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快食ボイス785・雨の西国街道、あの電車に乗れなかったらどうなっていたか
2026-05-04 11:40

快食ボイス785・雨の西国街道、あの電車に乗れなかったらどうなっていたか

帰ってきたが風邪をひいた。

西国街道の歩き旅から帰ってきた。今日は朝からずっと雨だった。途中から風が強くなり、気温も下がった。帰宅してからすぐにお湯を張って体を温めたが、それでも間に合わなかったようで、風邪をひいた感覚がある。今夜は風邪薬を飲んで早めに寝るつもりだ。ただ、それでもいい旅だったと思っている。

今日一番の収穫は、松陰先生の歌碑だった

雨の中を歩き続けて、一番印象に残ったのは何かと言えば、吉田松陰先生の歌碑だ。「またか」と思われるかもしれないが、仕方ない。歌碑は高水というところにあった。今でも岩徳線に高水という駅があるくらいで、昔から人の往来があった地だ。松陰先生は罪人として護送される途中にここを通った。そこにお弟子さんの寺嶋忠三郎がいて、声をかけることができないまま、お互いに挨拶だけを交わした。声を掛け合うことのできない師弟が、目だけで言葉を交わしていく。その後のやり取りは手紙によって詠まれた歌として残っている。街道沿いの何でもない場所に歌碑が建っていた。

12時16分の電車が、おそらく命綱だった

岩徳線という岩国と徳山を結ぶローカル線がある。今日の歩き旅はこの路線沿いだったので、雨がひどくなってきたらエスケープするつもりでいた。ところがこの路線、本数が極端に少ない。12時台の次がもう16時台だった。12時前ごろから雨足が急に強くなり、予報を確認したらこれからさらに激しくなるという。迷うことなく、勝間駅で12時16分の電車に乗ることにした。徳山駅に着いたら、すさまじい雨だった。バチャバチャと叩きつけるような雨で、気温もぐっと下がっていた。あの電車を逃していたら次は16時台まで、4時間近く雨の中を歩き続けることになっていた。間違いなく体調を崩していただろう。いや、現に今も風邪っぽいのだから、歩き続けていたらどうなっていたか。

街道沿いに残るもの

ゴールデンウィークの歩き旅というと、暑くて大変なことが多い。実際、去年は暑さでかなり消耗した。だから今年は寒さに対応するつもりがなかった。ウィンドブレーカーは着ていたが、それだけでは足りなかった。気候のことは毎年読み間違える。ただ、歩いていると本当にいろんな発見がある。旧街道というのは、もちろん今も昔のままの道が残っているわけではない。多くの区間は道路になり、山の中だった部分はほとんど跡形もなくなっている。ただ、昔から人が通ったところには、神社や寺や石碑が残っていることが多い。室町時代のものが残っていることもある。室町時代というのは、足利尊氏が出てきた時代だ。その時代の人が建てた石碑が、今もそこに立っている。普通に生活していて室町時代のものを見ることはほとんどない。街道を歩くと、そういうものと予告なしに出くわすのだ。

石碑を建てた人たちの願い

街道沿いに残っているものは、石碑だけではない。疱神のものもあった。これについてはまた別の回で詳しく話したいと思っている。昔そこで生きてきた人たちの歴史が、石という形で今もそこに残っている。石碑を建てた人たちには、「ここで何かが起きた、それを覚えていてほしい」という願いがあったはずだ。その願いを、何百年越しに受け取っている。鎌倉時代や室町時代のものを読むと、ファンタジーかと思うくらい世界観が今と違う。ところがそれは確かに人のつながりとして現代まで届いている。そのことを強く感じるのが、街道歩きの面白さの核心だと思っている。今日は一等水準点も見つけた。旧街道の場所には意味があって、いろんなものがそこに集まってくることが、よくわかる。

旅の飯

食べ物の話もしておかないといけない。朝は宿で食事を頼んでいなかったため、コンビニでカップラーメンにした。寒い朝に食べるカップラーメンは身体が嬉しがる。ゴミもその場で捨てられるし、お湯を入れてもらってその場ですすってまた出発する。最小限の装備で動いている旅において便利だ。昨日の夜は玖珂で食べた。揚げ稲荷という料理があって「いや、稲荷って油揚げに包まれてるんだから」と思いながら頼んでみたら、天ぷらにしてあった。表面がパリッとしていて、これはこれでアリだと思った。今日の昼は徳山で「アラスカ」という洋食店に入った。Xで教えてもらったお店で、ハンバーグとクリームコロッケの定食を食べた。並んで名前を書いて待ったのだが、どうやら僕が昼の客の最後だったようで、後から来た人は断られていた。広島のトップレベルの洋食店と比べるとどうか、とはなるが、それはそれとして真っ当においしかった。朝がカップラーメンだったので一層おいしかった。

惜しかった店と、来年の話

今回、寄りたかった店がある。街道沿いに古い建物で「鶴声軒」という菓子店だ。ここは鶴が飛来する地域らしく、来ている時期は何か変わるとか、そういう話も聞いた。建物の趣もあって、食べてみたかったが、定休日で閉まっていた。普段甘いものはあまり食べないが、こういう歩き旅の最中は体が甘さを求めてくる。動き続けているので、甘いものも素直に食べられる。歴史を食べる、という気分でもある。ここはリベンジしたい。

来年の話もしておくと、今回は徳山まで歩いてきたので、来年は徳山の先から始めることになる。ただ、今年は去年より体力が落ちていると感じた。初日の36キロで結構疲れたし、2日目も山が多かったとはいえ疲れた。1日20キロ程度にすればもっと楽に歩けるのだが、遠くまで行きたいし自分を追い込む目的もあるので、そこは変えたくない。来年に向けて、もう少し体力をつけなければいけないと思っている。

また語りたいことが残った

今回見てきたもの、感じてきたことで、まだちゃんと語れていないものがある。疱神もそうだし、松陰先生の歌の中身についても、もう少し掘り下げて話したい。時間を作って、ちゃんとまとめようと思っているので、しばらく待っていてほしい。今夜は薬を飲んで早めに寝る。
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