1. 100円で買い取った怪談話
  2. #39 座棺【香川の怪談】
2021-10-13 10:10

#39 座棺【香川の怪談】

※一部聞き取りづらい部分がございます。ご了承ください※
座棺をご存知ですか? 棺の種類の一つであり、ご遺体は、膝を曲げて座る形で納めます。それに対して現在一般的に使用されている、ご遺体を寝た状態で納める棺を寝棺といいます。土葬が一般的だった時代、棺といえば座棺であり昭和になって火葬の風習が広まった後も一部の地域では使用されていました。今回お届けするのは、以前開催された「一話百円百物語」というイベントで買い取った怪談です。   
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この番組では、私が行っている怪談売買所で買い取った、世にも奇妙な体験をされた方のお話をお届けします。
座棺をご存知ですか?
質着の種類の一つであり、ご遺体は膝を曲げて座る形で納めます。
それに対して、現在一般的に使用されている、ご遺体を寝た状態で納める棺を寝棺と言います。
土層が一般的だった時代、棺といえば座棺であり、昭和になって花装の風習が広まった後も一部の地域では使用されていました。
今回お届けするのは、以前私が主催した1話100円100物語というイベントで買い取った怪談です。
これは、そのイベントでえいちさんという女性が語ってくださった、まだ座棺が使用されていた時代のお話です。
私が子供の頃に、おばあちゃんの座棺の話ですごい怖い話があったのを思い出したんですけれども、
おばあちゃんの時代も、当時はまだ土層で、お墓も座棺といって今みたいに寝て入るタイプの棺桶というんですか、じゃなかった時代なんですね。
死者はここに三角の白い布を着せられて、白い服を着せられて、その座棺に入れられて焼き場へ持っていかれるという話なんですけど、そういう風に葬儀を進めていたらしいんですけど、
その頃、おばあちゃんもまだ子供だったので、今みたいにちゃんとしたところでおこつあげというんじゃなくて、木を組んだようなところに持っていって火をつけて、その座棺をそこで焼くという感じのことをしていたらしいんですけど、
ある時、家族が仏様を焼く時に周りで見守っていたらしいんですけど、火をつけてちょっとした途端に座棺の上に木の蓋がしてあるらしいんですけれども、それが突然パーンって弾けたと思ったら、中の仏様が急にすっくって立ち上がったらしいんですよ。
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で、それだけでも周りもみんなびっくりしますよね。わって感じで。
そしたら、耳の穴とか鼻、口から青い炎を放ちながら立ち上がった仏様がうっすら目を開けるんですって。
でもそれが何とも言えない怖さだったらしくて、それもね、先ほど話されたように、焼ける工程でそうなるんじゃないかっておっしゃってたんですけど、それもそうなのかなって思うんですけど、その時に仏様を座らせないといけないらしくて、立ったままじゃなくて座らせるために何をするのかって言ったときに、
おばあちゃんがそれをその辺のひかき棒で押したり、何とかして座らせようとしても絶対に座らないんだって言うんですよ。
その時は何するかって言ったら、竹の竹棒器みたいで後ろからパンと背中のあたりを叩くんですって。そしたら他のいろんなもんで、押そうが何しようが座れへんかった仏様が竹棒器でパンと叩いたら元のおかんの位置にストンと座るらしいんですよ。
そういう話をおばあちゃんから聞かされてすごく怖い思いをしたことがあるんですけれども、おばあちゃんは四国の香川県の出身なんですけれども、当時は土葬ではそういうふうなことが行われていたのかなと思って、怖かったのを思い出しました。
死体が動いたり、声を出したりすることはあります。
人は死んだ後でも筋肉が収縮したり、あるいは腐敗が進むにつれて腕や足を伸ばしたり縮めたりします。
体内にガスがたまるとまるで息をしているかのようにお腹が動きますし、そのガスが喉を通って口から出ると声を発します。
命の灯火が消えた後も、人の体の中では様々な変化が起きており、それに伴って体は動くのです。
しかし、今回紹介したお話のように死体が立ち上がり、目を開け、棒で押してもついても倒れないという状況は、今の病理学の観点からは考えられないことでしょう。
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そもそも、人が2本の足で立ち上がるのは大変に高度な次元でバランスを取る必要があり、内耳や目などの感覚器とその中枢神経の働きがなければ無理な動作なのです。
ただし、現在の科学では完全に否定されますが、死体が動いたり歩いたりするという話は昔から伝わっています。
土葬が一般的だった当時、人は墓場から死体が家に帰ってくることを恐れていました。
だからこそ、それを防ぐために様々な策を講じたのですが、そのうちのいくつかは現在の葬祭の儀礼の中に残っています。
例えば、釘打ちの儀式。
棺の蓋に石で釘を打ち付けますが、これはもともと死体が蓋を開けて出てこないようにするという意味があります。
また、墓場では線香を焚きますが、これも線香で遺族や参列者の臭いを消すことで、死体がそれをたどって家に帰ってくることを防いでいるのです。
つやの夜に行う寝ずの晩もそうです。
それを行う理由はいくつかありますが、その一つに猫を近づけさせないためというものがあります。
猫には死体を操る能力があると信じられていました。
落語、夢見の八兵衛にも猫が死体にいたずらをして喋らせる場面があることからも、このような考え方が一般的であったことが伺えます。
昔の人は死体が動くことが異常なことであり、だからこそそれを恐れていたのでしょう。
人の体は死んだら動くことはない。
もし動いたとしたら、見た目はその人であっても、中身は全く別の得体の知れない化け物だというふうに考えていたように思えます。
これによく似た考え方にヨーロッパの吸血鬼伝説があります。
凶悪な犯罪者が死に、死体をそのまま埋葬すると吸血鬼となって蘇り、夜な夜な墓から抜け出して人の生き血を吸う怪物になるという考えが中世のヨーロッパにはありました。
伝染病が流行って病に倒れる人が多く出た時などは吸血鬼の仕業とみなされ、過去に死刑となった犯罪者の墓が掘り返されることも少なくなかったようです。
その結果、数ヶ月経っているのに死体が腐っていなかったり、死体に明らかに動いた形跡があったりすれば、その死体は吸血鬼であり、墓から抜け出して人を襲っているのだと考えられたのです。
当時の人たちは、まだ腐敗のメカニズムに対する知識を持っていなかったために生まれた迷信ということになるでしょう。
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吸血鬼と判断された死体には杭が打ち込まれ、口には石やレンガが詰められました。
そのような死体は吸血鬼伝説で有名なルーマニアだけではなく、東欧諸国で発見されています。
このように、ヨーロッパの吸血鬼伝説にある数々の現象については、現代科学でほぼ解明されているのですが、今回のお話にあった燃えながら立ち上がる死体については、全く説明がつかないのです。
亡くなった人の無念の思いがそうさせたのか、猫に操られていたのか、それともこれを語ったエイジさんのおばあちゃんの単なる記憶違いなのかもしれません。
真相がわからない。だからこそ、ここで語られた出来事は怪異であり、この話は怪談なのです。
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それではまた次回、お会いしましょう。
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