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2024-04-29 54:16

第153回 ホラーは人間の本質を描く「寝煙草の危険」マリアーナ・エンリケス著

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【今回の紹介本】『寝煙草の危険』マリアーナ・エンリケス著、宮崎真紀訳、国書刊行会
https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336074652/

パーソナリティ二人で作品の魅力やあらすじ、印象に残った点など、読後の感想を話し合っています。ぜひお聴きください!

今年の第十回日本翻訳大賞の最終候補/ラジオで初めて紹介するホラー小説/海外のホラー作品だけど身近に感じる/耽美的で狂気的/著者&作品紹介/スパニッシュ・ホラー文芸とは/外箱付きで手触りのいい表紙/様々な形のホラーがあるが、人間が怖い/アルゼンチン社会の不安定さとの結びつき/軽快で読みやすい/ストーリー紹介2作/「ショッピングカート」の些細なことで壊れていく社会/「戻ってくる子供たち」/の社会から決別していく子供たち/他10短編を簡単に紹介/次回予告

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版元サイトより
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カズオ・イシグロ(ノーベル文学賞作家)絶賛!
「美しく、怖ろしい……近ごろ私が発見した最高に面白い小説」
――ガーディアン紙「今年のベスト・ブック(2021)」

〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉エンリケスによる、12篇のゴシカルな恐怖の祭典がついに開幕!!!

寝煙草の火で老婆が焼け死ぬ臭いで目覚める夜更け、
庭から現れどこまでも付き纏う腐った赤ん坊の幽霊、
愛するロック・スターの屍肉を貪る少女たち、
死んだはずの虚ろな子供が大量に溢れ返る街……

「もっと 火をつけねば」

〈スパニッシュ・ホラー文芸〉とは
エルビラ・ナバロ、ピラール・キンタナ、サマンタ・シュウェブリン、フェルナンダ・メルチョール、グアダルーペ・ネッテル――今、スペイン語圏の女性作家が目覚ましい躍進を遂げている。作家によっては三十か国以上で翻訳され、世界中で好評を博すなど、現代文芸シーンにおける一大ブームとなっている。中でも、社会的なテーマを織り込みながら、現実と非現実の境界を揺るがす不安や恐怖を描いた作品群である〈スパニッシュ・ホラー文芸〉は、特に高く評価され、全米図書賞などの著名な賞の候補にも作品が上がるなど、今、最も注目すべき熱い文芸ジャンルの一つである。本書の著者マリアーナ・エンリケスは、〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉と称され数々の賛辞を受ける、現代アルゼンチン文学の頂点に君臨する作家である。

【2021年度国際ブッカー賞最終候補作】
LOS PELIGROS DE FUMAR EN LA CAMA, Mariana Enriquez, 2009

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文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、
読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!
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サマリー

マリアーナ・エンリケスによるアルゼンチン社会の不安定さを描いたホラー短編集『寝煙草の危険』は、社会性と人間の弱さを美しく恐ろしい作品群で描いています。マリアーナ・エンリケスはスパニッシュホラー文芸の頂点に君臨し、国際的に評価されています。このエピソードでは、アルゼンチン社会の不安定さとホラーが結びついた短編集『寝煙草の危険』に焦点を当てられています。作品はさまざまな形のホラーを描きながら、人間の本質と社会の問題を探求し、読みやすさも特徴的です。ペドロが行方不明の少女の映るビデオをメッチが見つけ、メッチはバナリスが生きている可能性を感じますが、バナリスの姿を公園で見つけることで確信し、バナリスの存在がアルゼンチン中を混乱させています。その後の展開とともに、バナリスの出現が一体何をもたらしたのかが明かされます。『寝煙草の危険』は、マリアーナ・エンリケス著の幽霊や怪奇現象が登場するホラー小説です。作品は馴染みづらいアルゼンチンを舞台に、人間の狂気や本質を描きながら、登場人物たちの運命を残酷に展開しています。

『寝煙草の危険』のホラー作品
アルゼンチン社会の不安定さは呪いとなり、その街の犠牲者たちは幽霊となり、戻ってきた。
文学界のロックスター、ホラープリンセスと呼ばれるマリアーナ・エンリケスの寝煙草の危険を紹介します。
どうもみなさんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするポッドキャストです。
パーソナリティは私大地と三枝の二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時にはつく、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのはマリアーナ・エンリケスの寝煙草の危険になります。
宮崎町さん役で国書観光会から2023年に出版されています。
こちらですね、今年の第10回日本翻訳大賞の最終候補5作のうちの一つとなっております。
大賞自体はね、5月に発表されるので、その前に我々ちょっといくつか読んできているので、というか間に合えば全部読みたいなと思ってるんですけど、そのうちの一つとなってますね。
そうですね、日本翻訳大賞は今年で3年連続ですかね、最終候補5作を読んで、どれが賞を取るのかという予想をするっていうのをですね。
4月、5月になると日本翻訳大賞の季節だなっていうのが、この3年ぐらいずっとそんなの思い出ますね。
その日本翻訳大賞なんぞやみたいなところは、もしかしたらある方いらっしゃるかもしれませんが、日本翻訳大賞はですね、昨年正確に言うと13ヶ月間になるというちょっと面白い賞なんですけど、
2022年の12月から2023年の12月ですね、この13ヶ月間、年をまたいで1月、年をまたいで13ヶ月間ですね、発表された翻訳賞に対して与えられる翻訳の賞で、これは毎年恒例になってるんですけれども、
1回15作ぐらいに二次選考として出て、その後最終候補となっているんですが、今収録段階では最終候補5作が発表されているという段階ですね。
前置きはありつつなんですが、そもそもですね、今回のネタ箱の期限めちゃくちゃ面白かったので、ちょっと話していきたいなと思ってます。
で、私個人的には久しぶりのホラー小説、かつ国書館公開の本も久しぶりだったなってところがあるんですけど、いやーでもこれはすごかったですね。なんか久しぶりにこんな後味の悪い作品を連続で読んだというか短編集なので、次々後味の悪い作品が出てくるっていうちょっと感情が落ち着かなくなるような短編集でした。
で、ホラー小説っていうのは正直あの想像がどう働くかみたいなところで、結構迫り方が変わってくるジャンルだと思っていて、私なんかの時に私の読書の最初期は鈴木孝司のリングとか、門川ホラー文庫から始まってるみたいな話をしたと思うんですけど、結構ですね日本のホラー小説苦手なんですよ、そもそも。
わかりますね。 わかる。もっと言うとですね、日本のホラー映画めっちゃ濃いくて嫌いなんですよ。嫌いって言っちゃあれだな、ちょっと見れなくて。それはですね、かなり身近に感じすぎてしまうからで、まあちっちゃい頃とか見た後寝れなかったりしたっていうのもあるので、そういう怖さには私弱いんですね。
逆に海外のものはちょっと割と受け入れやすい部分があったりするんで、それはちょっと距離感の問題だなと思ってるんですけど、この寝た箱の危険はですね、ちょっと翻訳もうまい部分があるのか、結構いろんな話が身近に感じておりまして、ちょっと迫り方が怖かったなって思った短編集でした。
僕もホラー苦手でして、基本的にホラー映画とか小説とかそんな見たり読んだりはしないんですけども、まあでもこの寝た箱の危険は僕は全然大丈夫でしたね。
怖い作品の中にはあったんですけども、苦手としているホラー要素とはまたちょっと違う怖さというか、逆にホラーあるあるみたいな要素はそんなにないんじゃないかなと、怖がらせようとしているその読者を、そういうのはないんじゃないかなと思うんで、読んでいきました。
やっぱりさすが文学作品だけありまして、ホラー小説というよりかはちゃんとした文学作品という位置づけで読んでたんですけども、基本アルゼンチン舞台が多くてですね、そのアルゼンチンの社会の不安定さとか、そこの今の人たち、アルゼンチンにいる人たちのちょっと弱さというか、そういうのが恐怖を生み出しているような作品が多くて、
社会性とか人間味というか存分にあってですね、どの短編にもそういう要素が感じれて引き込まれていきました。結構ですね、例えばホラーで本当にこれはもう地獄だなみたいな場面があるとしたら、その地獄だなっていうところは描いていなくて、そこに至る過程ですね、これはもう地獄に突入しようとしていると。
で、この先が地獄なんだっていう、ちょうどそのあと一歩みたいなところで終わっている作品が結構多くあったりしてですね、そういうのは描き方も面白いなと思って読んでました。
そうですね。で、あとはなんかそのホラーと言いつつですね、なんかすごい端微的というか、なんかその危険な美しさみたいなものがすごくある短編集でして、ちょっと怪しいものとかですね、狂気的なものとかですね、なんか狂ってるけど美しいみたいなですね、そういうのを好きな人はもうかなりこの作品は好きになれるんじゃないかなと思いますね。
そうですね、結構このあたり好きな人っているもんね、Xとか見ててもホラー怪奇小説好きですみたいな、あの何だろう、界隈があるような気がしていて、我々のラジオを聞いている人って多分今までホラー小説を紹介するのってもしかして初めてなの?
そうですよね。今まで、そうですね、多分初めてですよね。 ダークファンタジーみたいなのあったけどね。
そうですね。で、多分今までの紹介してきた中で近いのは、メキシコの作家のガンダル・ルーペネッテルですかね。
近いよね。
ちょっと気持ち悪さがあるけど美しさもあるみたいな。
我々のリスナーでどれだけホラー小説好きな人たちがいるかわからないけど、今三枝さんが言った通り文学的な要素もかなり強い作品なので、そういう意味ではちょっと架け橋になり得る作品だなと思うので、ぜひ気になったら手に取ってもらいたいなと思いますね。
マリアーナ・エンリケスの経歴
ではですね、マリアーナ・エンリケスさんの紹介を軽くしたいと思います。作家・ジャーナリストで、1973年にアルゼンチンのブエノサイレスで生まれた方で、大学卒業してから1995年ですね、比較的20代前半の若い時期に長編小説でデビューして、
そこで評価を高めた後、今回のホラー短編集、ネタバコの危険を2009年に出版されて、私たちが火の中で亡くしたものという作品も2016年に出版されていて、こちらはですね、私たちが火の中で亡くしたものは、翻訳ももうすでにされているんですけども、川田処房、新社売り、こちらが国際的にすごい評価されて大成功を収めたと、20カ国以上に訳されていると。
ネタバコの危険に関しては、2021年に国際物価賞最終候補にも選ばれていて、ノーベル賞作家である和尾石黒さんからも大絶賛されていると。
その他、ノンフィクションの分野でも活躍をされていて、様々な賞を取っていらっしゃるというですね、すごい活躍されている人なので、作風も相まってホラープリンセスとかですね、文学界のロックスターと称される、現代スペイン語兼作家の中でも国際的にすごく評価をされている作家さんの一人であるという方ですね。
かっこいいですよね、文学界のロックスターっていうのは。
そうだね。
ホラープリンセスとか。
エンリケスさんの服装もちょっとこの辺の名前の由来っていうのが、役者後書きを読むと書いてあったけど、まあいいよね、文学界のロックスターってね。
作品紹介をここからしていきたいと思います。
版元のホームページから紹介文を引用します。
カズオイシグロウが絶賛。
美しく恐ろしい。近頃私が発見した最高に面白い小説。
というのをですね、ガーディアン氏の今年のベストブック2021年で語っていて、次ですね。
文学界のロックスター、ホラープリンセス。
エンリケスによる12編のゴシカルな恐怖の祭典がついに開幕。
寝たばかの日で老婆がやけ死ぬ匂いで目覚める夜更け。
庭から現れ、どこまでも隙間と腐った赤ん坊の幽霊。
愛するロックスターの死肉を貪る少女たち。
死んだはずの虚ろな子供が大量にあふれかえる街。
もっと火をつけねば。ということでですね。
この紹介文からしてちょっとホラー様子が出てますけども。
これあれだもんね、帯の文まんまなんだけど多分。
あ、だよね、帯の文だよね。
この帯文でさ、もっと火をつけねばっていうのが結構大きなフォントで。
同級でちょっとあるんだけど。
読んでる最中に、いやもうこんなこれ以上火をつけないでくれって思いながら。
私は読んでいましたけど。
たしかにそうですね、どの短編も火をつけるかつけようとしてるかのようなね。
そんなテンション感じますもんね。
ちなみにマリアナイン・リケスさんの作品が、
スパニッシュホラー文芸の評価
ジャンルの中ではスパニッシュホラー文芸と呼ばれていることもあってですね。
そのスパニッシュホラー文芸とはっていうところをですね。
ちょっと軽くこれもハンモトで紹介しているので触れたいと思うんですけども。
例えば今までラジオで紹介した作家だと、ハリケーンの季節のフェルナンダ・メルチョール。
メキシコの作家ですね。
同じくメキシコの作家のゴアダル・ペネーテル。
他にもですね、あの分野の作家さんの名前いくつかあるんですけども。
まあそういった人たちですね。スペイン語圏の女性作家が目覚ましい活躍を遂げていると。
作家によってはもう30カ国以上で翻訳されていて、世界中で評価をされていて、
この現代の文芸芯で一大ブームとなっていると。
中でも社会的なテーマを織り込みながら現実の境界を揺るがす不安とか恐怖を描いた作品群がスパニッシュホラー文芸と呼ばれていると。
スパニッシュホラー文芸が特に評価されていて、
全米図書賞とかですね、著名な賞の候補にも作品が上がっていて、
今最も注目すべき厚い文芸ジャンルの一つで、
その中でこのマリア・ナインレキスさんはすごい賞賛を受けていて、
現代アルゼンチ文学の頂点に君臨する作家であるというですね、
すごい絶賛されているというか、今すごい一大ブームにあるんだよっていうですね。
そんな作家で、そんなスパニッシュホラー文芸というジャンルの。
なんか世界的にブームになっているってことだよね、すごいよね。
確かにフェルナンダ・ミルチェオルとかウガダ・ルーペネテルとかすごい翻訳も進んでると思いますし。
間違いなく面白かったからね。
日本にいると感じにくいけど、多分このヨーロッパ圏なのかな。
でも30カ国以上ってなるとやっぱ全世界か。
世界各国だよね、多分ね。アジアでも多分だいぶ入ってきてるんだろうね。
このブームは確かに、個人的にはめちゃめちゃ面白かったので、
こういうものがたくさんこれからも日本に入ってきてくれると嬉しいなと思う限りですよね。
さてじゃあ行きますか。
中でのこのネタバコの危険なんですけど、ちょっとですね、作品の内容に触れる前にですね、
ちょっと想定に。
確かに。国書館公開さまの。
すごい気合の入っているというか豪華な想定でして、
外箱が付いてるんですよね。この紙の本で買うと。これがなかなか。
ちょっと他ではない。
まず珍しさの一つで、こういう外箱付きっていうのもいいですし、
あとこの本の質感ですかね、このすごい滑らかな。
なんていうのかわかったね。
紙ではないのかな、これ何なのかなんとも言えないこの気持ちのいい手触り感があるこの表紙で。
銀色の箔を使用されているというですね。
結構リアルな画がね。
そうですね、リアルな画が。すごいなんか見た目からして豪華な想定っていうですね。
これは電子書籍とかよりかは現物手に取る方が絶対雰囲気は楽しめるんじゃないかなと思いますね。
読んでいるうちにちょっと自分の手垢とかが付いたりして、味がなんか汚くなるっていう感じよりは味が出てくる感じの本だよね。
多分この画はデタバコの危険の画ですね。
そうですね、あの画ですね。
あっという間に短編に出てくる画ですね。すごいオシャレ。
ちょっとね、こういうのコレクションするとハマるとちょっと危険な本。
一冊結構しますからね。
ホラータイプの多様さ
そうそこはちょっとハマると危険な本ということで、ちょっとここから内容に触れていきたいと思います。
この短編集なんですけども、ちょっとその特徴的なところを挙げていくとですね、まずホラーなんですけども、さまざまな形のホラーを描いているというのがあります。
例えばいなくなった子どもたち、行方不明になっている少年少女とかですね、が霊になって幽霊になって戻ってきたりとかですね。
あと人の恨みとかですね、軽蔑と言っていいのかな、そういう感情、負の感情が呪術、呪いとなって作品に出てきたりとかですね、するんですけども。
しかしですね、このそういった幽霊とか呪いとかっていうのが存在する世界でも本当に怖いのは人間だとかですね、が味わえるというのが一つかなと思いますね。
いろんなタイプのホラーがあって、いわゆるちょっとホラーっぽいやつから人間の狂気がストレートに描かれるようなものもあれば、周りの人間との関係からちょっと怖さを感じるような話ですね。
ショッピングカートっていう話ちょっと紹介したいと思ってるんですけど、そういうところとかあったりしますね。
個人的には自分はなんかちょっと面白いなって思ったのは、天望塔かなっていう作品で幽霊側の視点から描かれる作品があって、幽霊側の視点でこいつを狙うっていう話があったりして、結構そこが面白かったりしましたね。
構成とか面白かったですよね、天望塔。
まあ12編あるんでバラエティ豊かと言ってしまえばそうなんですけど、その中でもなんかもういろんなとこに飛んでってんなみたいな感じの、どれも一箇所ぐらいはすごい印象に強く残るシーンがあったりする作品ばかりでしたね。
いやどうかやっぱり読んでて、なんか幽霊とかちょっと苦手なんですけども、幽霊以上になんか狂気をはらんだ人間の方が怖いなっていうのは感じましたね。
そうだね、ちょっと紹介するかどうかあれだけど肉とか映像の話とかね、ちょっと怖かったですよね。
アルゼンチン社会の問題との結びつき
次の特徴としては、そういったホラーの世界観ではあるんですけども、主な舞台であるアルゼンチン社会の不安定さとの結びつきがあるというところになります。
これもですね、行方不明になってしまった少年少女とか、あとは酒とか薬とかセックスとか、そんなに溺れる若者とかですね、街の治安の悪さとかですね。
作品の中で怪奇現象があっても、そもそものでも始まりは、きっかけは現実のアルゼンチンの問題から起きているとかですね。
そういう結構やっぱり社会性を感じるっていうところがあります。
なんかある意味ドラッグを決めてるような幻覚のような話もあったりして、ちょっと怖さというよりはなんか精神の不安定さみたいなところにちょっと起因してるっぽい感じの話もあったりするんですけど、
アルゼンチンで言うとあれですよね、結構貧困層が拡大してて、このネタバコの危険は2009年に本国で発観されてるんで、もう10年以上前、15年ぐらい前か。
なのでちょっと状況がまた現代と変わってるかもしれないですけど、現代はアルゼンチンは貧困層が拡大していてスラム街が増えてるっていうのはやっぱりあるみたいで、
もしかしたらこのネタバコの危険よりも、ネタバコの危険が書かれた時よりも状況は悪化してる可能性はあって。
結構前々から経済破綻の話とかってニュースで聞いたりはしてましたけど、じゃあそういう経済的な不安が実際どうなるかみたいなところまでは知らなかったんですけども、
今回この役者跡書きの情報とかも読んで、社会の犠牲になる若者がやっぱり多いっていうのがあるみたいで、特にその10代の女性が行方不明になったりとかですね。
それはもう殺されたりとかですね、監禁されたりとかですね、買収させられたりとかですね。なかなかそういうので、役者跡書きの中のこの著者であるマリアナ・エンリックスさんのコメントで、ホラー小説なんで結構ぶっ飛んでますねって言われがちだけど、
でも実はそんなことはないと思う。アルゼンチンの中で起きていることをやっぱり表現しようとしたら、こういうふうなのがもうなってしまうっていうですね。結構やっぱりそのこの信じたくはないけども、すごく嫌な出来事っていうのがリアルであるっていう、そういうのがね、やっぱり跡書きとか読むとより伝わってきましたね。
そうですよね。日本では違うんだろうなっていうところはちょっとここでは見えてくる部分ではありますね。
読みやすさと怖さの醸し出し
そうですね。特徴では最後の話になるんですけども、そんな作品ですけども、実はですね、軽快で読みやすいという点も挙げたいなと思います。結構読みやすかったですね。
そうですね。なんとなく国書館公会が出す本って、ちょっと読むのにパワーを使うイメージがちょっとあったんですけど、なんかそのイメージからするとかなり読みやすくて、逆に読みやすさが故に私はちょっと身近さを感じてしまって怖くなってきた部分もあったんですけど。
オーってなった時あったんですけど、まあでも面白かったし、読みやすかったですね。読みやすさってあれかな、その文自体のりすると、現地書がどうなってるかわかんないけど、たぶんそんなに難しい言葉使ってないかっていうイメージですね。
そうですよね、確かに。 ちょっと展開がちょっと急に怖くなるというか、ぶっ飛び出すとこがあったりするので、ちょっとそこが読んでるとうんってなったりするんですけど、まあでもそれでもあっても全然読みやすくて、非常に読み進めるにはそんなに苦ではなかった。じゃあいきますか。
ここからストーリー紹介をしていこうと思うんですけど、まあ短編が12編ありまして、その中で主にちょっと2つ作品を取り上げて、それ以外の作品もですね、ちょっとおよい触れていきたいなとは思っています。
じゃあちょっとまず私が選んだ作品いきますか。私はですね、ショッピングカートっていう作品をちょっと紹介しようと思って選びました。で、これはちょっとストーリーざっと話しちゃうと、ある町にですね、ボロボロの老人がショッピングカートを押しながらやってくるんですよ。
で、通りの真ん中というか通りでですね、いきなりですね、ちょっと汚い話なんですけど、下半身を出してですね、大便を押し出すんですね。その結果ですね、強烈な臭いがですね、この通りを支配します。で、その通りに住む結構乱暴者の不安町という男がいるんですけれども、まあそれが出てきて老人を罵倒し始めます。
何してんだ許さねえぞみたいな感じですね。これ主人公一家がですね、この通りに住んでいて、その様子をずっと見てたんですけれども、この不安町ですね、この一家の母親が富に入ってきます。もうほっといて行かせてあげなさいと言い出しますね。で、この母はですね、この通りではちょっと人目置かれている存在だったので、この不安町はですね、言うことを聞いて、まあいいことを聞くんですけれども、ただでは返さないぞという感じになって、老人からですね、ショッピングカートを奪います。
で、老人は立ち去るが、ショッピングカートはですね、放置されたまま置いていかれて、時間がどんどん経過していきます。やがてですね、ショッピングカートに、まあちょっと何が入ってるかわからないんですけど、段ボールが入っていて、まあそれが雨に濡れたりして、なんか異様な臭いを放ち出しますね。で、もうこのショッピングカートをみんなちょっと大まきにしていくような感じになってきます。
で、そのあたりからですね、この通りの住人たちに不幸なことが立て続けに起き始めます。お店に強盗が入ってしまったりと、貯金もですね、なぜか誰かに引き出されていってそこをついていたりとか、あともうなんか理不尽なことで職を失ったり、まあそもそも収入がなくなるんでも、あの子供が学校に行けなくなったりとか、食べ物が買えなくなったりとか、そういう状況になってきますね。
で、この通りの住人たちはあの老人の呪いだと思うようになってきます。ただですね、主人公の一家だけはこの不幸にあったわけですよ。まさかこれは母親があの老人を助けたからかもしれないと思われていて、唯一この通りで食事がまともにできているのは主人公一家だけ。で、もうそんなことですね、料理の匂いなんかでですね、周りにバレちゃうんですね。何でしょう、いろんな目で主人公一家は見られるようになってきて、引っ越しを検討するということになってきます。
で、そんなおりですね、母親がですね、肉を焼く匂いが家中を充満して、またそれは外に漏れ出してというところでちょっと一幕あって終わっていくっていう話なんですけど、これシンプルにまず老人が呪いが怖いっていうだけではなくて、このことによってこの住人たちのこの行動の変容ですね。
やっぱり怖くて、さらさら描かれていくんですけど、結局この主人公一家にこの刃が剥きそうになってくるっていう緊張感。これは人間社会の怖さだなって思って、結構これなんだろう、日本的な要素を感じて、ここは社会の目、世間の目みたいなとこも感じて、ちょっとゾワッとした作品だったなと。
あと、かつラストのね、ちょっと一幕が怖くて。
そうですね、ラストがちょっと怖いんですよね。
そこはちょっと読んでもらいたいんでお伝えしたいんですけど、ちょっとショッピングカート、割とわかりやすくてかつひと癖のある作品だったので、ちょっと紹介してみたいなと思ったので選びました。
老人って不老者みたいな人なんですけど、描かれ方もなんかすごい汚い人物で描かれてて、それは確かに追い出したくなるっていう、わかる気もするしっていうのと、あとこのショッピングカートが放置されたままになるんですけど、結局それを放置したまま、街の人は特に何か触ったりもしないんですよね。
なんかすごいイシューを放つんですけど、ショッピングカートが。ほったらかしにしてるっていうところが何か、何でしょうね。その、なんか良くない前兆はあるのに、その関心の薄さというか。
あ、そこもね。
なんかその、結局何かそこには触れないで、何か自分は自分の生活ができたらいいのかなみたいなですね。何かそんなのが醸し出されていて、何かそこも何かちょっと何かこの社会を表してるのかなって思いましたね。
ああ確かに。無関心さみたいなところ。無関心さ。どうなんだろう。なんかちょっと日本的な感覚で言うと無関心さになっちゃうけど、この通り元々はちょっと裕福、裕福まではいかないけど、まあそれなりに生活ができてるっていう感覚だったけれども、自分たちの生活で一杯一杯みたいな、他のことなんか構ってられないぜみたいな感じなのか、どっちなのかなーってちょっとわからないなと思いながら。
自分がもうちょっと日本の感覚で読むとやっぱ無関心さっていうのはやっぱ際立ってたなとは思うけどね。
これもやっぱりその街の、街全体的にね、このちょっと破滅していくサマーっていうのが読めるんで、面白かったですねやっぱり。
なんかね、ほんと些細なことで、何か壊れていく世界みたいなね、ちょっとね怖かったよね。
次僕の方で紹介するのが、戻ってくる子供たちという作品です。今回の収録作品の中で一番長くて60ページほどあります。
主人公はメチという女性で公務員みたいな立場になるんですかね。とあるセンターに勤めてるんですけども、そこでは死亡したり行方不明になった子供の記録を維持管理しているというですね、そういう事務職をしています。
舞台はアルゼンチンなんですけども、行方不明になる子供の大多数は10代の少女と呼ばれています。
例えばですね、どんな少女たちかというと、明らかに元々グレていたとか、タバコを吸ったとかですね、警察に捕まったとかですね、そういうのは全然ないような、
ただちょっとその家庭環境はちょっと複雑なところがあって、ちょっとお母さんと喧嘩になって、それで原因でちょっと家出をしたと。
そしたらそのまま行方不明になってしまったと。もう全然どうなったか掴めないというですね。
あとはそういうので、ちょっとしたことで家出をするけど、その後男について行ってしまうとか、妊娠してしまうとか、性被害を受けてしまうとかですね。
そんな子たちが大勢いると。話が戻るんですけども、このメチには新聞記者のペドロという友人がいます。
この2人男女なんですけども、恋愛関係にはならず、友達関係、いい友達。ペドロは新聞記者なんで、ちょうど失踪した子供たちっていうのを追っていました。
バナリスの行方不明
よくよく買収組織を摘発してですね、ずっと自分の評価を上げようというですね、そういうのも黙論ではいたので、ペドロがたびたびメチの職場に来て、やっぱり子供たちの記録というのがペドロからするとすごい貴重な情報源になるので、その資料というのをこっそりとメチに見せてもらっていました。
ある時ですね、メチはバナリスというすごく美人のモテルのような少女の写真を見つけます。他の子供たちと比べて明らかに写真写りが良くて、気になってしょうがないというようなそんな美女を見つけます。
このバナリスは売春をして暮らしていたんですけども、ある時行方不明になってしまうと。バナリスを知る少女がいて、少女の証言でバナリスは保護施設に入ったらしいけども、その後消えてしまったと。
SNS上ではバナリスのプロフィールには今もメッセージがたくさん入ってきている状況だと。ある日ですね、このペドロが行方不明の少女が映るビデオを持ってきます。そこにはですね、袋に入れられてトラックに乗せられていて、少女はもう全然動いていなくて、ぐったりしているのか死んでいるのかさえちょっとわからないビデオがあって、
顔だけははっきりと見えるというので、ペドロがすごい美少女が映っていると言うんですけども、そこでメッチはこれはもうバナリスだと確信します。ペドロはですね、このビデオを頼りに犯罪組織のちょっと手がかりをつかもうとしていたんですけども、一方でですね、このメッチはバナリスのことが気になってしょうがなかったんですけども、
ただこのビデオの存在を知って、バナリスが生きている可能性というのはもう限りなくゼロになったなと、おそらく死んでるんじゃないかなと悟るようになります。しかしですね、そんなことを思った翌日、メッチが家の外に出て、ちょっと公園の方に歩いていくと、その公園の階段にバナリスが座っているのを発見します。
声をかけたら、やっぱりバナリスでした。メッチが興奮してペドロに電話して、バナリスがいると。バナリスかって聞いたら、ちゃんとはいそうだって答えたっていうのでびっくりして、するとペドロからもペドロの方でもなんかすごい興奮した声でですね、ちょっと驚きの報告がありました。
で、メッチもペドロもちょっと現実を疑うような信じられないことがその後ですね、アルゼンチンで起きていきます。信じられないその現象によってアルゼンチン中が混乱していくというですね、そんな展開を迎えていきますと。そこからですね、ちょっとクライマックスまたなっていくんですけども、そこでですね、突然このメッチの前に現れたこのバナリス、あるいはそのペドロが目撃した現象ですね。
というのは一体何をもたらしたのかっていうですね、そんな話になります。
これはでもちょっと長めの作品でいろんなところちょっとあるけど、これなんか映像化したらめっちゃ面白そうだなと思ったな。あ、ていうか怖いなって思ったな。
そうですね。ちょっとね、その闇の部分をすごく感じるような話で。
これ、なんかもう死んだと思われた人たちが次々次々現れるっていうラストなんだけど、ラストというか途中なんだけど、これはちょっとなんかゾッとするような。一体何が起きてるんだ感がすごいよね。
そうですね。怪奇現象起きるんですけども、なんかそこよりも、なんかその発端となるこの少女たちが行方不明になっているっていうこの現状ですかね。なんかすごい簡単に行方不明になって、結構周りから無視されていることも多くてですね。
なんかその辺が、なんかその社会の怖さっていうのを感じましたし。バナリスもちょっとその姿を表して、バナリスが発見されたらすごい大騒ぎになるんですよね。
両親とかも会いに来たりしたんですけど、バナリスが行方不明の間、SNSとかではメッセージ入ってたんですけど、本当にバナリスに会いに両親が何か行動を起こしたかというと、そういうことも特に知ってなかったということで、なんかね、すごい考えさせられるところはありましたね。
子供がいなくなった子供が戻ってきてるけれども、なんかそれに対してなんだろうね、なんとも言えない感じだよね。喜んでるのか表明にだけ喜んでるのか。
僕はなんかこの最後の終わり方のところで、なんかその子供たちは、なんかその社会を潔物をしていくっていうのが、なんか一つ、なんて言うんですかね、なんかあのやっぱりリアルな今の社会でも、それを表しているのかなって思うんですよね。
現状がもっと社会で、なんかそういう子供たちを受け入れるというか、大切にしていたら、なんかこの作品の中の結末はまた潔物ではなくて違ったんじゃないかなとかですね。なんかそういうのはちょっと思いましたね。
それはあるな。確かにね、発端がやっぱりアルゼンチンの闇にいたよね、から。そうなんだよね、その辺考えるとすごい怖い話なんだよな。現象自体も怖いけど、なんか溜まっていくものっていうか、そこがなんかすごく感じる作品でしたね。
バナリスの出現とその影響
そうですね。これも読みやすい文章だったんですけども、意外とちょっとずっしり重い重さを感じるような内容なので、でもなんかすごい考えさせられるところがあって、すごい良い作品でもあるなと思いましたね。
さて、じゃあちょっと他の、あと10編あるんですけど、いくつか触れたいなと思ってますが。
まずですね、「ちっちゃな天使を掘り返す」という作品ですね。これは結構面白くてですね。雨の日に裏庭から鳴き声が聞こえてくるという、主人公は女性なんですけども。
というので、この女性が何だって思ったら、それが赤ん坊の幽霊でした。で、おばあちゃんの妹の幽霊で、おばあちゃんの妹が実は生後3ヶ月ぐらいで亡くなっていて、その幽霊が。
雨の日になると、ちょっと鳴き声を出してくるというですね。そういう現象がいい伝えとしてあったみたいで。で、その幽霊が、赤ん坊の幽霊がですね。
主人公、女の女性をどこまでも、どこに行っても何かをつきまとうようになって。で、町の人たちは、大体の人は幽霊見えないんですけど、たまに幽霊を見える人もいて。
で、そうなるとちょっといろいろ厄介なんで、主人公が鞄に赤ちゃんを詰めて、人の目に触れないようにして。それで、もうつきまとうのいいでしょって言っても、赤ちゃんの幽霊がいや、まだ一緒にいるみたいな感じで。
そう、なんか赤ちゃんの幽霊につきまとわれるというですね。そんな話ですね。ちょっとコミカルさもありつつ、赤ん坊の幽霊の何て言うんですかね。ちょっとグロテスクさもあってですね。気持ち悪いんですけど、そんな怖くもないっていうところで。なんかちょっと面白かったですね。
面白かったですね。
この後の話に比べると、一番最初に読んだからあれだったけど、あまり意識してなかったけど、なんかポップさはあるよね。
うん、そうですね。
ただ、ラストちょっと怖かったけど。
まあそうですね。ちょっとね、赤ん坊の幽霊がね。ゲートがんこっていうところで。
ですね。
でもまあ、最初に読むにはちょうどいい作品だったと思いますね。
確かに。
一番最初に収録されてるんですけど。で、問題は次ですね。これはちょっと読み方が違ってたら申し訳ないですけど、ゆうすい池の聖母という作品で、これは高校生グループが男女数人ですかね。
女性ばっかりの中に男性が確か一人いるんですけども。で、ちょっとバスに乗って遠出をしたところにある湖に泳ぎに行きます。
で、そこの湖には聖母の祠があって、そこにはいろいろなちょっと言い伝えがあるんですけども。
その言い伝えの中の一つには、その周辺では野犬も出てくるから危険だっていうのも言われていて、何かと危険な場所ではあるんですけども、高校生グループはその時期たびたび泳ぎに行って遊びに行きます。
で、そのグループにはすごいモテモテの男の子がいて、主人公を含めて女性人はその男の子を狙うんですけど、グループの中にちょっと年上の女の子がいて、
で、その女の子がその男の子をゲットしてしまってカップルになります。で、そのちょっと年上の女の子が若干ケスカの女性でもあって、そのグループの中では若干嫌われてもいるというので、
そういった状況の中でですね、このカップルがちょっとおふざけでグループの他の女の子たちを出し抜いて、ちょっと二人きりの時間を過ごそうとしてちょっと悪ふざけをするんですけど、
そこでですね、ちょっと一人グループの中の女の子が、ある意味ちょっと気が狂っているような女の子がいて、何かとちょっと歯止めが効かないタイプの女の子がいて、
聖母がいる祠ですね、ちょっとそこに行ってあることをします。あることっていうのが呪いみたいなものなんですけど、そうするとですね、そこからちょっと怪奇現象が起きて、一応その先には地獄が待っているというですね、そんな話ですね。
これなかなか怖かったですね、僕は。
もう最後の方もね、さらっと見つからなければいいのにみたいな、うおーっとなった。
これ狂っている女の子が歯止めが効かなくてって言ったんですけども、主人公の女の子もですね、最後まで読んでいくとあれっていうですね、これは相当やばいっていう。
全然怖い女だったっていう。
こんな感じですよね。
これはなかなかすごく残酷な話だと思いますし、一方ですごく情景が浮かぶような描かれ方をしていて、面白く読める作品だと思いますね。
ではですね、次がですね、移動という作品ですね。これもなかなかの問題ですよね。
どうでしたね、これはちょっと怖いよね、人間の怖さプラス、目っていう。
僕はやっぱりこの移動がこの短編集の中で一番怖さを感じましたね。
どんな話かというと、引きこもりの女性の話で、引きこもりと言ってもちょっと理由があってですね、もともとはそうじゃなかったんですけども、ちょっとある出来事がきっかけで部屋から出れなくなった。
最初はお医者さんに治してもらったりして、学校に行けたりしてたんですけど、だんだん年を取りにつれて部屋の外に出れるのも無理になってくるというですね、ちょっと心理的な問題を抱えている女性がいて、その女性にはお姉さんがいてですね。
お姉さんがちょっとその症状は何とかしようというので、これも子供の頃、柔術師の女性、魔女みたいなもんなんですかね、いまして、そこにお姉さんがあの手この手を駆使して妹、引きこもりの女性を連れて行きます。
そこで柔術師の女性、魔女みたいな人がですね、ちょっとある衝撃の事実を明かすというですね、そんな話ですね。
そうですね。この衝撃の事実が衝撃的すぎて、ちょっと世界崩れるっていう。
そうですね。家族の話だと思うんですけども、救いがなさすぎてですね、引きこもりの女性にやっぱりちょっと同情するところがあって、かわいそうだなという感じで最初は読んではいたんですけども、最後もちょっとびっくりしてですね、もうそれどころではないなという、絶望を感じるような、そんな作品でしたね。
悲しみの大通りという作品で、これは舞台スペインのバルセロナになります。主人公の女性が、過去にもバルセロナに来たことがあったんですけども、ちょっと今回改めてバルセロナに来た時に、街の汚さにすごくうんざりしてしまいます。
しかもですね、この道歩いていると、ある女性がもうちょっと突然ですね、そのちょっと下痢をしているようで、もう漏らしてしまうっていうですね。で、すごい異臭もするっていうですね、というのにも遭遇してしまうと。で、そこでも何なんだこの街はというので、もう女性が、知人の女性もバルセロナに住んでいるんで、そんなことをね、語ったりしていきます。
で、ある時ですね、このバルセロナには悲しみの大通りと呼ばれるですね、首のない子供がさまよっているっていうですね、なんかそういう、そんな子供の幽霊かな、が出るっていうですね。で、そんな話って本当なのかなって思っていたら、だんだんですね、それが本当かのようなですね、話になっていて。
知人の女性っていうのは最初、普通の人という感じだったんですけども、だんだんですね、ちょっと言動におかしいところが出始めてですね。で、最後、この街に、バルセロナに関するですね、ちょっと忠告というのかな、なんかそんなことをですね、告げられるというですね、そういう話ですね。
これも逃げなきゃいけないっていう感じの、ちょっと怖いやつですよね。
そうですね。ちょっとなんか風刺的なところもあるのかなと思うんですけども、この話、僕がすごい好きなのが、バルセロナには変人たちがいっぱいいて、それぞれ出現する季節とか時間が違う。
あー、あったな。
っていう、なんかそんな描写があってですね。で、例えば、クリップ線香おばさんっていうのは、髪の毛が見えないくらい、頭にどっさり髪飾りをつけている女の人で、夏にしか現れないと。
50くらいのラスターおじさんっていう人は、閉店した店のシャッターを棒で叩いてもらう変人で、クリスマスマギュアの休暇期間にだけ姿を見せるとかですね。
で、それがもう、すごいハッポーンみたいな音だから、観光客とかが出くわすと、もうびっくりして、もう騒然となるとかです。
なんかね、そういうクリップ線香おばさんとか、シャッターを棒で叩くおじさんとかですね。
なんかそんな変人たちが紹介されている描写があって、なんかそこが、そのように好きでした。
なるほど。
次がですね、天望塔という作品ですね。これはなかなか面白くて、これはアルゼンチンにある、実際モデルとなるホテルもあるみたいなんですけど、
幽霊が出るっていう噂のホテルに泊まりに来た女性と、そのホテルにある天望塔に住む幽霊というですね、この2人の視点から語られる話になっています。
ここにはですね、この幽霊というのも女性の幽霊なんですけども、トラウマと狂気が混じり合うですね、何とも言えない、なかなかこれも狂ったような作品になっています。
個人的にはこの作品めちゃめちゃ面白かったなと思っていて、幽霊の視点から見る物語だったので、いろんな話はちょっと交互に転換されるんだけど、
ラストもね、怖くて、今回怖くてとか言ってないんだけれども、ゾワッとして終わる感じですね。
ラストも本当にあれですね、地獄が待ってるとしたらその地獄に入る一歩手前まで描いてるみたいな作品で、救いがなかなかないような感じでしたね。
もうね、落ちていくしかないっていうところですね。
次がですね、どこにあるの心臓という作品で、これはちょっとかなり変わっていますね。これは心臓音に取り憑かれる女性、フェチみたいなもんですね。
人の心臓の音を聞くのがもう快感というですね、そんな女性がいて、その女性は心臓音の中でもこういう音じゃないとダメみたいなんですね。
自分に合う宗派みたいなものがあって、その女性が本当に自分にとって理想的な心臓音が聞ける男性を見つけるんですけども、
その男性というのはもう病になっていて、心臓病ですかね、確か。ちょっと人生も残り短いかもしれないみたいなんですね。
その男性はその病を受け入れているし、その女性のこともまで受け入れているというですね。
受け入れているのか諦めているのかなんとも言えないんですけども、これがなかなか美しさもあり狂気的でもあるという作品ですね。
そうですね。正直でも個人的にはこの作品はちょっと紹介したかったんだけど、ちょっとこれはもう読んでもらわないとこうわからないなと思ったので、
ちょっと短いし、ぜひ手に取って読んでもらいたい一本だけれども、怖いですね。怖いというか、この女性の狂気がどんどん加速していく話ですね。
これもなかなかストーリーだけではやっぱり実際の面白さってなかなか伝えるの難しくて、本当に10ページちょっとなんですけども、
この女性の狂っている感じはちょっと読むとすごく楽しめるんじゃないかなと思いますね。
次がですね、肉という作品ですね。これも面白くて、カリスマ的なロックスターの歌詞がいたんですけども、ちょっと突然人気絶頂のところでなくなってしまうと。
そのロックスターの熱狂的ファン、本当に命を捧げてもいいみたいなですね、そんなファンの女の子2人がたまたま近くに住んでいて、その2人がちょっと出会って協力し合うようになって墓荒らしをするようになります。
その墓というのはロックスターの墓ですね。実はですね、その女の子たちはですね、ちょっとおぞましいことをしていたというですね、そんな話ですね。これも結構面白かったですね。
そうですね。これは実はショッピングカートと肉どっちにするか、すごい迷ったんですが、紹介するの。これなかなかね、強烈すぎてね、なんかちょっとちゃんと話せる自信がなくてっていう。
そうですね。僕も今軽く紹介してましたけど、ちょっと衝撃的なところはですね、ちょっと伏せて話してますんで。
これ、そこ話さなきゃいけないし、話すとちょっと難しいしってとこで避けましたが、でも印象というか強烈度で言ったら、自分これが一番だったかもな。
確かにその、人間のなんていうか狂ってるところっていうか、そういうやばいところが全面に出てる作品ではありますし、なんでしょうね、この、なんかそのやばさというのか、その愛情の強さがすごいやばさに変換されてるっていう。
そうですね。もう次行きましょう。
次ですね、これ誕生会でも洗礼式でもなくていう作品ですね。これはですね、他人からは見えない彼という存在、おそらく幽霊みたいなものだと思うんですけども、に取り憑かれた女の子と、その女の子の両親の依頼を受けて、女の子の部屋の中の様子を撮影する男の話で、これも結構ショッキングなところがありましたね。
要はこれあれだもんね、幻覚が見えてますって言ってる女の子がいて、その両親が、じゃあその幻覚撮影してみせるから、いないことをちょっと確認しろよみたいな感じなんだけれども、なんかそれだけじゃ終わらなかったっていう。
そうですね。少女は自傷、自分で傷をつけたりしてるんですけど、少女の話だとそれは彼という存在がつけたもので、自分でやってるわけではない。これもなかなか説明が難しい話で、なかなか読むとちょっと辛い話で終わりましたね。
狂気が全面に出る作品
次ですね、これは氷大作の寝煙草の危険ですね。これはですね、家の近所で寝煙草によってアパートが火事になって亡くなってしまった阪神夫人の老人、おばあさんがいて、その話を聞いたことがきっかけで、主人公の女性がベッドの中でシーツに煙草の火をつけるというですね。
ちょっとそういうことをお知らせします。で、そのシーツに火をつけて穴を開けて、そこから天井を覗くとですね、そこにはちょっと星空が広がるようなですね、そういうちょっと美しい光景が女性の中では見えてですね。
そういうのに魅せられていって、だんだんシーツの穴を大きくしていきたいというですね、そういう思いに駆られていくという、そういう話で、すごくこれは感能的であり、堆肥的な要素も含まれて描かれている作品ですね。
これもね、本当にすごい短い作品なのに、この短さの中でこの女性の歪みというかね、生きにくさというか、なんかそういうのを感じる作品で、結構表題作にもなっているくらいなんで、やっぱり力のある作品だなと思ってしまいましたね。
この作品が出している雰囲気はもうすごい良かったですね。なんかもう本当に危険な香りがすごくして、これはやっぱ好きな人は絶対おはまると思いますね。では最後の作品ですね。私たちが死者と話していた時という作品で、これも少女たちのグループがあるんですけども、ちょっと部屋で集まっておまじないをみんなでしています。
で、そのまじないっていうのが死者と会話をするっていうですね、何かそのコップを使って、日本でもなんかそんなのがあった気がするんですけど。
コックリさんですよ、コックリさん。
コックリさんか。
もう俺コックリさんのイメージ知らなかったもん、これ。
コックリさんですかね、やってると。で、話したい死者っていうのを呼べるんで、それぞれですね、なんかその両親と話したりとか、亡くなった両親と話したりとかですね、そんなことをしてるんですけども、そんな中ですね、ちょっとある少女に異変が起き始めると。
というところで、異変が起き始めたら、そこからですね、もう本当にどんどんなんかいろいろと崩壊していくような、そんな様が描かれているという話ですね。
いやもうね、これラストにあってなんかすごく切実がゾワッとする話。これも、こっち側、なんだろうな、これもあれだよね、幽霊が目をつける人物はこういう人だみたいな、なんていうのかな。
ああ、はいはい。
あっちの死者側の子のね、そういうのを感じてすごく怖かったな。
そうですね、これも語り手の女の子、主人公を描く女の子がいるんですけども、やっぱり最後まで読むと、やっぱり人間が怖いなって感じですね。
なんか同じグループに属している人も、友達は思うつつ、本当に友達なのか全然そうじゃないのか、よくわからないような。
まあでも仲はいいんだろうなって、ちょっと仲良しグループ。
人間の狂気と暗い部分
最初の方で紹介した温水池の聖母の話もそうなんですけども、仲がいいグループの裏切りというか、相手がどうなってもいいみたいな、この感じって一体何なんだろうみたいなのは、すごい残りましたね。これも怖い話ではありましたね。
さてちょっとざっと名産に紹介してもらいながら進んできましたが、今日はこんな感じかなというところなんですけど、最後改めてこの本の感想を話したいなと思うんですけど、終始やっぱね、俺ね、やられてましたね、今回この短編シーンは。
そうですね、もうちょっと精神的に。
結構やられたなと思いましたね。今回ちょっと断片的に紹介してきた中で感じていただけている部分あるかもしれないですけど、これ実際に幽霊とか怪奇現象とかも全然出てくる話なんですけど、裏側とか根っことかに人間の狂気とか本質とか、ちょっと醜い部分みたいなのが見え隠れしていて、
だからなんかその辺の二重パンチがですね、もう多分相当くるんですよね。ぜひホラー小説好きな人も読んでもらいたいし、文学作品でちょっとこうダークな人間の部分を描くのが好きな人にもぜひ読んでもらいたい作品だなと思いました。
そうですね、このスパニッシュホラーで主な舞台がアルゼンチンというところで、なかなか馴染みづらいんじゃないかとイメージとしてあるかもしれないんですけども、読んでみると思った以上に作品に入っていけて、やっぱり登場人物に結構同情することが多くてですね。
登場するとやっぱりその先のなんか救いのない展開が多いんで、確かになんかやるせない気持ちになって話が終わってしまうっていうですね。そんなことが多かったんですけども、でも話自体やっぱり面白いものが多かったので。
やっぱりこれはもうこの世界観、好きな人はもうめっちゃハマると思うので、なかなかそうですね、これはもうすごく好きな人にとってはかなり貴重な小説になるんじゃないかなと思いますね。
あまりこういうタイプの小説で会わないと思うんで、自分がもともとあんまりこういう方面を手に出してないっていうのはあると思うんだけどね。
文学性をすごく感じているんですけど、そこがありつつ、なんかこのホラーの話っていう。それがすごいいいのかなと思いますね。
じゃあちょっと今回はこんなとこにしておきますか。じゃあ次回は番外編をお届けしたいと思います。お手入れ紹介会になりますので、何卒よろしくお願いいたします。
番組の最後になりますがメルマ会員募集しております。こちらメルマ側無料版と有料版ありまして、詳しいことは番組概要欄ご覧ください。
そして番組の回数やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました。読み返しましたがございましたら、ハッシュタグそろとび猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
Xやインスタの投稿でお待ちしております。お手入れフォームも番組情報欄に載せております。ぜひぜひこちらもいただければと思います。そしてこの番組気に入っていただけましたら、せっかく的に拡散、共有、フォローをお願いいたします。ではまた来週。
ありがとうございました。
54:16

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