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2019-12-07 16:42

ep.32 俵万智 サラダ記念日を読もう

俵万智のサラダ記念日のご紹介です。言葉の選択、言葉の組み合わせ、化学反応に心惹かれます。
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スピーカー 1
こんにちは、パリのアパルトマンからお届けします。フリーランスのSAKIです。
このラジオは、私SAKIがパリ生活やビジネス、読書で学んだことを毎朝10分配信してます。
皆様お元気ですか?
私は寝ようと思って、入民体制に入り、そのために本を読んでたんですけど、
その本が良すぎて、テンション上がってきて、皆さんとシェアしたくなったんで、
ゴソゴソと起きてきたという、これぞ本万智伝統の見本みたいな状態です。
この今、私の手元にある本をね、紹介したいと思ってるんですけど、
皆さんご存知だと思います。聞いたことあると思います。
この本は、俵万智さんのサラダ記念日っていう本です。
皆さん、教科書、国語の教科書で、昔読んだことあるんじゃないですかね。
私は、はい、読みました。
今、俵万智さんって歌人なんですよね。
タンカを歌っている歌人の方なんですけど、
このサラダ記念日というのは、この方の第一歌手になります。
今、ハードカバーで出ているので、買ってて、パリに持ってきてたんですけどね。
もう一回読んでみて、この方の言葉のチョイスとか、
言葉の生み出し方とか、リズム感とか、そこから、
なんて言うんですかね、そこから匂い立つ意味の奥深さとか、
あって気づくときのニヤニヤ感とかがね、もうたまらんですね。
ちょっと、俵万智さんのことを最初紹介して、
そこから、この本が何章かあるんですけど、その中の2章を紹介したいと思います。
まず、俵万智さんという方なんですけど、
俵万智さんという方なんですけど、この方、学校の先生やったんですよね。
学校の先生をやりながら、短歌を書いてて、本を出すことになったと。
03:01
スピーカー 1
それが、門川短歌賞というのを受賞して、この本を出して、
すごく、社会現象を強行した方なんですよ。
なぜ、社会現象を巻き起こしたかというと、そのときにね、1987年ですね、
およそ32年前ぐらいに、どうして巻き起こしたかというと、
短歌ってもともと存在してるじゃないですか、昔から。
5・7・5・7・7のね、洋産の秋子とか石川拓夫とか、たくさんの歌人がいましたけど、
この方はすごい、現代短歌だったんですよね。
今までの短歌と違うかって言ったら、
5・7・5・7・1の形は同じだと、いつもこの形に納めて書いてると。
でも、今までと違ったところは、
一つは、口語を使う、口語って、しゃべり言葉で使うような言葉を入れてることと、
あともう一つは、その短歌って今まで、
じめっとした感じとか、悲しく憂うみたいな、石川拓夫さんみたいなね、
ああいうイメージが短歌であったんですけど、
この方は、そういうしめっぽい感じが短歌にあまりなくて、
日常とかね、恋愛とかをポップに短歌で綴るという形をとってて、
そのみずみずしさが、もうセンセーショナル、おまけ起こしたんですよね。
で、なんか今、読んでも、本当に、なんかみずみずしいという表現がぴったりというか、
これ本に書いてた、あの、形容詞か、不形容詞か、違う違う、形容詞か、なんですけど、
本当にぴったりですね、そんな感じがします。
この本はですね、何章かに分かれてるんですよ。
短歌がひたすら書かれてるんですけど、その短歌の種類によって、何個かな、
13小節ぐらいに分かれてるんですね。
で、今日はその中の1個、8月の朝という、日常とか恋愛の気持ちとかを歌った章と、
あともう1個はサラダ記念日という、すごく有名なね、短歌も入ってる、恋愛中心の短歌の章かな、を紹介したいと思ってます。
多分この方の真骨頂って、恋愛を短歌にみずみずしく書き出すことと思うんですよ。
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スピーカー 1
で、どの章も短歌で、一応そのカテゴリーに分かれてるんですけど、結構やっぱりその多いんですよね。
で、ぐっとくる言葉遣いとか作り方が多いので、なんかその辺をチョイスしていました。
でもあのサラダ記念日って、有名ですよね、教科書にも載ってて、
この味がいいねと君が言ったから、7月6日はサラダ記念日っていうね。
何でもない日だけども、自分がサラダを作った、そのサラダにその好きな人か彼かが、この味がいいねって言ったから、
ただの何でもない日がサラダ記念日になったと。
それが7月6日だと。
そういうキュンとする気持ちを短歌に収めたりして、それが絶妙なんですよね、この方ね。
で、これどうしようかな。
多分私がこの57577を読んでいって、それを聞いてもらって楽しむのが一番いいんかなって思います。
そのなんか言葉とか5157で納めるこの方の才能とかをね、存分に楽しんでもらったらいいんじゃないかなって思うんで、
ちょっと読んでみます。
なんか私がこう、なんか言いたくなったらちょこちょこ言うかもしれないし、言わないかもしれないですけど、
まぁ、読んで、短いですんで、ちょっと間を空けて次の短歌を読んで、みたいな感じでやってみようと思います。
もしよかったらお付き合いください。
じゃあまず、8月の朝という章からですね。
割と日常とか、おそらく彼と一緒の時間とか空間を切り取って書かれている短歌が多いです。
じゃあちょっと読んでいきますね。
この曲と、決めて海岸沿いの道 飛ばす気になり ホテルカリフォルニア
次ですね。
砂浜のランチついに手つかずの 卵サンドが気になっている
捨てるかも知れぬ写真を何枚も 真面目に撮っている九重繰り
まだあるか信じたいもの欲しいもの 砂地に並んで寝そべっている
寄せ返す波の仕草の優しさに いつ言われてもいいさようなら
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スピーカー 1
向き合いて無言の我ら砂浜に 閃光花火ほとりと落ちぬ
沈黙の後の言葉を選び寄る 君のためらいを楽しんでおり
左手で我の指ひとつひとつずつ 探る仕草は愛かも知れず
思い出のひとつのようでそのままに 出おく麦わら帽子のへこみ
また電話しろよと言って受話器を 置く君に今すぐ電話をしたい
ごめんねと友に言うごと向き折れば 湯呑みの中を父は見ており
気がつけば君の好める花模様ばかり 手にしている試着室
大きければいよいよ豊かなる気分 東急ハンズの買い物袋
午後4時に八百屋の前でこんだてを 考えているような幸せ
君を待つ土曜日なりき待つという 時間を食べて女は生きる
我がカープのピンチも何か幸せな 気分で身折り君に持たれて
生ビール買い求めいる君の手を ふと見るそしてつくづくと見る
一年は短いけれど一日は長いと思っている 誕生日
また電話しろよ待ってろいつもいつも 命令形で愛を言う君
奥さんと我を呼ぶ屋台のおばちゃんを 前にしばらく奥さんとなる
お店屋さんごっこのような雑貨店にて 返し君の歯ブラシ
寒いねと話しかければ寒いねと答える 人のいる温かさ
通るたび本日限りのバーゲンをしている 店の赤いブラウス
12:06
スピーカー 1
真夜中に我を思い出す人のあることの 幸せじわきを取りぬ
じゃあなという言葉いつもと変わらぬ に何か違っている水曜日
この時間君の不在を告げるベル どこで飲んでる誰と酔ってる
俺は別にいいよって何がいいんだか わからないままうなずいている
同じもの見つめて石に我と君の 何かが終わっていく昼下がり
それならば5年待とうと君でない 男に言わせている喫茶店
いつか君が歌ったこんな夕暮れの ハートブレイクホテルの明かり
我をさらいエンジンかけた8月の 朝をあなたは覚えているか
ハンバーガーショップの席を立ち 上がるように男を捨ててしまおう
男というボトルをキープすることの 期限が切れて今日は快晴
君を待つことなくなりて快晴の 土曜も雨の火曜も同じ
愛人でいいのと歌う歌手がいて 行ってくれるじゃないのと思う
8月の朝という章はこんな感じの 短歌が並べられてます
日常と結構その彼のことを思って 歌った歌が多いですね
交互も多いし30年前ぐらいに発表 された現代短歌なんで
結構わかりやすいと思うんですよ
ちょっとわからんなって思った ものもあれば
クーってきたやつとかもあると思 うんですけど
私はこの言葉選びとかもセンスが 天才やなと思いましたね
わかるわかるとかもあるし
共感じゃないけどその情景をすごく 想像できる言葉の使い方とかをされてるから
15:07
スピーカー 1
面白いですね
どんな恋愛してきたんだろうとか
どんな彼とのシチュエーションがあって
こういう詩を書きたくなったんだろう とか
想像で書いたのかとか
いろんなことを思いますよね
今のこの31文字の中で
文字に色をつけれるんやなって すごく思いました
面白いですね
でも冒頭でサラダ記念日っていう 章も読むって言ったんですけど
わりかし時間きたんで
またこのサラダ記念日の章はね
ちょっと別の機会か明日かとわかりませんけども
読みたいなと思ってます
短歌に触れる機会ってなかなか 日常でないと思うんですよ
この現代社会で
でもたらまちさんのこの短歌だったらね
触れやすいしやっぱり面白いなって
今読んでも思う方は多いんじゃないでしょうか
ということで紹介をさせていただきました
いかがでしたでしょうか
じゃあ今日はこの辺でお開きということで
また明日お会いしましょう
今日も一日をお過ごしください
それでは
16:42

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