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この時間は日替わりコメンテーターによる解説で日々のニュースを掘り下げるブラッシュアップ。
水曜日は日経BP、日経エネルギーNext編集長の山根小雪さんです。
山根さん、おはようございます。
おはようございます。
素晴らしい昨日のフォークスの勝利で気分はウキウキだと思いますけれども。
はい、もう、あ、ズーム越しににやけてる顔がバレちゃうかなって思ったりして。
そうそうそう、映っておりますけれども。
ただ、これから今日解説してくれるニュースにはちょっと劣伏ですか?
ちょっとじゃないっす。
いや、ちょっとじゃないです。
この話をしていた時に知り合いの方に、
山根さんの背中に青い炎が見えますって言われるぐらい私は怒ってますよ。
あのね、赤い炎よりも温度が高いんですよ、青い炎ってのは。
もう、いかに熱く、いかに狂ってるかというね。
さあ、そのニュースは?
三菱商事の洋上風力撤退のニュースです。
はい。
実はちょうど先週のこの水曜日のグローアップが終わった後の夕方にですね、
三菱商事が記者会見をやって正式に撤退を発表しました。
それから1週間経ってるんですけれども、
考えれば考えるほど、取材すれば取材するほど、怒りが募っております。
怒り浸透というような状況ですけどもね。
そう、しかもね、やっぱりちょっと世の中的にたくさん報道が出てるんですけれども、
そこで言われていることで、ちょっと待ったと言いたいこともありまして、
私の分野は専門なのでですね、
ぜひ今日はグローアップの視聴者の皆さんにこの問題をいろいろほど見ることあると思うんですけども、
ぜひ事実関係を正しく理解していただきたいというふうに、
私、怒りの解説をさせていただきます。
でですね、この事業、三菱商事の洋上風力っていうのは、
事業自体のスタートはもう4年前なんですよね。
で、4年間の間、実はさっぱり動いていないというふうに業界では言われていました。
はい。で、実は今年2月にですね、三菱商事がなかなか事業がうまくいっていないので、
ゼロベースで見直しますと言って520億円ぐらいですね、減損を発表したりして、
こりゃもういい加減ダメなんじゃないのかな、撤退するって言うんじゃないのかなって言われてました。
ただ、国もですね、もう急採削を後出しジャンケンであの手この手で出してて、
なんとかやめないでくれというですね、オファーをしてたんですよね。
でも結局辞めるっていうことになりましたと。
で、多くのメディアも含めてですね、やっぱりインフレによるコスト増が原因だと。
ちょうど4年前からスタートしているので、今2022年の後半、23年って、
やっぱりウクライナ振興があったりして、コロナも開けたりして、世界的にインフレが起きましたって。
風車は部品とかですね、輸入するものも多いので、コスト増がですね、すごく指摘されてきたんですね。
それ本当にそうなんですけども、でも今回の三菱招致の件については、
これをインフレのせいだというふうに片付けられない事情があるので、
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今日はちょっとそこをしっかりお話ししたいと思います。
でですね、そもそもこの三菱招致をやろうとしてたものは何なのかっていうのは、
これはですね、日本で初めての一般海域に建てる洋上風力発電なんですよ。
で、一般海域っていう言葉は何かっていうと、
実はこの洋上風力に関しての国の法律でですね、ここで一般海域って言われてるのは、
EZとか領海のうち港湾の管理下ではない水域のことを指すんですよ。
で、港湾ではないっていうのはどういう意味かっていうと、
今やっぱり我々にとってみると、北九州市響奈田沖で建てている大型のウィンドファーム、
あれ結構身近じゃないですか。
たくさん取り上げられてますし。
あれはね、港湾区域内で建ててるんですよ。
港の中というのは自治体が管理者で、
その管理者の権限の中にある水面を使って建てているのが北九州市のやつなんですね。
なので三菱招致とは使っている法律だったりルールちょっと違うんですよ。
なるほど。
はい。
で、比較的岸から近いところに建っている洋上風力って全国各地にポツポツとたくさんある。
北九州市のやつはその中でも国内最大規模と言われるんですけれども、
これとは実は全く違うルールでやってるのが、
この三菱招致の一般海域の洋上風力なんですよね。
港湾エリアっていうのは港からすぐじゃないですか。
岸からすぐ見えるぐらいのところに建てますよね。
でも日本は島国だからものすごく遠くまでずっと海なわけですよ。
で、この見えないぐらい遠くにある海をしっかり活用しようと。
これこそやっぱり島国がやるべきエネルギー政策なんじゃないかっていうことで、
この一般海域に洋上風力を立てることをやっていきましょうと言ってルール整備をしたんですね。
で、この水面を誰のものかって言ったら誰のものでもないわけなんですけれども、
誰に使わせるかということは国が公募をして、
ここの水面を誰々さんに使わせてあげます20年間みたいなことを入札で決めるんですよ。
でですね、第一弾として公募の対象となった水面があるのが、
秋田県の百合本城市の沖、秋田県の野城市の沖、それから千葉県長支市の沖なんですよね。
この3回について2021年に国は誰に使わせるかっていう入札をやったんですよ。
これでですね、3箇所全部総取りしたのが三菱商事だったんですね。
沖合に建てるっていうと、やっぱり近いところに建てるのに比べて水深が深かったり、
工事するのが大変だったり、いろいろ全然違うんですよね。風車の規模が大きかったり。
で、世界ではこういういわゆる近いところだけじゃない、ちょっと遠いところも含めて、
地面に泡をぶっ刺すタイプの着照式と言われるタイプの余剰風力なんですけれども、
ものすごい導入量があってですね、日本は結構遅れてると。
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ようやく日本もこの一般海域で、一般海域ってなったらものすごい海面の面積たくさんあるじゃないですか、日本の場合。
なので、これでやっていこうというふうに、肝入りで始まったのが2021年だったということなんですね。
この第一期のですね、投資額はやっぱりトータルで1兆円とかって言われるような金額でですね、
三菱商事のプランだと、大体3海域合わせて130本以上の巨大風車を建てる計画だったんですよ。
風車を建てるっていうとですね、まずこの巨大な風車、羽だけで100メートル以上あるようなものなので、それを港に持ってきます。
エンジンみたいなものが発電機がついている真ん中のナセルっていう部分もものすごいでかいんですよ。重たくてでかい。
なので、港をまず頑丈にして地面が崩れないように整備をしたりして、
羽と真ん中の発電機がついているナセルの部分をどうやって組み立てるのか、
それから100メートルを超える鉄塔ですね、柱の部分、あれをどこで作ってどうやって持ってくるのか、
それを船にどうやって乗せて沖合に持って行ってどうやって組み立てるのか。
で、その真ん中のナセルっていう部分にはものすごいたくさんの部品が使われていて、
実はこれが自動車だったり製造業がすごく得意な日本にとっては非常に産業として魅力がある。
たくさんの部品を使ってくるくる回る機械設備っていうと、
この発電に関してのものっていうのは実は自動車産業とか鉄工とかですね、
特に北九州得意なものばっかりですけれども、そういう産業との親和性もすごく高いから、
この産業化っていう意味でも日本は遅れてしまっているけれども、
この洋上風力の巨大プロジェクトを通じて国内にサプライチェーンを作って、
産業としてしっかりやっていこうということで動いていたものなんですよ。
ただ、じゃあなんで撤退になったのかっていう話なんですけれども、
この第一回公募の時の三菱商事の入札価格っていうのは、
これ各海域ごとに複数の事業者が入札してるんですけれども、
圧倒的激安価格だったんですよ。
いわゆるダンピングじゃないのって言われるような。
競合に対して3分の2とか半分とか半分以下とかですね、そういう値段で入れています。
普通入札っていうのは、大体これぐらいだったらこの事業は再産が合うはずだっていうラインは、
業界の人たちがみんな同じぐらいのラインを持っていて、
それよりもどれだけ頑張れるかっていうギリギリのしのぎ合いをするのでですね、
結構この入札価格っていうのは、もうある一定のラインに揃いながら、
こうギリギリのところを攻めて、うちがちょっと安くできたから取れたみたいな世界観なんですよ。
ところがみんなが思っていた数字よりも激安の値段で、それも半分以下とかですね、
そういう値段で三菱商事が総取りしていった。
だからちょうど2011年のクリスマスイブに入札結果が出たんですけども、
え、何なのこれ。こんな値段じゃ絶対無理だろうって。どういうこと?っていう感じだったんですよ。
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で、この業界内での大体いくらぐらいでできるかっていう金額っていうのが、
どうしてあらかじめ分かっていたかっていうと、
実はこれはちょっと国のルールの、私は不備だと思うんですけれども、
どこのエリアの海を使って工房をやるかっていうのを決めるのはどうやって決めてるかっていうと、
あらかじめ民間の企業がリスクを取って、その地元に入っていって、
海底の調査だったりとか、工事費の見積もりとか、
例えばそれこそ漁業組合との地元調整とか、そういうことにコストを払って、
あらかじめ準備をするんですよ。
まだ落札できるかどうかもわからないのに。
なので秋田県の二階域、ゆりほんじょう市だったり野代市だったり長志市っていうのは、
それぞれここで絶対にやりたいって思う事業者が何年も前に入っていって、
いやいやこの先何年か後にここに風車を立てたいんですよ、一緒にやらせてくださいみたいなことをやったり、
かなりのお金をかけて、お二人のお金をかけて調査をあらかじめやって、コストを見積もって準備をする。
その準備ができているっていうことを都道府県が国に報告して、
その報告の結果を見て、この地域はすごく地元調整とか準備進んでるから、ここで交互やりましょうって決めるんですよね。
つまり三階域はあらかじめ準備を猛烈にやっていた事業者が複数いたんですよ。
この人たちができそうだって言われていた価格で、大体みんな入札してます、そのラインで。
そこを遥かにくぐる値段で三菱商事が落札をした。
三菱商事は事前の調査だったりとか地元調整は一切していませんでした。
なので大企業の資本の大きい会社がこうやって入ってきて、こんな凄まじい値段で持っていくのかと。
できる気がしないけど、できるのかなっていう感じ。
そして長年地元調整をやっていた複数の企業は、もうびっくり。地元もびっくりですよ。
初めてだったので、あらかじめこうやって企業が入ってて準備してリスク取って、金かけて、地元と調整したけど蓋開けたら違う人になっちゃうみたいなことがあるっていうことに地元もびっくりした。
それ4年前なんですよね。
それからもちろんインフレは起きました。
確かにインフレは起きたんだけども、そもそもの最初の入札価格は倍以上の開きがある。
先週撤退を決めた三菱商事の中西社長は会見で何て言ったかっていうと、
価格が2倍でもできなかったって言ったんですよ。
あなたの入れた値段は最初から半分以下だったでしょ。
2倍でできなかったというんだったら他の事業者の価格水準は正しくて、
それだったらできたって聞こえますよと私は聞いて、そういうふうに言うのかと思いました。
それから建設コストがすごく上がりました。インフレの影響によって。
それも中西社長が言ったんですけども、その中で2023年、2024年に建設費の中で一番大きかった風車の値段がものすごく値上がりしたんですって言ったんですね。
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あらかじめ準備や調査を進めていた事業者の人たちは、2022年中には風車を契約するつもりでいたんですよ。
つまり中西社長が言う、ものすごい値上がりをする前の段階で風車メーカーとの契約は締結できた。
もちろんインフレによって風車メーカー側が、この値段じゃできません、何とかしてくださいって言ったかもしれません。
でも今回三菱商事が撤退しないように、経済産業省は後出しじゃんけんでものすごいたくさんの救済策を出したんですよ。
それでも彼らは撤退した。
でもこの救済策のことを考えたら、最初の入札した価格水準を考えた。
当初言われていた水準ぐらいでやっていたら、できた可能性は大いにあったんじゃないかっていう風に思います。
なので、この第一期のプロジェクトは1兆円分単業を作っていって、日本でもこれから風車をやるための本当に基盤になるような準備をするためのプロジェクトだったのに、
これが4年の空白期間を経て真っさらになってしまったっていうことの衝撃は非常に大きくて、私はとっても怒っているんですよね。
三菱の甘さってとこがあるんですかね。
電力の買取制度があるじゃないですか。
それで再三取れるっていう見通しがあったのも、それも甘かったんですかね。
買取の制度の金額はあったんですよ。
でもその金額、例えば29円パーキロワッターは。
でも三菱商事13円で入れてますから。
ちょっと仕組みが太陽光とかとは違うんですけど。
なので、なぜそういう金額を入れた三菱商事を採択したのかっていう国の問題。
どうして4年も引っ張って撤退をするのか、もっと早くに分かってたんじゃないの。
日本にとってのダメージがどれだけ大きいか、もう少し想像してほしかったと思う。
山田さん、ありがとうございました。
熱が入りすぎました。
いやいやいや。
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