AmazonセールとAIガジェットへの興味
日替わりコメンテーターによる解説で日々のニュースを掘り下げるブラッシュアップ。毎週火曜日のこの時間は日経BP、日経エネルギーネクスト編集長の山根小雪さんです。山根さん、おはようございます。おはようございます。
日付が変わった0時からアマゾンをチェックしてるんですって。そうなんです。もう何日も前からもうずーっとこの日を待っていて。セール?
はい。7月7日火曜日0時から7月13日までアマゾンプライムセールっていう。今日のアンケートはレトロなもので何が好きですか。私ね、レトロなもの全く興味がなくて、とにかく新しいデジタルガジェットが大好き。
そのガジェットが何か出てるんですか、このセールとかで。そうなんですよ。私の親戚にiPhoneが安くなったら買いたいって言われてまして、iPhoneすごく値上げがもうね、私はすごく高くなって値上げになった直後のMacBook Neoを買ったばっかりなんですけど、間もなく多分iPhoneも値上げになるだろうと言われているので、もしセールが安くなったら買っといてね、小雪ちゃんと言われていたので、0時に張り付いてiPhone Airが2万円安くなっているのを買いました。
そうなんや。そんなのが出るんですか。
一応先行セールなんですよ、7日からは。10日から本セールなんですけど、私の過去の経験上、先行セールからどんどん安くなるメーカーがあり、そして売り切れたら在庫補充されないことも結構あるので、もうちょっとワクワク、そわそわして、あれ買いたい、これ買いたいと思ってですね。
これ、家族は聞いてないよね。
ヘビーリスナーだった気がする。
ということで、チェックしているという方はリスナーの中にもいるかもしれませんけれども、さあ、今日の話題なんですが。
Amazonとは関係なくて、アンソロピックの話をしようかなと思って。
AnthropicのAI「Claude」とその輸出規制
アンソロピックですね。クロード・ミトスとフェイブルっていう爆裂賢いAIがいるじゃないですか。
4月に発表して、ミトスって一回グロウアップでも取り上げて、覚えてます?
インターネットが繋がらない環境に置いておいて、ミトスに、もしネットにアクセスできたら僕に連絡してって研究者が言ったら、公園でサンドイッチ食べてたら、出られましたって言って、メールが来て震えたっていうエピソードがあったり。
あとは、この方法で答えは出さないでねっていうふうに指示をしたのに、こっそりミトスがその方法を使って答えを出していて、その方法は使ってません、別の方法で答えは出しましたって言ってきたとか。
そういう賢さがあって、サイバー攻撃とかに使われたら本当にやばいぞっていうのがクロード・ミトスなんですよ。
4月に発表になった後に、このクロード・ミトスは6月か、トランプ政権が輸出禁止っていうんですよ。6月の12日ですね。
最初にミトス4月に発表した時は限定公開っていう形で、すごくサイバー攻撃能力が高すぎるから、みんなに公開すると危ないので、信頼できる人たちだけ、本当にアンソロピックがOKって言ってる人たちだけに対して公開しますって言ってたんですけど、6月の9日に正式リリースをしたんですよ。
ミトスは限定パートナー向けっていうことで、当時日本の金融機関もそこに入ったよなんていうニュースになってたんですけど、でも発表からあっという間の3日後、6月12日にアメリカの政府が安全保障上の問題があるよっていうことで輸出管理指令って出すんですね。
で、フェーブルってやつはミトスを普通のユーザーが使える一般向けに超安全対策しまくって、普通の人が使えるようにしましたよってやつなんですよ。で、発表して6月9日、実は私の周り、私のFacebookで繋がってる友達とかはもうフェーブルが、フェーブルすげーやべーみたいな。
賢い!何これすごい最高!みたいな感じで、祭りみたいな感じだったんですよ。でも3日でクレジット10万円溶かしてしまったとかですね。あまりに賢すぎて使いまくったらものすごい金額になったみたいな。でももう賢すぎて戻れないなんていうことがその3日の間にあったのに、3日後に輸出管理指令になって。
あのですね、今井翔太さんっていうAIの研究者知ってます?東大にいらした方で、結構YouTubeのいろんなチャンネルでAIの新しい情報とかを出してらっしゃる方なんですけど、3日間しか公開されなかったから、この3日にフェーブル触ることできた人が、ツチノコを目撃した人扱いになってる。
でSNSに投稿してたぐらい。ま、ツチノコだあれは。 あのわずかの期間に見たの触ったの? フェーブル触ったの?ツチノコ見たの?みたいな。 あんなの都市伝説でしょ?みたいなね。 そんなヤバいやついたっけ?いないよね?みたいな感じだったんですよ。
そのフェーブルとミトスが、6月の末ですね。ミトス6月26日、フェーブル6月30日に輸出規制が一応解除されました。
では、アメリカ政府って、いきなりこんな最先端のAIを使えなくしちゃうんだ。えーっと思って、ちょっといろいろ思うところがあったので、今日その話を続きしようかなと思うんですけど。
OpenAIのGPT-5.6とAI産業の構造
ちなみに、このアンソラピックの2つは輸出規制かけたんですけど、輸出規制まではいかないんだけど、チャットGPTをやっているオープンAIの新しいモデルでGPT5.6っていうのがあるんですけど、これもアメリカ政府がオープンAIに、信頼できるパートナーだけにしか公開しないようにって要請をしてるんですよ。
そう、ミトスと同じパターンですよね。これ信頼できるパートナーってどんな企業かなっていうのをミトスの時の例で考えると、ミトスは最初は本当にそのGoogleだったり、メタだったり、アップルだったり、あとはJPモロガンが入ったかな。
アメリカのAI企業、AI産業の本当に中核の企業だけ。その後、各国の金融機関とか、日本は同盟国で早かったと思うんですけど、そういう本当に限られた数十社みたいな世界観だったわけですよ。
今オープンAIそういう状況で最新モデルを出さないように止められちゃってるっていう状況ですよね。さあじゃあこれって一体どんな論点が見えてくるんでしょうかっていう話なんですけど、これなかなか悠々しいなっていうことと、なかなか怖い世界になってきたなと思っていて。
まず一つ目の論点は、アメリカはAIで世界の覇権を握ってるんだなということを痛感しました。これやっぱりミトスとフェーブルって世界最高レベルの超最先端AIじゃないですか。これのアクセス権をアメリカ政府が握っていると。
AIの性能向上っていうのを安全保障上のリスクに位置付けて、使えたり使えなかったりするっていうのを政府がグリップするっていうことですよね。20世紀って石油の世紀って言われて、石油のオイルメジャーとか例えばロックフェラーとかああいう人たちが出てきて、世界中の石油の権益を握って、
土壌国も含めてみんなが経済発展するときに、石油欲しいの?車使いたいの?アメリカ様のドルを使って石油は買ってくださいねって言って、世界の覇権を握っていった。だから20世紀は石油の世紀って言われるんですけど、
21世紀アメリカは石油の時代が終わろうとしている中で、今ねやっぱりカーボンニュートラルとか石油だけじゃなくて電気自動車とかいろんなもので車は走るようになったし、エネルギーもいろんな方法で確保する時代になってきたときに、どうするのって言ったら次はAIだったんだなって。
それをしっかりまた握ってるっていうね。 ミレイ 握ってる。それを政府が握る。だって私たちはだから最新モデルを使おうと思ったら、例えばじゃあミュトスが誰かの手に渡ってサイバー攻撃してくるかもしれないと思ったら、ミュトスを使って防ぐっていうことを考えるわけじゃないですか。その時にやっぱりだからアメリカにお願いしないと。
ミレイ アメリカの企業が作っていて、アメリカ政府が好きにアクセス権をコントロールできるものを私たちは使うっていうことなのか。そこまで激しい状況じゃないですけれども、そういう世界になってるんだなあっていうことを一つ思ったわけなんですよね。
ミレイ AIの企業ってどういう会社だっけって振り返ってみたら、アンソロピックアメリカの企業、オープンAIアメリカの企業、グーグルアメリカの企業、メタアメリカの企業、スペースX、テスランですね。あそこも一個グロックかな。AIありますよね。あそこもアメリカの企業、NVIDIAアメリカの企業。ほとんど私たちが使ってるAIはほぼアメリカの企業ですよね。
たまに中国のディープシークとかアリババのクエンとかそういうのもどんどん来てるんだけど、でも基本的にみんなが普段スマホに入れて使ってるのはアメリカの企業ですね。
だから結局アメリカの企業がこの新しいテクノロジーを掌握していて、そこにアメリカ政府が乗っかってきているという状況が、なんか如実に感じたなっていうふうに思いましたね。
AI開発企業にとっての課題とビジネスへの影響
でもじゃあ一方でこの状況っていうのはこのAIの開発企業にとってどうなのかっていうと、これなかなか悩ましい。彼らにとってみたらとんでもない話だと思うんですよ。アンソロピックとオープンAIは今株式上場しようとしてるんですよね。
で、とにかく資金を集めて次に行こうとしているタイミングで、この間のスペースXみたいな巨額上場になると言われているわけなんですけど、もう既にたくさんの投資家からお金を集めてます。どんどんビジネスにして稼いでいかなきゃいけない状況。だけど限定公開にさせられちゃったり、輸出規制かけられちゃったりするとどうなるか。
自分で蛇口の開け閉めできないですもんね。握られてるからね。
お客さんを増やすことができないじゃないですか。たくさんのお客さんに使ってもらってみんなに月3000円だ5000円だ2万円だって課金してもらってチャリンチャリンってやって集めお金集めて回収してるのにそれができなくなっちゃう。
アンソロピックの輸出規制っていうのはどういうものだったかっていうと、外国籍の人には使わせないでくださいっていうものだったんですよ。外国籍の人はアメリカに住んでようと住んでないとミュートスとフェーブルにはアクセスしちゃダメ。どうなったかっていうと、アンソロピックは従業員の中にも外国人がたくさんいるので、アンソロピックの社内ですらミュートスとフェーブルにアクセスできなくなる。つまり開発が止まるってことですよね。
オープンエイム含めて輸出規制まではいかないけど、信頼できる人にしか公開しないでねって言ったら、大企業の何十社かにお客さんが限定されるわけじゃないですか。
自由にオッケーだったら、我々はサブスクで課金するわけですよね。3000円とか払って。それが世界中で何十万何千万何億人っていう人が使うっていうところから、何十社かしか使っちゃいけないよってなったら、ビジネスは全然伸びない。
成り立たないですね。
最新モデルが全然伸びない。じゃあどうするかって言ったら、セカンドベストの2番目に良いモデルで頑張ってビジネスをすることになるわけですよ。
一番上のモデルはビジネスできないから、2番目のモデル。そうすると、中国製品がすぐ隣で同じような性能で安くあるよって。
だったらってね、そっちでもいいかな。
AIのクレジット消費とオープンウェイトモデル
だったらってなっちゃうわけですよ。これもう一つ問題があって、最近実はAIってクレジット消費が激しくなってるって聞いたことないですか。
どういうことですか。
例えば私、ジェーンスパークっていうAIを月3000円で契約していて、これは上限があるのがクレジットって見えるんですよ。
どれぐらいAI働かせたかでどんどんそれが消費されていって、それがなくなったらもう一旦課金しないと使えないっていうやつなんですよね。
私は例えばスライドを作ったりとかするときにとっても賢いので、いくつかのAIを使い分けてるんですけども、最近ジェーンスパークのクレジット消費はもう爆裂早いんですよ。
すごくAIが賢くなっていて、ちょっとのことでいろんなことをやろうとする。そうすると裏側にあるデータセンターの処理能力をいっぱい使う。
だからどんどんどんどん課金が進むっていうことがいろんなAIで起きていて、もちろん稼ぎたいから、今までちょっと投資先行だったから単価上げてるっていうのもあるし、
AIが賢くなりすぎて、どんどんどんどんサーバーの消費を進めていっちゃうっていう問題もあって、ものすごい課金しないと使えなくなっちゃってます。
そうなってくると金がかかりすぎるから、企業は何を考えるかって言ったら、都度課金でどんどんAI従業員が使ったらお金かかりすぎて大変だから、
自分たちの会社の中にAIを置いておいて、都度に払うんじゃなくて、一回最初自分たちのサーバーにAIを置いて、それをその後は課金なしで使える形にしていきたいと思うんですよ。
これオープンウェイトモデルって言って、こういうのにメタだったりとか、ディープシークとか中国企業が対応しているんですよね。
これクロードとかチャットGPってそういうことやってないんですよ。都度課金だけ。そうすると最新モデルが使えないと、次のモデルで戦うことになって、さらに課金もどんどん進んじゃうから嫌になって、中国メーカーに流れていくっていうことが。
実際6月輸出規制化されてた時は、中国メーカーのAIの利用者は爆増えしました。
あんまり良すぎるからちょっと守ろうって言って守りすぎると、そういうことになるわけです。
AI規制の難しさと今後の展望
バランスが難しい。
どこまで開放するのか難しいですね。
首根っこ掴まれてるけど、でもっていう競争上どっちがいとおゆえになるかっていうのはまだわかんないっていう。
今日はファイグルファイブMETOSについて話をしていただきました。
山根さんありがとうございました。
この時間は日経BP、日経エネルギーネクスト編集長の山根紗友希さんでした。