「ニチレイショック」とは何か?
日替わりコメンテーターによる解説で日々のニュースを掘り下げるブラッシュアップ。毎週火曜日は日経BP、日経エネルギーネクスト編集長の山根小雪さんです。山根さん、おはようございます。 おはようございます。
さて、今日は? 今日はニチレイショック。
ああ、システム障害がね、また大きな企業で起きてしまいましたね。 起きましたね。なんかあの朝日のシステム障害は、この間朝日が決算発表があってですね、
被害額が300億円あったと。 朝日はランサムウェアっていうやつにやられて、復旧まで半年かかったんですよ。 長かったですもんね。
そしてやっぱビールの人たちの根性はすごい。 紙の伝票とファックス駆使しながら、なんとかスーパードライを届けるんだということで。
しかもね、そのランサムウェアを送り込んできたハッカー集団の名前がキリンって言うんですよ。
そうそう。なんだそれっていうのもありましたよね。 そうそうなんですけどね、今回はニチレイがやられちゃいましたということで、ニチレイショックの話をしようかなと思うんですけど、
結構やっぱニチレイショックっていう言葉が出てきて、テレビなんかでもね、ずいぶんいろいろやられてたなと思うんですけど、
冷凍食品がイオンの店頭からなくなる。これで想像できる。
ニチレイが出なくなったのねと思ったら、ケンタッキーがない。スキンがない。
蔵寿司でフグ?ブリ?なんかないとか。あとはイムラ屋の小豆バーがないとか。
こんなところにも?っていう影響の広さと大きさが。
なんで?どうしてニチレイがシステム障害にあったらこんなことになるの?全部ニチレイが業務用冷凍食品を下ろしてるの?みたいな気持ちになりますか?
というわけで、今日ニチレイどういう会社なのかっていうことと、なんでニチレイショックでこんな影響が大きかったのかっていうところを解説したいと思うんですけど、
ニチレイの会社概要と事業内容
ニチレイって会社はどういう会社かというとですね、まず冷凍食品と低温物流。この2つで国内最大手の会社です。
冷凍食品は想像つけますよね。今日のキーワードは低温物流なんですけど、その前にニチレイってどういう会社かっていうことなんですよね。
実は歴史めちゃくちゃ古いんですよ。ルーツは1942年に政府が戦時中の食料統制をすることを目的にですね、国内の水産会社を統合するんですよ。
これね、帝国水産統制って言うんですけど、冷凍した魚とか製氷、氷ですよ。これをやるための会社で、戦時中はね、一社でやってましたよってことなんです。
終戦後の1945年に民間企業の日本冷蔵。
日本冷蔵。
ニチレイ。
1985年に社名変更して今のニチレイになりました。業務は大きく二本柱なんですよ。
一個が加工食品事業。これが家庭向けの冷凍食品と業務用の冷凍食品。
家庭用で言ったら、ほんと唐揚げとかチャーハンとか結構ニチレイのNのマークがついたやついっぱいありますよね、あちこちに。
業務用はこういう水産加工と畜産とかエビの養殖とかタコとかもやってるんですよ。
そういうものを冷凍したり、もちろんいろいろ仕入れてきて、加工食品、業務用のいろんな例えば外食のお店だったり企業だったり、そういうところが使うような冷凍食品。
こういうものを作っている事業が結構大きい。これが売り上げのだいたい3,300億ぐらいあります。
同じだけ3,010億円の売り上げがあるのが低温物流事業なんですよ。
つまりニチレイって冷凍食品の会社かと思いきや半分が冷凍食品で半分は低温物流の会社なんですよ。
いわゆるロジってやつですよね。
ロジってやつです。
低温物流(コールドチェーン)の重要性
低温物流って何なのかって話なんですけど、冷凍食品作るじゃないですか。
冷凍食品を作ったら、我々のイメージで言ったらクール宅急便。
トラックも全部冷凍になってて、倉庫も全部カチコチで冷凍のものを届けてくれる、あれありますよね。
あれのビジネス版だと思ってました。
工場で作ってその場で冷凍しますよね。
そこから冷やしたまんま全国各地の物流拠点にばらまいてそこから各地の店舗とかお店とか工場とかに流れていくっていう。
ずっと冷やしたまんまです。冷凍もあればチルドもあれば冷蔵もあればいろんな温度があるんだけれど
生産者のもとから最終的な店舗やお店やそういうところまでずっと温度を維持したまま運ぶ。
これ低温物流って言います。
ちょっとイメージしてもらうのに低温物流のことをコールドチェーンって言うんですよ。
業界用語でコールドチェーン。
今日これ知ってたらちょっと。
言いたくなる感じね。
営業の時に使ってくださいね。コールドチェーン大変ですね。
コールドチェーンはサプライチェーンから来た言葉です。
サプライチェーンって原材料とかそういうものを作ってそこからずっと一時制限があって組み立てて
例えば車とか部品とかかき集めて作って最後送ってお店に並べてみたいな一連の流れをサプライチェーン。
川上から川下までの一連の流れっていうのをチェーン。
これを全部冷たくしました。
コールドチェーン。なるほど。
だから日齢の場合は最初の冷凍食品作るところもやってますよね。
作るところは他の会社が自分でやってるのもありますよね。
でも作った出口から最後運ぶところまで全部日齢がやってます。
これ業界最大手なんですよ。
ニチレイショックの影響範囲
このシェアは冷蔵庫のキャパがどれくらいあるかっていうのでシェアを押し量るようでですね。
日齢の冷蔵庫のキャパは国内のコールドチェーンのうちの8.9%トップシェアということです。
日齢は国内15カ所食品工場があって140拠点の冷蔵倉庫があると。
だからその全国各市に冷蔵の倉庫があってその間に冷蔵したまま運ぶ車とかがあって
どこの会社のものがどの冷蔵庫に入ってそれをどこの店舗に運ぶのかっていうのを全部管理してるシステムがある。
止まりつったよ。サイバー攻撃で。
そういうことです。
日齢のお客さんっていうのはあんまり車名は明らかになってないんですけど国内で約5000車あるって言われてます。
なのでやっぱりこの食品業界の重要なインフラだったと。
ここがサイバー攻撃で止まったのでいろんなものが止まりましたね。
じゃあちょっと止まったものがどんなものがあったか振り返ってみましょうと。
ケンタッキーね。それから蔵寿司ね。
イムライ、あずきば、イオンでしょ。
それからドンキホーテもねものが入らなくなったって言ってましたね。
あとヨーク、ベリンバルナ。
生協いろいろ結構大変だったみたいですね。
あとスカイラーク系のお菓子とか。
あとね意外だなと思ったのはテーブルマーク。
これね冷凍食品の競合ですよね。
私も冷凍うどんでお世話になってます。
テーブルマークは冷凍食品作ってて日冷も冷凍食品作ってるんだけど物流はやっぱり日冷の物流を作ってます。
そういうことなんですよ。
これ外食産業のことを考えていただくとちょっと仕組みがまた面白くて分かりやすいんですけど
外食って店舗で作ってないじゃないですか。
セントラルキッチンで作る。
そっから各店舗に冷凍だったり冷蔵で運んで各店舗はチャチャっと調理して出します。
あとはもう火を入れるだけでいいよとかね。
そこがコールドチェーンなんですよ。
セントラルキッチンから店舗まで。
なるほど。そういうことか。
だから分かりやすい最終製品で例えば肉とか魚とか野菜とかを生産地からスーパーまで運ぶもコールドチェーンだし
セントラルキッチンから店舗に運ぶもコールドチェーン。
だから給食とかも結構今回ダメージ受けてるんですよ。
というわけでコールドチェーンは非常に影響が大きいですよということなんですね。
サイバー攻撃の脅威とAIの進化
日齢の今回のショックは7月の13日にシステム障害が発生しましたって言って
2日後の7月15日にサイバー攻撃でしたって言って
17日から順次再開。一応今週中には全拠点通常数を目指すって言ってるんですよね。
この時間軸からすると朝日がやられたランサムウェアでは多分なさそう。
ミノシロ菌要求型ではない。
ミノシロ菌要求型のランサムウェアっていうのはシステムを完全にぶっ壊す形になるので
だから修復にも時間がかかる。
一回作り直しです基本的に。だからすごく時間かかります。
アスクルもやられましたよね。アスクルもやっぱりあれは2ヶ月くらいかかったと思うんですよ。朝日は半年かかってますからね。
そういう意味で言うと先週やられて今週戻るよって言ってるっていうことは
ランサムウェアじゃないけど何らかのサイバー攻撃を受けた。ここはちょっと明らかになってないのでわかんないんですけど
この日齢ショックの後に一つお伝えしておきたいことはですね
サイバー攻撃の脅威はむちゃくちゃ高まっているしスピードが爆速になっていると思うんですよ。
前にここでアンソロピックミュートスの話したじゃないですか。
AIが企業のシステムのどこに穴があって攻撃できるかっていうのを一瞬で探せる時代になってるんですよ。
ブーって探してミュートスの場合はどうやって攻撃するか。攻撃までAIがやれるっていうのがやっぱりポイントで。
今までだったらインターネット上に趣味でやってる人もプロの人も含めてハッカーさんたちがたくさんいて
ハッカーさんたちはずっと巡回してるんですよ。
どこの企業とか自治体とか国のシステムに穴があるかなーってずっとみんなで探してて。
その裏のインターネットみたいなところにあそこが穴ぼこだらけだぜとかっていう情報があるわけですよ。
例えば朝日に攻撃したキリンっていうのはキリンの元締めの人がいて
元締めが子貝のハッカーをいっぱい使ってよし朝日に行くぜってやるんですよ。
朝日からとか攻撃した企業からお金を取ったらキリンの元締めと子貝の子たちにお金が分配される。
ちょっと面白いのはハッカー集団によって分配率が違ってですね。
元締めがたくさん取るとこもあれば元締めがちょっとで子貝がいっぱいもらえるとこもあったりして。
なんかでも特留みたいな感じですね。なんか組織的な。
そうなんですよ。だからちょっと小金稼ぎたいパソコン得意な子たちがやっぱりできちゃうっていう。世界中で。
っていうのがありまして。今まででも人力ですよ。
そうは言ったってみんなで裏側で探して行けって元締めが言ったらうわーってみんなで攻撃するみたいな。
でもそれを探すのを一瞬でAIがやって攻撃する方法も一瞬でAIが作ったら今までとスピード感が桁違いに速くなるじゃないですか。
穴があったって企業が見つけて埋めてる間にもうやられちゃいますよ。
企業が取るべき対策
怖いなー。
だから死ぬほど頑張ってセキュリティ対策するしかないんですよ。どんな会社でも。
そのミュトスみたいなものを防御として使えたらまだいいですけどね。
使わないとダメね。
ってことですよね。その逆が本当怖いもんね。
怖い。だからすごく基本的なきちんと管理体制。人間系ですよ。人間が大事。
誰がどこをちゃんと管理してるのかどういう仕組みになってるのか誰がちゃんと把握してるのかっていうのをやって、
なんかどっか穴があるかどうかちゃんと人力でも確認してAIでもチェックして、それでも絶対にやられるだろうって。
やられた時どうするかっていうところまで考えながらやらないといけない。
やられたら、やられた瞬間に全社のシステムが落ちて事業が全部止まりますって言ったらその瞬間に給料払う金もなくなるじゃないですか。
そうか。
そうじゃなくて、やられても被害が最小限に抑えられるように。
例えば、やられたとこだけパーンって切り離すとか。
社内のシステムを分割しておくっていうのが一つセキュリティの専門家が重要なことって。
痛みを最低限に抑えるってことですね。
ここはもうやられちゃって死ぬけど、他の業務はちゃんと回るみたいなんですね。
そういう対策までやっていかないと。
大変なことになるってことね。
大変なことになります。
大変だ。
まとめと今後の展望
今日はコールドチェーンね。
これをしっかり覚えて。
覚えました。
覚えた?
はい。使っていこうと思います。
どこで使うの?
おじさんとの飲み会じゃない?
そうね。そういうことで役立てたい。
そんなの何の言葉?みたいな。
盛り上がっちゃえるよ。
深入りされると困るんですけど。
タイムフリーで聞いてください。いい番組ありますんで。
ということでこの時間は日経BP、日経エネルギーネクスト編集長の山根紗友希さんでした。
山根さんありがとうございました。