作品名:えぞおばけ列伝
作者不詳
編訳:知里 真志保
図書カード:https://www.aozora.gr.jp/cards/001529/card52211.html
青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/index.html
BGMタイトル: そりのこし
作者: もっぴーさうんど
作者ページ: https://dova-s.jp/_mobile/_contents/author/profile060.html
DOVA - SYNDROME楽曲リンク: https://dova-s.jp/_mobile/bgm/play17520.html
7・15・23・31日更新予定
#青空文庫 #朗読 #podcast
【活動まとめ】 https://lit.link/azekura
作者不詳
編訳:知里 真志保
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作者: もっぴーさうんど
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サマリー
アイヌの伝承に登場する「パウチ」について解説する回。パウチは本来、陰魔や陰乱の神を意味し、人間の浮気や感極まって泣くといった行為を引き起こす存在とされる。彼らはシュスランペツという川のほとりに住み、踊りながら柳の葉をちぎって投げ、それが魚(シシャモ)になるとも言われている。パウチに取り憑かれた人間を浄化するための荒々しい儀式も紹介されている。
パウチの定義と誤解
18. 陰魔の話 ここらで北海道のパウチなるものを紹介しておきたいと思う。
従来、このパウチについては正しく紹介したものが一つもない。 バチラー博士の辞書では、食物に毒を入れることとしているが、もっての他の誤解だ。
あいぬごの権威をもって黙されている人の著書で、乱信者としているものもあるが、十分な理解の上に成り立った解釈とは申されぬ。
私の理解するところによれば、パウチはむしろ陰魔とか陰乱の神とか訳すべきもので、
たとえばウコパウチコル、互いにパウチを持つといえば、人間的な余りに人間的な行為を営むことを意味するし、パウチチしてパウチが泣かせるといえば、その際において感極まって泣くことを意味する。
パウチの起源とシュスランペツ
あいぬの考えによれば、浮気というものは浮気の虫とやらが体内にすくっているから起こるのでもないし、お尻のめかたが多少不足することから起こるのでもない。
パウチという魔物がたまたま人間に取り付くことによって起こるものである。
そのパウチというのは、普段は天国のどこかにあるシュシュランペツという川のほとりに住み、その川の岸の土手に沿って男も女も真っ裸で、男ならば象徴をラチンラチンさせながら、女ならばそれをハーサハーサさせながら踊っていて、踊りながら土手の柳の葉をちぎっては投げ、ちぎっては投げしている。
ススランペツ、あるいはシュシュランペツは、もと、ツスランペツ、フ、カミ、カワ、ノイ。
パウチは今でこそ陰魔の意に連絡しているが、カラフトの古葉では巫女の意味に用いられ、古くはその月神をも指す語だったらしく、さればこそススランペツを故郷とするわけである。
ツスランペツからススランペツに生まり、ススランがススハム、ヤナギ、ハとなって流洋伝説が生まれ、ススハム、ススラン、シシャモの名と土俗が生まれたのであろうハーサハーサについて、
シュシャム(シシャモ)の伝説
テシオの国のナヨロの部落に次のような洋歌があった。
オッカヨネイケ、リムセコル、オ、ラチンラチン、メノコネイケ、リムセコル、オ、ハーサハサ。
男のシュウが踊り踊れば物がブランブラン、女のシュウが踊り踊れば物がパクリパクリ、そのヤナギの葉が川に入るとシュシャムという魚になる。
シュシャムといえばヤナギの葉の木であるが、和人はそれを滑稽にもシシャモと名まり、学会でもそれが通り名になっている。
アイヌ語でシシャモといえば皮肉にも和人のことである。
この頃の世相を見ればそれもなるほどと頷けるようだ。
パウチの魚の扱いと伝承
この魚はパウチの魚だというので、人に送るときは決して手渡しすることなく必ず投げて渡したものだというし、
焼いたり煮たりして客に振る舞う際も必ずまずひとつかみ客の前に投げ散らかしてから改めて客膳を出したものだという。
それはさておきパウチたちはこのように普段シュシュランペツの川のほとりで踊り暮らしているのであるが、
時々故郷を出て人間の村の背後の山野に姿を現し、人間の男女を誘惑して仲間に加え、
次第次第に踊りの群を大きくしながら世界中を回って歩くものだという、こんな話がある。
ウエピカンの体験とパウチの歌
石狩の国チトセのどこかの村にウエピカンという若い美貌の州長がいた。
ある日いつものように山から降りてくると川岸で大勢の男女がにぎやかに踊っている。
近づいてみるとあきれたことには誰も彼も一死まとわぬストリップでホテシパホテシパ腰を前後に使いしながら夢中になって踊っているのである。
唖然として見ていると踊りの群れの中から世にも美しい女がスーッと出てきて彼の方へ近寄ろうとした。
その時ウエピカンはこれこそ話に聞いているパウチの群れだなと気がついたので東の方に向かって神々を助けたまえと大声で祈った。
するとその声を聞きつけて神々が一斉に振り向いたので女はなかなか彼のそばへ寄ることができず遠くの方から両手を差し伸べてホテシパホテシパしながら次のような歌を歌った。
ヤワ肌の熱き血潮に触れもみで 寂しからずや道を行く気に
直訳すれば次のようになる これ若者よ私についてきて
艶やかな肉の焼臼を撫でさすり 屑の草やぶかきわけて
下なる谷間に降りて立て 説明に打足を加えるならば肉の焼臼は地草
屑の草やぶは土手の上の陰毛地帯 下なるくぼみというのはむろん土手の下のくぼみを指すわけだ
パウチの浄化儀式(小屋くぐり)
まさに慶望秘儀の図を読んだ歌に違いない さて前に述べたようにパウチは群れをなして踊って歩くものだが
それが故人につくこともある すると今までつつましやかであったものが
急に狂ったように人が変わって騒がしくなり 裸になって走り歩く
そういう患者に対しては体内に潜むパウチを追い出すといって 次のような荒漁事を試みる
まず川岸に板取りの枯れ茎その他燃えやすいもので小屋を作る この小屋は適当の間隔を置いて6つ作る
そして片端から火をつけては屈強な若者が患者の手を引いてその炎の中をくぐらせ
一つくぐり抜けるごとに人が待ち構えていて 手にした沢山で患者の体を打つのであるが
その沢山たるやエゾニワトコの枝にクマイチゴの棘の生えた枝を混ぜて束にした恐ろしいもので
体内のパウチを追い出すつもりで容赦もなく打ち据えるので患者の体は血で真っ赤になる
そして最後の小屋をくぐり抜けたとき改めて水をかけてもう一度霊の沢山で患者の体を叩き清めるのである
それでも拉致のあかぬときは患者を川の深みに幾回でも投げ込んで溺れさす
パウチの浄化儀式(山の神)
あるいは山へ連れて行ってまっすぐに伸びた水ならの大木を選んでその幹に削り花を下げ
パウチを追い出してくれれば山の神様にたんまりお礼を致しますと祈って
つき添いの者が両方から患者の手を引いて木の周りを六回回らせる
その際体内のパウチを追い出すのだといって一回回ってくるごとに
エンジュの枝とクマイチゴの枝等を束ねて作った沢山で患者を打ち据えるのである
09:49
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