1. 佐々木亮の宇宙ばなし
  2. 1121. 一番近所のブラックホー..
2023-11-03 18:44

1121. 一番近所のブラックホールは思ったより近所じゃなかったし思ったよりデカかった

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ソース

https://www.icrar.org/biggest-black-hole/

Credit : International Centre for Radio Astronomy Research.

サマリー

今回、X先生はX-1という白鳥座にあるブラックホールについての研究結果を紹介しています。最新の研究によると、予想よりもブラックホールの位置が遠く、そして重さも予想よりも重いことが分かりました。また、ブラックホールの大きさと明るさを計算する方法についても説明し、白鳥座X-1の重さについての研究結果もご紹介いたしました。

X線天文学と白鳥座X-1
1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております宇宙話。 今回は、X先天文学で初期の頃に発見された
地球から最も近いブラックホールの一つ、 白鳥座X-1と呼ばれる天体を紹介していきたいと思います。
現代の最先端の科学を使うと、実は今まで最も近いと思っていたブラックホールは ちょっと遠くて実はもっとデカかった。そんな事実が見えてきたので、最新の研究でどんなことが変わるのか、
そのあたりを楽しんでいけるかなと思っております。 ぜひ最後までお付き合いください。
2023年11月3日、始まりました佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の亮が、 毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1121話目を迎えております。 基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひ聞いていただけたら嬉しいです。
最近はブラックホール特集というところで、毎日毎日ブラックホールの特集をしていってるという感じですね。
今日も相変わらずブラックホールの話をしていくわけなんですけど、 最近のエピソードだと、ブラックホールと一緒に成長してきたX線天文学の話だったり、
2個前とかだと、地球をギューッとしたらブラックホール作れるよーみたいな、 そんな話しておりますので、ぜひこのあたり楽しんでいただけたらと思います。
そんな感じで、前回はX線天文学がブラックホールの観測によって発展してきたという話をして、
その中でも最初に観測されたX線天体の一つである、 白鳥座X1と呼ばれる天体、この天体についてお話ししていきたいと思います。
昨日のエピソードから聞いてもらったら、よりまだまだ進化する余地あるんだなっていうのを実感してもらえる、
そんなエピソードになってくるんじゃないかなと思うので、ぜひ楽しんでいただきたいですね。 実は今日このエピソードを収録する前にですね、
なんとあるX線天文の人と収録をしていきました。
これ何かっていうと、僕のフルスですね、理研の玉川高エネルギー宇宙物理学研究室っていうところがあって、
そこからNINJA SATと呼ばれるX線観測の超小型衛星が打ち上げられるというような状況なんですよ。
僕2021年までその研究室にいて、僕がいる頃から開発は進んでいたものが、もう3年でね、
3年で打ち上げまで行くというようなところで、今まさにガンガン準備中というところになっているみたいなんですよ。
で、その打ち上げに向けて宇宙話でもいろんな特集していこうというところで、メインの開発をしていた3名に
ゲストに出てもらっていろいろ喋っていくというような感じを今企画しているんですよね。 で、そのうちの一つを今収録してきたというような状態です。
ブラックホールと、その人工衛星もブラックホールを観測するっていうのを一つ目的としているので、この特集とめちゃめちゃ合うし、
しかも60年70年のX線天文学の歴史の話をこれまでにしてきた、この宇宙話だったら今最先端でX線天文学がどうなっているのか、
研究者の声が聞けるっていうのはかなり面白いところになってくるんじゃないかと期待しておりますので、このリリースできるタイミングを僕も個人的にはすごい楽しみにしてますね。
だいたい来週ぐらいに公開していけるんじゃないかなと思っているので、ぜひ楽しみにしておいてください。
そんな感じで、じゃあX線天文学で初期の頃から観測されていたブラックホールっていうのが、今どういう理解まで追いついていくのか、そんなお話をしていきますね、今回は。
今回対象の天体になるのは、白鳥座X-1と呼ばれるブラックホールです。
これは先日、地球に最も近いブラックホールってどこにあるんだろうって話をしていたじゃないですか。
あれはあくまで予想で、実際に今観測されている中で、地球に最も近いブラックホールの一つと言われているのがこの白鳥座X-1ですね。
1964年に観測されて発見された天体になり、ブラックホールがあり、そのブラックホールの周りに青色超巨星と呼ばれる
ブルースーパージャイアントと呼ばれる天体があるんですよね。かっこいい名前ですね。
で、その天体がブラックホールの近くにある状態で、ブラックホールがもういきいきと周りのものを高重力で吸い込みまくっているので、その
青色超巨星、ブルージャイアントがどんどん吸い込まれていっている。
で、その吸い込まれていっている星のガスによってX線が放射されていて、で、この放射されているX線を観測することで、
あ、このブラックホールはこういう状況なのかっていうところをどんどんどんどん進めていっているのがX線天文学の現状になってますね。
もちろん他にもいろんな天体の観測対象がいて、ブラックホールだけにとどまってはいないんですけど、
そういう状況である。で、この白鳥座X-1を今回研究し直した結果、何がわかったかっていうと、
年収し差と距離の測定
まず、思ってたよりも遠くにあるねっていう話。 思ったより遠くにあるねっていうところと、ブラックホールの重さが
今、今まで思っていたよりも重そうっていう、そういう研究結果が出てきたっていう、そういう状況です。
もうちょっと詳しく話していきますね。 ブラックホールまでの距離とか、そういうのを見積もる研究っていうのは、X線天文学っていう
ことを使う以外にも方法はたくさんあります。 その中で手法の一つとしてあるのは、年収しさと呼ばれる
ものを見ていく手法です。 年収しさ。
これも、これはですね、
天体までの距離、そして位置を正確に把握するっていうことを目的に、2013年かな?
4年かな? ぐらいに打ち上げられたガイアと呼ばれる人工衛星があります。
この人工衛星は、確かカシコウだったかな? で、天体を見て、で、その年収しさっていうのは何かっていうと、地球の周りを人工衛星ぐるぐる回りますよね。
ぐるぐる回る中で、同じ天体を見ると、地球の左側にいる、地球というか、太陽の周りをぐるぐる回っていると、
太陽の左側と右側で対象の天体を見るときに、ちょっと位置がずれるっていうの、なんとなくわかりません?
右目で物を見るときと左目で物を見るときって、目パチパチやると、ちょっと位置ずれるじゃないですか。
これの宇宙規模バージョンみたいなものを観測の手法に取り入れることで、これがどれぐらいずれてるかで、
天体までの距離を測っていくっていう、そういう手法があるんですよ。 これ頭いいですよね、考えた人。
イメージで言うと、目と目の間に指を立てて、その指立てたものを右目で見るのと左目で見るので、姿違いますよね。
この眉間とかのすごい近いところであると。でも遠くのものを右目で見るのと左目で見るのって、そんなに差はないですよね。
このわずかな差っていうのを計算で明らかにすることで、一体僕らからどれぐらいの距離離れているのかっていうのが計算できる。
これを年収し差と呼ばれる方法で言ってます。 この年収し差を用いることで天体の距離を求められるんですけど、
このガイアと呼ばれる最近の衛星はめちゃめちゃ目が良くて、ものを決定する精度がものすごく高いんですよ。
そうすると何が起こるかっていうと、ガイアが昔観測した天体をもう1回観測すると、
今まで思ってた距離よりも遠かったり近かったりっていう違う結果が出るっていう話なんですね。
で今回、白鳥座X-1に吸い込まれていくその天体とかを可視光線で観測してあげた結果ですね。
白鳥座X-1の距離とブラックホールの大きさ
これなんと今までだいたい6000光年ぐらい離れていると思われていたものが、あれ?いやもうちょっと遠いんじゃないの?っていう研究結果が出てきていて、
ガイアさんが言うにはそんなことらしいと。それでじゃあみんな本当の距離はどうなんだみたいな議論に発展していくんですよね。
でこのガイアの登場によって天体の距離が結構変わるっていうのは、いろんなところで発生していて、今までの研究の結果がより精度良く求まったっていうのは非常に良いんですけど、
苦労する部分もあるんですよね。 それこそ僕が
白紙論文とかで、あとは出版する論文とかで書いていた対象の天体の距離が どんぐらいちっちゃくなったかなぁ
80%90%ぐらいになったのかな。 だから
だいたい300ぐらい違うな200ちょっとぐらいだと思ってたのが、190とか180ぐらいの数値になっちゃったみたいな。
そうなってきた時に、今までいろんなところで使ってた計算がガラッと変わるんですよ。
マジかーみたいな。 そのガイアのデータがリリースされて、いろんな論文が出てきて天体の距離がアップデートされた時に
論文の中身をガラッと変えなきゃいけないっていうことが発生して、もう絶望を覚えた記憶がありますね。
そんなガイアが突きつけてくる現実っていうのは、観測上正しそうなものが出てくるんですよね。
ただ、これが本当に正しいのかどうかっていうのをもう一度検証するっていう意味合いで、今回
オーストラリアの研究チームがアメリカのめちゃめちゃでかい望遠鏡を使って、白鳥座X-1っていう天体を観測し直した。
その観測し直した結果、ガイアの求めた研究結果とよく合うような結果になって、もともとだいたい6000光年ぐらいって言われてたものが
7200?7300光年ぐらいっていうような数値になっていったと。
で、これが距離が遠くなったことによって、ブラックホールの大きさの見積もり方っていうのも変わってくるんですよね。
ブラックホールの大きさと明るさの計算方法
ブラックホールの大きさっていうのは、求め方としては、吸い込まれている天体とその明るさと
ブラックホールに吸い込まれていっている時の光の出方みたいな、いろんなところを複合して計算するんですけど、
遠くなったから、僕たちが今まで銃で見ていた光っていうのが、実はもうちょっと遠いところから銃の勢いで光が飛んできてたと。
本当は、何だろうな、携帯のライトとかもそうだけど、遠くに行けば行くほど明るいものって気にならないんですよね。
それはなぜかというと、光っているものを遠くに離していくと、それだけ光が分散して暗く見えるからなんですよ。
つまり、今まで銃っていう明るさで見えていたものが6000光年ぐらいでした。
そこから7000光年ちょっとまで距離を離しても、見た目の明るさは変わんないわけですよね。
求めた数字が変わっただけだから。そうすると、もともと持っているブラックホールっていうのは、より活発だったっていうような計算結果になるんですよ。
そうすると、今回この白鳥座X-1っていうブラックホールの重さっていうのが、太陽のだいたい20倍とか21倍ぐらいの重さになってくる。
こういう研究の能力が、観測装置の能力が上がったことによって、どんどん情報がアップデートされていくっていうのも、天文学の面白いところであって、
これによって、じゃあ他の天体はどうなんだろうとか、ブラックホールの今までの理解って間違ってなかったのかなとか、
そういった研究にどんどん発展していく、かなり面白い。地味だけど面白い、そんな研究結果でしたね。
X先天文学で見つけた天体の一つである白鳥座X-1、いい機会なので今回紹介させていただいたというような感じですね。
ということで今回の問題は以上というところになります。 今回はちょっと時間もありそうなので、皆さんからいただいたコメント、質問、答えていきたいと思います。
そうですね、はい、じゃあリスナーネーム コードトラッパーさんからいただきました。いつも楽しく拝聴しています。
地球をブラックホールにするにはとか、今まで考えなかった情報が聞けてとても楽しかったです。 2個前のエピソードですね。
ホワイトホーム、ホマイ、噛んじゃった。 ホワイトホールやワームホールなどの架空の天体についても、
僕がもう一つやっている隣のデータ分析屋さんみたいに 雑談ぽく語ってほしいなぁなんて思っています。
ありがとうございます。いいですね。 ありがとうございます。もう楽しんでいただけているのがまず一番嬉しいなぁと思っていて、
で、このホワイトホールとかワームホールとか架空の天体、 そうですね、どうしようかな。
こういうのを話せる、ネタになる研究みたいなのがあったら、紹介してみようかなと思いますね。
なんか僕、ポッドキャストこれ、毎回ちゃんとソース? 見本になるような文献っていうのを用意して喋ってるんですよね。
これはこのポッドキャストで聞いたことを、もしなんかどっかで喋りたいなとか、何かに使いたいなって思ってもらった時に、
できれば、ちゃんと正しい情報で発信してほしいという意味を込めて、 詳しく知りたい人はちゃんと文献見に行ってねっていうような参考文献、ちゃんと書いてるんですよね。
だからホワイトホールとかワームホールとか、なんか適当なことというか、 こういうのあるよねみたいな、言えるんですけど、
好き勝手言いすぎると宇宙話どこまでが本当でどこまでがみたいな、 なっちゃうのもちょっと嫌なので、
ホワイトホールとかワームホール、多分 大真面目に研究している人いるはずなんですよ。
世の中には宇宙人の研究をしている人もいるし、目に見えない粒の話をしている人もいるし、
白鳥座X-1の研究結果
なんなら元々は重力波って今だったら受け入れられてるけど、 何だい重力波はっていうふうに思っていた、思われていた時期もあったと思うんですよね。
だからホワイトホールだったりワームホールっていうのも、 ないと証明はされてないと思うので、そういう研究を大真面目にやってる人はきっとどっかにいるんですよね。
だからそういう研究見つけたらコードトラッパーさんから、 お提案いただいたような架空の天体についてもちょっとお話ししていこうかなと思います。
僕もすげー興味あるので、しゃべっていけたらいいですね。 ありがとうございますコメントいただいて。
もう一つお話していきます。 あーでも時間微妙か。じゃあもう1回、また次回のエピソードでいただいた質問とか色々お答えしていこうと思っておりますので、
ぜひ皆さんコメントジャンジャンお寄せください。 最近はやっぱりブラックホールどうやって作るのっていう地球縮める話、
結構好評だったんで聞いていただくのいいんじゃないかなっていうのと、 あと1100話とか1200話とかあるわけなんで、
大丈夫ですよ。過去に話した内容でも質問ジャンジャン投げてください。 正直もう直近数回以外は別物だと思っていただいて大丈夫なので、
みんなでね。あなたが気になることは、 きっと一緒に聞いているリスナーの仲間も気になってるはず。
だから、 遠慮せずにガンガンいろんなこと聞いてください。で一緒に番組作っていきましょう。
今回の話も面白いなぁと思ったらお手元のポッドキャスターアプリでフォロー フォローボタンの近くにある星マーク
こちらからレビューいただけたら嬉しいです。 番組の感想や宇宙に関する質問についてはツイッターのハッシュタグ宇宙話、
またはスポティファイのQ&Aコーナーだったり、概要欄のお便りフォームからジャンジャンお寄せください。 それではまた明日お会いしましょう。さようなら。
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