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最近、この動画のコメント欄やインスタグラムのメッセージなどで、人食いバクテリアについて解説してくださいというリクエストが多いので、今日は人食いバクテリアについて解説させていただこうと思うのですが、
そういうと、多分コメント欄で一部の人が、お前美容外科医だろうって、そんな感染症のことなんかわかっちゃいないだろうとかね、専門外だろうとかね、そういうコメントが来ると思うんですけれど、
一応ですね、僕専門の範囲内なんですね。
というのは、人食いバクテリアって今マスコミとかで言われてるんですけど、これ正式な名称は、劇症型溶血性レンサ球菌感染症なんですね。
主に、えし性筋膜炎とか、そういうもののことを言ってるんですけど、このえし性筋膜炎、劇症型の溶血性レンサ球菌感染症っていうのは、
形成外科の範疇の中にある疾患なんですね。もちろん、形成外科以外の科でもこういった疾患を扱うわけなんですけれど、
僕、美容外科医なんですけど、もともと形成外科医やってて、形成外科医の専門医であって、延長線上で美容外科をやってるわけであって、
土台は形成外科で、8年間は形成外科医として働いていたわけで、大学病院とかがんセンターとかでも働いていたわけであって、
やっぱり形成外科医として、そういう大きな病院の中で働いていると、本当に時々、劇症型溶血性レンサ球菌感染症に遭遇するんですね。
えし性筋膜炎とか、放火式炎とか、溶血性レンサ球菌による感染症ですよね。
何例か遭遇していまして、経過も追っております。
で、やっぱり残念なことに、何人かの方はお亡くなりになっていたと。
本当にものすごい勢いでね、症状が進行していて、みるみる状態が悪くなっていくという病気なんですね。
比較的珍しい病気なんですけど、一応こういった病気にですね、遭遇していると、経過を追わせているという経験もありまして、
勉強もしているわけなので、解説させていただこうと思うんですけれど、
このヒトクイバクテリア劇症型溶血性レンサ球菌感染症、これは原因菌は主にA群β溶血性レンサ球菌なんですね。
この菌以外でも同じような症状が起こることはあるんですけど、主にA群β溶血性レンサ球菌が原因菌ということです。
このA群β溶血性レンサ球菌って、実はものすごいポピュラーな細菌なんですね。
そこら中にいるわけです。健康な人間の皮膚とか、あと喉の粘膜とか、消化管に生息している錠剤菌なんですね。
だから別に僕が普通に陰等培養とかして結果を見ると、この菌がよく検出されるわけであって、非常にポピュラーな菌で、そこら中にいる菌なんですよ、実は。
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その菌が急性の感染症を起こすということもよくあるわけですね。
それは例えば、扁桃腺が入れる急性扁桃炎とか、あと伝染性脳下腎、飛び火とか、あと怖い病気としては、
脂性筋膜炎とか、あと放火式炎とか、骨髄炎とか、あとは血膜炎とかも起こすわけなんですね。
基本的に急性感染症が起こるというのは、その宿主の免疫力、感染力が大きく上回っていって、体の中で菌が悪さを増殖するということなんですけれど、
ただ、このA群β-4血性連鎖球菌の急性感染症に関しても、発生起序が未だに不解明なことが多いわけなんですよね。
この菌は毒素を酸性するんですよ。
その毒素が全身性に炎症反応を起こして、多臓器不全になったり、ショックを起こしたりとか、そういう重篤な状態を起こすこともあるという病気です。
だけど、扁桃腺が腫れる、このβ-4血性連鎖球菌が出るということは、普通にポピュラーに起きているわけであって、
致死率が30%ってマスコミが言ってるんだけど、これはあくまで激症型の腰血性連鎖球菌感染症に関しての話であって、
普通に扁桃腺が腫れた、腰血性連鎖球菌が検出されたっていうのは、普通によくあること。
僕も扁桃腺手術で取っちゃったんで、最近はないんですけど、よくそういうことがあったし、別に死なない。
そういうのは致死率は30%ではなくて、ほとんどの人は後世代の投与とかで治ったりとか、あるいはそれを繰り返したりしているわけであって、
あくまで致死率30%って言われているのは、激症型の腰血性連鎖球菌感染症の話なわけなんですよね。
だから、A群腰血性連鎖球菌が全て怖いっていうわけではないんで、そこを混同しないようにしていただいた方がいいと思いますね。
あとは、急性の炎症が起きた後、例えば急性の扁桃炎の後に、免疫反応によって全身性にいろんな症状が出るということもあります。
例えば、喉の急性扁桃炎が起きて、しばらくしてからリュウマチネツが起きたり、リュウマチネツというのは後半が出たりとか、関節炎とか心筋炎とかが起きたりとか、あるいは四半病になったりとか、あるいは子球体陣炎になったりとか、そういうことも起こるわけです。
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今、ニュースとかで話題になっているのは、ひと食いバクテリア、激瘡型の方なんですけれど、主に一斉筋膜炎とか、放火式炎とか、そういう症状、手とか足のちっちゃな傷口から菌が入って急激に炎症が広がる。
これは致死率が30%ぐらいだと言われているんですけど、この激瘡型の溶結性連鎖球菌感染症なんですけれど、これは今、日本で過去最多と言われているんですね。
ニュースになって騒がれているんですけれど、ただ、2019年までずっと上昇傾向だったんですよ。その時もニュースになって話題になっていたんですけれど、その後コロナ感染症が広がったと。
コロナ禍でひと食いバクテリアの症例数も減ったんですよね。それはおそらく日本中の国民がしっかりと感染対策をしたからだと思うんですね。
特に消毒とかマスクとか手洗い、マスクとかうがいとかも効果があったかもわからないですね。主に接触感染とかあるいは飛沫感染が元なので、特に手洗いとか消毒とかね、体中を清潔にするという習慣がすごく根付いて、それをみんな徹底していたので、
その時はひと食いバクテリアの症例数も減っていて、その後5類になってから感染対策が緩んで、再び上昇傾向で今ものすごく増えていると。
2023年だと届け出の死亡例が97、届け出時の発症数が340と、それぐらいの数で。だからコロナ感染とかに比べると数はうんと少ないんですけど、上昇傾向で今過去最多と言われているというわけです。
あとはインバウンドが増加して海外から毒素の強い菌が入ってきたんじゃないかという説もあります。これは一部の専門家の方がおっしゃっているんだけど、これもまだはっきりしていないわけであって、
そもそもなんで普通に扁桃炎とかを起こす菌なのに劇症化するのかって、このシステム自体もまだわかっていないことがすごく多いんですよね。
よく言われているのが、触手の毒素に対する感受性の強弱があるんじゃないかと。劇症化しやすい人としにくい人がいるんじゃないかという説もあるわけだし、あとは毒素を作る遺伝子が変異して、毒素を調節する遺伝子があるんですね、菌にも。
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変異して大量に毒素を酸性してその時に劇症化するんじゃないかとか、そういったいろんな説があるわけで、はっきりわかっていないんです。
だから非常にポピュラーな菌なんだけれど、なんでこれが人食いバクテリアっていう恐ろしい状態を作るのかって、これもはっきりわかっていないことが多いんですけど、だけどこういう病気があるっていうことは事実なので、感染対策はしっかりしていかないといけないし、この病気について皆さんが学んでいく必要もあるわけであって、
何がこの病気怖いかっていうと、もうご存知の方多いと思うんですけど、感染してからの進行のスピードがすごく早いんですね。
衛星筋膜炎などにしても、きっかけは手とか足とかの小さい切り傷とかから、そこから菌が侵入してきたんではないかっていう、そういう感じのスタートが多いんですけど、ただその感染経路自体も不明っていう人も結構いるんですよね。
そこがまた恐ろしいんですけど、多くの場合はおそらく傷口から菌が侵入して、皮膚とか筋膜筋肉がどんどんどんどん衛星していくと。
早いと1時間で数センチのスピードで衛星が進行していくわけですね。
毒素も酸性していくわけなので、大量に酸性した毒素が全身に血流に乗って回って、多臓器不全とかショックになってしまったり、最悪の場合はお亡くなりになると。
そういう病気になると、致死率は30%まで上がってしまうということですよね。
なので、この菌は抗生剤がよく効くって言われてるんですけど、ペニシリン系の抗生剤などがよく効くって言われてるんですけど、それ以外の抗生剤もできるようになるんですけど、
ただ、あまりにも衛星が進行していって、抗生剤では間に合わないという状態になるんですよね。
となると幹部を切断しないといけないんです。
大量に毒素が酸性したり衛星が進行する前に腕なり足なりを切断して、そこで食い止めないといけない。
それで助かる人もいれば、それでも助からない人もいる、間に合わなかったと。
毒素がすでに全身回って多動器の前になってしまって、間に合わないという場合もあるわけであって、
助かったとしても幹部を切り落とされるとか、そういう状態になってしまって後遺症が残るということもあるわけですよね。
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なので、何か異常があればすぐ病院に行って、怪しければ抗生剤を早く投与するということはすごく大事ですよね。
ということで何か異常があれば、手足の先が急激に腫れ上がって赤くなって、
という状態があったらすぐ病院に行ってくださいというのがすごく大事だと思います。
あとは予防対策としては、基本は清潔にするということですよね。
不潔にしている人ほど、幹部から傷口から感染して、そこから菌が増殖してということが起こり得ると思うので、
その傷口とか幹部を清潔にすると、傷を作ったらなるべくそこを清潔にして水で洗って、汚いものが入らないようにするということはすごい大事ですよね。
あとは、ディスクファクターとしては、免疫力がもともと低い人はそういった病気になりやすいです。激瘡型になりやすいと言われています。
あとは基礎疾患のある人、特に糖尿病とか全身の血流が悪くなっている人、症の血流が悪くなっている人は特に幹部の免疫力も低下しているので、より気をつけないといけませんよと。
あとは統計的には30歳以上の人がこの病気になりやすいんですね。子どもは比較的なりにくいと言われています。
このメカニズムもはっきり分かっていないんですけど、子どもは普段から幼齢菌、喉とかに曝露されていて免疫力があるからこういった激瘡型にはなりにくいのではないかという説があるんですけど、統計的には30歳以上の人がこの病気になりやすいので、より気をつけましょうということですよね。
あとは免疫力が低下しないように健康的に生活しましょうと。栄養のバランスの良いものを食べて、睡眠時間もしっかりとって、睡眠不足が免疫力が低下しますので、あとはストレスを溜めないように、ストレスが溜まると免疫力が低下しますので、あとは適度に運動した方が免疫力が下がらない。
あとはタバコとかアルコールも良くないですよと。そんな感じで普段から感染対策を心がけましょうと。あとは体を清潔に保ちましょうと。傷口があったらそこを汚い手で触らないようにしましょうと。手洗いしっかりしましょうというのが感染対策でございます。
なので、コロナ感染の時みたいに急激にものすごい数が広がったりとかという病気ではないんですけれど、まだ2023年の時点でも何百という症例の範囲内ですので、それでもこういう病気があるということを頭の片隅に入れて感染対策することが大事だと思います。
はい、というのが私からのアドバイスです。ご視聴ありがとうございました。
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ありがとうございました。