2023-03-30 07:08

#39 徒然草(つれづれなるままに)

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鎌倉時代の随筆、徒然草の第一段をご紹介します。
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はい、それでは今回は、つれづれ草を読んでいきたいと思います。
こちらは、健康奉仕ということの書いた随筆でございます。
今回も出展は、ビギナーズクラシックス門川書店の日本の古典から、つれづれ草からでございます。
つれづれ草はこちら、随筆なんですけれども、非常に多岐に渡ったお話があるんですね。
どこか節話的な部分もありまして、いろんな仏教に関わるお坊さんとか、そういう方々のお話なんかを持ってきて、それに対しての教訓なんかも書いたりしております。
ただ、最初のところはですね、序文にあたるような部分です。
ここではかなり自由な形式で書いております。
今回はその部分を読んでまいりましょう。
つれづれなるままにから始まる非常に短い部分です。序断と分類されております。
では、読んでまいります。
つれづれなるままにひくらしすずりにむかいて
こころにうつりゆくよしなしごと
そこはかとなくかきつくればあやしうこそものぐるおしけれ
最初につれづれなるままにから始まります。
つれづれというのは、よくひまだとかやることがない、用事もないなんて訳されたりいたしますけれども、
いろんな用法があるんですね。
例えばですね、なんかこうやらなきゃいけないこととか用事があったりとか
非常にこのですね、本当にひまなわけじゃないんですけれども
こころではなんかもうほかのことが手につかなくって
それでぼんやりしているような様子の時なんかをつれづれということも多いようなんですね。
もちろん単になんか手持ちぶさだだって時もあるんですが
なんとなく気分が重かったりとか
なんか気分がのらなかったりとか、体調が悪かったりとか
そういうようなことがあって行動がとれないような
結果的にひまになっている。そんな様子をつれづれというらしいんですね。
そんな時にひくだし、すずりにむかいて
ひくだし、その日を暮らすとか言ってひくだしと言いますけれども
ひくだしというのはこれは一日中という意味ですね。
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一日中すずりにむかいて
すずりですから目の前にあるこの書道をする時に木銃とか炭を入れるすずりですね。
そのすずりにむかって
こころに移りゆくよしなしごと
心の中で移っていく、移ろっていくよしなしごと
よしというのは理由のゆうとあて字いたします。
理由がないこと、つまり特に意味のないこと
どうでもいいようなこと、きまぐれなことなんかをそこはかとなく
なんとなくですね、なんとなく書きつくれば書きつけていくと
つまりなんかこう気分が乗らなくって何もできないなっていう時に
一日中ずっとすずりに向かって
ここの移っていくものをさらさらと適当に書きつけていくっていうんですね。
ですからなんかこう文章を書いてみようとか
これからこんな対策を書き上げようとかそういうことってよりはどちらかっていうと
なんかもう今日はやる気がない、もう何にもなんないからとりあえず
もうこの思いをとにかく書きつけていこうと
非常に今でいう日記の役割の一つに近いかもしれませんね。
SNSとかでね、例えばツイッターとかでなんかこう語るときなんかも
そういう側面があるかもしれません。
もしくはブログを書いてみるとかですね、そういったものに近いかもしれません。
とにかくここの中にあるようなものを書きつけていくことで
気を紛らわそうとしたり、その鬱屈した思いを何とかしようとするようなものかもしれませんね。
そのような様子でいると、そのようなことをしていると
あやしゅうこそものぐるおしけれとあります。
あやしゅうっていうのはあやしくという意味です。
あやしいってなんか不思議だとか奇妙だとか不審だとかね、そんな訳し方をいたしますが
なんかわかんないんだけれども、ものぐるおしけれと。
ものというのは説当語というもので、言葉の頭につく言葉ですね。
ですからそんなに気にしなくてもよろしいと思います。
なのでくるおしいんですね。
くるおしい、なんかくるってしまったようになると。
これも様々な解釈ができると思うんですけれども、
なんか不思議なくらいに奇妙なほど、なんかくるったような感じになる。
どうでしょうね。
何かブログを書いたり日記を書いていると、妙な気持ちになってくるというか、
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ある意味では心が済まされるようなものもあるかもしれませんが、
ある意味ではなんかこうちょっと心がつらいというか、
なんかこうドキドキしてしょうがないような思いになるところもあるかもしれません。
そのようななんか心がくるったようになる。
これは決して悪いこととも捉えられないんですけれども、
ただいずれにせよあまり正常な状態じゃないというか、異常な状態にある。
そういうような心境になっていくというんですね。
そもそもがつれずれなる状態っていうのは、
あまり落ち着いた状況というわけではないんですよね。
ですからその中で物事を書きつけていく、
自分の心の内面を表面化していくことによって、
何か心に不思議な作用が起きる。
そういったことが書かれているのではないかなと思います。
こんなところからこのつれずれ草は始まっていくということでございます。
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