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【#321】渋谷らくご しゃべっちゃいなよ 26/4/10
2026-04-11 16:08

【#321】渋谷らくご しゃべっちゃいなよ 26/4/10

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今回も個性大爆発の面白さ。この時間からこんな面白い落語が聴けるのは嬉しいことですねえ。
笑福亭茶光さんの『ゾンビ』はぜひ英語版にしてNYでやってほしい。
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サマリー

渋谷らくご「しゃべっちゃいなよ」の落語会レポート。瀧川鯉白、立川寸志、笑福亭茶光、三遊亭青森、春風亭百栄といった個性豊かな噺家たちが、AIスピーカーとの会話、小心者のサラリーマン、ゾンビ、占い師、うなぎ屋など、多様なテーマで新作落語を披露。特に笑福亭茶光の『ゾンビ』は英語版での上演も期待される出来栄え。林家彦いちとサンキュータツオのトークも交え、新作落語の魅力を存分に味わえる会となった。

オープニングトークと瀧川鯉白の新作落語
はい、シェアする落語のシケです。
4月10日金曜日、渋谷ユーロライブにおきまして、渋谷らくご4月1日目の『しゃべっちゃいなよ』行ってまいりました。
林家彦いち師匠がプロデュースする各月開催の新作ネタおろしの回です。
何が嬉しいってね、開始が20時なんですよ。
これはね、仕事終わって移動して、ちゃんと聞けるっていうのが嬉しいですよね。
開始前にオープニングトークということで、彦いち師匠とサンキュータツオ先生のトーク。
もうこっからですね、この渋谷らくご『しゃべっちゃいなよ』の世界にスーッと引き込まれていく。
俗世間から切り出されて、新作落語にこれから浸るぞ!って気持ちになるというところで、
最近の新作落語事情みたいなところをですね、面白おかしくお話をしていただいたところで、
トップバッターが瀧川鯉白さん。
この前、前回僕が『しゃべっちゃいなよ』に来たのが昨年の10月だったかな。
これが結構きつい生煮えなネタでね。
かつ僕が鯉白さんがちょっと苦手なのは、気持ち悪いネタをやるんですよね。
その気持ち悪さにある種の文学性みたいなものがあったりするっていうのはありだと思うんですが、
僕のその生理にはちょっと合わないなっていうところがあったんですが、
今回のネタがですね、前回の10月の時のネタが、
ご本人にとってもですね、かなり悔いの残るトラウマになるというですね、
高座だったらしくて、
リベンジで出たいと言って登場ということらしいんですね。
今回のネタがですね『ほうれんそうをたべる』という噺で、
結論から言うとですね、
僕がこれまで聴いた鯉白さんの高座の中では一番良かったです。
なんていうのかな。
プロットとしては、AIスピーカーと40過ぎの男性が、
男性の自室でただ喋っているだけの噺。
だから2人しか出てこないんですよね。
そこかしこに散りばめられた文学ですね。
これはもう文学そのものが三島とか出てきちゃいますから。
夏目漱石も出てきますね。
映画も出てきます。
根問ものではない、
あくまでボケツッコミが繰り返される流れの中で、
何気ない面白さと何気ない哀しさ、
孤独感みたいなものも伝わってくるという、なかなかな作品でした。
AIスピーカーが時々止まるんですよね。
その止まる仕組みっていうのが一つのギミックになっていて、
ここはセリフ飛んだのかなというふうに思わせておいて、
実はそこはAIスピーカーが止まっているという仕組みになっているのも、なんか面白かったです。
立川寸志のサラリーマン噺
続いて、立川寸志さんです。
寸志さんも年に1回この『しゃべっちゃいなよ』に出て、
ネタを作り続けているというところで、
それ以外ではもう一切新作は作っていないという方なんですが、
かつて『小林』であるとか『の日』であるとか、
傑作をこの渋谷らくごから送り出しています。
前回10月にもご出演されていて、
その時の『師匠ふたたび』っていう話も僕は大好きでしたね。
今回はですね、こういう時は私の原点である
20年勤めたサラリーマン生活に戻って、と言って
サラリーマン2人の会話で構成される『小心者』というネタでした。
もちろんですね、話はサラリーマン2人しか出てきませんし、
その会話で構成される噺なんですが、
まず冒頭から寸志さんのもう一つの顔、
つまり鉄オタという部分がクローズアップされます。
あんなにうまく電車のドアの開閉を描写できる落語家はいません。
古今亭駒治師匠でもああいうことはあんまりやらないんじゃないかなという気がね、
ちょっと駒治師匠そんなにいっぱい見れるわけではないので言えませんけれども、
まあお上手。
特に旅に出る話ではなくて、仕事から東京都内に勤めていて、
仕事からその会社に帰るサラリーマン2人なんですけれども、
このうちの一人、上司のほう、先輩なのかな。
明らかにモデルがいますね。
ここだから言っちゃいましょうか。
あれは神田愛山先生でしょう。
神田愛山と立川寸志にしか見えなくて途中から。
愛山先生はあそこまで激しくは怒らないとは思うんですが、
気にしなくていいことを気にしてしまうっていう性格は、
あれは愛山先生だよなって。
愛山先生のお仕事に寸志さんについて行ったりとかしていましたから、
そういう話を聴いてたので、うちの会でも喋ってたので、
それがイメージの中に出てきちゃって、
半ばドキュメンタリーみたいな感じで聴いてましたけども、
やっぱり古典落語で、スイングジャズ的な喋りの上手さで、
いつも楽しませてくれる寸志さんが、
その技術をこういうところに持ってくると、
またこんな感じになるんだなっていうところで、
非常に興味深かったですね。というか、笑いました。
サゲが落語っぽかったですね。
笑福亭茶光のゾンビ落語
続いて笑福亭茶光さん。
鶴子師匠のお弟子さんですね。
シブラク初めて。
シブラク初めてなのか、『しゃべっちゃいなよ』のか初めてなのかな。
ものすごくきっちりと作り込んだ新作を持ってきましたね。
『ゾンビ』という演目なんですけども、
とにかく一個一個が全部振り落ち振り落ち振り落ちって決まる
ずっと笑ってられる。
やっぱりもともと漫才、ひかりごけっていう漫才コンビの人ですから、
作り方がそういう感じなんですかね。
人間がゾンビに噛まれてゾンビになってしまうっていう、
誰でも知っているルール・シチュエーションに乗っかって、
その中に落語的なもの、漫才・コント的なものを、
どんどんどんどん突っ込んでいくんですね。
その場でボケで笑いを取ったことが、
実は仕込みになってきてして、
だいぶ後でもう一回それが効いてくるっていうあたりは、
やっぱり非常に巧みなものを感じました。
というかこの日一番笑いましたね。
またこれは非常に削ったり足したりがしやすい構成になっていると思うので、
尺を調整して寄席にかけても多分バカ受けすると思いますし、
また日本語の面白さとか日本的なシチュエーションとかに依存していないので、
僕はこれ英語版でやってほしいなと思って、
落語ですって言って出て行って、
英語で英語国民のニューヨークとかでやってほしいなっていう風にものすごく思いました。
とってもいい出来でした。
三遊亭青森のモノローグ落語
4人目に三遊亭青森さん。
この人もすごい才能持ちの方ですけども、
漁港の生まれなので生で出すものがいいと思っているのでといって、
ついさっき噺を作ったみたいなことをおっしゃってましたけども、
とてもそうは思えない完成度、『はじめての占い』という噺です。
青森さん多分他の噺でも、そうだったと思うんですけど、
モノローグを使うんですよね。
モノローグというか、内心を言葉にするんですよね。
だから目の前にいる人に聞こえていないという前提で、
思っていることを言葉にする。
その使い方がすごくうまいんですよね。
すごくうまいけど、それが劇的なドラマになっているわけじゃなくて、
この話は占い師をやっている女性が初めて来たお客さんがバカップルで、
バカップルとの間の会話とその会話じゃないところのモノローグ、
噺なんですよ。
大したドラマは起きないし、バカップルは最初から最後までバカップルなんですよ。
けどこのバカップルのバカさまで含めて、
そのシチュエーション、ここにいる3人の人が、なんか愛おしく見えてくる。
それって古典落語によくあることでね。
そういう独自の手法、得意技を持ちながら、
根底に流れているのは古典落語にある大らかさっていうかね。
暖かいもの。暖かい故に笑えるもの。
言ってしまえば人間はみんなダメだよねっていう話ですね。
そういうところを作り上げているっていうところで、
非常にレベルが高いなあっていうふうに思いました。
素敵ですね。
春風亭百栄のうなぎ屋噺
ここの4人が今回の『しゃべっちゃいなよ』よ出場者で、
真打と大ベテランというところがまた登場するわけですね。
今回は春風亭百栄師匠です。
主催者側、彦いち師匠側からはいつも寄席でやっているネタでいいよって言ったらしいんですけど、
百栄師匠は「人がこういうのをやっていると自分もやりたくなる」と言って、
かけるのは2回目という新作を持ってきました。
これがね、素晴らしいんですね。
さすがとしか言いようがない。
ボソボソボソって喋ることの一つ一つが全部キラキラしてるんですよね。
話としてはね、本当にこれもね、
人が少ない話が多いですね。
この日は人が少ない話が多くて、
この話も、
うなぎ屋ですね。
うなぎ屋と、うなぎ屋の客しか出てこないんですよ。
うなぎ屋とそのうなぎ屋の客の会話だけで、
ものすごいいろんな落語の手法が駆使されて、
今っぽい話もバンバン入ってきて、
自分の話だなと共感できるところもどんどん入ってきて、
タツオ先生も彦いち師匠もおっしゃってましたけど、
それがね、全然疲れないんですよね。
ずっと聴いてられるんです。
ずっと聴いてられるっていうこの柔らかさがね、
やっぱり百栄師匠は本当にすごいなっていうのと、
猫がお好きだということは皆さんご存知だと思いますが、
猫をこういうふうに使えますかというところで、
生身の猫出てきませんからね。
というお話で、
これはどっかで皆さんに聴いていただきたいな。
『鰻ねこ』という噺でしたね。
エンディングトークと落語会の総括
最後にタツオ先生がちょうどこの辺で10時あたりです。
お二人で15分ぐらいトークをやって、
今回のご作品について振り返るというようなトークが
展開されるということですね。
やっぱりって言い方も変ですけど、
新作だけの会ってね、
好きなんですけどちょっと疲れるところがあるんですよね。
それは自分がそこで書けられた新作の
持っている、ほとんどの場合その世界って初めて会う世界なんですよ。
その世界に一人で5つなら5つ退治しなきゃいけないっていうところが
楽しみでもあるんですけども、
ちょっと頭疲れちゃうっていうところもある
のを、
最初と最後で彦いち師匠とタツオ先生が
喋っていただくおかげでですね、ものすごく和らぐんですね。
ちょっと何か引っかかっていたところが解消されたりするのも、
またそういう気持ちが軽くなるというところですよね。
だからものすごくいい気分で帰ってこれる新作の会、
それが『しゃべっちゃいなよ』かなっていうふうに思います。
本当に今回も楽しませていただきました。ありがとうございます。
ということで、ぜひですね、これ隔月で
ユーロライブで渋谷らくごの中でやってますので、
行ってみてはいかがでしょうか。
というわけで、シェアする落語の四家でした。
ではまた。
16:08

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