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おはようございます。花火鑑賞師、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
今日も最後までお付き合いください。
北の富士の思い出
元横綱 北の富士 勝明さんが、11月12日亡くなりました。
82歳でした。
私は、元気時代を知りませんし、
ここの親方と言ってしまうと、千代の富士を思い浮かべちゃうので、親方時代もあんまり認識していなかったと思います。
ですが、NHKの大相撲中継で、歯に着ぬ着せぬ解説はよく知っています。
病気療養中だというお話は聞いていたんですけれど、
この夏場所は、ビデオメッセージで皆さんに挨拶をしている姿を見て、元気そうだなって思っていました。
また放送席に戻ってくるんじゃないかなって期待していたんですが、残念です。
解説の時に時々飛び出すエピソードがものすごく面白くて、ずいぶんやんちゃだったんだなっていうことも垣間見えたりしました。
それはもうアナウンサーのデータでは見えてこないもの、北の富士山だからこそ言えることってたくさんあったんですよね。
そういう話を聞くのがすごく楽しかったなって思います。
横綱大砲のことを、あばら骨の間隔が狭くって、まるで一枚の鉄の板が入っているみたいなことを言ってた時があるんですよ。
そういうのって取り組みを実際にしないとわからないことですよね。
あとウルフと千代の富士を名付けたのは北の富士山です。
北の富士語録ってたくさんあるんだと思うんですけど、
コロナと相撲の未来
今日紹介するのは2020年、北の富士山が中日スポーツに出筆した記事の一部です。
コロナ感染が始まった2020年、その夏場所、初日に合わせて書いたもので、この夏場所は中止になったんですね。
それに合わせて書いたコラムなんですが、各界や芸能界のレジェントとの交流とか、古き良き大相撲の思い出など、おなじみの北の富士節が炸裂しているんです。
15日分あるんですけれども、初日のコラムの一部をご紹介します。
本来なら5月24日は夏場所の初日である。
しかし新型コロナウイルスに感染した若手力士が出て、夏場所中止は決定した。
そしてその力士は非合の最後を遂げてしまった。
春場所も感染者が出た段階で中止と決まっていたので妥当な判断であったと思われる。
今後の大相撲は一体どうなるのか心配である。
名古屋場所を東京で行うのは決まったようだが、コロナの第二波が来るらしい。
もしそうなると空き場所だってわからなくなる。
下手をすれば九州場所にも影響するだろう。
たとえ開催できたとしても、無観客場所となる降参が大きい。
これは他のスポーツにも言えることだ。
夏の甲子園も中止が決まり、高校球児たちも涙を飲んだ。
私も元は野球少年だっただけに同情を禁じ得ない。
夢を立たれた球児に比べ力士たちはまだ幸せである。
運が良ければ再度土俵に上がることができる。
たとえお客さんが不在でも相撲が取れるだけでもありがたいと思ってもらいたい。
そのためにはいつまでも感染を恐れて至高と鉄砲ばかりでは本場所の土俵に立ってもいい相撲を取れるはずがない。
確かに相撲という競技は体と体をぶつけ、組み合ってなんぼの世界である。
三密を避けていたらとても成り立たない。
裸の体で激しく当たり合う。
ツバキや汗も顔にかかるし、時には血すら飛んでくる。
寝る時も食事も大勢の若者が共同生活をする。
このままで打つ手がないと言っても始まらない。
教会は一丸となってこの難局を乗り切らねばならない。
と、こんなコラムなんですね。一部ですがご紹介しました。
厳しくも相撲愛にあふれた方だったなって思います。
そして中盤実はちょっと飛ばしたところなんですが、こんなことも書いてあります。
もし私が死んだ時は、とても他の新聞では一面は無理だろう。
本史とは長年の付き合いということもあるので、少しは期待していいかな。
別に一面に乗りたいわけではないので、気にしないで結構です。
死んでしまえばおしまいさ。それでも見栄を張りたいものよ、人間は。
こう書いていた北野富士さんですが、
昨日の中日スポーツの一面は北野富士さんでした。
慎んで哀悼の意を表します。