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少子さんが厳選した、今週の気になる話題から、新作のミニ落語、ニュースモール落語をお送りする、ラジオ園芸近西亭。
本日は、古典落語、あたま山です。
それでは、ラジオ園芸近西亭、開演です。
えー、それでは一席お付き合いを願いますが、あたま山の一席でございまして。
おーい、いるかい?
あー、熊さん、どうも。どうしたの?どうしたのじゃないよ。
おめえが仕事休むの珍しいじゃねえか。どうしたのかと思って、おめえ様子見に来たんだよ。
大丈夫なのか?
まあ、大丈夫なんだけどね。大丈夫じゃないと言えば大丈夫じゃないのに、なんだよ、大丈夫じゃねえって。
元気なのか?いや、体元気なんだけどね。
まあ、上がっとくれよ。
どうしたんだよ。
え?なんでお前、うちの中で持ってよ。ズキンなんかかぶってるんだよ。
いやいや、ズキンかぶってるって、まあ確かにそうなんだけどさ。
取れよ。やだよ。取れよ。やだよ。なんで取らねえんだよ。
え?だってさ、これ取ったらさ、熊さん笑うだろ?笑わねえよ。
笑うよ。笑わねえって言ってんだよ。笑うって。
いいから取れよ、この野郎。ほら、笑ったじゃねえか。
いやいやいや、笑いたくなるよ。なんでそれ、頭の上に何乗っけてんだよ。
乗っけてんじゃないよ。乗っけてんじゃないって?なんだそれ。
お?小さなそれ、桜か?そうなんだよ。
どうしたんだよ。
いやさ、あの、近所のおばさんがね、あの、桜運動をね、いっぱい持ってきてくれたんだよ。
ね、大好物だからさ、もう、うわーってみんないっぺんに食べちゃってさ、で、夜寝てたんだよ。
そしたらさ、お腹がね、ぐるぐるぐるぐるいって、
あーこれ、みんな丸ごと食べちゃったから、お腹下しちゃったなーとそう思ってたんだ。
で、朝起きたらさ、お腹がね、下ったんじゃなくてね、のぼっちゃったんだよ。
なんでのぼっちゃったってな。
いやだから種をね、そのまま飲んじゃったからさ、これあの、くだらずに頭にのぼって、頭からこれ、目が出ちゃったんだよ。
目が出ちゃったって、そんなことあんのかよ。びっくりしたけどそうみたいなんだ。そうみたいってよ。
えー、どうしたんだよ。
いやー、それでさ、これあの、お医者さん行ったほうがいいかなーって思ってさ、
ほーんで行ったのか。で、行こうかと思ったんだけどね。
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あのー、いや、お腹が下ったっつーんならさ、内科とかに行けばいいと思うんだけどね。
そうだな。で、お腹はね、全然大丈夫なんだよ。
ほー、ほうだな。で、これほら、頭だろ。
ほー、じゃ、何か脳神経かとか、そういうところに行ったのか。
いや、そうかなーと思ってたんだけど、頭なんだけどさ、これ、目なんだよ。
え?いや、頭だけど目なんだよ。
ほー、目の?がんかか。
いや、でもそれがんかじゃないなーって思ってさ、どこ行ったんだよ。
う、植木屋さん。いや、それ一番正しいよ、おめ。
えー、で、どうした?
えー、言ったら、植木屋さんが、このー、頭の上をじーっと見て、桜ですねって。
当たり前だよ、お前。
俺が見ても桜だったから、植木屋だったらわかんだろ。
えー、で、取り、取ってもらえますかって言ったんだよ。
そうした植木屋さんが言うにはね、
ほら、私は植木屋ですから、この桜の木を、よそへ植え替えることはできます。
えー、できますけど、桜の木は植え替えられますが、植え替えた後の地べたっていうのかな?
つまり、俺?
それはどうなるかわからないって言われちゃったんだよ。
それは困ったなあ。
そうなんだよ。だから、死んじゃうかもしれないと思うと、そこまですることないしさ、
別に痛いとかそういうんじゃないから、とりあえず、このまんまでいようかなと思ってね。
まあまあ、おめえがな、そう思うにはいいよ。
病は木からって言うけど、お前の場合、病は木からじゃなくて、病は桜の木からってことになってるけどな。
心丈夫にしてられる。
また、様子見に来るから。
また来てくれよ。
うー、いるかおい。いるかおい。
こっちこっち。
こっちこっちってどこだよ。
今、日向ぼっこしてんだよ。
日向ぼっこするとね、この頭のこいつがすごく嬉しそうなのがわかるんだよ。
あ、そうか。そりゃよかったよ。
また、今度顔出すからな。
うー、いるかおい。いるかい。
こっちこっち。こっちこっち。
おい、なんでお前。まだ寒いだろ。
何、行水なんかやってんだよ。
それなんだよ。聞いたんだよ。
あの桜ってのはね、寒いところを耐えしのんで、花を咲かせるらしいからさ。
だから、綺麗な花咲かせてもらおうと思って、今、寒い行水してんだよ。
お前、命がけだな、桜のために。
手したもんだ。
また、今度顔出すよ。
お願いするよ。
うー、いるかおい。うー、こっちこっち。
おー、今日日向ぼっこしてんだよ。
大丈夫か。
なんかさ、頭がね、むずがいいんだけど、どうかしてねえかな。
ちょっと見せてみろ。
毛虫が湧いてるぞ。
ほうがねえな。
じゃあ、俺、薬買ってきてやるから。
頼んだよ。
うー、いるかおい。こっちこっち。
おー、ずいぶん大きくなってるじゃねえか。
うん、すくすく育ってねえ。
大丈夫か、毛虫の方は。
こないだの薬でね、あの、大丈夫みたいだよ。
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今日はな、土産持ってきてやったから。
いいんだよ、そんなもの気使わなくて。
いや、おめえにじゃねえよ。
桜によ、油かす持ってきてやったからよ。
頭、べちゃべちゃになっちゃうじゃん、それね。
まあ、いいからよ。
じゃあ、これだ。
うー、いるかおい。うー、こっちこっち。
おい、すごいね、お前。
見事に花咲いてるじゃねえかよ。
そうだろ、きれいだろ、きれいだろ。
満開だよな。
うー、いいや、いいや、なんてね。
まあ、こういう噂が広まりましてね。
おい、行った?桜。
え、花見。
いや、今年行けなかったんだよ。
また来年の楽しみに。
それはいけるんだよ。
え?
俺、上野の山もさ、飛鳥山も、向島も行けなかったんだよ。
まだ咲いてるとこあんのか?
あるんだよ。
え、どこ?
あたま山。
え?
あたま山。
あたま山はなんだよ。
いいから、ついてこいよ。
これなんだよ。
はあ、なるほど。
これはまた見事だね、おい。
え、他にも花見してる奴はいっぱいいるじゃねえか。
なんてんでね。
まあ、この、他はみんな散っちゃってるんですけど、
この、あたま山の桜はきれいだってんで、
頭の上でみんなが大騒ぎをするもんですから、
さすがね、野木の男ももう、この辛抱たまらないというんで、
やかましくってしょうがないから、植木屋さんにお願いをいたしまして、
なんとかこの桜の木を抜いてくれ、根こそぎ頼みますというんで、
植木屋さんがこの桜を根こそぎ抜きまして、
別のとこへ植え替えました。
と、この男の方も命に別情はなく、
ただ、根こそぎ掘ったもんですから、
あたまがこう、くぼちになってしまいましてね、
季節が夏を迎えたときに、夕立ちにあいまして、
ザーッてんで雨が、あたまのくぼちにたまりましてね、
で、これそのまんま捨てればよかったんですけども、
夏の暑いとき、チャプチャプチャプチャプ気持ちがいいやって、
そのまんまにして放っておきます。
と、こう自然界というのは恐ろしいんですね。
えー、脅威というか力があります。
この、あたまにたまった水に微生物が発生をいたしまして、
で、光合成を始めたりなんかする、
えー、だんだんと土手の様相を提出するようになりまして、
おい、あたま山どうなったか知ってる?
うん?そこを抜いとってる?それなんだよ。
今度はよ、あたま山はねえんだけど、
あたま貝池っていうのができたんだけどよ。
みんなあそこで船遊びしてるから行かねえか。
おお、そうか、行こうか、なんてんで、
今度はもう夏の間、このあたま貝池でもって大勢がこう、
えー、わーっと大騒ぎをいたしまして、
船遊びというんでね。
えー、で、まあ夏が過ぎまして、
えー、誰もこの池に寄らなくなりました。
えー、季節は秋へと移ろいまして、
で、土手ではスズムシがリーン、リーンという鳴き声、
えー、中秋の満月なんというのが、
あたま貝池の水面にゆらゆら、ゆらゆら生えております。
まあ、この男は、今までね、桜の季節うるさいよと思ってたんですが、
船遊びでまあ賑やかでいいかなと思っていたところに、
虫の声、まあ普通に聞いてりゃ風情もあるんですが、
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この男の心にすきま風が吹いたんですかね。
なんだろうね、これ。
あれだけにぎやかだったのがこんなに静かになっちゃってさ、
これから冬を迎えると、このあたまの中の池も凍っちゃうんだろうな。
そうすると俺もきっとガタガタガタガタ震えて、
また春を迎えてにぎやかになって、
きっと人の生涯なんてのはそんなことの繰り返しだよな。
そんなことを繰り返して一体何になるんだろうな。
むなしいよな、生きてるって、なんて思いましてね。
まあ今みたいに命のホットラインなんていうのがあればよかったんでしょうが、
この男の心の中にすーっとすきま風が吹いたもんですから、
石を自分の着物のたもとや何かに入れまして、
懐にも入れましてね、生きてたってしょうがねえよな。
履いてるものを揃えまして手を合わせますと、
ナムアミダブツザブーンと身を投げましたのが、
自分のあたまが池でございます。
なんだかわかんない一石でございますが、
実際講座でやるときは船遊びとか桜のにぎやかな様子とかを
いろいろギャグとか鐘とか太鼓とかいっぱい入れてにぎやかにやるんですけど、
今日はラジオバージョン10分くらいにしましたんですけども。
でもオチはこれなんですよ。最後は自分の池に身を投げるっていう。
ずいぶん前に日本人のアーティストの方がアカデミー賞の短編のアニメで、
この頭山を再現してアカデミー賞を取ってるんですけど、
なんだかよくわからない。
大笑いというよりは人生。
めちゃくちゃシュールな感じでしょ。
これをやっぱり昔の人が考えてコテンラボとして残ってるということで、
今日は頭山という落語を聞いていただきました。
さて、生で聞いていただきたいというのが、
今度は久留米でまた落語をやります。
4月4日火曜日の19時30分からイリゼのジャポニスムファーストということで、
久留米市にありますイリゼというお花屋さんなんですけど、
そこで落語会をやって、カフェになってますんでね。
ワンドリンクいただいた後の落語ということで料金は3000円となっております。
プラスワンドリンク。
詳しいお問い合わせや電話番号を申し上げます。
094248-0668
094248-0668
イリゼまでお願いします。
畜生地方の方ぜひ来てください。
聞きたいラジオ番組何にもない。
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