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2025-05-06 12:18

マイケル・ホワイトの治療的会話を読み解く

ナラティブ・セラピーの創始者であるマイケル・ホワイトのセッション動画がいくつかの場所で公開されています。そのなかで、YouTubeで公開されている「Escape From Bickering (口論からの脱出)」と題されたセッションについて、Google の AI ツール「NotebookLM」を使って読み解き、ポッドキャスト風の音声概要を生成しました。

 

今回読み解いたマイケル・ホワイトのセッション動画 (Escape From Bickering Session 1-3) は、Dallas Theological Seminary の YouTube チャンネルで公開されています。

 

また、NotebookLMを活用して、このセッションを深く読み解くアイデアについて、note にまとめてみました。

Summary

このエピソードでは、マイケル・ホワイトのナラティブセラピーを通じて、ある家族が困難な状況から希望を見出していくプロセスが解説されています。セッションの中で、家族の過去の物語がどのように変わり、新たな希望の兆しが生まれるかに焦点が当てられています。マイケル・ホワイトの治療的会話では、ナラティブセラピーの手法を通じて家族の行動の意味が掘り下げられ、新しい希望の物語が紡がれていることが強調されています。また、リフレクティングチームの役割や第三者の視点が新たな物語の形成にどのように寄与するかについても触れられています。

家族の背景と問題
さて今回は、ある家族がセラピーを通じて、まあ困難な状況からどうやって希望を見出していくのか、その実際の記録を一緒に見ていきたいと思います。
情報源は、あのオーストラリアの著名な家族療法家、マイケル・ホワイト氏が行ったセッションの記録ですね。
あと解説記事。
はい、これはナラティブセラピーというアプローチの非常に興味深い実践例ですね。
ナラティブセラピー。
これは人々が自分自身とか、まあ世界について語る物語、ストーリーですよね。
それが、その人の経験とか行動をどう形作っているかに注目する考え方なんです。
なるほど、物語が現実を作るみたいな。
そうですね、特に問題に満ちた支配的な物語から、もっと希望のある新しい物語へと移っていく、そのプロセスが非常に重要になります。
その物語をどう書き換えていくのか、具体的な対話を通して、まあ変化の兆し、専門用語で言うとユニークな成果ですか。
それを見つけて力づけていく、その確信を探っていくと。
ええ、その通りです。
これを見ていくことで、もしかしたらあなたの周りの状況を捉え直す、何かヒントが見つかるかもしれませんね。
そうだといいですね。
ではまず、今回取り上げるのはどんなご家族だったんでしょうか。
はい、ソーシャルワーカーのデイビット・メザー氏が紹介した4人家族です。
4人家族。
18歳の息子さんマイク、彼は過去に放火歴があって、その時、施設に入所中でした。
放火歴。
それから12歳の娘さんデビー、彼女も過去に自殺未遂の経験があって、セッションの少し前に家に戻ってきたばかりという状況でした。
大変な経験をされてるんですね。
そしてご両親のビッキーさんとダンさん、この4人です。
なるほど、そのご家族が抱えていた支配的な物語、つまり彼らを縛っていた問題のストーリーというのは具体的にはどういうものだったんですか。
やはり一番大きいのはマイクさんの放火犯というレッテルですよね。
重いですね。
それから妹のデビーさんの過去のトラウマ、そしてお兄ちゃん間の絶え間ない激しい口論。
記録ではビックリングと表現されていますが。
お兄ちゃん喧嘩が絶えなかったと。
そうなんです。これらが家族全体を問題家族として定義付けてしまっている。
さらに群の機関とか他のセラピストからのプレッシャー、そういう外部からの目もあって、なかなか希望が見えにくい、そういう状況だったと言えますね。
新たな物語の構築
まさに問題にがんじがらめになっている感じですね。
そんな中でマイケル・ワイトシが取ったアプローチ、これが非常に興味深いですよね。
セッションが始まった時、多くの関係者はやっぱり放課の話を聞きたかった。
でもワイトシはそうじゃなくて、マイク自身が一番気にしていた妹さんとの口論、そっちに焦点を当てたと。
そうなんです。これはすごく重要なポイントで、古い問題の物語をまた繰り返すんじゃなくて、マイク自身の声、彼の懸念にまず権利を与えるというか。
なるほど。本人主体で。
そこから新しい対話の糸口を見つけようとしたんですね。
そのための具体的な手法として、問題の外在化?
はい、そうです。問題の外在化。
これは、たとえばお兄ちゃん間の口論を、彼らの性格の問題みたいにするんじゃなくて、2人の関係を邪魔してくる外部の存在として扱うんです。
へー、面白いですね、その捉え方。
口論っていう厄介者がいて、そいつが2人の仲を悪くしてるんだみたいな。
そう捉えのむすことで、じゃあその口論に対して2人が協力してどう立ち向かうかっていう新しい視点が生まれるわけです。
なるほど。個人を責めるんじゃなくて。
そうそう。たとえば口論に対してストライキを起こそうとか抗議しようとか、そういう言葉で2人の共同作業を促したんですね。
ストライキとか抗議とか、言葉の選び方もユニークですね。
問題を擬人化してそれに対するアクションを考えるという。
それで実際にセッションを進めていく中で、その支配的な物語とは違うユニークな成果、つまり希望の兆しみたいなものが次々と見つかっていったんですよね。
まさにそうなんです。ホワイト紙はこういう問題の物語に埋もれがちだけど、実はすでに起きているポジティブな事実を輝く事実、スパークリングファクトと呼んですごく大切にしました。
輝く事実。具体的にはどんなことが?
例えばですね、マイクさんが自発的にシャワーを浴びたり、家事を手伝ったりするようになったこと。
おお、変化ですね。
それからデビーさんが自分の部屋を整理整頓するようになったり、学校の勉強で成果を上げたり、将来のことを考え始めるようになったこと。
妹さんの方も?
ええ。さらに重要なのは、マイクさんがそのデビーさんの変化、成長にちゃんと気づいて、それを肯定的に捉えているっていうこと。
あ、お兄さんが妹さんの良い変化に目を向けられるようになった。
そうなんです。そしてデビーさんの方もマイクさんの変化、例えば彼が手伝いをするようになったこととかをちゃんと見ていて、それを肯定的に受け止めている。
お互いをポジティブに見られるようになってきたんですね。
質問の力とその効果
ええ。そういう具体的な事実がいくつもいくつも見つかっていったんです。
それからマイクさんが将来について語った言葉も印象的でした。
ああ、そうですね。消防士になりたいと。
これ過去の放火っていうことから考えると、すごい転換というか。
まさに。単に過去と対照的っていうだけじゃなくて、これはかつての放火犯という物語を未来を守る側へと彼自身が力強く書き換えようとしている、そういう意志の現れとも解釈できるわけです。
うわあ、それは本当に力強いですね。あとお母さんのビッキーさんの変化も大きかったとか?
ええ。ビッキーさんの役割は非常に大きかったですね。
彼女はマイクさんの放火犯っていうまあラベルですよね。ホワイト紙はこれを古い写真って表現してましたが、それにとらわれずに彼の持っている力とか可能性、つまり新しい写真を信じて、彼のために積極的に行動を起こす、いわば抗議するようになったんです。
息子さんのために声を上げると。
そうです。例えばマイクさんに対する周りのネガティブな見方に対して、いや彼はこういう良いところもあるんだと主張する。ホワイト紙はこのビッキーさんの行動を家族にとってのパイオニア的活動、つまり新しい道を切り開く先駆的な行動だと捉え直して力づけたんですね。
なるほど。お母さんの行動が家族の新しい物語を後押ししたわけですね。
その通りです。
ホワイト紙はこうしたたくさんの輝く事実をどうやって引き出して、そして忌み付けていったんでしょうか。単に見つけるだけじゃなくて。
それはやはり質問の力が大きいですね。ホワイト紙は2つの質問を巧みに使いました。行動の風景を探る質問と意識の風景を探る質問です。
行動の風景と意識の風景。
行動の風景っていうのは具体的に何が起こったのか、誰が何をしたのか、それはいつどこでといった出来事の詳細を明らかにする質問です。
事実を確認すると。
そうです。それだけじゃなくて、次に意識の風景を探るんです。これはその行動の背景にはどんな思いや願い、価値観があったのか。
あなたにとってそれはどんな意味を持つのかといった行動の内側にある意味を探る質問です。
なるほど。行動とその意味を結びつけるんですね。
ナラティブセラピーの手法
例えば、マイクさんが家事を手伝ったという行動の風景に対して、それはあなたにとってどんな意味があったの?とか、家族を助けたいという気持ちの表れなのかな?みたいに問いかけて、その行動に込められた価値や意図を本人と一緒に見つけていく。
そうやって一つ一つの輝く事実に深い意味を与えて、それをつなぎ合わせて、新しい希望に満ちた物語として紡いでいくわけです。
単に良かったね、で終わらせないで、その行動が持つ力とか、その人自身の価値みたいなものを浮かび上がらせていくんですね。
まさにそれがナラティブセラピーの醍醐味の一つですね。
そしてこのセッションにはリフレクティングチームという人たちも参加していたんですよね。これはどういう役割なんですか?
はい、リフレクティングチーム。これはセッションを直接行うセラピストとは別に、その様子を観察している専門家のグループです。
観察してるんですね。
そしてセッションのある段階で今度はそのチームが家族が聞いている前に彼らが観察して気づいたこと、特に家族の中に見た肯定的な変化とか強み可能性についてチーム内で話し合うんです。
へー、家族の前でその家族について話し合う。
そうなんです。これは人類学者のバーバラ・マイヤホフが提唱した定義的なセレモニーという考え方にも通じるものがあります。
定義的なセレモニー。
新しい物語とか自己認識の変化っていうのは、それを承認してくれる聴衆がいることでより強く現実味を帯びるという考え方です。
信頼できる第三者である専門家チームが、私たちはあなたたちの中にこういう素晴らしい変化や力を見ましたよと、いばばこうに証言する。
なるほど、承認になってもらう感じですかね。
そうですね。その儀式的なプロセスを通じて家族が紡ぎ始めた新しい物語が、より確かなものとして家族自身の中に、そして周りにも認められていく、そういう効果を狙っているんですね。
実際、このチームの肯定的な観察やコメントは、家族にとって大きな力づけになったようです。
第三者の視点、しかも肯定的な視点が加わることで、新しい物語がグッと補強されるわけですね。
ええ、非常にパワフルな手法だと思います。
いや、こうして伺ってくると、単なるセラピー技法の話だけじゃない、もっと普遍的な学びがありそうですね。
そうですね。今回の事例から私たちが学べること、それは、どんなに困難に見える状況、問題だらけに見える物語の中にも、必ずそれにあがうような、あるいはそれとは違う流れを示すようなユニークな成果や強みが隠されているということ。
必ずある。
そしてそれを見つけ出して、そこに光を当てる。注目することで誹謗が生まれて、新しい現実をセラピストとクライエントが一緒に強調していくことが可能になるということですね。
強調ですか、いい言葉ですね。
それからもう一つ、問題を個人の資質とか性格に押し込めるんじゃなくて、外在化する、外にあるものとして捉える。
そしてその問題に対する人々の応答とか抵抗とか工夫の中に、その人自身の力や価値を見出していく。
この視点は本当にセラピーの現場に限らず、教育とか地域活動とか、あるいはもっと日常的な人間関係とか、いろいろな場面で応用できる、普遍的な力を持っているんじゃないかと私は思いますね。
確かにそうですね。何か問題が起きたとき、つい誰のせいだってなりがちですけど、そうじゃなくて問題そのものとそれに対するみんなの取り組みに目を向けると。
そういう見方ができると、だいぶ息苦しさから解放される場面もあるんじゃないでしょうか。
いや本当にそう思います。では最後に、これを聞いてくださっているあなたに問いかけてみたいと思います。
あなたの身の回り、あるいはよく知る状況の中で、もしかしたら支配的に語られているかもしれないネガティブな物語、その中に隠れているかもしれないユニークな成果、あるいは別の物語の可能性ってどんなものがありそうでしょうか。
私たちが日々無意識に語ったり聞いたりしている物語が、実は自分たちの現実を形作っている。その力についてちょっとだけ立ち止まって考えてみるのも面白いかもしれませんね。
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