レクチャーシリーズ「パターンで学ぶ議論の仕方」(全8回)は,議論の仕方を少しずつ学び,充実した議論を行うためのスキルを高めることを目的としています。その第3回となるこのエピソード「ひな形をもとに意見を述べる」では,具体的な意見の述べ方を様々なひな形をもとに解説しています。
なお,このエピソードは,私(たな)が大学の授業で使っている講義ビデオ「議論を深める意見(応答)の書き方〜ひな形をもとに〜」をもとに作成しました。したがって,「このビデオ」といった言い方が出てきます。ビデオでは,スライドを示しながら説明していますので,そのスライドを下に掲載します。文字起こし欄に,そこで参照してほしいスライドの番号を【スライド1】などと記載していますので,必要に応じて参照してください。
また,講義ビデオ自体も下に掲載していますので,必要に応じて参照してください。
スライド
スライド1

スライド2

スライド3

スライド4

スライド5

スライド6

講義ビデオ
ひな形(再掲)
ビデオに登場したひな形の部分を以下に整理して再掲します。
They Say(他人の意見の紹介)の書き方
- ○○さんは,私の要約によれば,・・・と述べています。
- ○○さんは,「・・(引用)・・」と述べています。つまり,・・・だと主張しています。
- ○○さんは,次のように述べています。すなわち,・・・と。
I Say(自分の意見=応答)の書き方
- 私はこの意見に同意します。
- 私はこの意見に一部同意します。
- 私はこの意見に同意しません。
理由の書き方
- なぜならば,・・・だからです。
- ただし,その理由は・・・だからということではなく,・・・だからです。
同意する部分と同意しない部分の書き方
- 確かに,・・・だと思います。しかし,・・・。
反論を想定して,あらかじめ再反論しておく
- 確かに,この意見には,・・・のような反論をする人がいるかもしれません。しかし,私はそのような反論には同意できません。なぜならば,・・・だからです。
参考文献
They Say / I Sayのパターンについては,次の文献を参考にしました。
G. Graff & C. Birkenstein, They Say / I Say: The Moves That Matter in Academic Writing, 6th ed., W. W. Norton, 2024.