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- こんにちは。今回の資料を送ってくださった方、本当にありがとうございます。今回はですね、私自身もすごく思い入れのあるテーマでして、5月6日に71歳でお亡くなりになった俳優の大葉健二さんの徹底解剖ということで。
- はい。特撮ファンにとって、彼はただの俳優さんという枠を超えて、なんというかヒーローそのものでしたよね。
- そうなんですよ。今日の深掘りのミッションとしてはですね、彼が画面の中でなぜあれほどの圧倒的な説得力を持っていたのか、そしてその強さがカメラの回っていない現実での生き方にどう繋がっていたのか、というところを見ていきたいんです。
- まさにそこですね。
- まず、アクションの説得力についてなんですが、今の特撮って、変身前と変身後のスーツアクターさんって、分業生が当たり前じゃないですか。
- そうですね。基本的には別の方が演じますね。
- でも大葉さんって、変身後もご自身でスーツに入って演じていらっしゃったんですよね。なんというか、CGのない時代に期待抜かれた生身の体こそが最大の特殊効果だったんじゃないかって私は思うんです。
- いや、本当にその通りで、その土台にあるのが千葉新一さん、ソニー千葉さんですね。彼が率いていたJAC、ジャパンアクションクラブでの過酷な討練なんですよ。
- ああ、JACですね。
- 単に勝ち回りの手順を覚えるんじゃなくて、役者本人が高難度のスタントをワンカットでやり切るという、誤魔化しが一切効かない環境だったんですよね。
- なるほど。途中でカットを終わらないからこそ、あの命がけの熱が画面から伝わってきたわけですね。
- そうなんです。それに、大葉賢治というお名前自体、師匠の千葉さんの葉の字を受け継いでいらっしゃって。
- ああ、そっか。すでに名前の時点でヒーローの覚悟が宿っている感じがしますね。
- はい。その覚悟が爆発したのが、スーパー戦隊の巨大ロボロー戦の始まりでもあるバトルフィーバーJでした。
- ああ、バトルケニアですね。アケボの城。
- ええ。野生児のキャラクターだったんですが、彼の身体能力とあの野生身が奇跡的にマッチしていまして。
- ちなみにこの作品、名前にレンジャーじゃなくてフィーバーってついてますけど、資料によれば当時大流行してた映画のサタデーナイトフィーバーから撮ったんですよね。
- そうなんですよ。すごく肩幅りなネーミングですよね。
- かなり意外な裏話でした。で、その肩幅りな勢いのまま、あの圧倒的な強さが頂点に達したのが、何と言っても宇宙刑事ギャバンですよね。
- はい。一乗自列ですね。変身前から強くて、幕府空間に行くとさらに強くなるという、まさに頼れる兄気分でした。
- ただ、今回資料を読んでいて一番驚いたのが、あの有名なレーザーブレードのシーンでして。
- ああ、蛍光灯の話ですね。
- そう。予算とか技術的な都合で途中から本物の蛍光灯を振り回してチャンバラやってたんですよね。あれ、子供の目には伝説的にカッコよく見えましたけど。
- そうですよね。でも考えてみてください。ただのガラス缶を本気で振ったらどうなるか。
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- いや、絶対言われますよね。ガラス飛び散ったら大惨事じゃないですか。
- そうなんです。だからこそ彼の凄さが際立つところで、大葉さんは寸止めとか剣筋の完璧なコントロールで、あのむろい蛍光灯を絶対に割らないようにフルスピードで振り抜いていたんです。
- ええ、すごい。
- 予算の壁をその鍛え抜いた肉体と勢いだけで成立させてしまったんですよね。
- まさに魔法ですね。画面の中では無敵のヒーローでしたけど、現実世界での彼の決断もまたベクトルは違えど、本当に肩幅利というか。
- ええ、画面外でもヒーローでした。
- 人気絶頂だった1980年代後半に、お母様の介護のために東京を離れて、故郷の愛媛に戻られたんですよね。
- そうですね。普通なら名声とかキャリアに一番執着する時期に、華やかなスポットライトよりも家族を優先するという決断を下されたわけです。
- 本当に生外れてますよ。そういえば、その前の宇宙刑事シャイダーの終盤で、ギャバンが突然スキンヘッドで登場したことがあって。
- ああ、ありましたね。
- あれ実は、JCの実写映画、コータロー・マカリト・オウルの天皇寺役の役作りを優先した結果だったっていう裏話があって、ちょっと笑っちゃったんですけど。
- いやでも、それも彼らしさですよね。
- 彼の中では常に、今自分が全力を尽くすべき場所はどこかっていう優先順位が明確だったんだなって思います。
- おっしゃる通りです。自分のキャリアや名声よりも、家族や仲間、そして作品のために躊躇なく身を投じる。その決断こそが、彼が真の意味でヒーローである何よりの証拠だと思いますね。
- なるほど。2010年代の映画に再びギャバンとして登場した時、劇場で多くのファンが涙したのも裏付けます。
- ええ、記憶の中のヒーローがどれほど大きな力を与えてくれていたかということですよね。
- はい。それでは最後に、今回の資料を送ってくださった方に向けて、こんな問いを共有して終わりにしたいと思います。
- はい。
- 子供の頃に憧れた画面の中の圧倒的な強さ、そして大人になってから気づく現実での自己犠牲という強さ。真のヒーローとは、その両方の世界を行き来して、どちらでも強さを示せる人のことを言うのではないでしょうか。
- 本当にそうですね。大葉さんの生き様がまさにそれを教えてくれている気がします。
- ええ。それでは次回の配信もお楽しみに。さよなら。