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こんにちは。あのー、今回、資料を読んで私、すごくハッとしたんですよね。
こんにちは。あ、ハッとしたというのは、どういったところで?
何ですかね。たった一度しか行ったことがなくて、しかも本来の目的すら果たしていない場所が、いきなり自分の人生を劇的に変えてしまう。
ええ。
でも、そんな奇跡みたいな場所が、ある日突然なくなってしまったらどう感じるんだろうって。
なるほど。
今回送ってくださった方と一緒に深掘りしていくのは、福島県いわき市にあったミニシアター「くらもとの閉館」と、ある著者の逸説な後悔についてなんです。
ああ、あのー、どこかコミカルでありながら、切実な思いが綴られた資料ですね。
そうなんです。なので、今日のミッションは、なぜ私たちは、いつでも行けると錯覚してしまうのか、この真理の裏側を探っていこうと思います。では、紐解いていきましょうか。
はい。早速ですが、このくらもとという映画館、成り立ちが非常に特殊なんですよね。
特殊と言いますと?
これがですね、驚くことに客席がたったの12席しかないんですよ。
えーっと、12席ですか?それはまた何というかかなりコンパクトですね。
そうなんですよ。館主の方が年間12万円で映画上映ができるという制度を活用して、もうほぼ個人の情熱だけで作り上げたマイクロシアターなんです。
12席ってビジネスというより完全に個人の熱意の結晶ですよね。
ええ、まさに。
でも、ちょっと意地悪な見方をすると、たった12席の規模なら経営的な限界が来て閉館するのも、ある意味で自然な流れに思えるんです。
そうですね。
なぜこの小さな劇場の閉館が、著者の人生観を揺るがすほど大きな意味を持ったんでしょうか。
そこがですね、非常に興味深いところでして、日本のミニシアター文化の本質に関わってくるんです。
ほうほう。
映画会社が扱わないような作品を、どうしても見てほしいっていう、館主の強い思いで届ける空間なんですよね。
なるほど。思いが詰まった場所なんですね。
ええ。倉本もまさにその純度が高くて、映画だけじゃなく、そこに集まるカルチャー全体を発信していたんです。
だからこそ、著者のあの皮肉な体験が生まれるわけですね。
著者はこの映画館に一度下行ってなくて、しかも肝心の映画は見てないんですよね。
そうそう。下の喫茶スペースを利用しただけでしたよね。
なのに、そこで偶然手に取った座院と呼ばれる小冊子に、その後の人生を変えられるほどの衝撃を受けてしまった。
本来の目的である映画鑑賞すらしていないのに、その空間が発する文化の引力みたいなものに動かされたわけですよね。
それほどまでに濃密な地場を持った場所だったということです。
これ、私なりの例えなんですけど。
はい。
まるで試食だけして、「うわ、これ人生最高の味だ!」って感動したのに、本商品を買わずに満足してたら、お店自体が潰れてしまった、みたいな。そんな感じですよね。
ああ、確かに。強烈な地場を持っていたのに、すれ違ってしまったわけですね。
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これをより大きな視点で捉えると、すごく重要な問題が見えてきます。
と、言いますと?
地方の文化って、持続可能な仕組みではなくて、実は一人の情熱に大きく依存している危険性があるんですよ。
ああ、つまり今回の大黒柱が折れてしまったと。
その通りです。実際、福岡出身の館舎さんが家族の事情で地元へ戻るという、個人の事情の変化だけで屋台骨が揺らいでしまったんですよね。
個人の方の人生の変化だけで。
はい。その後も地域のボランティアの支援で遠隔運営を続けていたそうですが、やはり限界があって、2024年の10月に閉館してしまいました。
なんというか、家全体を支えている強固なシステムだと思って寄りかかっていたら、実は生身の人間が一人で支えていた一本の柱だった、みたいな。
まさにそれです。物理的に立派な竜桃があると、行政とか企業の強固なシステムで永遠に維持されるって無意識に思い込んじゃいますよね。
ありますね。誰かの自己犠牲とか、無理の上に成り立っていた糸が切れた瞬間、そこにあった文化の集積ごと消え去ってしまう。
ええ。
だからこそ、著者のまた今度でいいやは案外ないっていういたせつな教訓が響くんですね。
まさにその真理です。システム化されていない個人の情熱は、熱量が高い一方で、物理的な限界にすごく弱いんですよ。
いや、いつでもいける、は絶対に保証されていない。これは本当に胸に刻みたいですね。
本当にそうですね。これは重要な問いを投げかけていると思います。ここで資料を送ってくださった方に少し考えていただきたい。資料にはない新しい思考の種があるんです。
なんでしょうか。
今送ってくださった方の身の回りで、実は誰かの情熱だけで奇跡的に成り立っている場所ってどこでしょうか。
なるほど。
もしそこが明日なくなるとしたら、今日何をしますかということですね。
いやー、すごく考えさせられますね。ぜひ思い当たる場所へ足を運んでみてください。次回の配信もお楽しみに。さよならー。