーンです。
そしたら、情報を提供する人の属性を一緒に持つことで、こういう人がこういう案内をしています。
例えば小学生がこれすごいって思うことは小学生が言って、これ綺麗だわっていうのをおばあちゃんが言ってとか、なんかそんな感じですよね。
おっしゃる通りです。
おばあちゃんからすると自分の孫から言われるとすごく嬉しかったりとか、
もしくは孫から逆もあり、もしくはおばあちゃんからここ昔こんなんだったよっていうと学びがあったりとか、そこにデータとして永遠と残していくような情報で、
その人たちの息遣いとか、その場所に近づいたものって、その土地由来のものってすごく今消えていっているものが、これは残されるサービスなんですね。
そうか、面白いですね、その視点は。
この間私も夏休みで海外に旅行に行きましたけれども、それで街を歩いていてこのアプリ使っていると音声でそれを教えてくれるんですかね。
はい、音声で教えてくれます。
LOOVICのサービス概念
ピンポイントでここはこの料理おいしかったようなのか、これだけは絶対食べない方がいいようなのかとか、そういった情報を教えてくれたりするってことですか。
おっしゃる通りです。
その時にその地元にめちゃめちゃ詳しくて、川島さん自体がすごく発信してくる人に対してどれだけ信用しているかっていう関係性があってようやく成り立つ。
全く知らない人の声だったら逆に本当大丈夫かなっていうふうにできなくなっちゃう。
そのあたりをすごく大切にしています。
なるほど、そうですね。信頼される情報発信者がどれだけ自分にとって信頼のたる発信者であるかっていうところを担保するみたいなことができてくると、またそれがビッグデータ化してプラットフォーム化していった時にもそれぞれの人たちの信頼度を何らかの形でスコアリングというか自分とのシンクロ度をマッチングさせるようなアルゴリズムを作るんでしょうね。
はい、今それは少しずつ出来上がってきて、もう一つ実は我々はローンチしていくんですが。
なるほど、ありがとうございます。実際、でもこれ誰がお金払う仕組みになってるんですか?
はい、例えば先ほど自分が作ったデータ、例えば地元のガイドを作りましょうっていう話を作った人が、従来だったら現地で人と人が会うようなマッチングサービスでガイドし無料でて、これ無人化できるんですね。
今すぐ使いたいんだけどってユーザーの気持ちがあるのに、いや予約しないと分かんないじゃんっていう状態のじれったさがあるんですが、それをシャクッと利用できる。
いや本当は行きたいんですけど、ガイドする側としては全く同じ人来たのって言って、いや2回目ちょっと面倒くだなって、いやこれデジタル化したいんだけどとかそんなのありますし、
同じ場所に行ってたとしても、やや2回目とか3回目だったんですけど、また連続で同じ場所を案内するのは、プロフェッシャーになるんですが、やっぱり人として労力として、それを無人化できたらすごく楽になっていく。
そこをもっともっと広げていただく、皆さんの得意を生かしていただく、そんなサービスになっています。
そうするとユーザーさんとしてはこれ無料で使えるサービスになるんですね。
ユーザーさんとしては発信者からユーザーさんに販売からっていうことです、コンテンツを。
なるほど、フリーダウンロードでいくらとかではなくて、この体験に対して、だからあれですよね、美術館の音声ガイドと同じ原理ですかね。
なるほど。
それで発信者を選べると、利用する側と。
そうするとそこに利用する側と提供する側でマッチングされて、そこにコンテンツとしての販売収入が両者間で生まれてくるってことです。
だからそれをちょっと美術館の音声ガイドで考えるといろんな言語で持てるっていうことですかね。
おっしゃったです。個性に反するって感じですかね。
だからそれが言語だけではなくて個性も含めたカスタマイズされたガイドができるようになると。面白いですね、それは。
それが熟練であったり、もっともっと深い絵の情報が知りたいなのか、もしくはお子様向けに知りたいのかとか、それぞれ求めてるものが異なっていきますと。それをうまくマッチングしていく、そんな取り組みなんですね。
今後の展望と社会的課題
なるほど。わかりました。それで実際の地図とかはそのアプリ上で見えつつとか、そういう音声と視覚というかビジュアルっていうサービスになるんですかね。
はい、おっしゃるとおりです。地図は見えるんですけど、極力見る機会を減らして、景色を楽しんでいただくっていうことに取り組んでいる会社です。
なるほど。ありがとうございます。このPodcastは基本的に位置情報データ活用のビジネスのためのものなんですけど、これ聞いてる方々からしたら、事業者というかビジネス観点で言うと、なんかRubikさんと組みしえる仕方とかあるんですかね。
はい、我々からすると、まずは今、観光領域にある、やや近いんですけどレジャー施設にあったりとか、行政に向けてまちづくりの提案をさせていただきます。
例えば直近で言うと、富山市なんかではスマートシティ、コンパクトシティにおけるスマートシティで取り組みしているんですが、このコンセプトから含めて我々の技術が活用されようとしています。
ですから、そういった新しいまちづくりのコンサルティングであったり発見であったりとか、あとはそのための今まで取れてなかった属性データっていうのを新たに得て、それを例えば収益としていただくような、そんなビジネスはもちろん可能になります。
例えば先ほど、高齢者向けに危ないよって言ってる情報っていうのは、実は車目線では画像を撮っていって、あの箱空いてるとかいう話は出すんですけど、人の歩く視点ってなかなか撮れないんですね。
実は露骨に撮ろうっていうよりは、ボランティアに集めてやっていこうっていうのは、自然実は皆さんが声分けしているものがデータとして集まっていく、そんなサービスになっています。
なるほど。なんか富山市って、なんか僕川で船に乗った記憶がありますけど、富山で、あんなのでもそういうそこから見える景色を教えてくれるとか、そういったイメージになるんですかね。
車も電車もバスも、どういったところでもこのサービスは使うことが可能です。
いいですね。移動が楽しくなりますね、そうすると。
一人でも多くの方々が愛していただくモチベーションを作りたく、この技術開発しています。
なるほど。ちょっと最初の話に戻ると、あれですか、お子さんはこれ結局今使えているんですか、このサービスは。
はい。技術的には使えますが、まだ一般的にローチはしていませんので、これからもっと使っていくということ。
今、プロダクトとしては試作プロダクトをオープンしていますが、裏側では開発しているものが、これからもっとすごいものが出てまいりますので。
楽しみですね。ありがとうございます。そうしましたら、ちょっと最後に今後の展望というか、Rubikこうなっていくぞ、こうしていくぞ、みたいなお話をしていただければと思います。
はい。2050年には3分の1は高齢者、そのうち半分が認知症を抱えるような世界になっていくというふうに言われています。
そうすると、皆さんが自立しないといけないんですね。でもそれを言った境になった時、誰がそういった方々を助けていくのかって、もうDX化不可逆的な流れなんですね。
日本は最先端で高齢者、高齢化が進んでいってますけども、海外はもっとこうはずでしょうと。
日本のみならず海外に出ていって、世界中の移動シーンを変えていく、そんな技術開発をしてまいります。
はい、ありがとうございます。いろいろ楽しみなお話を聞かせていただきました。ちょっとプロダクトのうち楽しみにしてます。
ありがとうございます。
今日はRubikの山中さんにお話を伺いました。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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