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学校におけるプログラミング授業の今:次世代教育の展望:GIGA第2期とSTEAM教育の推進
2026-09-06 19:45

学校におけるプログラミング授業の今:次世代教育の展望:GIGA第2期とSTEAM教育の推進

NEXT GIGAと情報教育の変革:現状の課題と展望に関するブリーフィング

エグゼクティブ・サマリー

日本の教育現場は、GIGAスクール構想の第2期である「NEXT GIGA」への移行と、大学入学共通テストにおける新教科「情報I」の本格導入という、大きな転換期にあります。

NEXT GIGA(2024年度〜2028年度)は、第1期で整備されたハードウェアを土台とし、端末の計画的更新、ネットワーク環境の抜本的強化、そして教育DXの深化を目指すものです。しかし、現場では「情報I」の専門教員不足や指導ノウハウの欠如、さらには過去問が存在しない中での入試対策という極めて困難な課題に直面しています。

本資料は、文部科学省の施策、学会による提言、入試の現状、および現場の課題を統合し、教育機関が今後取り組むべき重要事項を概説します。

1. NEXT GIGA(GIGAスクール構想第2期)の全体像

GIGAスクール構想の第1期(2019年度〜)が「1人1台端末」の普及を目的としていたのに対し、NEXT GIGAは「活用の深化」と「質の向上」に焦点を当てています。

NEXT GIGAの4つの柱

文部科学省が推進するNEXT GIGAの戦略は、以下の4点に集約されます。

  1. 1人1台端末の計画的な更新(リプレイス)
    • 端末1台あたり5.5万円(予備機15%分含む)を上限に国が補助。
    • 都道府県単位での共同調達により、コスト削減とノウハウ共有を図る。
    • デジタル教科書やAI活用を見据え、タッチペン必須などのスペック基準を引き上げ。
  2. 高速で安定したネットワーク環境の確保
    • 「授業中に動画が止まる」等の課題を解決するため、ネットワークアセスメント(現状分析・診断)の実施を強く推奨。
    • アセスメント費用に対し、1校最大100万円の補助金を交付。
  3. 教育DXの推進と先端技術の活用
    • クラウドベースの校務支援システムの導入や、生成AIの活用研究。
    • 公的CBTプラットフォーム「MEXCBT(メクビット)」の機能拡充と活用促進。
  4. ICT支援体制の強化と人材育成
    • 「GIGAスクール運営支援センター」によるヘルプデスク運営やトラブル対応のサポート。
    • 「リーディングDXスクール事業」を通じた実践事例の創出と全国展開。

2. テクノロジー教育の刷新とSTEAM教育の導入

日本産業技術教育学会は、Society 5.0の実現に向け、現行の教育課程を抜本的に再編することを求めています。

学会による主な要望事項

  • 中学校「テクノロジー科」(仮称)の設置:技術・家庭科技術分野を再編し、情報活用能力を基盤に、ものづくりと情報通信技術を融合させた新教科を創設。
  • 小学校プログラミング教育の独自教科化:各学年週1時間程度の授業時数を確保。
  • STEAMラボの整備:3Dプリンタやプログラミングロボット、プロジェクト活動用スペースを備えた多機能な学習環境を全校に導入。
  • 「総合的な学習(探究)の時間」への導入:テクノロジー教育を柱としたSTEAM教育を展開し、デザイン思考やエンジニアリングの見方・考え方を育成。

3. 「情報I」導入に伴う大学入試の現状と課題

2025年度(令和7年度)から共通テストで必須化された「情報I」は、受験生・教員双方にとって大きな負荷となっています。

入試の現状と難易度

  • 平均点の推移:2025年度の平均点は約69点だったが、2026年度(中間集計)では約57〜60点へと大幅に難化した。
  • 出題傾向の変化:初期は読解力パズルのような側面が強かったが、近年は「ネットワーク・セキュリティ」「16進法」「論理演算」といった専門知識を問う問題が増加し、時間制限も非常にシビアになっている。
  • 配点の多様性:国公立大学において、共通テストの100点を200点に換算(例:福岡県立大学)する大学もあれば、20〜25点に圧縮(例:香川大学)する大学もあり、志望校選びにおいて配点比率の把握が不可欠。

指導現場の深刻な課題

ベネッセコーポレーションの調査や専門機関の分析により、以下の課題が浮き彫りになっています。

  • 専門教員の圧倒的不足:情報科の専任教員がいる高校は約30%に留まり、多くは他教科(数学や理科)の教員が兼任している。
  • 指導ノウハウの欠如:プログラミング(疑似言語DNCL)やデータサイエンスの指導に対する不安が強い。
  • 「過去問」の不在:新課程入試のため過去問が存在せず、教員が自作で本番レベルの予想問題を作成することは、スキル的にも物理的にも限界に達している。

4. 成功に向けた戦略的アプローチ

NEXT GIGAの推進と情報教育の充実を両立させるため、以下のポイントを重視する必要があります。

インフラ・運用の最適化

  • ネットワークアセスメントの実施:ボトルネックを特定し、共有型から専有型(1本の光ファイバーをダイレクトに提供する形式)の回線への切り替えなどを検討する。
  • 強固なセキュリティ基盤の確立:クラウド活用に伴い、従来の境界防御型から、多要素認証(MFA)等を含む「ゼロトラスト」に基づくアクセス制御へ移行する。
  • 外部リソースの活用:試験問題の作成や検証、ネットワーク保守などを専門機関へアウトソーシングし、教員が「生徒への個別指導・対策」に専念できる環境を作る。

学習・受験対策の効率化

  • 学習の優先順位付け:「情報I」は30〜50時間の対策で9割を狙えるコスパの高い科目とされる。
  • ステップ別学習
    1. 用語の理解(情報社会・デザイン)
    2. データ基礎(2進数、符号化)
    3. アルゴリズムとプログラミング(DNCLのトレース)
    4. 形式演習(時間配分の確立)
  • 時間配分の鉄則:大問3(プログラミング)に最大時間を割くため、知識問題中心の大問1、2、4をいかに素早く正確に解くかが鍵となる。

結論

NEXT GIGAは単なる機器の更新ではなく、教育の質を飛躍的に向上させるための国家戦略です。教育現場においては、制度上の支援策(補助金や支援センター)を最大限活用しつつ、外部専門機関との連携を強化することで、教員の負担を軽減し、Society 5.0時代にふさわしい「質の高い学び」を実現することが求められます。

感想

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サマリー

日本の教育現場は、GIGAスクール構想第2期「NEXT GIGA」によるインフラ整備と、大学入学共通テスト「情報I」の本格導入という大きな変革期を迎えています。一人一台端末の更新やネットワーク強化が進む一方で、情報科の専門教員不足や指導ノウハウの欠如が深刻な課題です。共通テスト「情報I」は年々難化し、実践的なプログラミングやデータサイエンスの知識が問われるため、外部専門機関の活用や戦略的な学習が不可欠となっています。この変化は、Society 5.0時代に求められる「テクノロジーに明るい市民」を育成し、教育のあり方や社会の常識そのものを再定義しようとしています。未来の学校は、人間同士が対面でしか学べない価値に特化した、全く新しい場所になる可能性を秘めています。

日本の教育現場におけるデジタル大革命の序章
スピーカー 1
あの想像してみてください。あなたが自分の人生を左右する難関テストに挑むとき、実はそれを教えている先生の7割がその科目の正式な免許を持っていなかったとしたら?
スピーカー 2
いや、それはかなり怖い状況ですよね。
スピーカー 1
ですよね。しかも過去問は一切存在しなくて、テストの難易度は年々は跳ね上がっていくっていう。今、日本の教育現場でまさにそんな信じられない事態が進行しているんですよ。
スピーカー 2
ええ。かつての年号を暗記してマークシートを塗るっていうシンプルなテストの時代は完全に終わりましたからね。
スピーカー 1
本当にそうですね。
スピーカー 2
今まさに教育システム全体が未知の領域に向けてすさまじいスピードで再構築されている、すごく強烈な過渡期にあると言えます。
スピーカー 1
というわけで、今回の私たちのディープダイブのミッションは、日本の教育現場で現在進行形で起きているデジタル大革命と大学入試の最前線、特に情報Ⅰという科目の実態を解き明かすことです。
スピーカー 2
はい。リスナーの皆さんも最近よく耳にするトピックかもしれませんね。
スピーカー 1
ええ。今回は文科省の公式資料から予備校の生データ、模擬試験を作る裏方の本音、さらには現役エンジニアによるガチのテストレビューまで、あらゆるソースをかき集めました。
スピーカー 2
インフラっていうハード面から現場の教員の苦悩というソフト面、そして評価システムまで点と点をつなぐことで非常に面白い全体像が見えてくるはずです。
NEXT GIGA構想と教育インフラの進化
スピーカー 1
さて、これを紐解いていきましょうか。まずは教室のハードウェアと環境がどう変わっているのかという根幹部分からです。
スピーカー 2
重要な部分ですね。
スピーカー 1
NEXT GIGAって聞いたことありますか?ギガスクール構想の第2期として2024年度から2028年度にかけて進められている計画なんですけど。
スピーカー 2
はい。第1期で全国の小中学生に一人一台端末が配られたのが2019年からの動きでしたよね。
そうです。
スピーカー 2
ただ、ご存知の通りパソコンやタブレットには寿命がありますから。
スピーカー 1
そうなんですよ。配布されてから4、5年がたって今学校現場ではバッテリーの劣化とか画面の故障が急増しているそうです。
スピーカー 2
スマホと同じで毎日使っていれば当然そうなりますね。
スピーカー 1
だから今回は単なる開会じゃなくて計画的な更新、いわゆるリプレイスが大きな課題になっているんです。
しかも要求されるマシンスペックがかなり引き上げられているんですよね。
スピーカー 2
ええ。文科省の要件を見ると、Windows端末ならメモリは最低でも4GB、推奨は8GB以上とされています。
スピーカー 1
8GBって普通に仕事で使うレベルじゃないですか。
そうですね。さらにタッチペンの付属も必須になりました。
スピーカー 2
これはデジタル教科書の本格的な導入や将来的なAIの活用を見据えると、インフラの底上げが絶対に必要だからなんです。
スピーカー 1
なるほど。でも端末だけ良くてもダメみたいなんですよね。
スピーカー 2
と言いますと?
スピーカー 1
今回集めたソースの一つで、通信インフラを手掛ける優先ゲート02のコラムを読むと、かなり深刻なネットワーク問題が起きていることがわかります。
スピーカー 2
ああ、回線の渋滞ですね。
はい。授業中にクラス全員が同時にアクセスすると、動画が止まってしまって授業にならないっていう遅延が多発しているそうなんです。
スピーカー 2
まあ考えてみれば当然ですよね。一般家庭でも家族4人が同時に4K動画を見たらネットワークは重くなりますし。
スピーカー 1
確かに。
スピーカー 2
それが教室では30人から40人の生徒が一斉にクラウド上の重いデータにアクセスするわけですからね。
スピーカー 1
それは止まりますね、絶対。だからこそ専門家による事前のネットワークアセスメントや優先ゲート02が提供しているような専用型の光ファイバーの導入が推奨されているんですね。
スピーカー 2
インフラの太さが直結しますから。
スピーカー 1
さらに興味深いのがセキュリティの考え方も全く変わってきている点なんです。資料によると従来の境界防御型からゼロトラストセキュリティへの転換が進んでいるとありました。これどういうことですか。
スピーカー 2
簡単に言うと昔のセキュリティはお城の城壁だったんです。
スピーカー 1
お城の城壁ですか。
スピーカー 2
はい。脱口というお城の周りに高い壁を作って外からのアクセスを遮断すればお城の中、つまり校内ネットワークは安全だという考え方です。これが境界防御型ですね。
スピーカー 1
分かりやすいです。でも今はクラウドを使っているからデータはお城の外にあるわけですよね。
スピーカー 2
その通りです。データがあちこちにある以上城壁は意味を成しません。だから誰も信用しない、つまりゼロトラストという前提に立つんです。
スピーカー 1
誰も信用しない。
スピーカー 2
システムにアクセスするたびにあなたは本当に生徒の誰々さんですか。安全な端末を使っていますか。多要素認証などを使って毎回厳しく本人確認をするんです。
なるほど。
スピーカー 2
企業では当たり前になりつつあるこのゼロトラストの概念がついに学校現場にも持ち込まれているということですね。
スピーカー 1
つまり第一期はとりあえず全員にスポーツカーを履いたようなものだったわけですね。
スピーカー 2
面白い例えですね。
スピーカー 1
でもみんなが一斉に走り出したら道がなくて大集大を起こしてしまったと。
スピーカー 2
そういうことですね。だから今回のNEXT GIGAでは絶対に渋滞しない高速道路を作り、ゼロトラストという最新の安全な交通ルールを徹底させようとしているわけです。
スピーカー 1
つながりました。
Society 5.0とSTEAM教育の推進
スピーカー 2
これをより大きな視点に結びつけて考えてみると、国が目指しているのは単なるデジタル化ではないんですよね。
というと?
スピーカー 2
日本産業技術教育学会が出した要望声明を読むと、その真意が見えてきます。
彼らは社会がソサイエティ5.0に向かっていると指摘しているんです。
スピーカー 1
ソサイエティ5.0って修了、農耕、工業、情報に続くものづくりとICTが融合した新しい社会のことですよね。
スピーカー 2
はい。だから全校に3Dプリンターやプログラミングロボットを備えたSTEAMラボを作ってくれと要望しているんです。
なるほど。STEAMラボ。さらに中学校の技術分野をテクノロジー化に刷新して、高校では情報Ⅱまで必修化すべきだと。
スピーカー 2
単にワードやエクセルを使えるようにするんじゃなくて、エンジニアリングの考え方やデザイン思考を使ってSDGsなどの社会課題を自ら解決できる新しい価値を創造する力を育てたいんです。
スピーカー 1
めちゃくちゃ壮大ですね。
スピーカー 2
車の運転だけでなく、エンジン構造を理解して自分たちで新しい乗り物を発明してほしい。これが巨額の予算を通じてインフラを整備する本当の理由なんですよ。
スピーカー 1
ビジョンとしては最高にワクワクしますね。ハードウェアやインフラという機が整いつつあることもわかりました。
でもいくらピカピカの最先端のキッチンを用意しても、そこで料理をするシェフがいなければ意味がないじゃないですか。
スピーカー 2
まさにその通りですね。
「情報I」導入がもたらす現場の課題と教員不足
スピーカー 1
ここからは少し現実問題に目を向けてみたいんです。ベネッセが2021年に行った高校教員へのアンケート調査を見ると、現場の先生たちの悲鳴がはっきりと聞こえてきます。
スピーカー 2
現場の教員たちは具体的に何に最も苦労しているんでしょうか。
スピーカー 1
圧倒的トップは大学入学共通テストへの対応なんです。なんと教員の約半数近くがこれを最大の課題だとパニックを起こしているんですよ。
スピーカー 2
なるほど。返文も。
ついで、指導ノウハウがない、指導教員が足りないと続いています。これ、模擬試験の作成会社であるエリュコンの治療を見るとさらに衝撃的です。
スピーカー 2
何が書かれていたんですか。
スピーカー 1
なんと、情報科の専任教員がいる高校って全国で約30%しかないそうなんです。
スピーカー 2
え?つまり残り70%の学校では、数学や理科、あるいは全く別の教科の先生が自分の本来の授業の合間に免許害として、兼任で情報を教えているっていうのが実態なんですね。
スピーカー 1
そうなんです。これリズナーの皆さんも自分の会社に置き換えてみてください。
ITの専門家が一人もいない部署に、突然上層部から明日から全社DX推進してね、部下の評価テストもよろしくって丸投げされているようなものですよ。
スピーカー 2
それは完全にプロジェクトとして破綻しますね。
スピーカー 1
ですよね。しかも新家庭入試の最大の恐怖は過去問が存在しないことなんです。
スピーカー 2
過去の傾向という道しるべが一切ないわけですから、手探り状態ですね。
スピーカー 1
ええ。しかも内容がエグいんです。兼任の先生に対してアルゴリズムとか散布図と回帰分析を使ったデータサイエンス、IPアドレス、公開鍵暗号方式みたいな高度な内容でテストを作れと。
スピーカー 2
かなり専門的ですね。
スピーカー 1
はい。かつ、生徒の思考力を問う本番レベルの予想問題を作れって、控えめに言って不可能じゃないですか。
スピーカー 2
おっしゃる通り。現場の教員だけでそれを行うのは極めて困難です。では、彼らはどうやって生徒にテストを受けさせ、評価しているんでしょうか。
スピーカー 1
そこで出てくるのが、害虫アウトソーシングです。エデュコンのような専門会社が学校の代わりにテストを作っているんです。
外部リソース活用による「情報I」対策の最適化
スピーカー 2
なるほど。プロに任せるわけですね。
スピーカー 1
エデュコンの内部資料によると、彼らは情報のプロである現役のIT技術者と、作文のプロフェッショナルをチームにして問題を作っています。
スピーカー 2
それは強力なタッグですね。
スピーカー 1
特に驚いたのが、彼らがシンタックスハイライトや架空の実用文を駆使しているという点です。これどういう意味ですか。
スピーカー 2
あのー、シンタックスハイライトというのは、プログラミングのコードを見やすくする技術なんです。
スピーカー 1
色をつけたりするやつですか。
ええ。コードって、ただの黒子文字の羅列だと、どこが変数でどこがコマンドか、人間にはパッと見てわかりにくいですよね。
スピーカー 2
だから、特定のルールに従って色分けをするんです。
スピーカー 1
はいはい。
スピーカー 2
でも、それを紙のテスト上で正確に、かつ白黒印刷でも見分けがつくように組み番するのは、非常に高度な技術が要ります。
スピーカー 1
あー、なるほど。白黒のテスト用紙で表現しないといけないのか。
スピーカー 2
そうなんです。
さらに、DNCLという大学入試センターが独自に作った日本語ベースの架空のプログラミング言語があるんですが、この独特の言語の使用に合わせた問題を作らなければならないんです。
スピーカー 1
ちょっと待ってください。70%の学校に専門の先生がいなくて、テスト作りも外部の業者に丸投げしないといけないくらい難しいなら、生徒たちは一体どうやってこの情報I致という強敵に立ち向かえばいいんでしょうか。
スピーカー 2
確かに不安になりますよね。
スピーカー 1
そもそも国が設定した目標自体が高すぎる無茶な設定なんじゃないですか。
スピーカー 2
その疑問は非常にまっとうですし、多くの人がそう感じているでしょうね。でも少し視点を変えて、リソース配分の観点から考えてみましょうか。
スピーカー 1
リソース配分ですか。
スピーカー 2
ええ。現場の先生たちが専門外の高度な問題作成に毎晩何時間も奪われて疲弊してしまうのは、果たして本来の教育の姿と言えるでしょうか。
スピーカー 1
確かにテスト作りに追われて生徒と向き合う時間がなくなるのは本末転倒ですね。
スピーカー 2
そうですよね。テスト問題の作成やシステムの構築という非常に専門性の高いタスクはエリコンのような外部のプロフェッショナルに任せればいいんです。
スピーカー 1
分業するということですね。
スピーカー 2
はい。その代わり教員はこの生徒は回帰分析の概念でつまずいているなとか、プログラミングのこの部分で面白さを感じているなといった生徒一人一人の理解度を把握してサポートする。
スピーカー 1
なるほど。人間にしかできない指導に専念すると。
スピーカー 2
そうです。この外注化は教育崩壊ではなく、むしろ極めて合理的な適応戦略だと私は分析しています。
スピーカー 1
なるほど。先生たちは生徒を導くプロであって、測るためのツールはプロから買うのが正解だと。見方がガラッと変わりました。
スピーカー 2
ええ。適材適所ですね。
共通テスト「情報I」の難化と現役エンジニアの評価
スピーカー 1
ではそのプロたちが作り、現場が苦労して対策している情報Iの共通テストは実際にどれくらい難しいんでしょうか。ここからが本当に面白いところなんですが。
スピーカー 2
はい。気になりますね。
スピーカー 1
現役エンジニアの視点と予備校の静電波から紐解いてみましょう。実際にプロの目から見ても手応えのある内容になっているんでしょうか。
スピーカー 2
どうなんでしょう。
スピーカー 1
これがすごいんですよ。テックラチオという技術系ブログで現役エンジニアが2026年共通テストの情報Iの試作問題をガチで解いてレビューしているんです。
スピーカー 2
プロが高校のテストを解いたんですね。
スピーカー 1
はい。それによると2025年の平均点が約69点だったのに対して2026年は約57点へと大幅に難化しているそうなんです。
スピーカー 2
一致に10点以上も下がるというのはテストの性質自体が変わってきている証拠ですね。
スピーカー 1
エンジニアの方曰く、前年はまだ国語の読解力、パズルのような傾向があったんですが、今年は16進法とか論理演算、ネットワークの仕組みなど、より専門的な知識と経験を問う内容に進化しているそうです。
スピーカー 2
基本情報技術者試験に近いレベルになってきていると。
まさにそうです。例えば面白い問題がありました。キャラクター画像の背景を透過処理、つまり透明にするために論理演算をどう使うかという問題です。
スピーカー 2
それは非常に実践的ですね。
スピーカー 1
実践的なんですか?
ゲームやウェブデザインで背景を切り抜くとき、裏側ではピクセルごとのデータに対してANDやXORといった論理演算が行われているんです。
スピーカー 2
へー。
そのブラックボックスの中身を高校生に考えさせるわけですから、素晴らしい問題です。
スピーカー 1
なるほど。他にも、桜の開花予想日を題材にした400度の法則に関するデータ分析の問題など、単なる暗記ではなく、現実世界の事象をデータとしてどう処理するかという両門が揃っていると評価されていました。
スピーカー 2
まさに先ほどのSteam教育が目指す社会課題をデータとテクノロジーで解決する力を図ろうとしていますね。
スピーカー 1
ただ、この現役エンジニアの方、問題文に対してめちゃくちゃ鋭いツッコミも入れていて、そこが面白かったんです。
スピーカー 2
どんなツッコミですか?
スピーカー 1
先ほど出たDNCLという疑似言語のコードに個数の合計を表す個数語形みたいな中途半端なローマ字の変数名が使われていて、実務なら絶対にコードレビューで怒られるやつだって嘆いていました。
ああ、確かに。プログラマーからすると変数名は英語にするか、せめて明確な意味を持たせるのが常識ですからね。気持ちはよくわかります。
スピーカー 1
さらに、試験特有の制約として、for文、つまり決まった回数繰り返す処理が使えないらしくて。
for文が使えない?
スピーカー 1
はい。体験が15以下、かつ最長が10未満の間繰り返す、というような実務ではあまり見ない不自然なwhile文を無理やり使わざるを得ない点にも苦言を呈していました。
スピーカー 2
それは、擬似言語がどのプログラミング言語を学んだ生徒にも公平になるように、最大公約数的な機能しか持たせていないから起きる現象ですね。
スピーカー 1
ああ、なるほど。公平性のための制限なんですね。
スピーカー 2
ええ。プロから見れば奇妙でも、論理的思考略を図るというテストの目的には合致しているんでしょう。
「情報I」攻略法と大学入試における配点の多様性
スピーカー 1
そんなプロでもクソ笑いするような難関テストですが、リスナーのあなたがもし、うちの子大丈夫かなと思っているなら安心してください。
公約法があるんですか?
スピーカー 1
予備校の言論会が非常にクリアな公約データを出しています。しっかり戦略を立てれば、なんと9割は狙えるそうです。
スピーカー 2
それは心強いですね。どれくらいの学習時間が必要だと分析していますか?
スピーカー 1
実は、必要な時間はたったの30時間から50時間だそうです。
スピーカー 2
意外と短いですね。
スピーカー 1
はい。やみくもにやるのではなく、順番が命で、情報社会、情報とデータ、コンピューターとプログラミング、ネットワークという順番で基礎を固める。
スピーカー 2
ステップを踏むわけですね。
スピーカー 1
はい。そして、とりあえず過去問、というか模試を解いて、自分の弱点を知ることが鉄則だと言っています。
特に、最も時間がかかるDAIMONさんのプログラミングに、試験時間のうち約17分を意図的に残す時間配分が鍵になるそうです。
スピーカー 2
非常にロジカルなアプローチですね。必要な知識をインプットし、時間というリソースを最適に配分する。まさに情報処理的な問題解決です。
スピーカー 1
そしてもう一つ、私が資料を見ていて一番驚いた事実があるんです。ここで非常に興味深いのは、大学ごとの配点の違いです。
配点ですか?
スピーカー 1
情報Iは基本的に100点満点のテストなんですが、大学によってその扱いが極端に違うんですよ。
スピーカー 2
具体的にどのような違いがあるんでしょうか?
スピーカー 1
例えば福岡県立大学の情報工学部は、なんと情報Iの100点を200点に倍増して計算するそうです。情報ができる学生大歓迎というスタンスですね。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
一方で横浜市立大学の一部学部では50点に半減。香川大学の教育学部や法学部に至っては20点や25点という極端な圧縮評価をしているんです。
スピーカー 2
ここで非常に興味深いのは、この大学ごとの配点の極端な違いが意味するメッセージですね。
スピーカー 1
メッセージ?
スピーカー 2
ええ。これは単なる点数計算の違いではありません。大学側からの、うちの大学はこういう学生を求めていますよという強烈なシグナルなんです。
スピーカー 1
シグナルですか?
スピーカー 2
はい。情報系を重視する大学は配点を高くして最初からテクノロジーへの適正がある学生を集めたい。一方で文系学部などは情報はあくまで基礎教養の一つだと。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
それよりも国語や英語といった論理的読解力を重視したいと考えているから、配点を圧縮するわけです。つまり、情報Iの点数配分は、大学が求める人物像と学生の適正をすり合わせるマッチング機能として働いているんです。
ああ、腑に落ちました。香川大学の法学部が情報を重視しないのは、法律を学ぶ上でまずはベースとなる言語能力や読解力を重視したいという葛藤の表れでもあるわけですね。
そういうことです。
教育と社会の再定義:未来のスキルと学校の姿
スピーカー 1
つまりこれらは全て何を意味しているんでしょうか。ハードウェアの限界に伴う計画的な更新、NEXT GIGAに始まりゼロトラストのような企業レベルのセキュリティ導入、そして専門知識のない7割の現場教員が外部のプロフェッショナルの力を借りながら、エンジニアも唸るほど難化した新しい評価システムに立ち向かっている。
スピーカー 2
教育という巨大なエコシステム全体がものすごい摩擦熱を生み出しながら進化しているということですね。
スピーカー 1
イスナイのあなたに向けて言いたいのは、もしあなたが今学生やその親でなかったとしても、これは決して無関係な話ではないということです。
スピーカー 2
ええ、いずれ社会に出てきますからね。
スピーカー 1
そうなんです。あと数年もすれば、この高度な情報教育と厳しい入試サバイバルを生き抜いた若者たちが、あなたの同僚や部下として社会に出てきます。
スピーカー 2
彼らはデータサイエンスの基礎やプログラミング的思考を読み書きそろばんのように当たり前に身につけている新人類といえます。
スピーカー 1
企業側も、ただDX推進と号令をかけるだけでなく、彼らの高度なスキルを正しく理解し、生かせる環境とマネジメントを用意できるかどうかが厳しく問われることになりますね。
スピーカー 2
まさにその通りです。
スピーカー 1
これは重要な問題を提起しています。
Society 5.0を支えるテクノロジーに明るい市民を育てるための情報教育ですが、
コードを書くことやデータ分析が、かつての読み書きと全く同じレベルの常識になったとき、
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
私たちの社会における教養やリテラシーの定義自体が根本から変わってしまうのではないでしょうか。
スピーカー 2
ええ。そして同時に、学校という場所の定義も変わりますよね。
学校の定義ですか?
スピーカー 2
テスト作りというかつての聖域すら外部のIT企業に依存し、
知識の伝達はクラウド上のAIや動画が行うようになったとき、
未来の学校はもはや私たちが知っている昔ながらの姿をしているのでしょうか。
スピーカー 1
きっと人間同士が対面でしか学べない何かだけが残る、全く新しい場所になるのかもしれませんね。
あなたはこの新しい常識の定義で、自分自身のスキルや社会の形をどう測り直しますか。
スピーカー 2
考えさせられますね。
スピーカー 1
ぜひ今日から少し視点を変えて、周りのデジタル環境を眺めてみてください。
次回もまた深いところまで潜っていきましょう。
19:45

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