はじめに:国際刑事裁判所(ICC)の現状
この時間は、日替わりコメンテーターによる解説で 日々のニュースを掘り下げるブラッシュアップ。
月曜日は、法学者の谷口真由美さんです。 谷口さん、おはようございます。
おはようございます。
さて、今日はどんな話題でしょうか。
今日はですね、アメリカのルフィオ国務長官が 13日に配信されたアメリカの雑誌、ウォールストリートジャーナルなどの機構で
我々が持つすべての手段を用いて、国際刑事裁判所を解体するということを主張したことについてお話ししたいと思います。
こちらの番組でも、前にICCの赤根智子さんの話をしたと思うんですけど、
もう一度聞いたことない方もいらっしゃるかもしれないので、
ICC、国際刑事裁判所と赤根智子さんの話からしたいと思います。
赤根智子さん、愛知県ご出身で、今オランダのハーグにおられる国際刑事裁判所の所長さんなんですけれども、
今、クレジットカードとかが使えない状況にあるかもしれないというので、
例えばAmazonで買ったKindleの本が使えないとか、マイクロソフトのメールが勝手に停止されたりとか、
Googleとかもですね、日本の家族にお金を送ることもできないとか、そういうことをされてるかもしれなくて、
この人なんか犯罪者なんかと、国際的に指名手配されてる人なんかと言ったら全く逆で、
戦争犯罪をした人、犯した独裁者とかを裁く国際刑事裁判所というのの所長さんなんですね。
国際刑事裁判所がICCというふうに略されます。
ICCと国際司法裁判所(ICJ)の違い
日本人として初めて選ばれた世界の司法トップみたいな感じですね、この方の一人ですけれども、
そのICCに対して先週月曜日、アメリカのルビオ国務長官が、レンガを一つ一つ剥がすように解体するという話をしたってことなんですね。
前提として、実は世界には似た名前の世界の裁判所が2つあって、
1つがICJというものですね。これが国際司法裁判所というやつです。
今日お話しするのはICCという国際刑事裁判所。
名前が似てるので、しかも両方ともオランダのハーグにあるので、結構間違えられやすいんですけれども、全く別の役割を持っています。
簡単に言うと、ICJ、国際司法裁判所っていうのは、町内会の揉め事を仲裁する会みたいなもんですね。
国と国の喧嘩であったりとか、この島はうちの領土だとか、マグロ取りすぎてるから取んのやめてくれへんとか、そういう南マグロ裁判をやるところですね。
一方、今日話題のICC、国際刑事裁判所っていうのは、いわゆる戦争犯罪とかを犯した個人を裁く刑事裁判所です。
これ、国ではなくて人を裁くものですね。大量殺戮であるジェノサイドとか、他の戦争犯罪、人道に対する罪、侵略の罪とか、この4つが対象なんですけど、
現在プーチン大統領とか、イスラエルのネタニア首相にも逮捕状を出している。これがICCですね。国際刑事裁判所。現在この2つの法廷で世界法廷、どちらも日本人がトップです。
国際司法裁判所の方は岩沢雄二さん。ICC国際刑事裁判所は赤根智子さん。赤根さんは日本の元警察官の方で、岩沢さんは東大の先生でした。
この世界に2つある世界法廷と言われるものの、世界の裁判所の頂点に2人の日本人が立っているということで、日本の外交と法学の歴史からするとものすごく怪拙なんですよね。誇りある、誉れの状況があるということを皆さんにまず知っておいていただきたい。
アメリカによるICCへの制裁とその影響
赤根さんは1982年に日本の警察官になられたんですけども、今でも女性の警察官少ないですけども、当時本当に少なかった。そんな中で日本各地で刑事事件を担当されて、国連の犯罪防止機関の所長なんかも務められて、2018年に日本人として3人目の国際刑事裁判所の裁判官に選ばれました。
2024年の3月に所長に就任されたということがあります。私個人的に赤根さんすごいなと思うのは、40年以上一貫して悪いことをした人にはきちんと責任を取ってもらうという地道な仕事を続けてこられていることなんですね。
日本の刑事司法の現場で積み上げられてきた経験っていうのが、今世界の最も残酷な、本当にひどい犯罪を裁く場所で生かされている。だから日本の司法が彼女を育てたわけですね。
そういう方が今危機にさらされているという状況にあるということで言うと、トランプ政権がすでにICCの国際刑事裁判所の検察官とか複数の裁判官をアメリカの制裁対象にしてます。
その制裁の中身っていうのが、例えばマイクロソフトがICCで使ってたメールアカウントを全部削除しました。ある日突然仕事のメールが消えると。それからAmazonのアカウントも停止されました。
クレジットカードもビザもマスターもアメリカンエクスプレスも全部アメリカの会社ですから、日本の銀行口座から引き落とししてもできなくなります。日本の銀行もアメリカの金融ネットワークとつながってるからなんですね。国際送金も一切不可能になります。
アメリカの入国は当然禁止になって、国連本部ってニューヨークにあります。安全保障理事会もニューヨークの国連本部にあるんですけれども、ICCの検察官が今国連の安全保障理事会に呼ばれてもオンラインでしか参加ができないという状況です。
飛行機のルートも大きな問題で、ICCの職員ってアメリカ上空を飛べないんですね。アメリカと同盟関係にある国を経由する便もリスクがあるので、パーグからオランダから他の大陸に行くのに、すごい大きく迂回するルートを通らなきゃいけないので、赤根さんも日本に帰ってくるのもひと苦労なんですね、実は。
赤根さん自身が御著書の中で、経済制裁のリストに、いわゆるISISイスラム国のテロリストの名前と並んで、ICCの裁判官とかの名前が載っていると。
これは深く尊厳が傷つけられることですということで、先存犯罪者を裁こうとしている裁判官が、いわゆるテロリストと同じリストに載せられるということが世界で起きていると。
これ実は私たち一人一人にも関係している話で、私たちの日常がいかにアメリカの企業インフラ、ガンファムとかに依存しているかっていうので言うと、赤根さんの身に起きたことっていうのは、いわゆるデジタル主権と言いますけれども、そういうのを持たない国の国民はいつでも同じ目に遭う可能性があると。
ある日突然グーグル使えなくなるとか。だからアメリカと仲良くしとかないとそういうことが起こるっていうことを身をもって国際刑事裁判所の人たちが体験してるってことですね。
アメリカがICC解体を主張する背景と問題点
そのルビオ国務長官の発言は、ICCはアメリカの主権を脅かしているので、あらゆる手段を使ってレンガを一つ一つ剥がすように解体すると。それには同盟国にも協力を求めるということを言ったんですよね。
簡単に言うと3つ問題があって、一つ目は、そもそもアメリカはICCに入ってないんですよ。
そう、条約提案国ではないんですね。だけどわざわざ潰しにかかってるのは、やっぱりイスラエルのネタニア府首相への逮捕状ですね。今一緒に戦争してることになりますからね。
それからアメリカ軍が国外で行った行為、例えばベネズエラ沖の船舶攻撃などがいずれも調査対象になるからですね。
2つ目は、ICCは国家が動かないときにだけ動く裁判所なんですよね。
だから補完戦の原則って言って、国が自分の国の犯罪をきちんと裁くんであれば、ICCの出番はないんです。
ということは、ルビオさん自身は、アメリカ自身が自国の戦争犯罪を裁く気がないということを言ってるのと同じなんですよ、これ。
3つ目が、気に入らなかったら裁判所っていうかシステムそのものを潰し去るっていうので言うと、これ法の支配の完全な否定なんですよね。
だって日本で政治家が、自分に不利な判決を出そうとしたら裁判所潰すって言ったらどうなります?
アホかってなりますよね。
そういう状況なんですよね。
日本が取るべき姿勢と国民への呼びかけ
なのでちょっと皆さんに分かっていただきたいのは、日本がルビオさんが同盟国に最大の協力を求めるってことであれば、
アカネさんとかどうするんですかっていう話なんですよ。
やっぱりだからアメリカと100%ともにあるっていうか、アメリカの同盟国であるからアメリカの言うこと聞きますよみたいな態度を貫くっていうのは、
実はICCを解体することに加担し、日本も応援しているアカネさんとかを危機にさらすってことなんですね。
それはリスナーの皆さんも含めて、我々国民一人一人がですね、日本政府に対してこういう危機にさらしてはならないと。
法の支配とか正義とかそういうものを積み上げてきたんだから、日本はそれをすごい協力してきたから、
今危機にあること、アメリカとともにあらないことっていうこともすごい重要で、
HAAGにいるアカネさんとかの背中を押せるのは、この放送を聞いてくださっている皆さんを一人一人の知るっていうことかなというふうに思います。
今日はそんなお話でございました。
まとめ
ちょうど今日の新聞とかでは、ニューヨークのマムダニ市長がネタリアフ市を拘束すべきだ、みたいな主張をしているというのもありましたけどね。
アメリカの中でもそういう意見を持っている人と、ICC自体に反発している人といろいろいるわけですね。
今日はアメリカICCの解体を主張というニュースをきっかけに、いろいろ解説していただきました。
谷口さんありがとうございました。
ありがとうございました。
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