00:00
- こんにちは。
- こんにちは。
- あのー、いきなりなんですけど、
1ヶ月で91本ものアニメを見ろって言われたら、どう感じますか?
- いやー、それはちょっと、
1日3本見ても全然追いつかない計算ですよね。
- ですよね。でも今回資料を送ってくださった方は、
今期の春アニメを全部追いかけようとしているらしいんですよ。
- えっと、全部ですか?
それはもう、かなりのサバイバル環境ですね。
- そうなんですよ。
とりあえず1話は全部見るって決意されたそうなんですけど、
案の定というか、情報の香水に完全に溺れかけているみたいで。
- まあ、そうなるでしょうね。
- なので、そんな過酷な状況の中で、
送ってくださった方が最初に視聴されたという作品に、
今回はフォーカスして深掘りしていこうと思います。
- リンカーネーションの花火の第1話ですね。
あと、その制作スタジオであるベンテンフルムについて。
- はい。このベンテンフルムって、
もともとは福島ガイナックスの流れを組んでいるスタジオですよね。
- えー、そうです。
- ただ、なんかいろいろと複雑な歴史を経て、
事業を一部継承した親戚みたいな立ち位置になって聞いてるんですけど。
- そうですね。
- 実際のところ、当時のクリエイターとか、
福島とのつながりって今どれくらい残ってるんでしょうか。
- それがですね、かなり生々しく残っているんですよ。
資料を見ると、送ってくださった方は、
つい2週間前にミハルダムの近くにある、
福島桜遊学舎に行かれたそうなんです。
- あー、あのかつてのアニメ博物館の。
- えー、施設自体はもう閉館状態だったらしいんですけど。
- はい。
- 窓越しにベンテンフィルムの看板とか、
今展開しているグレンダイザーUの新しいポスターが確認できたそうなんです。
- えー、そうなんですね。
じゃあ、外から見たら時間が止まってるみたいでも、
中はしっかり稼働してるんだ。
- そういうことです。
ただ、ちょっと気になる点もありまして。
- と言いますと。
- Wikipediaなんかだと、
2026年の3月31日で施設の運用が終了する予定って書かれているらしいんですよ。
- えっと、終わっちゃうんですか?
- でも公式サイトでは特に確認できなくて、
今ちょうど3ミルも滝桜のシーズンで、
周辺がすごく渋滞しているので、
なかなか現地に最新状況を確認に行きづらいみたいですね。
- あー、あの桜の渋滞はすごいですからね。
でも中の作業はちゃんと動いてるんですよね。
- えー、もちろんです。
人材面でも、旧ガイナックス時代にNHKみんなの歌なんかを手掛けていた大港涼蔵さんとか。
- あっ、あの方ですね。
- はい。
あとは三原町のご当地アニメに関わっていた荒木真理さんなんかも、
今回の新作に参加されているんですよ。
- なるほど。
じゃあ、会社の看板が変わっても、
福島のDNAみたいなものは完全に消えずに、
じわっと現場で生きてるわけですね。
- まさにその通りです。
- なんかスタジオ自体が生き残りをかけて、
必死にバトンを繋いでる感じがしますね。
- えー、本当に。
- でもその、なんていうか、
生き急いでるような切迫感って、
今回の新作アニメの作風にも影響してたりするんでしょうか?
- あっ、そこが今回のすごく重要なポイントなんです。
リンカーネーションの破弁の第一話って、
03:02
例えるなら、乗った瞬間に頂上から垂直落下するジェットコースターみたいな感じでして、
- えっと、ちょっと待ってください。
普通ジェットコースターって、
最初はカタカタゆっくり上がっていくワクワク感がありますよね?
- それが全くないんですよ。
一話の短い時間の中に、
なんとバトルシーンを2回も詰め込んでるんです。
- 2回もですか。
それはかなり全力アピールですね。
- はい。
なぜそんな強引な構成にするかというと、
さっきの91本っていう数字が関係してくるんです。
- あー、なるほど。
ライバルが多すぎるから。
- そうなんです。
今のアニメ市場って、
最初の一話で、
これは激しい異能バトルアニメですよって、
強烈にインパクトを残さないと、
すぐ視聴者に切られちゃうんですよ。
- 確かに送ってくださった方みたいに、
大量に見てる人は特にもう時間が足りないですもんね。
- ええ。
- でもそれって逆効果になりませんか?
キャラクターの状況が最初からいきなりクライマックスだと、
見ている側は感情移入しづらくて、
置いてけぼりになりますよね。
- おっしゃる通りです。
作家のクワリティはすごく高いんですけど、
ペース配分としてはかなり危ういというか。
- ですよね。
なんかグレンライザーUの時みたいに、
今後の作画の品質に波が出ないか、
ちょっと未知数なところもありますし。
- ええ、そこも懸念点ですね。
実際設定自体もかなり尖っていまして、
主人公は天才のお兄さんにコンプレックスを持っていて、
宮本武蔵とかの偉人の才能を奪うっていう能力を手に入れるんです。
- へえ、面白そうですね。
- ただ、その能力を発動する条件が、
自分で自分を刃物で傷つけることなんです。
- うわあ、それはちょっと痛々しいですね。
なんでそんな極端な条件なんですか?
- まあ、他人の圧倒的な才能を借りるっていう思い代償を、
肉体的な痛みとして視覚化してるんでしょうね。
- ああ、なるほど。
痛みを伴うからこそ、その力の異常さが牙立つと。
- そういうことです。
- 理屈はすごくわかります。
ただ、資料を送ってくださった方って、
蚊に刺されただけでテンション下がるくらい、
痛いのがとにかく苦手らしいんですよ。
- ああ、それは完全に相性が悪かったですね。
- はい。
だからもう、相性の問題でこの作品から離脱しちゃったそうなんです。
- まあ、無理もないですよね。
でも、制作側も万人に受けようとは思ってないはずなんです。
- と言いますと?
- 91本の中で生き残るには、全員から70点をもらうより、
中二病全開の世界観が好きな一部の人に
120点で深く刺さるような極端さを選ぶしかないんですよ。
- ああ、なるほど。
それが今の過酷なアニメ業界の生存戦略なんですね。
- ええ、広く浅くじゃなくて、狭く深く刺しに行くっていう。
- そう考えると、この飽和しきったアニメ市場って、
これからどうなっちゃうんでしょうね。
- そうですね。
- 生き残るために展開がどんどん加速していくなら、
そのうち24分っていう伝統的な枠組みすら崩壊しちゃうんじゃないかって。
- うーん。
- なんかTikTokみたいに数分間のショート動画で
ハイライトだけを見せるような形に行き着いたりするんでしょうか。
- それはすごく鋭くて、現実味のある問いですよね。
06:04
私たちがアニメを楽しむ形そのものが、
今まさに試されているのかもしれません。
- 考えさせられますね。
送ってくださった方も、この91本のアニメの中から
果たして何本完走できるのか。
- へえ、気になりますね。
あと、あの時間が止まったような
福島桜遊学者の今後がどうなっていくのかも。
- はい。引き続き探究心をくすぐられるテーマですね。
それでは次回の配信も楽しみに。さようならー。