天の川銀河全体の動きを、スーパーコンピューターとAIを組み合わせて、高解像度でシミュレーションをした、そんな研究結果を紹介していきたいと思います。
技術が進歩していけば、見えてくる宇宙の姿も変わってくる。これは何も観測技術だけじゃないんですね。
観測だけじゃなくなく、コンピューターのシミュレーション、コンピューターの処理能力、
AI、そういったテクノロジーが上がっていくことで見えてくる、新しい宇宙の姿もあるんです。そんな研究を紹介していきます。
ぜひ最後までお付き合いください。
3,2,1, Ignition.
Space to the black hole.
Japan to the black hole.
佐々木亮の宇宙話。
改めまして始まりました、佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
今日のエピソードが1874話目迎えておりますね。 基本的には1話完結でお話ししているので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひぜひ聞いてみてください。
よろしくお願いいたします。
ということで、忙しい先週を乗り越え、また1週間新しく始まりました。
そしてなんともう12月ですよ。
半端ないですね、このスピードの速さ。
忙しく進んでいるからなのか、なんか新鮮な日々を過ごしていると1年が長くなるみたいな、なんかその小っちゃい頃の1年と大人になってからの1年の感じ方が違うのは、その鮮度が違うからだみたいに言いますけど、なんか新鮮な日々を過ごしている気はするんですけどね。
そんなことはないんですかね。このまま短くなっていくと怖いなって30歳ぐらいからだんだんより思い始めてます。
宇宙話を聞いてくれてるあなた方、皆様はね、僕よりも先輩の方が多いので、まあそんなもんよって思うかもしれませんが、若造がなんか言ってるなみたいな、けどなんかそういうのがびっくりするぐらい実感してる。
なんなんすかね。子供もできて、仕事も割と今までとはまた違う種類になって、鮮度的にはすごいな、刺激は強いなと思ってるんですけど、そんなことはないのかもしれないですね。
一つじゃあいただいているコメントを紹介していきたいと思います。
リスナーネームイプシロンさんからいただきました。
木曜日のオンラインイベントを視聴しました。お二人の息のあったトークが楽しかったです。
今日はだいぶお疲れの様子ですね。健康第一で頑張ってください。
ダークマッターの候補発見の話、興味深いです。明日が楽しみです。
その他、バイコヌールのソユーズ発車場の故障が気になります。長引くとISSの補給・人員輸送に影響出ますよね。
ということで、ありがとうございます。
ありがとうございます。
イプシロンさんいたんだ。木曜のイベント。どの人なんだろう。
いつもわからないんだよな。
オンラインで知っている人がイベントに来てくれたときに、こういう人なんだみたいな驚きもありますけど、
オンラインだとそれがないのは、それはそれで寂しいなとちょっと思いますね。
木曜日のイベントはオンラインでやったけど、すごい良かったですね。
本の制作を1年半ぐらい前から動いたものっていうのをちょっとずつ振り返っていける面白い回だったなと非常に思っているので、
改めてやっていきたいなと思いましたね。
そんな感じで。
バイコヌールの発車場の故障についてはニュースになってますね。
これなんか調べていろいろ出てきたら紹介します。
確かに友人輸送とかそういったところに影響出るよねみたいな出てましたけど、どうなんだろう。
世界中の物資輸送のできる能力とかも上がってきてはいるので、
昔ほどは影響出ない気はしますけど、それでもあるかもしれない。
ちょっとあんまり僕も情報キャッチできてない。
故障したっていうのだけは知ってます。
なのでそのあたりはちょっと皆さん情報お待ちください。
リクエストあったらもう早めに紹介します。
ということでじゃあ早速本題行きましょうか。
ということで今日はAIとスーパーコンピューターを使って阿波の川銀河のシミュレーションを行う、
そんな研究を紹介していきたいと思います。
今回は理科学研究所から出た、そして神戸大学から出た研究結果になっておりまして、
スーパーコンピューター、富学、理科学研究所が持っているもの、
そしてそれにAIを組み合わせるっていう研究を進めることで、
星とか青函ガスとかを表す、約3000億個の粒子を用いて星一つ一つまでを分解した、
世界最高解像度のシミュレーションを実現することができたというような、そういう研究ですね。
やば、子供が泣いてしまった。どうしよう。
このまま起きてくるのか。
僕今今日、夜家一人なので、息子が寝てる間にポッドキャストを撮ってるわけですが、
このまま泣き始めちゃったらもう収録は一旦中止ですね。
どうだろう。一旦喋り続けてみるか。
ちょっとだけ叫んでたな。大丈夫かな。
ということで、今回の研究結果については、
天の川銀河っていう僕たちが住んでいる銀河系があるわけですね。
この銀河系の中の星たちを全体をシミュレーションしたいというのは、
モチベーションとしてはやっぱりあるわけですよ。
この天の川銀河の中には、先日話したこのダークマターとかが構成されていますし、
何千億っていう星とかっていうのが含まれているわけですね。
で、銀河の形成とか進化とか、そういうのを理解するためには、
個々の星の運動をやっぱり細かく明らかにしていく。
それだけじゃなくて、銀河の中の元素とか、
僕たちって今酸素吸ってとか、身の回りに金属があってとか、
スマホのためにはレアメタルみたいなのが使われててみたいなのあるじゃないですか。
こういうのを生み出す宇宙空間の中での輪廻転生というか、
似たようなものが、超新星爆発とかそういったものが絡んできて、
一つの銀河を形成しているわけですよね。
特に銀河の中の高密度なガスから作られてくる、
星だったりとか、その中で作られてくる元素っていうところは、
本当に銀河の進化っていうのを知る上では非常に重要になってくる。
ただ、これを再現するのが難しい。
なぜなら、そもそも天の川銀河の中に無数のガスがあって、
何千億っていう星があって、それらがお互いに相互作用を引き起こしていて、
重力で引っ張り合ったり、ものが拡散していくっていうものがあったり。
それの全体の挙動をなんとなく見るのは今までもできてたんですけど、
星一つ一つの運動だったり、ましてや元素とかを宇宙空間にまき散らす超新星爆発とかは、
全体をふわっと見ても、それぞれが超スピードの爆発で衝撃波を作って、
周りにものを拡散してっていうスピードの軸が全然違うから、
なかなか全部をシミュレーションしきるっていうのが難しかったんですよね。
子供が泣いてないですね。きました。勝ちましたね。
そんな中で今回提案されたのが、一つ一つの星を扱うシミュレーションをAIをベースに細かく作っていき、
宇宙全体の大きい動きもスーパーコンピューターでシミュレーションして、
それらを組み合わせて、短いタイムスケールの超激しい宇宙と、
でっかいタイムスケールの大きく動く宇宙みたいなところを両立する研究っていうのが今回提案されてうまくいったと。
従来のシミュレーションではできなかった部分をAIがカバーしたという形ですね。
短い時間刻みを必要とする爆発とかの領域を切り出して、
AI、真相学習っていう手法ですね。
これのサロゲートモデルって言われるものに入れて、超新星爆発のガスの動きとかを予測させる。
で、それをスーパーコンピューターのその全体の動きにはめ込んであげるみたいなことをすることで個々の爆発をカバーできる。
そんな感じで今回はなんと3000億の粒子の天の川銀河のシミュレーションをより高解像度でできるようになったという研究ですね。