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#35 日本の平和はどう守る?~スイスの「武装中立」から考える~
2026-09-03 29:25

#35 日本の平和はどう守る?~スイスの「武装中立」から考える~

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「戦争反対」を世界に訴えてきた、唯一の被爆国・日本。

でも、その先にある「平和はどう守るのか」という問いに、私たちはちゃんと向き合ってきたでしょうか。

前回配信「日本は、だれが守るのか?」で頂いたリスナーの方からのお便りをきっかけに、今回は武装中立国スイスの姿から、平和維持のリアルを考えます。


・ソルフェリーノの戦場から生まれた赤十字の理念
・人口の107%分を確保するシェルター
・73%が徴兵制存続を選んだ国民投票
・「誰の味方でもない」からこそ外交の舞台になったジュネーブ


武装と中立、備えと信頼。

一見矛盾するこの組み合わせから、「平和を維持するために、私たちに何ができるのか」を皆さんと一緒に考える回です。


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サマリー

このエピソードでは、唯一の被爆国である日本が「戦争反対」を訴える一方で、「平和をどう守るのか」という問いにどう向き合うべきかを、武装中立国スイスの事例を通して考察します。スイスの赤十字理念の誕生、国民投票で維持された徴兵制、人口を上回るシェルター整備、そして「誰の味方でもない」中立国だからこその外交的役割など、具体的な仕組みと国民一人ひとりが「自分ごと」として平和に関わる姿勢を紹介します。日本も被爆国としての特別な立場を活かしつつ、平和維持のために何が必要かを国民全体で議論し、具体的な行動に繋げることの重要性を説いています。

はじめに:日本の平和のあり方への問い
世界から見る日本へようこそ。
世界から見る日本は海外の視点から日本社会を考えるポッドキャストです。
番組では、世界から見た日本はどう映るのか、他国はどうなのかといったことを比較しながら、
より良い日本へのヒントを探り、世界から見る日本といった視点をリスナーの方々と共有します。
海外在住歴30年以上、現在オランダに住み、日本とオランダをつなぐ事業開発サポートをしている私、
ゆきが文化、歴史、制度の違いを通して日本の当たり前を外から見直す番組です。
みなさん、こんにちは。9月になりましたね。
日本ではまだ残暑が厳しい日々かと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。
前回の配信では、世界の平気事情を見ながら、日本は誰が守るの?という問いをみなさんと一緒に考えてみました。
今回はその続きです。ただ、少し角度を変えてみたいと思います。
今回私が考えてみたいのは、日本の平和はどう守る?という問いです。
実は前回の配信を作っている時から、私の中にずっと引っかかっていることがありました。
日本は広島と長崎で、戦争における核兵器の使用を経験した唯一の国です。
だからこそ、戦争は絶対にいけない、核兵器をなくさなければならない、というメッセージを世界に向けて発信してきました。
もちろんそれは大切なことです。
でも、その先にどうしても出てくる問いがあります。
じゃあ、攻められたらどうするの?
そしてもう一つ、平和を守るって具体的にはどういうことなんだろう?
戦争反対、平和主義、これは日本が長年教育を通じて訴え続けてきたメッセージです。
戦争反対ということと、戦争を起こさないために何をするのかということは、もしかしたら同じではないんじゃないか。
そんなことを考えるようになりました。
そして前回の配信を出してすぐにリスナーのスミナリノさんからお便りをいただきました。
スミナリノさん、いつも聞いてくださり本当にありがとうございます。
このお便りがまさに今回のテーマにつながる内容だったんです。
お手紙を若干要約して紹介したいと思います。
日本は場所柄、外交と経済関係を密にして他国の軍事振興を抑え込むしかない。
でも軍備も外交カードの一つである以上、それなりの装備と人員は必要なのではないか。
とはいえ、日本人に完全な徴兵制はまだ受け入れられないだろうから、
小学金の返済義務と引き換えに自衛隊で数年勤めるといった間接的な徴兵制度のようなものが、
今より明らさまな形になっていくのではないか。
そんなスミナリノさんの予測や、中国、アメリカ、ロシア、そしてアジア諸国とどう向き合うのか、
その方針をはっきりさせないとずるずる悪い方向に引き込まれていくのではないか、という懸念。
そして最後に拷収めくくられていました。
札束とお人よしな性格で得た諸外国からの信頼によって守られてきた日本の平和を今後も守り続けるのにはどうしたらいいのか。
日本をどうしていきたいのか。
この国は根本から議論も覚悟も足らないのかもしれません。
長々と書いてますがまとめられず堂々巡りになっています。
ここでこの絵文字で涙が出てる絵文字を使ってくださってごめんなさいって終わっています。
このお便り本当に嬉しかったんです。
前回の配信を聞いてここまでスミノリノさんが日本について感じているこの感情を伝えてくださった。
これに私はすごくありがたいなって感じました。
私も答えはありません。
でもこの問いについて考えるときに一つヒントをくれる国があるんじゃないかと思いました。
それがスイスです。
リスナーからの便りとスイスへの着目
スイスの話に入る前にもう一度私たちが考えてきたことを整理してみたいと思います。
私は本来3つの問いがあると思っています。
1つ目、戦争とは何か。
2つ目、平和とは何か。
そして3つ目、平和を維持するためには何が必要なのか。
日本はですね、この1つ目と2つ目の問いについては長い間考えてきました。
戦争によって何が起きたのか。
人がどんな苦しみを受けたのか。
それを伝える平和教育には日本には大きな蓄積があります。
でも平和を維持するために具体的に何が必要なのかという3つ目の問いについては私たちはどれだけ考えてきたでしょうか。
私はここに少し空白があるような気がしています。
そしてこの3つ目の問いに対して日本とは全く違う方法で平和を維持するための1つの答えを作ってきた国があります。
それがスイスです。
スイスの平和への向き合い方:赤十字とジュネーブ条約
皆さん、スイスというと何を思い浮かべますか。
雄大なアルプス山脈、美しい湖、アルプスの少女ハイジ、そんなイメージを持つ方も多いと思います。
でもスイスの平和への向き合い方を知るためにはまず1つの戦場を訪れる必要があります。
時は1859年、北イタリアのソルフェリーノという場所でフランスサルディーニャ連合軍とオーストリア軍が激突していました。
イタリア統一戦争の激戦地です。
そこをたまたま通りかかった1人のスイス人実業家がいました。
アンリー・デュナンです。
彼が目にしたのは数千人が死亡し、3万人から4万人近い負傷者が出たとされるひどい戦場でした。
そこでデュナンは現地の住民、とりわけ女性たちに呼びかけます。
教会や建物に負傷者を招用し、敵味方を分けずに救護しました。
その時、彼が掲げた考え方が、敵か味方かは関係ない、人間として助けるというものでした。
傷ついた兵士はもはや兵士ではない。
1人の人間としてその命は救わなければならない。
デュナンはこの体験をソルフェリーノの思い出という本にまとめました。
そして、戦争が起きてからではなく、兵士のうちから戦争の犠牲者を救護する仕組みを作っておくべきだ、と訴えます。
その理念から生まれたのが、現在の赤十字国際委員会につながる組織です。
さらに、1864年にはヨーロッパ16カ国がジュネーブに集まり、最初のジュネーブ条約が結ばれました。
これは、戦争や武力紛争における犠牲者を保護し、非人道的な行為を制限する、現在の国際人道法につながる重要な一歩です。
では、なぜこの考え方がスイスから生まれたのでしょうか。
スイスは1815年に、衛星中立国として国際的に承認されていました。
どこか一つの国の味方ではない。
だからこそ、敵か味方かに関係なく、人間として救うという理念が、特定の国に偏れしたものだと疑われにくかった。
つまり、中立だからこそ、誰に対しても公平でいられる。
中立とは、単に争いに関わらないということではありません。
むしろ、誰に対しても公平であるという役割を引き受けることもできる。
これが、スイスの平和感を考える上で大切なポイントになります。
スイスが中立を維持できた理由:地形、戦略的価値、国際的信用
では、そんなスイスは、なぜ二度の世界大戦で戦場にならず、
米戦でも軍事同盟に加わらず、中立を維持することができたのでしょうか。
もちろん、一つの理由だけではありません。
それは、大きく三つあると言われています。
まず一つ目、地形です。
スイスは険しいアルプス山脈に囲まれています。
攻め込む側にとって簡単な国ではありません。
実際、1914年の第一次世界大戦開戦後、
スイスは約22万人の兵士を動員し、国境沿いにずらーっと配置しました。
つまり、この側翁勢と地乗りを生かした徹底光線の構えは、
水星の振興を思い留まらせる要因の一つになったと考えられます。
二つ目は、中変国にとってもスイスが中立であることに一定のメリットがあったこと。
ヨーロッパの中央に位置するスイスがどこの国にも属さない中立地帯として存在していることには、
周辺の大国にとっても戦略的な価値がありました。
どの国もスイスを自分の味方にしようとすれば、
その向こう側にある他国とぶつかるリスクがあります。
だから、スイスがどの国にも属さない中立であり続ける方が、
周辺大国にとっては都合がいいという事情があったのです。
そして三つ目、国際的な信用です。
ジュネーブには、現在国連の欧州本部をはじめ、
皆さんもよくご存知のWHOなど多くの国際機関やNGOがあることから、
各国政府の代表部が集まっています。
スイス自身も、比較的小さな国であるスイスは、
国際都市ジュネーブのおかげで国際舞台で実力以上の役割を果たしていると説明しています。
つまり、中立そのものを外交的な資産にしてきた。
ここがスイスの面白いところです。
でももう一つ重要なことがあります。
スイスの中立は、何もしない中立ではないということです。
スイスは1815年に、衛星中立国として国際的に承認されました。
でもその中立を守るために、
スイスは、自分たちの国は自分たちで守るという武装中立の考え方を取ってきました。
つまり、せめても割に合わないと相手に思わせるだけの防衛力があって、初めて中立は維持できる。
死刑、防衛力、国際的な信用、そして外交、いくつもの要素が組み合わさった結果です。
これが武装中立という考え方です。
スイスの武装中立の実態:徴兵制と国民投票、シェルター
ではその本気度を数字で見てみましょう。
スイス軍は、スイス国籍の男性に軍務義務を課す民兵制に基づく軍隊です。
女性は志願制です。
男性は18歳以降に徴兵手続と適正審査を受け、軍務に適格と判定された人が兵役に就きます。
最初の規則訓練は18週間、職種によっては23週間です。
その後は普段は会社員や自営業者として生活をしながら、必要な場合には予備役として招集されます。
そしてスイスでは2013年にこの徴兵制度を廃止するかどうかを問う国民投票も行われました。
結果は73%が反対、つまり徴兵制の維持が選ばれました。
この数字すごいですよね。ちょっと日本では想像できないような数字です。
圧倒的多数で徴兵制の維持が選ばれています。
これはすごく重要なポイントだと思うんですね。
つまり上から押し付けられた制度ではなく、国民自身がこれは自分たちに必要だと繰り返し選び取ってきた制度なんです。
そしてもう一つ、スイスには核攻撃を含む武力攻撃や大規模災害に備えた民間保護シェルターがあります。
その数は約37万箇所、これは約930万人分の保護スペースです。
スイスの人口はおよそ870万人、つまり人口を上回る約107%のカバーリストになっています。
ただし全国どこでも同じように備わっているわけではなく、地域差や局地的な不足もあります。
一方、日本のシェルター普及率はわずか0.02%です。
これはNPO法人日本核シェルター協会の2014年調査による数字ですが、後に正確ではないと見直されています。
ですから単純にスイスが107%、日本0.02%と比較して日本の現状を断定することはできません。
でも数字の正確さとは別に一つの大きな違いがあります。
スイスは冷戦期から有事に国民をどこへ避難させるのかということを社会の仕組みとして考えてきました。
新しく建物を建てるときには開発業者へ敷地内にシェルターを作るか、作れない場合は公共のシェルターの建設費を負担することが建築条件として課されました。
2012年以降は建築規制が緩和されましたが、全国民分の保護スペースを確保するという原則は残っています。
つまり、いざというときに備えるということを制度の中に組み込んできた。
同じ各保有国に囲まれた国でありながら、この差です。
この数字だけで両国が有事というものにどれだけ違う向き合い方をしてきたかはっきり見えてくると思います。
スイスの平和への備え:仕組みと教育
でも私がスイスについて一番面白いと思ったのは、シェルターの数だけではありません。
それをどう使うのかという仕組みです。
自治体は住民を近隣の保護施設で割り当てる計画をあらかじめ作っています。
つまり、何かあったら地下へ逃げてくださいだけではない。
誰がどこへ行くのか。
ただし、平時から全員に避難先を通知しているわけではなく、実際の割り当ては有事の準備命令が出た段階で伝えられます。
そのような仕組みをあらかじめ考えている。
日本でも自衛アラート、あれがなれば近くの頑丈な建物または地下に避難してくださいという情報が流れると思うんですね。
でも、じゃあ私は今どこへ行けばいいんだろうって考える人も多いと思います。
この違いは大きいですよね。
そしてもう一つ象徴的なのが教育です。
スイスの一部の学校や施設では、地下の防護施設を学習の題材にする例もあります。
だから子供の頃からシェルター、防衛、備えることを特別な恐怖の対象ではなく、社会の中にあるものとして知っていく。
ここで最初の問いに戻ってみたいと思います。
私たちが最初に考えた3つ目の平和を維持するためには何が必要なのかという問いです。
スイスはここに一つの答えを出しているように見えます。
それは制度を作るだけではなく、一人一人が自分ごととして関われる仕組みを作ること。
兵役も国民投票もシェルターも教育も全部がつながっています。
日本の平和教育が被害の実装を伝えることに重点を置いてきたのに対して、スイスの教育は備えることそのものを日常の一部にしてしまっている。
どちらが正しいという単純な話ではありませんが、この違いは今日のテーマの核心だと思います。
武装中立と国際外交の舞台としてのジュネーブ
そしてもう一つ面白いことがあります。
武装中立を貫いてどこの味方にもならないと決めているスイス。
ところがそのスイスにあるジュネーブは世界でも有数の国際外交の舞台です。
アメリカとロシアの首脳会談がジュネーブで行われたこともあります。
これ一見矛盾しているように見えるのですが、でもよく考えると矛盾していないんですね。
誰の味方でもないからこそ対立する国同士が同じテーブルにつける。
中立というのは何もしないことではない。
誰からも信頼される立場を意図的に作り守り続けること。
スイスは武装によって簡単には攻められないという安心感を作り、
石十字という人道の理念を育て、そして国際会議への舞台を提供してきた。
その積み重ねが今の国際都市ジュネーブにつながっています。
日本とスイスの比較:平和維持への国民の関わり
さてここまでスイスの話をしてきました。
でもこれはスイスを見習って日本も長平線にすべきだという話ではありません。
地形も歴史も国の形も日本とスイスでは全く違います。
単純に真似できるものではないですし、真似すべきものでもないと思います。
私が考えたいのはもっと手前の話です。
スイスは戦争とは何か、平和とは何かという問いに加えて、
平和を維持するために何が必要なのかという問いにも、
国民一人一人が関わるための具体的な仕組みを作ってきました。
国民投票、シェルター、教育、そして外交。
一方、日本は唯一の被爆国として、
戦争はいけない、核兵器をなくさなければならないというメッセージを世界に発信できるとても特別な立場にあります。
実際、外交の場では、各軍縮決議を国連に提出し続けたり、
核兵器不拡散条約や包括的核実験禁止条約の議論を主導したりと、一定の役割を果たしてきました。
でも、それが国民一人一人の平和とは何か、
では、自分は何をすべきかという理解や誇りにつながっているかというと、正直心もたない気がします。
戦争反対というメッセージは、これからも発信し続けるべきです。
でもそれだけでは、平和を維持するためには何が必要なのか、との問いには答えられない。
国防費を増やすかどうかという話は、この問いのほんの一部でしかないと私は思っています。
本当に必要なのは、私たち一人一人が日本の平和を私たちはどう守っていきたいのかを
能動的に考え学び直すことなのではないか。
被爆国として世界に平和を訴えられる私たちだからこそ、この問いに本気で向き合う番なのかもしれません。
世界から見る日本の今回のエピソードはいかがだったでしょうか。
まとめ:平和を自分ごととして考える必要性
今日は武装中立国スイスの姿を通して、平和というものを少し違う角度から見つめ直してみました。
この平和というテーマは、私個人にとっても本当に大切なテーマで、
前回の日本は誰が守るのかの配信でも、
あれはね、ちょっと感想ポストが難しい配信であったのにも関わらず、
感想ポストやお便り、そして直接DMをくださった方々がいらっしゃいました。
本当にありがとうございます。
皆さんこの平和に関するテーマに強い関心を持っていることをすごく感じたんですね。
だからこの配信で平和についてさらに自分ごととして深く考えるきっかけになれば本当に嬉しく思います。
そして周りのお友達と話すときも、
例えばこんなポッドキャスト聞いてさーって考えちゃったんだよねーとか、
だから聞いてみてなんてお勧めしていただくと、
そのお友達とも平和についてお互いに話すこともできるんじゃないかなーって思って、
そんな気持ちで非常におこがましいのですが、今回番組作りをしました。
番組ではリスナーの皆様からのお便り、質問なども概要欄にあるお便りフォームからお待ちしております。
いただいたお便りは大切に必ず番組で紹介させていただきます。
番組が気に入っていただけた方は是非番組のフォローや番組評価、これがすごく励みになるので是非よろしくお願いいたします。
そしてSNSでハッシュタグ世界から見る日本にて感想や投稿をしていただけたら、これまた必ず返信いたします。
そして前回までお願いしておりましたポッドキャストスターアワードの投票が8月30日にて締め切りました。
もしかして世界から見る日本に投票してくださった方、一人いらっしゃるっていうことは知ってるんです。
ドスティ聞いてる?ありがとう。
もし私が知らなくても世界から見る日本で投票してくださった方がいらっしゃったら本当にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
お相手は海外在住歴30年以上、現在オランダに住んでいるユキでした。
それではまた木曜日にお待ちしております。
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