2025/03/28
サマリー
言葉の万能ワード「やばい」の意味の変遷について考察されています。元々ネガティブな意味合いで使われていた「やばい」が、ポジティブな感情表現としても広がっていることが語られています。
言葉の変遷
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
今日も最後までお付き合いください。
今日は、言葉のお話です。
【やばい】って皆さん使いますか?
【やばい】、私は悪い意味で使うことが多いんですが、最近はいい意味でも使いますよね。
もともとはどういう意味だったかというと、
危ないとかまずいという意味でした。
語源は江戸時代までさかのぼるんですが、
盗俗言葉、やば、これに由来するそうです。
やばというのは、都合の悪いことの略とされています。
昔は、このままじゃやばいぞとか、やばいミスをしたとか、
明らかにネガティブな意味で使っていました。
ところが最近では、このラーメンやばい、これは超うまいっていう意味です。
ライブ最高すぎてやばい、これは感動したということです。
さらに、あの人やばくない?っていうのは、魅力的だっていうことを言っています。
とにかくめちゃくちゃポジティブな意味に使われているんですね。
同じような言葉で、渋いという言葉もあると思います。
渋いって、わりといい意味で使いませんか?
あの人渋いよねっていうのは、何でしょう、寡黙な感じとか、
佇まいが後派な感じであるとか、そういう人のことを指して渋いよねって言ったりします。
ただ、もともとはやっぱりネガティブな意味なんですよね。
渋い柿なんかも、おいしくない柿じゃないですか。
そうやって使うんですけど、シブがき隊っていうのは、いい意味で使ってますよね。
どうしてこうやって意味が広がっていったのかというと、
これは感情の強さなんですね。感覚の強さというか。
やばいも渋いも、私たちが感じる言葉を表現していますよね。
渋いだったら、ちょっと後派な感じっていうのは、ちょっと怖そうでもあります。
そこが魅力でもあるんですけど、
そういうちょっと悪っぽいところが魅力的だなと思えるような、そういう感情です。
そしてもう一つのやばいですけれども、
悪いということであっても、いいということであっても、
とにかく感情を爆発させたいときに、このやばいということが便利だったんですね。
つまり、意味ではなくてテンションで使っているんです。
心の動きで渋いとか、やばいという言葉が使われているんです。
感情の表現
魅力的だよねっていうことを、英語ではクールと表現したり、ホットと表現したりしますが、
これって魅力的だっていう言葉に対して、
真逆のクールとホットが2つ言葉があるってことですよね。
一方で日本語は、いいことも悪いこともやばいと言ったりします。
英語では、一つの意味に対していろんな言葉が生まれているのに対して、
日本語のやばいという言葉は、考えてみると、いい意味でも悪い意味でもやばいなので、
いろんな意味を一つの言葉で表現してしまってますよね。
感情の万能ワードになっているわけです。
良くても悪くても、感情がふれると、すごく針がふれるとってことですけど、
そうすると、やばいっていうことで、全部伝わるわけですよね。
この感情の万能ワード化っていうのは、非常に危険だなと一方で思っていて、
全部やばいって、確かにやばいんですけど、
もう一声、どのようにやばかったのか、どういうやばいなのか、
ということを言語化していくと、言葉は豊かになっていくなって思います。
この配信はアップル・ポッドキャスト、他各種プラットフォームでお届けしています。
それではまた明日。
04:12
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