宇宙ビジネスの進展
研究室単位で、宇宙に人工衛星を飛ばせる。 その人工衛星を、自分たちがやりたい科学のためだけに使える。
そんな夢みたいな環境が、宇宙ビジネスが伸びてきたからこそ、 実現できるようになってきているという、そんな研究内容をお話ししていきたいと思います。
今、天文学はすごい熱い。そして宇宙ビジネスも激熱。 そんな中で、両方がうまく混ざっているから、できることが増えてきているっていう事例があります。
一体どんなものなのか、ぜひ最後まで楽しんで聞いてください。 それでは行きましょう。
改めまして始まりました。佐々木亮の宇宙話。 このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、
毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。 ということで、今日でエピソードが1801話ということで、1800を超えて、
こう、始まってまいりましたという感じですね。 昨日でエピソード1800を迎えましたけど、
いやー良かったっすねー。 好きに喋ったなっていう感じ。
で、やっぱここまでこうやって続けてこれるっていうのが、やっぱりなかなかないなぁというか、 ここまで続けてこれて良かったなっていうのを改めて、なんか実感できたので本当に嬉しかったです。
ありがとうございます。 昨日の1800に合わせてですね、素敵なコメント等もいただいております。
リスナーネームなんなんさんからいただきました。 1800回おめでとうございます。
NinjaSat運用終了お疲れ様でした。 織下かな?
金星探査機あかつきも運用終了のお知らせがありました。 しかし毎日更新しても伝えきれないほど宇宙トピックがたくさんあることを知り、
部外者ながら聞き逃せません。健康には気をつけて続けていってください。 ということでありがとうございます。
そんな部外者なんて言わないでください。 なんなんさんいつもね、コメントくださったり、
Xの方でスペース開きながら、 ポッドキャストの収録とかを公開収録的にやらせていただくこともあったりするんですけど、
その時とかも顔出してくれてということで、皆さんも是非Xの方でね、
スペースでやってる時とかは是非是非遊びに来てください。 よろしくお願いします。
はいということで、ちなみに今日はちょっといつもと違う環境で撮っていて、 いつもビデオ付きでこう
見てくれている人には申し訳ないんですけど、今日は一旦音声だけでお届けしております。 ということでじゃあ早速本題いきましょうか。
NinjaSatの概要
今回お話しするのは、宇宙ビジネスと天文学が合わさったところで面白い研究が どんどんどんどん進んでいる、そんなお話をしていきたいと思います。
今日お話しする内容は、1799話、2回前ですね、 の回でお話ししている、その
ニンジャサットと呼ばれる理科学研究所が打ち上げて運用を行って、宇宙空間で600日過ごした末に 過ごしたこう人工衛星があって、これが
なんて言うんでしょう、従来の天文学のミッションの作り方、流れと実は全然違うんですよね。 どういうことかっていうと
今回のそのニンジャサットっていうのは、僕が所属していた理科学研究所の 僕のボスだった人ですね、玉川さんという方がいらっしゃって、そこの研究室が
ともう一つ、その当時理研にいらっしゃった 僕のNASAに行った時の恩人とかである
榎本照明さんという方がいらっしゃるんですけど、その方たちが中心となって ミッションをバーッと推進されていたというようなところで、とにかくだからその
この2つ、割と研究の内容としては比較的近しいものがあるんですね。 その比較的近しい研究室2つで、よしやろうって言って思い立った2020年から
コロナ禍真っ只中の時ですよ。 そこから今、2023年
かな?に打ち上げて、24、25って運用してきてっていうようなところができるようになっている。 従来の天文学の
ミッションとか、特に僕がいたその研究室とかがやってる高エネルギー宇宙物理っていう エネルギーの高い宇宙の物理学を研究しようとするときはですね、
例えばX線だったりとかを天体から飛んでくるものを見るわけですね。 X線ってあのレントゲンで使ってるやつですよ。
で、あのX線飛んでくる光を見るために、 実は地上だと大気がバリアーを作っていて、空気のバリアーで見えないから、
宇宙にものを持って行って、その飛んでくるX線というのを捉えてあげようっていう。 まあそういう発想でX線天文学とかが進んでいくんですよ。
で、ただ、こう人工衛星打ち上げて、で、それを運用してっていうでっかい、 それって結構でっかいチームでやるっていうのが常になっていたので、
やっぱこう何百億とかかかるところから、あの数億円とかっていうような、 あの1研究室でしっかりとした研究予算を取れば、
目指していけるような予算規模のレベルで人工衛星が打ち上げられるようになったと。 で、これどうしてそんな世界が実現できているのかで言うと、
宇宙ビジネスの伸びっていうのがここに関わってくるんですね。 世界中では今、宇宙にものを持っていくっていう、
その宇宙にものを持っていくっていうこと自体の敷居がものすごく下がってるんですよ。
一個一個整理していくと、実はあなたも結構ピンとくる部分はあるかなと思うんですよ。 まずスペースX。
スペースXのロケットの打ち上げ、もう本当にあの100回を超えるみたいなところのペースとかで、 ブワーっと年間ね、ブワーっと打ち上げてると。
これまでってなんかこう、そもそも ロケットの打ち上げっていうこと自体がレアな大イベントであったところから、日常に切り替わってきてるっていう感じですね。
で、これによってもちろん他のロケット打ち上げの企業とかもいて、で、そこがこう競争するような形にやっぱなっているんですよ。
で、これバーっとこうロケットの打ち上げとかが競争が起こって、 まあ回数も増えて値段も当時よりは下がりつつあるというようなところ。
もちろんこれからね、もっと世界中で競争が激化して下がっていくっていう未来はあるんだろうなと思うんですけど、
ひとまず今ある程度下がってきていると。 プラスで
人工衛星を作るっていう技術自体がビジネスになってきているっていう、そういう背景もあるんですね。
で、今回のそのNinjaSatっていう理研の研究室から打ち上がって運用されていた装置っていうのは、
ナノアビオニクスという会社、ナノアビオニクスっていう会社が作った人工衛星の、なんて言うんでしょう、
大枠の中に自分たちがオリジナルで開発した装置っていうのを乗せて打ち上げている。
つまり、これも時代の変化で、これまでは人工衛星っていうのは1から全部自分たちで作らなきゃいけないものっていう認識だったんですよね。
僕が、僕も実はNinjaSatみたいな形で人工衛星打ち上げたいねって言って、
装置のオリジナリティのある装置の部分の、実は開発とかもずっとやってたんですよ。
で、まあそういった開発をやっていた中でも思うんですけど、当時2015年?2016年とかにその開発スタートさせた時っていうのは、
自分たちで人工衛星打ち上げなきゃいけないから、その機構とかも全部まず知っといてね、みたいな話からスタートしたのもあったんですよ。
つまり当時は誰かに作ってもらうっていうような感覚はまだ作られていなかった。
むしろ自分たちで全部作んなきゃいけなくて、その中でもオリジナリティのある自分たちが独自性を持って進められるミッション。
この部分に注力しようって言って、結局は本質的には自分たちが作れるところを作ってたっていう形なんですけど、
つまりナノアビオニクスみたいな、こういう会社にお願いすることでロケット、人工衛星の外枠がまずできる。
で電源部分、そして電池部分、そのソーラーパネルとうんうんとか、でそもそも宇宙に適したこう、
機材というか形になっているかっていうところは基本的には、なんでしょう、1パッケージとして購入することができるようになってるわけですね。
つまりこれも自分たちで人をたくさん作って人工衛星作ってみたいなことをしなくて良くなったと。
この流れがあるからこそ今回で人工衛星作る会社とかもいくつか増えているから、
それで人工衛星作る価格も下がって、宇宙への距離感がものすごく近くなってるっていうのが現状なんですよ。
でそれにいち早く気づき、それを使い、でえっと600日の運用まで追い切った、この僕が所属していた研究室の人たち、
玉川さん、榎本さんというのを中心にしてバーって進めていって、で僕が入った頃に学部生で入ってきた竹田くんっていう子も今もう博士号も取って、
研究者としてそのチームの延長でまだやっているという形になっていて、マジですごいと思うんですよね。
このミッションがまず1人の研究者を1から輩出したっていうところもすごいし、
価格を抑えて、自分でそうすると自分たちのやりたい研究だけその人工衛星使い方決められるので、それができてっていう、なんて言うんでしょう、非常に
素敵な時代になったなあっていうのがエピソードとしてぎゅーっと詰まった、そんなプロジェクトだなぁと思いました。
将来の展望
はい、なのでこれからの実は天文学の宇宙を使った、宇宙空間を使った研究とかっていうのは、こういう敷居の低さでどんどん進んでいくんじゃないかなと思うので、
今後もこういった動きには期待していきたいなと思っております。 ということでじゃあ今回は以上にしていきましょう。
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こちらでレビューいただけたら嬉しいです。 僕がもう一つやってるポッドキャストチャンネル
カジユキのつきない話と隣のデータ分析屋さんっていうのをやってます。 こっちは僕が今AIの事業とかのリーダーとして色々やってるんで
AI事業の話だったりとか、まあAIに関する話ですね。 色々してます。最新話も公開しているのでぜひぜひチェックしてみてください。
それではまた明日お会いしましょう。 バイバーイ
