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ポッドキャストプロダクション、PitPaからのお知らせです。
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話の合間にちょっとシーンってなるときがあるんです。
で、シーンってなったときに、血の匂い1000円買っておられたんですよ。
犬が、なんかちょっとおかしいんですよ。
ほんまに人がおるみたいな。人に触ってもらってるみたいな。
はじめまして。怪談作家の宇都郎しかたろうです。
この番組では、私が行っている怪談売買所で買い取った、世にも奇妙な体験をされた方のお話をお届けします。
その前に、怪談売買所について説明しておかなくてはいけないでしょうね。
怪談売買所っていうのはですね、兵庫県天ヶ崎市のとある市場で、私が出しているお店です。
ここでは目に見えないものを理解しています。
それは、怪談です。
世の中には、普通ではありえない、奇妙な体験をされた方が数多くいらっしゃいます。
そういった方々にお越しいただき、どのような体験をされたのか、その方が語ってくだされば、1話につき100円を私がお支払いします。
逆に100円をお支払いいただいて、私がこれまで集めた数々の怪異体験談を語って聞いていただくことも可能です。
そうやって1話100円で怪談をやりとりするお店が、ここ、怪談売買所なのです。
怪談売買所には様々な方がいらっしゃいます。
怪談が大好きだという方はもちろん、自身の怪異な体験を誰にも話せずに悩んでいたというような方なども来られます。
そういった様々な理由で怪談売買所に来られた方が語られた怪異な体験談、すなわち怪談を、この番組では体験された方の許可をいただいた上で紹介していきたいと思います。
今回は、とある女性が犬の散歩の途中で体験したお話です。
深夜に犬の散歩をしていて、この道通りたくないなーとか、誰もいない場所で犬が一点をじっと見ていたり急に吠え出す、そんな経験をされたことありませんか?
これは犬を飼っている人には誰にでも起こり得るかもしれない、そんな物語です。
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お話をしてくださった方のプライバシーのために一部音声を変えています。
犬の散歩に行ってたんですよ。公園を横切って道路を渡ってパーって行くんですけど、この手前側っていうのって桜は結構すごいんですけど、昔なんか首吊りとか結構あったらしくて、やっぱなんか雰囲気もなんかそんな感じだったんですよ。今も改装されてめっちゃ綺麗になってるんですけど。
で、たまに私もちょっとメンタル弱い時とか体調悪い時とか気持ち悪くて入れないっていう時とかもあるぐらいちょっと気持ち悪い公園で、特に夜中なんで。
で、その時は普通になんか底通りたくなくて、ちょっと遠回りして反対側の公園の方に行ったんですよ。で、その反対側の公園の道路沿いに昔土手があって、土手っていうかちょっとパーって坂があってこうなって、階段がこう2カ所か3カ所ついてて、柵で上は囲まれてて、でベンチが4つ5つあって、こう柵で囲まれててベンチがこうこうこうこう、で真ん中に街灯があって、街灯の下あたりにもう1個ベンチがあったんですよ。
で、私いつも犬連れて行く時、そこで携帯触ってなんやしたいから、犬を柵にくくりたいから柵側の椅子にベンチにいつも座るんですけど、その時なんかちょっと細かい作業なんかしたくて、街灯の下に座ろうと思って土手の真ん中に座ったんですね。
で、犬がやったらそのいつものところに行きたがるから、犬ってそういう縄張り的なのがあるからそんな感じかなと思って、もう分かった分かったって言ってバーってくくって、でなんかバーってしとったら、なんかちょっと様子がおかしいじゃないけど犬がなんかちょっとおかしいんですよ。
で、おかしいって言うのもほんまに人がおるみたいな。なんか人に触ってもらってるみたいな。ん?と思って。真っ暗やし誰もおらんし、人通りもまあないんですよ。で、草刈りしてないとすごい草も生い茂っててっていう場所なんで、バーって作業してて。
で、なんかふっと見たらおっちゃん立ってて、このおっちゃんっていうのが作業服を着てるんですけど血だらけなんですよここが。で、血だらけで、でまあ初老のおっちゃん多分60ぐらいの、60ちょいぐらいのおっちゃん、おじいちゃんおっちゃんかな、で作業着であの作業棒みたいな被ってるような、でおっちゃんやって。
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と思って、まじで、いやもう絶対これ血だらけってこれやばいやんと思って。でスルーしたんですよこうやって。スルーしてこう撮ったら、お姉ちゃんあるやんなーみたいな。いつもこんな時間に散歩してるなーみたいな。で返事しちゃったんですよ普通に。ああそうですね仕事がーとか言って。しゃべってもらったって思いながらも、でもちょっと自然にせなあかんみたいなところがあって。
で、まあ普通にそんな感じでしゃべってて、夜遅いのに暗いし危ないでーみたいな。普通に優しい普通のおっちゃんやったんですよ。で、かわいいなー言って犬も普通に撫でられとって懐いてて。で、でも今までそんなこと別になかったんですよ。しょっちゅう土手には行ってるけど、別にそんななくって犬がどっかに吠えるとか、なんか走っていくとかっていうのって別に今までなかったから、えーっと思ってて。
で、普通にはちょっとした世間ばかりじゃないけど、どんな仕事してんのとか。で、ちょっと話して。まあ話しの合間にちょっとシーンってなるときがあるじゃないですか。で、シーンってなったときに、血の匂い1000円買っておれたんですよ。おっちゃんに。で、私、何思ったんか。いやおっちゃん血だらけやでって言うてもうて。あ、これもう、あ、やばい、もう、あ、殺され、これもう終わった、これはもう今日帰られへんわ。もうシーンだなって思ったら。
あ、やっぱりなーみたいな。取れへんねんみたいな。あ、そうなの。で、シーンってなって。これこれ待って待って、これどうなんでやろって思っとったら、まあしばらくしておっちゃんが普通に。まあもうそろそろおっちゃんの時間だし、行くわなーって言って。で、おうおうって言って。まあおっちゃんも気を付けて、あーみたいな感じで。で、おうおうみたいな。
のねちゃんもあんまりやでーって夜中歩いてて危ないでーって言って。で、まあ土手の上からこう、ちょうどそのベンチの柵に向かって私座ってたんですけど。あ、そっち側に階段がこうあるんですよ。降りてく階段があって、その階段を降りていって私はもう後ろ姿もう目離されへんかって。まあなんか、なんやろこの感じみたいな不思議な気持ちだったらずーっと後ろ姿を見とったら、階段の真ん中ぐらいでスッて聞いた。あ、やっぱり死んでた。
で、調べて、自殺とかでも食いつりは多いけどそんななんか血だらけになってるから。で、調べたら別に事件とかもないし、え、なんやったらな。で、あのーそういう話をまあうちの親とか、最近また久しぶりにちょっとしたときに、あ、そうそう、その公園のその土手のあたりとかって昔、戦時中とかなんかそういうときに死体置き場とかになんかなってたらしいです。そうそう、それ最近そう、それ最近聞いた。
で、そうそうそう、死体置き場とかにはなってたって聞いたけど、でも実際だからそんな、戦時中に死体置き場だったらその血だらけのおっちゃんが、しかも急に出てきて、で、いやまあ関係あんのかなーとか思うけど、わりとまあまあなんかそういうのはあるっつあるらしくて、だからたまたまその調子悪くてそのときちょっと疲れてて、まあ見ちゃったのかなーみたいな。
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いかがだったでしょうか。いつもの時間、いつものコース、なんでもない犬の散歩の最中に突然カイが紛り込んでくると。カイはいつ何時私たちの日常に姿を現すのかわかりません。それを改めて思い出させてくれる体験談だと思います。
ただ、この体験談では、体験された方が一つだけいつもと違うことをやっています。それは、いつも行く公園で座る場所を変えたという点です。
普段の行動や環境をほんのわずかに変えたことにより、カイのスイッチが入ってしまうっていうことはあるようなんですね。例えば、普段は閉めておく部屋のドアを開けたままで寝るとか、棚に置いてある人形の位置を変えるとか、部屋の方向材を変えてみる。
そんな何がきっかけになるかはわからないんですよね。 今回の場合はいつもと違う場所に座ったことがカイのきっかけになったように思えます。
さて、この話は体験された方にしてみれば、生きた心地もしない恐ろしい体験だったようなんですけども、
ただ、ここに現れたあやかし、幽霊といいますかね、そういったこの世ならざる者、その立ち入り振る舞いからは、どこか物悲しさが立て寄ってくるように感じられてならないんですよ。
まずこの男性の方の物腰が柔らかい。また、この男性は体験された方の身を案じて話しかけてきたようなんですよね。
彼が最後に土手の階段に消えていく直前でさえ、彼女への気遣いを忘れませんでした。
もし彼が亡霊であったとするならば、生前この男性がどのような人物だったのか、ある程度を想像することができますよね。
とても優しくて思いやりのある方だったに違いありません。
またこの男性は途中から血の匂いについて尋ねてきます。
それは自分が死んだことに気づいていないというよりも、死んだことはわかっているんだけども、それを信じたくない彼の複雑な心境が明確にしているように思えるんですよ。
死んだことを認めたくない。でも自分が死んだのは明白だ。
どこかでそれを認めなくてはならない。だから誰かにそのことを言葉にしてはっきりと指摘してほしかったのではないか。
体験者から血まみれであると教えられた時のその男性の寂しそうなその表情がそのことを物語っている。そんな風に思えるんですよ。
この体験談の興味深くも意義深いところが、その講演が戦時中に空襲で亡くなった人たちの死体置き場になっていたという事実が判明した点でしょうね。
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実際のところがどうなのかはわかりませんが、あの男性はひょっとしたら空襲で亡くなった地元の方だった可能性が浮上してきます。
服装も戦時中の工場で働く工員の格好であると言えなくもないでしょうし、腹部から大量出血している点は、戦闘機による機銃操作によるものか、あるいは爆弾で負った傷なのかもしれません。
調べてみると、この講演のある一帯では、戦時中に複数回にわたって空襲があり、その時期によっては焼夷弾の他に機銃操作や爆弾による攻撃もあったことがわかっています。
過去にその場所で起きた事実と符号する点があるというのは、回体験として大変に貴重なものです。
それに加えて、戦争という悲惨な歴史が背後に見え隠れする体験談は、次の世代への教訓にもなると思うんですよね。
これが実話であるからこそ、私たちはそこから大いに学ぶべきことがあるのではないかと。
そこに現れた男性の悲しみとか悔しさとか虚しさ、そしてその人の他人を思う優しい心、それはですね、決して無駄にしてはいけないように思います。
皆さんはどう感じられたでしょうか。
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この番組はポッドキャストプロダクション、ピトバのオリジナルコンテンツです。
それではまた次回お会いしましょう。