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普段私たちって、家とかチームとか何かのシステムを作るときに、なんか機械を組み立てるみたいに考えがちじゃないですか。
あの部品を集めて設計図通りにカチッと当てはめればうまくいくみたいな。 ああ、よくわかります。でも実際に活気のある都市とか、あとダイナミックな組織を見ると、そういう設計図通りのアプローチって、なんか息苦しくて、どこか死んでいるように感じることがありますよね。
そう、まさにそれなんです。そこで今回の深掘りでは、クリストファー・アレグザンダーの著書をテーマにしたパターンセオリー解読会の記録資料をひも解いていきます。
これを聞いているあなかにとっても、複雑な組織やデザインでどうやって心地よい秩序を生み出すか、すごくヒントになるはずです。
この資料、本当に資産に富んでいて面白いんですよ。建築の話にとどまらず、あらゆるシステムに通じる本質が語られてますからね。
最初の方で面白いなと思ったのが、システムを構成する単位を要素、エレメントじゃなくてセンターって呼んでるじゃないですか。
そこが非常に重要なポイントですね。要素っていうと、どうしても機械の歯車みたいに何かに従属しているような印象を与えてしまいますから。
なんか全体のためのただの部品みたいな感じですよね。
そうなんです。でもセンターはそうではなくて、それ自体が独自の構造と機能を持つ独立した存在なんですよ。
例えば家の場合だと、屋根も一つのセンターですし、家そのものもセンターとして機能します。
なるほど。じゃあ都市もセンターってことですか?
その通りです。性的な階層構造ではなくて、それぞれが独立しつつ相互に影響を与え合う、そういう動的な関係性なんですよね。
これ読んでて思ったんですけど、なんかサッカーのフォーメーションみたいだなって。
テーブルサッカーみたいに選手が金属の棒でガチガチに固定されてるんじゃなくて。
ああ、なるほど。テーブルサッカーの例え面白いですね。
ですよね。個々の選手っていうセンターが独立して、ピッチの状況を読んで、相手に合わせて全体が自然と連動していく感じというか。
その通りです。ただ、アレグザンダーの理論に沿うなら、そのピッチ自体やボールの動きもまたセンターとして機能していることに注目してほしいんですね。
え?空間自体もセンターなんですか?
ええ。選手同士の連動だけじゃなくて、そこにある空間全体の流れというセンターが選手の振る舞いに影響を与えて、同時に選手の動きが空間を書き換えていく。
へえ、双方向なんですね。
そうなんです。その双方向のダイナミズムから全体性、つまりホールネスが生まれるんですよ。
なるほど。選手というセンターがフィールドという別のセンターと対話していると。
そうなると、じゃあ誰かトップの支持がない空間で、どうやってそんな生命的な秩序が勝手に生まれるのかって疑問が湧いてきません。
そこがまさに次のポイントで、資料にある生命とは空間の構造が生み出す物理的な結果であるという重力のメタファーにつながってきます。
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重力ですか?なんかボールが坂道を転がる時に転がれって指示しなくても勝手に転がるみたいな、そういうことですかね?
ええ、まさにそれです。空間の構造そのものが人の動きを自然と誘導する重力のように働いているという考え方ですね。
へえ、面白い。でも具体的にどういうことなんでしょう?
資料にいくつか魅力的な具体例があるんですが、例えばホタルの集団発光ってご存知ですか?
ああ、なんか一斉に光るやつですよね。
そうです。あれは別にリーダーのホタルが光れて合図を出しているわけじゃないんですよ。
え、違うんですか?
はい。各個体がすぐ隣のホタルのリズムに合わせるっていうすごく単純な局所的なルールに従っているだけなんです。
隣に合わせるだけ?
ええ、あと神経細胞の動機とかペンギンの群れが寒さをしのぐために密集して動きを合わせるのも周囲との相互作用っていう全く同じメカニズムですね。
へえ、つまりここが周囲の環境と相互調整するプロセスさえあれば、全体をコントロールする監督がいなくても勝手に秩序が走発されるってことですね。
これ、資料にあった京都の鴨川等間隔の法則と全く同じじゃないですか?
ああ、あの鴨川沿いに座る人たちの現象ですね。
そうそう、地面にテープが貼ってあるわけでもないのに、見事なまでにみんな等間隔で座ってるっていう。
あれはまさに空間の重力と自己組織化の魔法が見事に交差する例ですね。
人々は他者と適度な距離を保ちたいっていう心理的な力と川の景色っていう物理的な環境の力を読み取って、隣の人との位置関係だけを微調整しているわけです。
なるほど。トップダウンでここに座りなさいって指示するんじゃなくて、環境が相互調整を許容しているからこそ、あの美しい秩序が自発的に生まれるんですね。
だから真の全体性というのは、ルールで結果を共生することではなくて、相互作用のプロセスをデザインすることで創発されるものなんですよ。
プロセスをデザインするか、すごく腑に落ちました。資料の終盤でも、システムの質を測る15の生命特性っていう概念が示唆されていましたよね。
はい。境界線がしっかりしているかとか、良い形状をしているかとか、そういう生き生きとした空間に共通するパターンのことですね。
空間であれ、企業組織であれ、こういう指標を意識するだけで、単なる部品の寄せ集めじゃない有機的な構造を育てていくことができます。
ですよね。では最後に、これを聞いているあなたに問いかけたいと思います。
あなたの職場や日常のコミュニティにおいて、ルールで人をガチガチに縛るのではなく、人々が自然と心地よい鴨川の等間隔を見つけられるようなプロセスや空間をどうすればデザインできるでしょうか?
テーブルサッカーの固い棒は取り払って、そろそろ選手たち自身にピッチの重力を感じさせてみるタイミングかもしれませんね。
ぜひあなた自身でその心地よい秩序の作り方を産休してみてください。今回の深堀はここまでです。
