今回は、太陽が持っている大きな謎の一つ、太陽コロナの加熱問題、こちらについてお話ししていきたいと思います。
昨日のエピソードで、NASAが打ち上げたパーカー・ソーラー・プローブと呼ばれる観測装置が、太陽にものすごく近づいていくっていうね、
そんなアプローチをして、このクリスマスのタイミングを盛り上げてくれた、そんな話しましたけど、
そのパーカー・ソーラー・プローブが何を解き明かそうとしているのか、その謎っていうのが、結構でかい物理学の中でも謎だと言われている部分ですね。
一体どんなものなのか、コロナ加熱問題に関するお話です。ぜひ最後までお付き合いください。
改めまして始まりました、佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは、1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、
毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。ということで、今日でエピソードが1539話目ですかね。
基本的には1話完結でお話ししてます。気になるところからぜひぜひ聞いてみてください。
そんな感じでですね、昨日のお話から今日につながっていくという感じなので、昨日のから聞いていただいてもいいんですが、
今日単体でも楽しんでいただけるように喋っていこうかなと思います。じゃあもう早速いきますかね。
はい、ということで今回お話しするのは、太陽が持っている謎の一つ、コロナ加熱問題、こちらに関するお話をしていきたいと思います。
コロナ加熱問題、名前どうですか?聞いたことあるなーっていう人とそうでない人と別れると思いますが、大体そうか。
物事大体そうですね。そんな中で、ポッドキャストでも紹介したかなと思うんですが、そのお話です。
で、なんでこれを紹介するかっていうと、2018年にNASAが打ち上げた太陽探査機パーカーソーラープローブ。
これがですね、現地の12月24日かな、アメリカの。
日本だと25日になるのかなっていうタイミングで、太陽にぐーっと大接近していったと。
そもそもそういうミッションなんですよね。太陽に対してものすごく近づいていって、これまで遠くから観測していただけでは見えなかった要素っていうのをしっかりと解明していこうとしているっていうのが、
このパーカーソーラープローブが目指しているミッションの一つです。
で、そんな中で大きく2つ、パーカーソーラープローブっていうのは解明目指しているよっていうので、1つ昨日話しました。
太陽風とか、高エネルギー粒子とかの加速メカニズムの解明ですね。
そしてそのメカニズム解明するだけじゃなくて、もう1つ持っている科学っていうのが、科学課題っていうのが、太陽コロナの加熱気候に関するお話となってました。
で、これ何が問題なのか。昨日のエピソードの最後でも話しましたけど、なんか物事の常識みたいなことで考えられるものが、なんか成り立ってなくて気持ち悪くないっていうところなんですよ。
どういうことかっていうと、その、物っていうのは何か熱源があったら、その熱源の近く、なんだろう、熱源が一番熱くて、
で、そこからどんどんどんどん離れていけばいくほど、温度が低くなっていく、感じる温度が低くなっていくっていうのが常識なわけですよね。
ただ、コロナっていうのは、遠く離れれば離れていくと、だんだん温度下がっていくんだけど、いきなり、ボーンって上がっていくタイミングがあるんですよ、温度がね。
これが本当に、太陽の表面っていうのは数千度とか数万度ぐらいしかないのに対して、100万度とかっていう風になるような、非常に厚い領域があります。これのことをコロナと呼びます。
余談なんですけど、このコロナっていうのが、なんかこう、メラメラと周りで輝いているように見えるんですよ、太陽の周りのね。
このメラメラと輝いているフォルムっていうのに似ているから、COVID-19のことをコロナウイルスって呼んだりするんですよ。
実はそういうネーミングの背景もあったりして、とにかく太陽コロナっていうのは、このメラメラした部分ですね。
で、温度が中心から離れているのにいきなり暑くなると。
つまり、離れていくと温度が下がるのに温度がいきなり上がるっていうことは、ここに何かしらの加熱のメカニズムがあるだろうっていう風に考えられるわけですね。
だから、昨日の太陽風とか高エネルギー粒子っていう話も、太陽から飛んできたものっていうのは大体これぐらいの速度なのに、
実際地球ら辺で観測してみたり、地球からちょっと離れたところで観測してみると、速度が変わってる。
変わってるってことはどっかで加速されたのかな、みたいな、そういう発想になるのと一緒って感じですね。
なので、そのメカニズムを解明したい。
けど、なんでこうやって温度が上がるのかがわからないっていうのがコロナ加熱問題ってやつ。
これね、僕も、実際に今もまだ確実に解明はされてないんだけど、
科学研究費、科研費って呼ばれる、研究者の人が生活するためだったりとか、研究するためっていう予算として申請する申請書に、
結構ガッツリ書いていた部分なんですよ、僕も、コロナ加熱問題って。
それぐらい、物理学としてもなんでこうなるのかっていうのが不思議なポイント。
話のネック、フックにするにはものすごく重要だし面白いっていう部分ですね。
で、じゃあそれはコロナがどうやって加熱されていくのか、何にも分かってないのかで言うとそんなことなくって、
一応2つ、2つ説があってこれが有力だと言われています。
1つがマイクロフレア加熱説と呼ばれるもの。
簡単にもう言葉の通りです。マイクロフレア、ものすごくちっちゃいフレアっていうのがボコボコボコボコ起きると。
フレアっていうのは星の表面で起こる爆発現象だよっていう話何度もしていると思うんですけど、
そのちっちゃい爆発が起きるから、爆発なんか1個だとしょうもないんだけど100個とか1000個とかババババババババって発生すると、
それに合わせて上空が加熱されるっていう話ですね。
で、熱量がどんどん上がっていくと。それによって温度が上がっているんじゃないかっていう説。
で、これも実際にちっちゃいフレアがボコボコ起こってるっていうのは分かってるんだけど、
それだけで本当に全てが説明できるのかっていうと怪しいなっていう状態です。
で、それに対して波動加熱説って呼ばれるものもあるんですよ。波動加熱。
波動ってめっちゃかっこいいですよね。波に動く波動ですよ。
で、これは何かっていうと、太陽フレアとか起こすのも結局はなんか太陽が持っている磁力とかなんですけど、
この磁力が持っている磁気の波のエネルギー。
で、この波に乗っかって内側とかの近くからエネルギーが輸送されてきて、
そのエネルギーがコロナの加熱に使われているっていう。これが波動加熱説ってやつですね。
で、僕は当時研究してた時はフレアの研究をしてたので、
このフレアっていうのを研究することで最終的にはマイクロフレアって呼ばれるものに対しても研究したくて、
マイクロフレアがこれぐらい起きてるって考えられるから、コロナ加熱っていうのがカバーできてると考えられるのかどうかみたいなのをやりたいみたいな申請書をバーって書いて。
で、残念ながら落ちた申請書もあれば受かった申請書もあってっていう感じで、受かった申請書のおかげでNASAに1年間行けたとかね。
で、逆に落ちたおかげで、落ちるとその国からお金もらえないから、どうしよう、やばい、生活できない、大学院生活を送れないぞーみたいになって、
理科学研究所で雇ってもらう。また申請書書いて、それだったら受かったみたいな。
なんかそういう違いというか、評価されるタイミングもあれば、そうじゃないタイミングもあってみたいなぐらい一応注目度は高いトピックの一つだと。
で、それがあるから、じゃあどわーって近く行って、そのフレアが起こってる証拠とか見えるのかなとか、
波動の動きとマッチするようなエネルギーの輸送見えるのかなっていうのを、
2018年に打ち上げて、今まさに太陽に接近しているパーカーソーラープローブに任せようとしているという感じですね。
もちろんこれで全ての決着がつくのかで言うと、まだまだこれからいろんな研究の仕方も出てくると思いますが、
まあそれらが落ち着いたタイミングで、きっと数年ってわけにもいかないかもしれないけど、
ある程度近いタイミングで、この太陽の加熱問題に関してはある程度決着がつくんじゃないかなと思いますね。
実際にスーパーコンピューターを使った千葉大野先生の研究で、もうかなりの部分までコンピューターシミュレーションで解明できてるよみたいな、そういった話もあるんですよね。
ポッドキャストでも紹介しましたけど、新しくスーパーコンピューターリリースされたじゃないですか。
今までよりも計算スピードが格段に速くなったってやつ。
アテルイの紹介をしたんだっけな。やったと思います、最近。
なので、そういったやつを使って今まで届かなかった数%の残りの計算量っていうのがカバーできて、
太陽の加熱問題に対する解釈っていうのもスーパーコンピューター側でできる。
そのできる内容に対してパーカーソーラープローブが得てきた情報っていうのを照らし合わせて、
実際の観測結果とマッチするのかどうかっていうのを確認していく。
そうすると多分結構な部分で分かってくる部分多いんじゃないかなと。
これが分かったことによって太陽の加熱問題は一旦そんなに熱を帯びて考える部分じゃなくて、
次行きましょうみたいな話になるかもしれない。
ていうので、パーカーソーラープローブの結果ってこれからのスーパーコンピューターとか使っての
太陽内部に対するアプローチとか、そういったところとの整合性を取るのにめちゃめちゃ重要になってくると思うんで、
パーカーソーラープローブの活躍、研究成果、これからどんどん出てくるのをちょっと楽しみにしていきたいなと思っております。
もしそういう研究結果がどんどん出てきたら追加で紹介していこうと思いますんで楽しみにしておいてください。
よろしくお願いいたします。
そんな感じで今回は以上ですね。
明日は日曜日なんで日曜特集をお届けしていきましょうか。
この1週間でどんな宇宙の話をしてきたかなっていう話も含めて、
あとはもう本の出版まであと12日ですかね。
なりました。
一体どんな感じで売り始めるタイミングのことをやっていくのかみたいなそんな話もさせていただこうかなと思っておりますので、
ぜひぜひ明日のエピソードも楽しみにしておいてください。
よろしくお願いいたします。
それじゃあアフタートークです。
はいということでいかがでしたでしょうかね。
ポッドキャスト今週もたくさん更新できました。ありがとうございます。
1つコメントを頂いているので紹介していきたいと思います。
いつもコメント頂いてますね。
リスナーネームイプシロンさんから頂きました。
昨日国立博物、国立科学博物館のハヤブサ展に行ってきました。
ハヤブサ2の展示の中で1回目のタッチダウンの砂はA室に、2回目のタッチダウンの砂はC室に、
1回目と2回目の間の砂がB室にと書いてありました。
1回目と2回目の間にどうやって砂を採取したのでしょうか。
その場の学芸員さんでは分からないところまでだったので、もしりょうさんが分かれば教えて頂きたいですと頂きました。
ありがとうございますイプシロンさん。
面白い。
みんながこれ今聞いてる人たちがハヤブサ2がどうやって小惑星のものを取ってきたのか。
実はこれ弾丸をバチンと打ち込むみたいな感じで浮き上がったものを採取するとかあったんですよ。
みたいなね。
ま、とかあのタッチダウンするときとかっていうなんかいろいろそういうのが合わさってなんですけど、
そういうのがあるんで結構細かい話になる。
宇宙話でそんなに詳しく話したかなーというとあんま記憶に僕もないので、
週明けのエピソード、月曜日のエピソードでこれ話しましょうか。
イプシロンさんのこの質問めちゃめちゃいい質問だし、
あの今ねハヤブサ10みたいなのやってるんだったらきっと楽しんでもらえる人もいるんじゃないかなと思います。
もしかしたら年始で、年末で終わっちゃったかなと思いますが、
ハヤブサ2はそれこそこの間ね、あの学生の方と収録させていただいたんですけど、
まさにハヤブサとかにかなり感化される世代だったっていう話を聞いて、
あーなんか宇宙に魅力を感じるのの世代がどんどん変わってきてるんだなーっていうのを実感しました。
なのでちょっとここはね、ハヤブサ2の話、週明けしていきましょう。よろしくお願いします。
はいそんな感じで年内も残すことあと、29、30、31、3エピソードか。
いやーさすがにあれかな、1月1日も別に普通にポッドキャスト更新されるんで聞いてほしいんですけど、
31とか振り返りとかやりましょうか。
日曜日にもやるけど、日曜日は1週間の振り返りだから1年の振り返りとかしながら、
ゆっくり年末年始のエピソードは作っていきたいと思いますので、
移動のタイミングとかね、あとは仕事始まった時とかにまとめて聞き直してみてください。
ちなみにもう一個やってるポッドキャストのチャンネルですね、隣のデータ分析屋さんの方も、
毎週水曜日に更新してて、この間も更新してるんでぜひ聞いてほしいんですけど、
オープンAIとかAI関連の発表がたくさん出てきて、今めっちゃ盛り上がってるよって話なんで、
それはそれでいいんですけど、そっちも水曜日で、1月1日水曜日なんですよね。