1. ボイスドラマで学ぶ「日本の歴史」
  2. 「赤穂事件 内蔵助の流儀」 第..
江戸5代将軍綱吉の時代に、江戸城松の廊下で起こった刃傷沙汰を起こした赤穂藩主”浅野内匠頭”に対する一方的な裁定に、赤穂藩国家老”大石内蔵助”他46人の浪士が奮起した事件。
浅野家が断絶し、藩士たちが流浪の民となって九ヶ月が過ぎた。かつて内蔵助と生死を共にする証として血判状に名を連ねた赤穂浪士それぞれにも、変化が訪れる。ある者は他家へ仕官し、ある者は恋に落ち、そして、ある者は・・・。

セリフ書き起こしはこちら:bit.ly/3avBqm3

●脚本:齋藤智子
●演出:岡田寧
●出演:
 大石内蔵助:田邉将輝
 大石りく:柏谷翔子
 竹田出雲・萱野七郎左衛門:吉川秀輝
 寺坂吉右衛門:大東英史
 大石主税:大内唯
 堀部安兵衛:本山勇賢
 萱野三平:秋谷柊弥
 高田郡兵衛:濱嵜凌
 京雀:平塚蓮
●選曲・効果:ショウ迫
●音楽協力:エィチ・ミックス・ギャラリー、甘茶
●スタジオ協力:スタッフ・アネックス
●プロデューサー:富山真明
●制作:株式会社Pitpa

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00:04
元禄十五年が明けた。朝野家が断絶し、藩士たちが流浪の民となって九ヶ月が過ぎた。かつて、倉之助と生死を共にする証として、結般上に名を連ねた赤穂を漏し、それぞれにも変化が訪れる。
ある者は滝へ至観し、
都之への恩義を忘れたことはない。しかし、裏切り者と素知りを受けても至観しか道はない。それが生きるということだ。
ある者は恋に落ち、
また曽根崎親知で真珠やて。女は優女、男はおぶけらしいで。
ちゃうわい。男は浪人や。しかも赤穂の浪人やで。
そして、ある者は
赤穂事件 倉之助の流儀
第3話 円山会議 ス 情には厚いが、流されはしない、
御家老!倉之助様!
吉江門様ではないですか。
奥方様、先日はお取りなしありがとうございました。倉之助様はご在宅でしょうか。
寺坂吉江門様は、もともとあこう藩、小売部行の吉田中沢門様の家来でしたが、
先日、倉之助の元を訪れ、結般上のお仲間に加えてほしいと直訴されました。しかし、倉之助は
吉江門さんの申し出をきっぱり断ったのです。理由は、吉江門さんが足軽だからということでした。
吉江門様。
はい。
倉之助は口では厳しいことを申し上げたかもしれませんが、それは吉江門様をおもってのことでございますよ。
わかっておりまする。倉之助様は、敵討ちという仕事は武士の役目だとおっしゃりたいのです。
足軽は、お武家様の手となり足となるのが本文で、武士とは違う軽々しい身分だから、仲間には加えたくないというのでございましょう。
そのように腐らずとも。
腐ってなどはおりません。
例えば、このようにお考えになってはいかがですか。倉之助は言っていました。吉江門様は、よく気がつく仕事のできる御人だと。
だから、その気になればいくらでも他の家でお役が勤まりましょう。有能な男をわざわざあこうろうしの手伝いで埋もれさせるには忍びない。そのようなお考えなのだと思いますよ。
騒々しいと思ったら、またお主か。
倉之助様。
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戦慄の義。何度参っても答えは同じだ。
差し出がましいようですが。
何?
もし、旦那様が推薦書など書いて差し上げれば、吉江門様の他系の士官もたやすくなるのではないでしょうか。
なるほど。それがいい。では一筆捕まつろう。
違うのです。倉之助様。奥方様。
なんと。
本日は、茅野三平の文を持参しました。
三平?
江戸から阿江まで四日で駆けつけて、殿の返事を伝えてくださったあの若者ですね。
これは。
中都江の狭間で、いささか当惑しております。
茅野三平様からの、それは、遺言上でした。
倉之助は吉江門を伴って、節の茅野三平の聖歌へと駆けつけました。
前夜の息子は、いつもの通り、家族と談笑してから、自室に引き上げました。
父親である私の目には、いつもの三平であったように思われます。
翌十四日。日が高くなっても、三平が起きてこないものですから、
様子を見に行きますと、三平は、九寸五部の担当を腹に突き立てて、果てていました。
十四日。
月明日ではないですか。
いかにも、茅野の殿様のお側に仕えていた三平にとって、殿様の存在がそれほどまでに大きかったとは。
私は息子の一途な思いにも気づかず、息子の死感話を進めていたのです。
これ以上、ご自身をお責めになりませんよ。
五花楼。
うちの息子は、五花楼との間に何か密約があったのでしょうか。
町の噂では、悪王老子が嫌を討つなどと言われていました。
私は、それを単なる噂話だと思っていました。
率直に申し上げれば、うちの息子をそんなことに巻き込みたくはなかった。
よくわかります。
06:01
息子は、たった二十七歳です。新しい人生を生き直しても、罰は当たらないはずだ。
申し訳、ありませんでした。
五花楼。お手を、おあげください。
申し訳、ありませんでした。
三平様のお父上の前で、倉之助は、ただただ神戸を下げることしかできませんでした。
倉之助様。倉之助様。
倉之助様。
茅野家からの帰り道、吉江門さんが何度呼びかけても、倉之助は無言で歩き続けたそうでございます。
と言ったところによると、殿は刀を抜き放ち、こう叫んだそうでございます。
うん。
この間の恨みを晴らすぞ!
恨みを晴らす?
はい。殿の叫び声は、松の廊下に轟いたそうでございます。
しかしながら、殿と平殿の間にどのような異婚があったのか、その理由は誰もわからないのでございます。
恨みを晴らす。
おいえ、最高のために切腹する。それしか我らの筋道を見せる手立てはない。
共に覚悟のある者は、この血パン城に署名なされ。
私を、この茅野三平を、お仲間に加えてください。
そうであった、そうであった。
倉之助様?
三平は、敵討ちの血パンに真っ先に加わってくれた男であった。
三平様は、本当に勇気のあるお方だったのですね。
吉江も。
これでも仲間に加わりたいか。
武士が命を預けるというのは、こういうことだぞ。
ちょうどよい、目の前に二股に分かれている道があるではないか。
ここで別れよう。
いいえ、まだ歯向かうか。
まだ歯向かうか。
三平様は、託されたのでございます。
御過労様、そして不詳を渡し、寺坂吉江門に、私はそのように受け給わってございまする。
一体、何を託されたというのだ。
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殿の無念を、そして三平様の無念を晴らすという仕事をです。
ゲロ、生意気を言うでない。
お言葉を返すようですが、私のように三両二人縁の足軽風情も、
倉之助様のように千五百国の御大臣でも、志に変わりはございません。
口の減らぬ奴め。
殿の無念を晴らす約束と、親の望みとの板挟み、
心が張り裂けた三平の死を目の当たりにして、珍しく動揺した倉之助を励ましたのは、
意外にも足軽の吉江門でした。
それ以降、吉江門は尻尾を振り続ける子犬のように、倉之助の後をどこまでもついてくるようになりました。
吉江門様、薪まで割っていただいて本当に助かります。
何の何の、力仕事なら慣れております。
力?力はどこにいるのですか?少しは吉江門様をお手伝いなさい。
今、ちょっと忙しいのです。
このところの力は、父の姿を見ると避けて通るようになっていました。
倉之助の相変わらずの色間違いに、不審感を募らせているのです。
坊ちゃん?
何か?
最近、お父上とお話なさっていますか?
このところ、力が目を合わせてくれないと、倉之助様が気にかけていらっしゃいました。
私はもう原服をした大人です。父は不要です。
坊ちゃんは、倉之助様のことを何もご存じないのです。
倉之助様ほど、優しい人はいないのですよ。
その、坊ちゃんという呼び方、どうにかなりませんか?
坊ちゃんは坊ちゃんだ。前髪を落としたぐらいで、簡単に大人などなれませんよ。
吉江門さんは、なぜ倉之助をそんなに好いていてくれるのですか?
それではお話しましょう。
お願いします。
藩のお取り潰しが決まり、お城を開け渡す直前のことです。
倉之助様をはじめ、五家老の方々は、藩の財政を整理して、藩士一人一人に手当てが出るように取り計らってくださいました。
その分配方法について、意見が分かれました。
他の五家老が、治業高に応じて、つまり身分の高い武士から順番に分けるとおっしゃったのに対し、
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倉之助様は、下の者から順番に厚く配分せよとおっしゃいました。
そのおかげで、私たち下々の者は、無一文で放り出されるようなことはなくなったのです。
実のところ、三両二人縁の足軽に、気軽に声をかけてくださる千五百国の五家老など、
これほど情に厚く、身分の区別もなく接してくださる五家老などありません。
力は、ただ黙って吉江恩様のお話を聞いておりました。
季節が変わった。匠の神の恥をそそぎ、浅野家の面目を立てるために、五家最高だけを願ってきた倉之助は、
元禄十五年四月に、遂に幕府からの最終回答を得た。
各々方、九坊様より五家最高の正式な回答が届いた。
次は、皆様の存念を伺いたい。
倉之助が京都丸山で京藩と江戸に散らばっていた当氏、計十九人を一同に集めて会合を開いたのは、七月二十八日のことだった。
して、御守備は?
浅野家の御家最高、不守備。
七月十八日に、幕府の御裁きを取り決める評定所において、匠の神様弟、浅野大学様の処分が下された。
すなわち、大学様の閉門は許されるが、大学様の浅野家最高はならずとのことだった。
やはり。
これをもって、浅野家存続の未来は正式に立たれた。浅野家の名誉を回復するためのこれまでの働きかけは、全てとろうに終わったということだ。
恐れながら。
いかがした、安倍?
この二月、綱吉公の御母堂、慶尚院様が十一位を朝廷から賜ったのはご存知か?
風の噂で聞いておる。
十一位は、朝廷が与える女性最高位の冠位でござる。
我が殿様の認定事件から約一年、これで全ての謎が解けたように思います。
将軍綱吉は、聖母慶尚院との絆が深かった。
そもそも、将類憐みの霊も、慶尚院の一言がきっかけで始まったと言われるほど、慶尚院は表向きに影響力を持っていたのである。
綱吉は、身分の低い実望に、何としても朝廷からの冠位を授けたがっていた。
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そのために、朝廷への見継ぎ者を欠かさず、良好な関係を築いてきたのだ。
その最中に起こったのが、朝の巧みの神の認定事件であった。
朝廷との関係が崩れることは、喉から手が出るほど冠位を欲していた綱吉にとって、許すまじき出来事だったのではないか。
つまり、綱吉が後先を考えず、官場に任せて巧みの神を処分したのではないか、と安倍は見た。
要するに、綱吉公の虚栄のために、殿は切腹をなさり、我々は路頭に迷うことになったのです。
口が過ぎるぞ、安倍殿。いつも沈着冷静な倉之助殿には、この行き通りがお分かりにならぬか。
御過労は、きめ細やかな御心を持つ、情に通じた御方で。
控えよ!
私が幕府の回答を得て、真っ先に何をしたかお分かりか?
何をなさられた?
腹の底から笑ったのよ。
これで、腫れて敵を撃てるとな!
御過労は、きめ細やかな御心を持つ、情に通じた御方で。
口が過ぎるぞ、安倍殿。いつも沈着冷静な倉之助殿には、この行き通りがお分かりにならぬか。
口が過ぎるぞ、安倍殿。いつも沈着冷静な御方で。
御過労は、きめ細やかな御心を持つ、情に通じた御方で。
口が過ぎるぞ、安倍殿。いつも沈着冷静な御方で。
口が過ぎるぞ、安倍殿。いつも沈着冷静な御方で。
この間の遺言、覚えたれた?
目指すは、光月之助の首、ただ一つ!
おお!
匠の神説服から一年以上が経ち、暦の上では秋も近いこの日。
ついに、倉之助は、キラを打ち取ることを決意した。
作、斉藤智子
演出、岡田康史
出演、大石倉之助、田辺雅樹
大石陸、貸谷翔子
武田出雲、早野七郎在門、菊川秀樹
寺坂吉江門、大東秀二
大石力、大内唯
堀部康平、本山武康
茅野三平、秋谷桐也
京雀、平塚蓮
高田軍兵衛、浜崎忍
選曲、校歌、松佐子
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音楽協力、H-NIXギャラリー、アマチャ
スタジオ協力、スタッフアネックス
プロデューサー、富山正明
制作、株式会社ピトパ
18:27

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